“いざという時”の「ファースト・スクリーン」は依然として“テレビ”

“いざという時”の「ファースト・スクリーン」は依然として“テレビ”
~VR CUBIC 行動ログ分析より~
2016 年 12 月 6 日
株式会社ビデオリサーチ(本社:東京都千代田区、社長:加藤讓、以下ビデオリサーチ)は、
『VR
CUBIC データ』を用いて生活者とメディアの情報接点について、これまで様々な視点で分析を行な
ってまいりました。
今回は身の回りのメディアである“テレビ”とスマートフォンやタブレット端末などの“スマー
トデバイス”のどちらが真っ先に見られているのか?(≒ファースト・スクリーン)といった視点
で、11 月 22 日(火)早朝に発生した福島県沖地震において、一都六県居住者がどのように情報を
入手したのかを分析いたしましたので、お知らせいたします。
【Point】
5:59 に福島県沖地震が発生。地震発生直後、6:00~6:03 にかけて、テレビやスマート
デバイスの稼働が急上昇。(上昇の内訳はほとんどがテレビ)
5:59~6:08 の 10 分間に起床したと思われる人の内、約 8 割が真っ先にテレビをつけて
おり、スマートデバイスを立ち上げた人は約 2 割。
まずテレビをつけた人は男性 35~49 才、男性 50~69 才がボリュームゾーン。
一方スマートデバイスを立ち上げた人は男女 15~19 才、男性 20~34 才が半数弱を占める。
なお、スマートデバイス起動者はその後、再び OFF 状態に戻っており、再び就寝した様子
がうかがえる。
【イメージ】
5:59
6:00~
ファースト・スクリーン
~6:08
テレビ起動
17.4%
睡眠中?
100%
起床?
22.0%
スマートデバイス起動
4.6%
8 ・・ 2
起床者の
「ファースト・スクリーン」比率
【詳細】
□ “いざという時”に稼働する「ファースト・スクリーン」
11 月 22 日(火)5:59 に発生した福島県沖地震につきましては、福島県をはじめ、茨城県、栃木県の
一部でも震度 5 弱を記録し、一部の地域では津波警報が発令されるなど、早朝から緊迫した報道がな
されました。
大半がまだ就寝中であった可能性が高いので、一都六県在住の CUBIC モニターの人たちが地震を感
知して、まずどのメディアに触れたのか?を調べることによって、その人にとっての「ファー スト ・
スクリーン」がわかるのでは?という視点で分析しました。
なお、今回の分析は、大半の人が在宅している早朝であったことや震源から比較的離れた地域での
情報収集行動を分析したものになりますので、例えば日中外出時や震源付近での情報収集行動はこの
限りではありませんので予めご了承下さい。
分析は、CUBIC モニターのうち、TV の視聴行動ならびにスマートデバイスの閲覧履歴を収集可能な
628s を対象に性年代構成を補正した上で行いました。
□ 11 月 22 日(火)早朝の機器稼働状況は?
まず 11 月 22 日(火)早朝の機器稼働はどのようなものだったのでしょうか?
地震発生の 5:59 時点、CUBIC モニターの内、テレビかスマートデバイスいずれかに接触していた人
の割合は 12.2%で、この時点では前週 11 月 15 日(火)の 13.8%よりもやや低い稼働状況でした。
しかし、地震発生直後の 6:00 から 6:03 にかけて、稼働率は倍増しており、その後も高水準で推移
していることが分かります。(図 1)
(%)
30.0
11/22稼働計
24.6
11/15稼働計
25.0
23.0
20.0
16.6
13.8
15.0
12.3
10.0
地震発生 12.2
5:55
5:56
5:57
5:58
5:59
6:00
6:01
6:02
6:03
6:04
6:05
6:06
6:07
6:08
6:09
6:10
6:11
6:12
6:13
6:14
6:15
6:16
6:17
6:18
6:19
6:20
6:21
6:22
6:23
6:24
6:25
6:26
6:27
6:28
6:29
5.0
図1
11 月 22 日(火)と 11 月 15 日(火)のテレビまたはスマートデバイス稼働率比較
さらに、稼働の内訳を見てみると 6:00 から 6:03 にかけての増加は、そのほとんどがテレビによ
るものであることがわかります。(図 2)
※スマートデバイス(グラフ内は“SD”と表記)稼働
…
(%)
30.0
地震関連サイト問わず、SD による全ての Web ブラウジングもしくはアプリ稼働を指します。
SDのみ閲覧
TVとSDながら
1.1 1.1 0.9 0.9
0.8 0.9 0.7 0.7 0.3 0.9 0.7 0.7 0.4 0.5 0.50.3
0.9 0.8 0.9 0.5 0.5 0.5
1.3
1.2
25.6
1.2 0.7 24.9
25.0 25.0 24.925.625.325.6 24.925.3 25.3 25.0 24.925.325.325.6
1.9
25.6
25.2 25.2
25.2
1.3 23.6 23.8 24.9 24.9 24.5
22.8 23.6
21.7
TVのみ視聴
25.0
20.0
0.3
16.3
15.0
0.1 0.1
11.2 11.8 12.0
10.0 11.2 11.4 11.9
5:55
5:56
5:57
5:58
5:59
6:00
6:01
6:02
6:03
6:04
6:05
6:06
6:07
6:08
6:09
6:10
6:11
6:12
6:13
6:14
6:15
6:16
6:17
6:18
6:19
6:20
6:21
6:22
6:23
6:24
6:25
6:26
6:27
6:28
6:29
5.0
図2
11 月 22 日(火)機器稼働率の内訳
テレビ×スマートデバイス
(%)
22.8
25.0
特に変化が大きかった、6:03 時点の
20.0
稼働率を前週同時刻からの増加で見てみる
と、テレビは前週の 1.5 倍に、数は少ない
もののスマートデバイスでは前週の 9.5 倍
増加しています。(図 3)
14.8
15.0
10.0
1.9
5.0
0.2
0.0
11/15TV
図3
11/22TV
11/15SD
6:03 時点での機器稼働率
11/22SD
15 日→22 日
□ あなたにとっての「ファースト・スクリーン」は?
ここからは「ファースト・スクリーン」について分析したいと思います。
ここでは地震が発生した 5:59 時点でいずれのメディアにも接触していなかった(その時点では寝
ていたと思しき)人たちが 5:59~6:08 の 10 分間でまず初めにどのメディアを立ち上げたかを確認
しています。
5:59 時点でまだいずれのメディアにも接触していない人たち(656s)を 100%とした時、地震発
生後 10 分間でいずれかのメディアに接触した人は 22.0%(144s)。その内、最初に接触したメディ
アは「テレビ」という人が 17.4%(114s)、「スマートデバイス」という人が 4.6%(30s)となって
おり、5:59 時点でいずれのメディアにも接していなかった人たちを、就寝中だったと見なすと、地
震発生直後、起床者の約 8 割が“まず初めにテレビをつけた”と見ることができます。(図 4)
OFF≒睡眠
100.0%
(656)
5:59
地震発生
~
ON≒起床
22.0%
(144)
TV
17.4%
(114)
6:08
図4
8
:
2
SD
4.6%
(30)
11 月 22 日(火)5:59~10 分間の起床者と「ファースト・スクリーン」比率
また、性年代別で見ると、まず「テレビを見た人」は M2(男性 35~49 才)、M3(男性 50~ 69 才)
がボリュームゾーンとなっており、まず「スマートデバイスを見た人」は Teen(男女 15~19 才)、
M1(男性 20~34 才)などの若年層が半数弱を占めています。就寝中に地震を感知し、真っ先に状況
確認するメディアが年代によって異なるということが垣間見える結果となりました。(図 5)
※「SD を見た人」はサンプル数が少ないため参考値としてお留め置きください。
0%
個人全体(747)
50%
Teen M1
8.9 12.7
TVを見た人(114) 1.9 9.5
SDを見た人(30)
図5
21.5
M2
16.9
21.0
M3
16.9
20.7
25.1
100%
F1
12.0
13.9
10.0
11.8
F2
15.7
F3
16.8
16.7
16.5
11.3
10.0
10.4
「ファースト・スクリーン」による性年代の違い
ちなみに、まず「スマートデバイスを見た人」のその後の行動ログを見ると、ほとんどの人が再び、
スマートデバイス自体を「OFF」にしており、状況を確認した後、再び就寝した様子がうかがえます。
<VR CUBIC>
『VR CUBIC』は、近年のメディア環境の変化により生じている、
•生活者の多様化
•各種デバイスの登場によるメディア接触の複雑化
•コンテンツ視聴形態の多様化
のそれぞれに対応するため、シングルソースでテレビ/ネットの接触を機械式で測定するサービ
スです。
テレビ・パソコン・スマートデバイス(スマートフォン/タブレット)の接触状況を実測で測
定することで、各メディアの到達や重なり、メディア接触者のサイト接触行動を確認するだけで
なく、実際のコンテンツ接触者の詳細なプロフィールを明らかにするなど、
「テレビ×ネット」の
関係性を把握するためのマーケティングデータとしてご活用いただけます。
<お問い合わせ先> (株)ビデオリサーチ コーポレートコミュニケーション室 TEL.03-5860-1723