別 紙 業務用冷凍空調機器からのフロン類充塡量及び回収量等集計結果の詳細 1.背景 (1)フロン類の回収義務と充塡行為の適正化 フロン排出抑制法に基づき、業務用冷凍空調機器(業務用エアコン及び業務用 冷凍・冷蔵機器)の廃棄時等及び整備時において、冷媒として使用されているフ ロン類の回収が義務付けられています。また、整備時に際しても、フロン類の排 出抑制を図る目的で、充塡が適正に行われるよう必要な措置を講じなければなら ないとされています。 (2)充塡量及び回収量等集計の法的根拠 フロン排出抑制法において、第一種フロン類充塡回収業者(業務用冷凍空調機 器への冷媒フロン類の充塡や、業務用冷凍空調機器からの冷媒フロン類の回収を するため都道府県知事に登録している者)は、前年度に充塡、回収したフロン類 の量等を都道府県知事に毎年度報告し、都道府県知事はその報告に係る事項を主 務大臣(環境大臣及び経済産業大臣)に通知しなければならないこととされてい ます(法第47条第3項及び第4項)。 主務大臣は、この通知事項等を整理して特定製品に係るフロン類の充塡、回収 の状況等の情報を公表することとされていることから(法第94条)、今般、この 規定に基づき、第一種特定製品に関するフロン類の充塡量及び回収量等の集計結 果を公表するものです。 2.平成27年度のフロン類充塡量及び回収量等について (1)第一種フロン類充塡回収業者による充塡量及び回収量等(表1) フロン排出抑制法に基づき第一種フロン類充塡回収業者から報告のあった平成 27年度におけるフロン類を充塡した第一種特定製品数の合計は610,488台、充塡量 は約5,165トンとなりました。また、フロン類を回収した第一種特定製品数の合計 は1,538,027台、回収量は約4,841トンとなりました。 充塡した第一種特定製品数のフロン類の種類別の内訳は、CFCが3,498台(約 0.6%)、HCFCが138,099台(約22.6%)、HFCが468,891台(約76.8%)で した。また充塡量の内訳は、CFCが約46トン(約0.9%)、HCFCが約1,932 トン(約37.4%)、HFCが3,187トン(約61.7%)でした。 回収した第一種特定製品数のフロン類の種類別の内訳は、CFCが52,704台(約 3.4%)、HCFCが503,027台(約32.7%)、HFCが982,296台(約63.9%)で 1 した。また回収量の内訳は、CFCが約165トン(約3.4%)、HCFCが約3,169 トン(約65.5%)、HFCが約1,507トン(約31.1%)でした。 また、平成27年度のフロン類回収量の全体フローを図1に示しています。 表1 第一種フロン類充塡回収業者による充塡量及び回収量等(平成27年度) 合計 充 塡 量 設置 以外 設置時 合計 回 収 量 廃棄時 等 整備時 CFC HCFC HFC 合計 充塡した第一種 特 定製品数 (台) 3,498 138,099 468,891 610,488 充塡量 (Kg) 46,456 1,931,965 3,187,108 5,165,530 充塡した第一種 特 定製品数 (台) 2,214 123,948 326,500 452,662 充塡量 (Kg) 34,228 1,755,489 1,409,496 3,199,214 充塡した第一種 特 定製品数 (台) 1,284 14,151 142,391 157,826 充塡量 (Kg) 12,228 176,476 1,777,612 1,966,316 回収した第一種特定製品数 (台) 52,704 503,027 982,296 1,538,027 回収量 (Kg) 165,109 3,169,116 1,507,086 4,841,311 年度当初の保管量 (Kg) 13,484 115,930 82,522 211,936 破壊業者に引き渡された量 (Kg) 104,270 1,980,967 1,057,543 3,142,781 再利用等された量 (Kg) 60,425 1,177,526 436,241 1,674,192 年度末の保管量 (Kg) 13,873 126,189 95,669 235,731 回収した第一種特定製品数 (台) 50,931 432,923 808,959 1,292,813 回収量 (Kg) 141,196 2,622,826 735,149 3,499,171 年度当初の保管量 (Kg) 8,735 71,489 23,267 103,491 破壊業者に引き渡された量 (Kg) 96,895 1,671,012 501,036 2,268,943 再利用等された量 (Kg) 44,902 947,894 230,642 1,223,439 年度末の保管量 (Kg) 8,134 75,266 26,735 110,135 回収した第一種特定製品数 (台) 1,773 70,104 173,337 245,214 回収量 (Kg) 23,913 546,290 771,938 1,342,140 年度当初の保管量 (Kg) 4,749 44,441 59,256 108,445 破壊業者に引き渡された量 (Kg) 7,376 309,955 556,507 873,838 再利用等された量 (Kg) 15,522 229,632 205,599 450,754 年度末の保管量 (Kg) 5,739 50,923 68,934 125,595 注1 小数点第一位を四捨五入したため、数値の和は必ずしも合計欄の値に一致しない(以下表2、表3で同じ)。 注2 充塡量において、「設置以外」とは機器のメンテナンス時に冷媒を補充する場合であり、「設置時」と は機器の設置時に冷媒を充塡する初期充塡を行う場合である(以下同じ)。 注3 回収量において、「廃棄時等」とは、廃棄する場合に加え、商品等のリサイクルを目的としてリサイク ル業者等に機器を譲渡する場合も含む。「整備時」とは、機器の整備・点検の際にフロン類の抜き取り 作業を行う場合である(以下同じ)。 注4 「再利用等された量」とは、第一種フロン類再生業者に引き渡された量、フロン類回収業者が自ら再利 用した量及び第一種フロン類再生業者又はフロン類破壊業者に確実に引き渡す者として都道府県知事 が認める者に引き渡された量の合計(以下同じ)。 2 再利用等された量 (1,674 t) 廃棄時等 : 1,223 t 整備時 : 451 t その他再利用等された量 (1,101t) 年度当初保管量 ( 212 t ) 廃棄時等 : 781 t 整備時 : 320 t 第一種フロン類充塡回収業者 による回収量 ( 4,841 t ) 廃棄時等 : 3,499 t 整備時 : 1,342 t 年度末保管量 ( 236 t ) 第一種フロン類再生業者 (573 t ) 廃棄時等 : 442 t 整備時 : 131 t フロン類破壊業者 (3,143 t ) 廃棄時等 : 2,269 t 整備時 : 874 t ※ 小数点以下を四捨五入しているため、表中の数値の和は必ずしも合計の値に一致しない。 図1 フロン類回収量の全体フロー 3 (2)フロン類充塡量及び回収量等の前年度との比較(表2) 平成27年度におけるフロン類を回収した第一種特定製品数の合計は、前年度か ら約10.3%増加し1,538,027,台となっています。廃棄時については、前年度から 約9.7%増加し1,292,813台、整備時については、約13.5%増加し245,214台となっ ています。 回収量の合計は前年度から約9.4%増加し約4,841トンとなっています。廃棄時 については、前年度から約16.7%増加し3,499トン、整備時については、約5.8% 減少し1,342トンとなっています。 表2 フロン類充塡量及び回収量等の前年度との比較 平成26年度 平成27年度 合計 充 塡 量 設置 以外 設置時 合計 回 収 量 注1 増減率 充塡した第一種特定製品数 (台) - 610,488 - ( - ) 充塡量 (Kg) - 5,165,530 - ( - ) 充塡した第一種特定製品数 (台) - 452,662 - ( - ) 充塡量 (Kg) - 3,199,214 - ( - ) 充塡した第一種特定製品数 (台) - 157,826 - ( - ) 充塡量 (Kg) - 1,966,316 - ( - ) 回収した第一種特定製品数 (台) 1,394,043 1,538,027 143,984 ( 10.3% ) 回収量 (Kg) 4,423,841 4,841,311 417,470 ( 9.4% ) 27年度当初の保管量 (Kg) 201,487 211,936 10,450 ( 5.2% ) 破壊業者に引き渡された量 (Kg) 3,099,122 3,142,781 43,659 ( 1.4% ) 再利用等された量 (Kg) 1,315,854 1,674,192 358,338 ( 27.2% ) 27年度末の保管量 (Kg) 209,700 235,731 26,031 ( 12.4% ) 回収した第一種特定製品数 (台) 1,178,018 1,292,813 114,795 ( 9.7% ) 回収量 (Kg) 2,998,920 3,499,171 500,251 ( 16.7% ) (Kg) 102,243 103,491 1,248 ( 1.2% ) (Kg) 2,223,802 2,268,943 45,141 ( 2.0% ) 再利用等された量 (Kg) 774,555 1,223,439 448,883 ( 58.0% ) 27年度末の保管量 (Kg) 102,278 110,135 7,857 ( 7.7% ) 回収した第一種特定製品数 (台) 216,025 245,214 29,189 ( 13.5% ) 回収量 (Kg) 1,424,921 1,342,140 -82,781 ( -5.8% ) 27年度当初の保管量 (Kg) 99,243 108,445 9,202 ( 9.3% ) 破壊業者に引き渡された量 (Kg) 875,320 873,838 -1,482 ( -0.2% ) 再利用等された量 (Kg) 541,299 450,754 -90,545 ( -16.7% ) 27年度末の保管量 (Kg) 107,421 125,595 18,174 ( 16.9% ) 廃棄時 27年度当初の保管量 等 破壊業者に引き渡された量 整備時 増減 充塡量の集計は今回調査より開始されたため、平成26年度は空欄となっている。 4 (3)フロン類の種類別の回収台数及び回収量の前年度との比較(表3) 回収した第一種特定製品数(合計)のフロン類の種類別では、前年度に比べて CFCが6,160台減少、HCFCが46,277台増加、HFCが103,867台増加してい ます。 また回収量(合計)は、前年度に比べてCFCが約15トン増加、HCFCが約 323トン増加、HFCが約80トン増加しています。 表3 フロン類の種類別の回収台数及び回収量の前年度比較 CFC 合 計 廃 棄 時 等 整 備 時 平成26年度 (構成比) 平成27年度 (構成比) 増減 平成26年度 (構成比) 平成27年度 (構成比) 増減 平成26年度 (構成比) 平成27年度 (構成比) 増減 注1 HCFC 台数 回収量 台数 (kg) (台) (台) 58,864 150,011 456,750 4.2% 3.4% 32.8% 52,704 165,109 503,027 3.4% 3.4% 32.7% -6,160 15,097 46,277 56,756 118,697 386,829 4.1% 2.7% 27.7% 50,931 141,196 432,923 3.3% 2.9% 28.1% -5,825 22,499 46,094 2,108 31,314 69,921 0.2% 0.7% 5.0% 1,773 23,913 70,104 0.1% 0.5% 4.6% -335 -7,402 183 HFC 回収量 台数 (kg) (台) 2,846,525 878,429 64.3% 63.0% 3,169,116 982,296 65.5% 63.9% 322,591 103,867 2,212,224 734,433 50.0% 52.7% 2,622,826 808,959 54.2% 52.6% 410,602 74,526 634,300 143,996 14.3% 10.3% 546,290 173,337 11.3% 11.3% -88,011 29,341 回収量 (kg) 1,427,305 32.3% 1,507,086 31.1% 79,781 667,999 15.1% 735,149 15.2% 67,150 759,306 17.2% 771,938 15.9% 12,631 廃棄時等、整備時における構成比は、合計の台数もしくは回収量を分母とした比率。 5 3.廃棄時等の回収率について 業務用冷凍空調機器の廃棄時等における冷媒フロン類の回収率は、機器の年度別出 荷台数、経年別廃棄台数割合、フロン類初期充塡量等から廃棄時残存冷媒量を経済産 業省において推計し、これと廃棄時等回収量との比率で算定しています。 平成27年度の廃棄時残存冷媒量は約9,251トンと推計され、同年度の廃棄時等回収 量は約3,499トンであることから、フロン類の廃棄時等回収率は約38%と推定されま す。なお、地球温暖化対策計画(平成28年5月閣議決定)において目標指標となって いる「廃棄時等のHFC回収率」について、現時点における知見をもとに試算したと ころ、約22%となりました。 ※ 整備時については、要整備機器台数や整備対象機器の含有冷媒量の推計が困難なため回収率は算定されてい ません。 表4 フロン類廃棄時等回収率及び回収量の推移 (回収量単位:t) 廃棄時等回収率 廃棄時残存冷媒量 廃棄時等回収量 整備時回収量 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 注1 35% 29% 30% 31% 32% 27% 28% 30% 31% 29% 34% 34% 32% 38% 5,676 6,414 7,089 7,482 8,030 8,310 8,154 7,232 7,746 8,872 9,330 9,175 9,328 9,251 1,958 1,889 2,102 2,298 2,542 2,273 2,276 2,190 2,396 2,579 3,143 3,088 2,999 3,499 平成19年度より整備時回収量の報告が追加 6 895 1,497 1,411 1,498 1,379 1,400 1,375 1,425 1,342 合計 1,958 1,889 2,102 2,298 2,542 3,168 3,773 3,601 3,895 3,958 4,543 4,463 4,424 4,841
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