第3章 緑の将来像と計画の目標 1.基本理念と緑の将来像 1-1.基本理念 大山崎町は、緑に恵まれたまちです。 京都・大阪という大都市に近い距離にあって、天王山の緑や淀川の水辺といった豊かな自然環境 に恵まれた町です。 こういった緑は、町の財産であると同時に、広域・地域の財産でもあり、住民のみなさんや来訪 者の方にも利用されています。 一般的な都市では、市街地の発達にともなって緑が減少し、減少した緑を復活させるために多大 な労力を払っている今日にあって、本町は、非常に恵まれた環境にあると言えます。 したがって、このような自然が、今後も町と広域・地域にとって財産でありつづけることが重要 です。 また、住民のみなさんが、自然と共生し、日常生活の中で気軽にふれあえるように緑を整えてい くことも重要です。 さらに、身近な生活空間の中でも公園や生垣の緑、市街地に残っている農地の保全・活用などに よって、人の暮らしの場も豊かな環境で満たされたまちとして発展していくことが望まれます。 今ある緑を保全する活動や、身近な緑を増やす活動には、行政の力だけではなく、住民のみなさ んや民間事業者のみなさんの力が不可欠なものです。地域からのまちづくり、住民主体のまちづく りの重要性が叫ばれている現在においては、住民のみなさんや民間事業者のみなさんの力が大きな 役割を果たします。 行政の力、住民のみなさんや民間事業者のみなさんの力を集め、組み合わせ、協働による緑の活 動を進めることによって、自然と共生する将来の大山崎町が実現していくものと考えます。 -28- 1-2.緑の将来像 ●拠点の構成● 【駅周辺の緑の拠点】 JR山崎駅と阪急大山崎駅周辺について、町の玄関を飾る緑の拠点として緑化を推進していき ます。 【役場周辺の緑の拠点】 町中央部の役場周辺は、公共施設が集積したシビックゾーンとなっているため、多くの住民が 集まる場所を飾る緑化を推進します。 【IC・JCT 周辺の緑】 現在、整備が進められている名神高速道路大山崎 IC と京都第二外環状線との JCT 周辺につい て、新たな町の玄関口を飾り、緑豊かな大山崎町をアピールできる緑化演出を図ります。 ●軸の構成● 【桂川(淀川)の軸】 町の自然を代表する 1 つの要素となっている桂川(淀川)を位置づけます。 【小泉川の水辺軸・小畑川の水辺軸】 桂川に流れ込む小泉川と小畑川の水辺を位置づけ、その水辺空間を町内での歩行者系動線とし て活用していきます。 【(仮称)ふるさとの道】 市街地部において、天王山の緑と桂川の水辺空間を結びつける歩行者系動線ネットワークの形 成を推進します。 -29- ●面の構成● 【天王山の緑】 町域西部に広がる天王山の緑を位置づけ、豊かな自然環境を次世代に継承できるよう、保全し ていきます。 【桂川(淀川)の水辺空間】 河川敷空間も含めて桂川(淀川)と一体となった雄大な水辺空間を位置づけます。 【緑豊かな落ちついた住宅地】 JR山崎駅の北側、天王山の裾野に広がる落ちついた住宅地を位置づけます。天王山の緑の保 全と住宅地の生垣の緑の充実を図り、しっとりとした住宅地の環境を維持していきます。 【農地の緑を活用するゾーン】 町域北側の円明寺地区では、残っている農地での宅地化を進めながら、緑としての活用につい ても検討していきます。 【工業地の緑】 国道 171 号と桂川に挟まれた工業地の工場敷地内の緑を位置づけます。これは、工場と周辺地 区との緩衝機能を果たす緑となります。 【市街地を埋める緑】 広く市街地を覆う緑であり、住民の暮らしの場を飾る身近な公園や住宅地の生垣など、小さな 緑が面的に広がっていくことを目指します。 -30- ■ 緑の将来像図 -31- ■ 既成市街地での緑のネットワークのイメージ図 -32- 2.計画のフレームと目標 2-1.計画のフレーム ①計画対象区域 本計画の対象区域は、都市計画区域全域(=町全域)とします。 ②計画の目標年次 計画の目標年次は、「大山崎町第 4 次総合計画」「都市計画マスタープラン」との整合を図り、 平成 37 年を目標年次とします。また、平成 32 年を中間年次とします。 ③将来人口 目標年次における将来人口は、「大山崎町第 4 次総合計画」における目標人口である、14,700~ 14,900 人に基づき、おおむね 15,000 人とします。 ④将来市街地規模 今後は人口が減少傾向にあることから、将来市街地は拡大せず、現況の市街化区域同様の 318ha とします。 2-2.計画の目標 ■緑全体に関する目標 ①緑地確保目標量 平成 37 年の緑地目標量は、以下のとおりとします。 目標年次における 緑地確保目標量 将来市街地面積に対する割合 都市計画区域面積に対する割合 10.4% 48.2% ②公園緑地に対する満足度 住民アンケートで、公園・緑地の環境を「良い」と答えた人の割合が 49.5%※となることを目指 します。 年 次 公園緑地の環境を「良 い」と答えた人の割合 現況(平成 26 年) 目標年次(平成 37 年) 28.1% 49.5% ※第 4 次総合計画の目標値 -33- ■公園に関する目標 ③都市公園等の整備目標量 都市公園の整備目標を、10 ㎡/人以上とします。また、公共施設緑地等を含めた都市公園等の整 備目標は、長期的には 20 ㎡/人を目指すことします。 年 次 都市公園の整備目標 現況(平成 28 年) 目標年次(平成 37 年) 10.0 ㎡/人 10 ㎡/人以上 ※長期的には、都市公園等を含めて 20 ㎡/人を目指します ④新設公園の緑化目標 新設公園の緑被率を 30%以上とします。 ■緑の住民活動に関する目標 ⑤住宅の緑化目標 新設集合住宅においては緑化率6%以上とします。(開発指導要綱による) ⑥まちづくりへの町民の参加・協働への満足度 まちづくりへの町民の参加・協働への満足度が 16.5%※となることを目指します。 年 次 まちづくりへの町民の参 加・協働への満足度 現況(平成 26 年) 目標年次(平成 37 年) 6.5% 16.5% ※第 4 次総合計画の目標値 -34-
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