第9回アレルギー疾患対策推進協議会

第9回アレルギー疾患対策推進協議会議事次第
日
時:平成28年12月2日(金)
場
所:厚生労働省
議
事
10:00~12:00
共用第6会議室(3階)
次
第
1
開
2
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(案)について
3
その他
【資
会
料】
議事次第
座席表
アレルギー疾患対策推進協議会委員名簿
資料1
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(案)(未定稿)
第8回、第9回協議会資料
資料2
参考資料1
対照表
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(案)(未定稿)
アレルギー疾患対策基本法
第9回 アレルギー疾患対策推進協議会 座席表
平成28年12月2日(金)
10:00~12:00 厚生労働省 共用第6会議室(3階)
園
部
委
員
坂
元
委
員
斎
藤
会
長
栗
山
委
員
倉
本
委
員
○
○
○
○
○
武川委員 ○
○ 岸平委員
本田委員 ○
○ 加藤委員
松本委員 ○
○ 岡本委員
山口委員 ○
○ 今井委員
西間参考人 ○
○ 荒木田委員
○
○
○
○
○
魚
谷
が
ん
・
疾
病
対
策
課
長
補
佐
渡
辺
が
ん
・
疾
病
対
策
課
長
福
島
健
康
局
長
丹
藤
が
ん
・
疾
病
対
策
課
長
補
佐
山
田
が
ん
・
疾
病
対
策
課
長
補
佐
事務局
アレルギー疾患対策推進協議会委員名簿
(平成28年11月1日現在)
委員名
所属・役職
あ ら き だ み か こ
国際医療福祉大学
荒木田 美香子 小田原保健医療学部看護学科長
いまい
たかのり
今井 孝成
え び さ わ
もとひろ
海老澤 元宏
○
国立病院機構相模原病院臨床研究センター
アレルギー性疾患研究部長
おかもと
よしたか
国立大学法人千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教授
かとう
のりと
京都府立医科大学院医学研究科皮膚科学教授
岡本 美孝
加藤 則人
き し だいら な お こ
千葉市教育委員会保健体育課指導主事
くらもと
国立研究開発法人森林総合研究所森林植生研究領域植生管理研究室長
岸平 直子
しげ お
倉本 惠生
く り やま
ま
り
こ
栗山 真理子
◎
昭和大学医学部小児科学講座 講師
さいとう
ひろひさ
斎藤 博久
さかもと
のぼる
坂元 昇
そのべ
こ
園部 まり子
たけかわ あつゆき
武川 篤之
NPO法人アレルギー児を支える全国ネット
「アラジーポット」代表
国立研究開発法人国立成育医療研究センター副所長
川崎市健康福祉局医務監
NPO法人アレルギーを考える母の会代表
アレルギー患者の声を届ける会代表理事
たなべ しんいち
早稲田大学 理工学術院 創造理工学部建築学科 教授
にった
ひろし
国立研究開発法人国立環境研究所環境健康研究センターフェロー
ほ ん だ
ま ゆ み
田辺 新一
新田 裕史
本田 麻由美
読売新聞東京本社医療ネットワーク事務局 次長
まつもと
きちろう
公益社団法人日本医師会常任理事
やまぐち
まさお
帝京大学医学部内科学講座教授
松本 吉郎
山口 正雄
◎会長
○会長代理
(五十音順・敬称略)
資料1
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(案)
(未定稿)
第8回、第9回協議会資料 対照表
目次
第1
第2
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項
アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予
防のための施策に関する事項
第3 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項
第4 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項
第5 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項
第9回協議会資料
第8回協議会資料
本指針は、アレルギー疾患対策基本法に基づき、
アレルギー疾患対策を総合的に推進することを目
的に、定めるものとする。
本指針におけるアレルギー疾患とは、アレルギ
本指針におけるアレルギー疾患とは、アレルギ
ー疾患対策基本法(平成 26 年法律第 98 号)に定
ー疾患対策基本法(平成 26 年法律第 98 号。以下
められており、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、 「法」という。
)に定められており、気管支ぜん息、
アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、 アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギ
食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫
ー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレ
反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反
ルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害
応に係る疾患であって政令で定めるものである。
な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令
で定めるものである。
また、医学的には、粘膜や皮膚の慢性炎症を起
医学的には、粘膜や皮膚の慢性炎症を起こし、
こし、多くの患者でアレルゲンに対する特異的 IgE
多くの患者でアレルゲンに対する特異的 IgE 抗体
抗体を有する、多様かつ複合的要因を有する疾患
を有する、多様かつ複合的要因を有する疾患のこ
のことである。このうち気管支ぜん息は気道炎症
とである。気管支ぜん息は気道炎症を主病態とし、
を主病態とし、繰り返し起こる咳嗽、喘鳴、呼吸
繰り返し起こる咳嗽、喘鳴、呼吸困難等、可逆性
困難等、可逆性の気道狭窄と気道過敏性の亢進に
の気道狭窄と気道過敏性の亢進に起因する諸症状
起因する諸症状を呈する。アトピー性皮膚炎は皮
を呈する。アトピー性皮膚炎は皮膚バリア機能の
膚バリア機能の低下とアレルギー炎症が主病態で
低下による易刺激性とアレルギー炎症が主病態で
あり、瘙痒感を伴う湿疹を呈する。アレルギー性
あり、瘙痒感を伴う湿疹を呈する。アレルギー性
鼻炎では、アレルゲン混入後にくしゃみ、鼻漏、
鼻炎は、アレルゲン侵入後にくしゃみ、鼻漏、鼻
鼻閉等を呈し、そのうち花粉抗原による季節性ア
閉等を呈し、アレルギー性結膜炎は流涙、目の瘙
レルギー性鼻炎を花粉症と呼ぶ。アレルギー性結
痒感と充血、眼瞼浮腫等を呈する。花粉症は、ア
[1]
膜炎では流涙、目の瘙痒感と充血、眼瞼浮腫等を
レルギー性鼻炎のうち花粉抗原による季節性アレ
呈する。食物アレルギーでは抗原食物の摂取によ
ルギー性鼻炎を指し、アレルギー性結膜炎を高頻
り、皮膚症状・呼吸器症状・消化器症状等が引き
度に合併する。特にスギ花粉症の有病率は、アレ
起こされ、時にアナフィラキシーと呼ばれる複数
ルギー疾患の中で最も高く、全年齢層において増
臓器に及ぶ全身性の重篤な過敏反応を起こす。こ
加の一途をたどっている。食物アレルギーでは抗
れらアレルギー疾患は、一度発症すると、複数の
原食物の摂取等により、皮膚症状・呼吸器症状・
アレルギー疾患を合併しうること、生涯にわたり
消化器症状等が引き起こされ、時にアナフィラキ
疾患の経過が変化すること等の特徴(アレルギー
シーと呼ばれる複数臓器に及ぶ全身性の重篤な過
マーチ)も有し、疾患毎の関連性や自然史を考慮
敏反応を起こす。これらアレルギー疾患は、一度
した診療が必要になる。
発症すると、複数のアレルギー疾患を合併しうる
ことや新たなアレルギー疾患を発症しうること等
の特徴(アレルギーマーチ)を有するため、これ
らの特徴を考慮した診療が必要になる。
我が国では、依然としてアレルギー疾患を有す
我が国では、依然としてアレルギー疾患を有す
る者の増加がみられ、現在は乳幼児から高齢者ま
る者の増加がみられ、現在は乳幼児から高齢者ま
で国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患
で国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患
に罹患していると言われている。アレルギー疾患
を有していると言われている。アレルギー疾患を
を有する者は、しばしば発症、増悪、軽快、寛解、 有する者は、しばしば発症、増悪、軽快、寛解、
再燃を不定期に繰り返し、突然の症状増悪により、 再燃を不定期に繰り返し、症状の悪化や治療のた
時に致死的な転帰をたどることもある。また、治
めの通院や入院のため、休園、休学、休職等を余
療のための通院や入院のため、休園、休学、休職
儀なくされ、時として成長の各段階で過ごす学校
等を余儀なくされることや、成長の各段階で過ご
や職場等において、適切な理解、支援が得られず、
す学校や職場において、時として適切な理解、支
長期にわたり生活の質を著しく損なうことがあ
援が得られず、長期にわたり生活の質を著しく損
る。また、アレルギー疾患の中には、アナフィラ
なうことがある。
キシーショックなど、突然の症状増悪により、時
に致死的な転帰をたどることもある。
近年、医療の進歩により、科学的知見に基づく
近年、医療の進歩により、科学的知見に基づく
医療を受けることで症状を軽減することが概ね可
医療を受けることで症状のコントロールがおおむ
能となりつつあるが、全ての患者がその恩恵を受
ね可能であるが、全ての患者がその恩恵を受けて
けているわけではないという現状も指摘されてい
いるわけではないという現状も指摘されており、
る。
さらなる標準化医療の普及が望まれている。
このような現状を踏まえ、我が国のアレルギー
このような状況を改善し、我が国のアレルギー
疾患対策の一層の充実を図るため、平成 27 年 12
疾患対策の一層の充実を図るため、平成 26 年6月
月にアレルギー疾患対策基本法が施行された。ア
にアレルギー疾患対策基本法が公布された。国、
レルギー疾患を有する者やその家族及び関係者
地方公共団体、アレルギー疾患を有する者やその
は、本法に定められた基本理念や、本法で明らか
家族及び関係者は、本法に定められた基本理念や
[2]
にされた責務等に則り、共に連 携 し な が ら アレ
責務等にのっとり、共に連 携 し な が ら アレルギ
ルギー疾患対策に主体的に参画し、総合的に推進
ー疾患対策に主体的に参画し、突然の症状増悪に
する こ と が 重 要 で あ る 。
より亡くなるといった事態を未然に防ぐととも
に、アレルギー疾患を有する者の生活の質の向上
に取り組むことが重要である。
アレルギー疾患を有する者が、アレルギー疾患
本指針は、このような現状の下、アレルギー疾
に関する理解を深め、居住する地域に関わらず適
患を有する者が安心して生活できる社会の構築を
切な医療を受け、成長の各段階や職場において周
目指し、国、地方公共団体が取り組むべき方向性
囲から適切な理解と必要な支援を得ることで、ア
を示すことにより、アレルギー疾患対策の総合的
レルギー疾患に罹患していない者と変わらない生
な推進を図ることを目的とし、法第 11 条第1項の
活を送れるようにすることを目的としたアレルギ
規定に基づき策定するものである。
ー疾患対策基本法の趣旨に鑑み、本指針において
は、我が国のアレルギー疾患対策を総合的に推進
するための基本となる事項を定めるものとする。
第1 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項
(1) 基本的な考え方
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
アレルギー疾患は、アレルゲンの曝露の量や
ア
アレルギー疾患は、アレルゲンの曝露の量や
頻度等の増減によって症状の程度に変化が生じ
るという特徴を有するため、アレルギー疾患を
るという特徴を有するため、アレルギー疾患を
有する者が生活する環境、即ち周囲の自然環境、
有する者の生活する環境、すなわち周囲の自然
住居内の環境や住まい方、本人及び周囲の者の
環境、住居内の環境や生活の仕方、本人及び周
理解に基づく環境の管理等に大きく影響され
囲の者の理解に基づく環境の管理等に大きく影
る。したがって、アレルギー疾患の発症や重症
響される。従って、アレルギー疾患の発症や重
化を予防し、その症状を軽減するためには、ア
症化を予防し、その症状を軽減するためには、
レルゲンに曝露しないようにすることが有効で
アレルゲンに曝露しないようにすることが有効
あり、アレルゲン回避のための措置を講ずるこ
であり、アレルゲン回避のための措置を講ずる
とを念頭に、これら生活環境の改善を図ること
ことを念頭に、アレルギー疾患を有する者を取
が重要である。
り巻く環境の改善を図ることが重要である。
イ
頻度等の増減によって症状の程度に変化が生じ
アレルギー疾患に係る医療(以下「アレルギ
イ
アレルギー疾患に係る医療(以下「アレルギ
ー疾患医療」という。)の提供体制は、アレル
ー疾患医療」という。)の提供体制は、アレル
ギー疾患を有する者がその居住する地域に関わ
ギー疾患を有する者が、その居住する地域に関
らず、等しく科学的知見に基づく適切なアレル
わらず、科学的知見に基づく適切なアレルギー
ギー疾患医療を受けられるよう、アレルギー疾
疾患医療を等しく受けられるよう、アレルギー
[3]
疾患医療全体の質の向上及び科学的根拠に基づ
提供体制の在り方についての検討が必要であ
いたアレルギー疾患医療の提供体制の整備が必
る。
要である。
ウ
患医療全体の質の向上及びアレルギー疾患医療
国民が、アレルギー疾患に関し、科学的知見
ウ
国民が、アレルギー疾患に関し、科学的知見
に基づく適切な医療に関する情報を入手できる
に基づく適切な医療に関する情報を入手できる
体制を整備するとともに、アレルギー疾患に罹
体制を整備するとともに、アレルギー疾患に罹
患した場合には、日常生活を送るに当たり、正
患した場合には、日常生活を送るに当たり、正
しい知見に基づいた情報提供や相談支援等を通
しい知見に基づいた情報提供や相談支援等を通
じた生活の質の維持向上のための支援を受ける
じ生活の質の維持向上のための支援を受けるこ
ことができるよう体制の整備がなされることが
とができるよう体制の整備が必要である。
必要である。
エ
アレルギー疾患に関する専門的、学際的又は
エ
アレルギー疾患に関する専門的、学際的又は
総合的な研究を推進するとともに、アレルギー
総合的な研究を戦略的に推進するとともに、ア
疾患の発症及び重症化の予防、診断、治療等に
レルギー疾患の発症及び重症化の予防、診断、
係る技術の向上その他の研究等の成果を普及
治療等に係る技術の向上その他の研究等の成果
し、活用し、及び発展させることが必要である。
を普及し、活用し、及び発展させることが必要
である。
(2)国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師その他の医療関係者及び学
校等の設置者又は管理者の責務
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国は、(1)基本的な考え方(以下「基本的
ア
国は、基本的な考え方にのっとり、アレルギ
な考え方」という。)に則り、アレルギー疾患
ー疾患対策を総合的に策定及び実施する責務を
対策を総合的に策定及び実施する責務を有す
有する。
る。
イ
地方公共団体は、基本的な考え方に則り、ア
同左
レルギー疾患対策に関し、国との連携を図りつ
つ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応
じた施策を策定及び実施するよう努めなければ
ならない。
ウ
医療保険者(介護保険法(平成9年法律第 123
ウ
医療保険者
(介護保険法(平成9年法律第 123
号)第7条第7項 に規定する医療保険者をい
号)第7条第7項 に規定する医療保険者をい
う。)は、国及び地方公共団体が講ずるアレル
う。以下同じ。)は、国及び地方公共団体が講
ギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関す
ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の
る啓発及び知識の普及等の施策に協力するよう
軽減に関する啓発及び知識の普及等の施策に協
努めなければならない。
力するよう努めなければならない。
[4]
エ
国民は、自らアレルギー疾患に関する正しい
同左
知識を持ち、アレルギー疾患の重症化の予防及
び症状の軽減に必要な注意を払うよう努めると
ともに、アレルギー疾患を有する者について正
しい理解を深めるよう努めなければならない。
オ
医師その他の医療関係者は、国及び地方公共
同左
団体が講ずるアレルギー疾患対策に協力し、ア
レルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に
寄与するよう努めるとともに、アレルギー疾患
を有する者の置かれている状況を深く認識し、
科学的知見に基づく良質かつ適切なアレルギー
疾患医療を行うよう努めなければならない。
カ
学校、児童福祉施設、老人福祉施設、障害者
同左
支援施設その他自ら十分に療養に関し必要な行
為を行うことができない児童、高齢者又は障害
者が居住し又は滞在する施設(以下「学校等」
という。)の設置者又は管理者は、国及び地方
公共団体が講ずるアレルギー疾患の重症化の予
防及び症状の軽減に関する啓発及び知識の普及
等の施策に協力するよう努めるとともに、その
設置又は管理する学校等において、アレルギー
疾患を有する児童、高齢者又は障害者に対し、
適切な医療的、福祉的又は教育的配慮をするよ
う努めなければならない。
第2
アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予
防のための施策に関する事項
( 1 ) 今後の取組の方針について
第9回協議会資料
第8回協議会資料
アレルギー疾患は、その有症率の高さゆえ、国
アレルギー疾患は、その有病率の高さゆえ国民
民の生活に多大な影響を及ぼしているが現時点に
の生活に多大な影響を及ぼしているが、現時点に
おいても本態解明は十分ではなく、また、生活環
おいても本態解明は十分ではなく、また、生活環
境に関わる多様で複合的な要因が発症、重症化に
境に関わる多様で複合的な要因が発症、重症化に
関わっているため原因の特定が困難なことが多
関わっているため原因の特定が困難なことが多
い。
い。
[5]
その一方、インターネット等にはアレルギー疾
その一方、インターネット等にはアレルギー疾
患の原因やその予防法、症状軽減に関する膨大な
患の原因やその予防法、症状軽減に関する膨大な
情報があふれており、この中から、適切な情報を
情報があふれており、この中から、適切な情報を
選択することは非常に困難となっている。また、
選択することは非常に困難となっている。また、
適切でない情報を選択したが故に、科学的知見に
適切でない情報を選択したが故に、科学的知見に
基づく治療から逸脱し、症状が再燃や増悪する例
基づく治療から逸脱し、症状が再燃や増悪する例
が指摘されている。
が指摘されている。
このような中、国は、国民がアレルギー疾患の
このような中、国は、国民がアレルゲンの除去
アレルゲンの除去や回避を含めた予防の方法や症
や回避を含めた予防の方法、症状軽減の方法等、
状軽減の方法に関する正しい知識を習得できるよ
科学的根拠に基づいたアレルギー疾患医療に関す
う、国民に広く周知すること並びにアレルギー疾
る正しい知識を習得できるよう、国民に広く周知
患の発症及び重症化に影響する様々な生活環境を
すること並びにアレルギー疾患の発症及び重症化
改善するための取組を進める。
に影響する様々な生活環境を改善するための取組
を進める。
(2) 今後取組が必要な施策
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国は、アレルギー疾患を有する児童が他の児
ア
国は、アレルギー疾患を有する幼児、児童、
童と分け隔てなく学校生活を送るため、必要に
生徒(以下「児童等」という。)が他の児童等
応じて、関わりのある児童に対し適切な教育を
と分け隔てなく学校生活を送るため、必要に応
行うよう、教育委員会等に対し適切な助言及び
じて、児童等に対し適切な教育を行うよう、教
指導を行う。また、国は、児童福祉施設、放課
育委員会等に対し適切な助言及び指導を行う。
後児童クラブ等を利用する児童に対する適切な
また、国は、児童福祉施設、放課後児童クラブ、
啓発等について、地方公共団体に協力を求める。
老人福祉施設、障害者支援施設等を利用するア
レルギー疾患を有する児童等、高齢者又は障害
者に対する適切な啓発等について、地方公共団
体に協力を求める。
イ
国は、国民がアレルギー疾患、アレルギーを
同左
有する者への正しい理解を得ることができるよ
う、地域の実情等に応じた社会教育の場を活用
した啓発について、地方公共団体に協力を求め
る。
ウ
国は、地方公共団体に対して、乳幼児健康診
ウ
国は、地方公共団体に対して、市町村保健セ
査等の母子保健事業の機会を捉え、乳幼児の保
ンター等で実施する乳幼児健康診査等の母子保
護者へ向け、医療機関への受診勧奨等、適切な
健事業の機会を捉え、乳幼児の保護者に対して、
情報提供を実施するよう求める。
医療機関への受診勧奨等、適切な情報提供を実
[6]
施するよう求める。
エ
国 及 び 地 方 公 共 団 体 は 、 医療保険者及び
同左
後期高齢者医療広域連合(高齢者の医療の確保
に関する法律(昭和 57 年法律 80 号)第 48 条に
規定する後期高齢者医療広域連合をいう。)に
対し、国及び地方公共団体が講ずるアレルギー
疾患やアレルギー疾患の予防、症状軽減の適切
な方法等に関する啓発及び知識の普及のための
施策に協力するよう求める。
オ
国は、花粉飛散の軽減に資するため、
カ
森林の適正な整備を図る。
国は、花粉の挙動モニタリング等を行
い、適切な情報提供を行うとともに、花
粉飛散の軽減に資するため、森林の適正
な整備を図る。
カ
国 は 、自 動 車 等 か ら の 排 出 ガ ス 対 策 等 、 オ
環境基準の維持に努める。
キ
国は、受動喫煙の防止等を更に推進す
国 は 、自 動 車 等 か ら の 排 出 ガ ス 対 策 等 、
環境基準の維持に努める。
キ
国は、地方公共団体と連携して受動喫
ることを通じ、ぜん息等の重症化予防を
煙の防止等を更に推進することを通じ、
図る。
気管支ぜん息の発症及び重症化の予防を
図る。
ク
国は、アレルギー疾患を有する者の食
ク
国は、アレルギー疾患を有する者の食
品の安全の確保のため、アレルギー物質
品の安全の確保のため、アレルギー物質
を含む食品に関する表示等について科学
を含む食品に関する表示等について科学
的検証を行い、それに基づく適切な表示
的検証を行う。食品関連業者は表示制度
への見直しを適宜行うとともに、普及啓
を遵守し、その理解を図るため従業員教
発を行う。また、外食事業者等が行う食
育等を行う。さらに地方公共団体は表示
物アレルギーに関する自主的な情報提供
の適正化を図るため、監視指導計画に基
等の取組の促進に協力する。
づき監視等を実施する。また、国は関係
業界と連携し、外食事業者等が行う食物
アレルギー表示の適切な情報提供の取組
等を推進する。
ケ
国は、医療従事者が、アナフィラキシ
ーショックに陥った際に必要となるアド
←第5(1)の学校給食対応等の記載箇所
レナリン自己注射の使用等の保有の必要
へ転記
性や、接種のタイミング等の使用方法に
ついて、アレルギー疾患を有する者やそ
の家族及び関係者に対して啓発するよう
[7]
促す。
コ
国は、関係学会等と連携し、アレルギ
ケ
国は、関係学会等と連携し、アレルギ
ー疾患やアレルギー疾患の予防、症状軽
ー疾患の病態、診断に必要な検査、薬剤
減の適切な方法、アレルギー疾患に配慮
の使用方法、アレルゲン免疫療法を含む
した居住環境や住まい方といった生活環
適切な治療、予防や症状軽減の適切な方
境のアレルギー疾患への影響など、最新
法、アレルギー疾患に配慮した居住環境
の知見に基づいた正しい情報を提供する
や生活の仕方といった生活環境のアレル
ためのホームページ等を通じ、情報提供
ギー疾患への影響等、最新の知見に基づ
の充実を図る。
いた正しい情報を提供するためのホーム
ペ ー ジ 等 を 通 じ 、情 報 提 供 の 充 実 を 図 る 。
第3 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項
(1)今後の取組の方針について
第9回協議会資料
第8回協議会資料
国民がその居住する地域に関わらず、等しくそ
国民がその居住する地域に関わらず、等しくそ
のアレルギーの状態に応じた適切なアレルギー疾
のアレルギーの状態に応じた適切なアレルギー疾
患医療を受けることができるよう、アレルギー疾
患医療を受けることができるよう、アレルギー疾
患医療全体の質の向上を進めることが必要であ
患医療全体の質の向上を進めることが必要であ
る。
る。
具体的には、アレルギー疾患医療に携わる専門
具体的には、アレルギー疾患医療の専門的な知
的な知識及び技能を有する医師、薬剤師、看護師
識及び技能を有する医師、薬剤師、看護師、臨床
その他の医療従事者の知識や技能の向上に資する
検査技師その他の医療従事者の知識や技能の向上
施策を通じ、アレルギー疾患医療に携わる医療従
に資する施策を通じ、アレルギー疾患医療に携わ
事者全体の知識及び技能の向上を図る。
る医療従事者全体の知識及び技能の向上を図る。
また、アレルギー疾患医療は、診療科が内科、
また、アレルギー疾患医療は、診療科が内科、
皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科等、多岐にわ
皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科等、多岐にわ
たることや、アレルギー疾患に携わる専門的な知
たることや、アレルギー疾患に携わる専門的な知
識及び技能を有する医師が偏在していること等か
識及び技能を有する医師が偏在していることなど
らアレルギー疾患医療の提供体制の地域間格差の
からアレルギー疾患医療の提供体制の地域間格差
大きさが指摘されている。これを踏まえ、全国的
の大きさが指摘されている。このような現状を踏
なア レ ル ギ ー 疾 患 医 療 の 拠 点 と な る 医 療 機
まえ、アレルギー疾患医療の提供体制に関する検
関、地域のアレルギー診療の拠点となる医
討を行い、ア レ ル ギ ー 疾 患 医 療 全 体 の 質 の 向
療機関、かかりつけ医との連携協力体制の
上を図る。
在り方を検討し、医療の質の向上を図る。
[8]
(2)今後の取組が必要な施策
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国は、アレルギー疾患医療に携わる医
同左
師に対し、最新の科学的知見に基づく適
切な医療についての情報を提供するた
め、地方公共団体に対し、地域医師会と
協力し講習の機会を確保することを求め
る。また、関係学会に対して、アレルギ
ー疾患に携わる専門的な知識及び技能を
有する医師等を講習に派遣し、講習内容
を充実させるための協力を求める。
イ
ウ
エ
国は、医師、薬剤師、看護師その他の
イ
国は、医師、薬剤師、看護師、臨床検
医療従事者の育成を行う大学等の養成課
査技師その他の医療従事者の育成を行
程におけるアレルギー疾患に関する教育
う大学等の養成課程におけるアレルギー
について、内容の充実を図るため関係学
疾患に関する教育について、内容の充
会と検討を行い、その検討結果に基づき
実を図るため関係学会と検討を行い、
教育を推進する。
その検討結果に基づき教育を推進する。
国は、医師、薬剤師、看護師その他の
ウ
国は、医師、薬剤師、看護師、臨床検
医療従事者のアレルギー疾患医療全体の
査技師その他の医療従事者の知識及び技
質の向上を図るため、これら医療従事者
能の向上を図るため、これら医療従事者
が所属する関係学会等が有する医療従事
が所属する関係学会等が有する医療従事
者向け認定制度の取得等を通じた自己研
者向け認定制度の取得等を通じた自己研
鑽を促す施策等の検討を行う。
鑽を促す施策等の検討を行う。
国は、関係学会等がウェブサイトに掲
同左
載しているアレルギー疾患に携わる専門
的な知識及び技術を有する医療従事者並
びにアレルギー疾患医療提供機関の情報
について、ホームページ等を通じ、患者
や そ の 家 族 、医 療 従 事 者 向 け に 提 供 す る 。
オ
国は、アレルギー疾患を有する者が居
オ
国は、アレルギー疾患を有する者が居
住地域に関わらず適切なアレルギー疾患
住地域に関わらず適切なアレルギー疾患
医療を受けられるよう、専門的なアレル
医療や相談支援を受けられるよう、アレ
ギー疾患医療の提供体制に関する検討を
ルギー疾患医療の提供体制に関する検討
行い、その検討結果に基づいた体制を整
を行い、その検討結果に基づいた体制を
備する。
整備する。
[9]
カ
国は、アレルギー疾患医療の提供体制
カ
国は、アレルギー疾患医療の提供体制
の更なる充実を図るため、国立研究開発
の更なる充実を図るため、国立研究開発
法人国立成育医療研究センター及び独立
法人国立成育医療研究センター及び独立
行政法人国立病院機構相模原病院等のア
行政法人国立病院機構相模原病院等のア
レルギー疾患医療の全国的な拠点となる
レルギー疾患医療の全国的な拠点となる
医療機関、地域の拠点となる医療機関及
医療機関、地域の拠点となる医療機関の
びかかりつけ医との連携協力体制に関す
役割や機能、またこれら医療機関とかか
る検討を行い、その検討結果に基づいた
りつけ医との連携協力体制に関する検討
体制を整備する。
を行い、その検討結果に基づいた体制を
整備する。
キ
国は、国立研究開発法人国立成育医療
同左
研究センター及び独立行政法人国立病院
機構相模原病院を中心とする医療機関の
協力のもと、最新の科学的知見に基づく
適切な医療に関する情報の提供、アレル
ギー疾患医療に関する研究並びに専門的
な知識と技術を有する医療従事者の育成
等を推進する。
ク
国は、アレルギー症状を引き起こす原
ク
アレルギー症状を引き起こす原因物質
因 物 質 の 特 定 が 行 わ れ る よ う 、 関係団体と
の特定は困難なことが多く、容易に診断
連携して、検査対象成分の確保及び活用等、効
ができない場合がある。国は、正確な診
率的で適切な仕組みについて検討する。
断とそれに基づく治療や予防が行われる
よ う 、 専 門 的 な 医 療 機 関 と 関係団体との連
携を推進して情報の共有を図り、アレルギー症
状を引き起こす可能性のある検査対象成分の確
保及び活用等、効 率 的 で 適 切 な 仕 組 み に つ
いて検討する。
第4 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項
(1)今後の取組の方針について
第9回協議会資料
第8回協議会資料
[10]
何らかのアレルギー疾患を有する者は、アレル
何らかのアレルギー疾患を有する者は、アレル
ギー疾患以外の多くの慢性疾患を有する者と同様
ギー疾患以外の多くの慢性疾患を有する者と同様
に、その症状に違いはあっても、総じて長期にわ
に、その症状に違いはあっても、総じて長期にわ
たり、生活の質が低下し、社会的・経済的に少な
たり、生活の質が低下し、社会的、経済的に少な
からず影響を受ける。アレルギー疾患は、その罹
からず影響を受ける。アレルギー疾患は、その有
患率の高さ等により、社会全体に与える影響も大
病率の高さ等により、社会全体に与える影響も大
きいが、発症、重症化要因の解明、ガイドライン
きいが、発症、重症化要因の解明、ガイドライン
の有効性の評価や薬剤の長期投与の効果や副作用
の有効性の評価や薬剤の長期投与の効果や副作用
等、未だに明らかになっていないことが多い。こ
等、未だに明らかになっていないことが多い。こ
れら諸問題の解決に向け、従来から行われてきた
れら諸問題の解決に向け、疫学調査、基礎病態解
基礎的な疫学調査に、リスク要因の解明、治療経
明、治療開発(橋渡し研究の活性化を含む)
、臨床
過及び予後に関する調査、花粉等アレルゲンの挙
研究の長期的かつ戦略的な推進が必要である。
動モニタリング等を追加し、疫学研究の拡充を図
る必要がある。
アレルギー疾患は、最新の科学的知見に基づく
アレルギー疾患は、最新の科学的知見に基づく
治療に準じることで、概ねコントロール可能であ
治療に準じることで、概ねコントロール可能であ
るが、診療科が、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼
るが、診療科が、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼
科、小児科等、多岐にわたることや、ア レ ル ギ
科、小児科等、多岐にわたることや、ア レ ル ギ ー
ー疾患に携わる専門的な知識及び技能を有
疾患に携わる専門的な知識及び技能を有す
す る 医 師 の偏在等により、その周知・普及・実践
る 医 師 の偏在等により、その周知、普及、実践が
が進んでいない。最新の科学的知見に基づく医療
進んでいない。最新の科学的知見に基づくアレル
の周知・普及・実践度合いについて、適切な方法
ギー疾患医療の周知、普及、実践度合いについて、
に基づく現状把握を継続的に行うことで、国民が
適切な方法で継続的に現状を把握し、それに基づ
享受するアレルギー疾患医療全体の質の向上を図
いた対策を行うことで、国民が享受するアレルギ
る。
ー疾患医療全体の質の向上を図る。
アレルギー疾患は、その本態解明が未だ十分では
なく、現時点では発症予防や根治療法は開発途上
である。アレルギー疾患を有する者及びアレルギ
ー疾患に起因する死亡者数を減少させ、ひいては
←施策内容と同じ記述となるため、
「方針」から
削除した。
国民全体の生活の質の向上を目指すため、アレル
ギー疾患の本態解明を行い、発症予防及びアレル
ゲン免疫療法をはじめとした根治療法の開発を行
い、その普及を推進する。
[11]
(2)今後取組が必要な施策について
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国は、基本指針に基づいて行われる国
ア
アレルギー疾患の罹患率の低下並びに
の取組を客観的に評価するため、疫学調
アレルギー疾患の重症化の予防及び症状
査を用いてアレルギー疾患対策全体の現
の軽減を更に推進するためには、疫学研
状 把 握 等 を 行 う 。 更 に 、 従来から行われて
究によるアレルギー疾患の長期にわたる
きた基礎的な疫学調査にリスク要因の解明、治
推移(自然史)の解明等良質なエビデン
療経過及び予後に関する調査等を追加すること
スの蓄積とそれに基づく定期的なガイド
により、発症、重症化要因の解明、ガイドライ
ラインの改訂が必要であり、国は、関係
ンの有効性の評価等を継続的に行う。
学会等と連携し、子どもの健康と環境に
関する全国調査(エコチル調査)等の既
存の調査、研究の結果の分析を活用する
とともに、アレルギー疾患の疫学研究を
継続的、戦略的に実施する。また、地方
公共団体の取組や患者数、死亡者数の増
減などを長期にわたり把握することで、
基本指針に基づいて行われる国の取組の
効果を客観的に評価し、より有効な取組
の立案に繋げる。
イ
ウ
国は、アレルギー疾患を有する者の生活の質
イ
国は、アレルギー疾患を有する者の生活の質
の改善のみならず、アレルギー疾患に起因する
の改善のみならず、アレルギー疾患に起因する
死亡者数を減少させるため、本態解明研究を推
死亡者数を減少させるため、本態解明研究を推
進し、アレルゲン免疫療法をはじめとする根治
進し、アレルゲン免疫療法をはじめとする根治
療法の開発を目指す。
療法の発展及び新規開発を目指す。
国は、国立研究開発法人国立成育医療研究セ
同左
ンター、独立行政法人国立病院機構相模原病院
その他の専門的なアレルギー疾患医療の提供等
を行う医療機関と臨床研究中核病院等関係機関
の連携体制を整備し、速やかに質の高い臨床研
究試験や治験を実施し、世界に先駆けた革新的
なアレルギー疾患の予防、診断及び治療方法の
開発等を行い、これらに資するアレルギー疾患
の病態解明等に向けた研究を推進するよう努め
る。
[12]
第5 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項
(1) アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための施策に関する
事項
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国は、アレルギー疾患を有する者への
同左
対応が求められることが多い保健師、助
産師、管理栄養士、栄養士及び調理師等
がアレルギー疾患への対応に関する適切
な知見を得られるよう、地方公共団体に
対し、関係学会等と連携し講習の機会を
確保することを求める。
イ
国は、保健師、助産師、管理栄養士、
同左
栄養士及び調理師等の育成を行う大学等
の養成課程におけるアレルギー疾患に対
する教育を推進する。
ウ
国は、保健師、助産師、管理栄養士、
同左
栄養士及び調理師等の、アレルギー疾患
に係る知識及び技能の向上に資するた
め、これら職種に関連する学会等が有す
る認定制度の取得等を通じた自己研鑽を
促す施策等の検討を行う。
エ
国は、アレルギー疾患を有する者がアナフィ
オ
国は、アレルギー疾患を有する者がアナフィ
ラキシーショックに陥った際、適切な医療へア
ラキシーショックに陥った際、適切な医療へア
クセスできるよう、アレルギー疾患を有する者
クセスできるよう、教育委員会に対し、アレル
及びその家族と学校等とが共有している情報
ギーを有する者及びその家族と学校等とが共
を、医療機関、消防機関においても共有するよ
有している学校生活管理指導表等の情報を、医
う促す。
療機関、消防機関等とも平時から共有するよう
促す。
オ
国は、学校の教職員等に対する研修の機会の
エ
国は、学校のアレルギー疾患に対する取り組
確保について、教育委員会等に対し必要に応じ
みガイドライン、学校給食における食物アレル
て適切な助言及び指導を行う。児童福祉施設や
ギー対応指針等を周知し実践を促すとともに、
放課後児童クラブ等においても、職員等に対す
学校の教職員等に対するアレルギー疾患の正し
る啓発に努める。
い知識の習得や実践的な研修の機会の確保等に
ついて、教育委員会等に対し必要に応じて適切
な助言及び指導を行う。児童福祉施設や放課後
[13]
児童クラブ等においても、職員等に対して、保
育所におけるアレルギー対応ガイドライン等既
存のガイドラインを周知するとともに、職員等
に対するアレルギー疾患の正しい知識の習得や
実践的な研修の機会の確保等についても地方公
共団体と協力して取り組む。また、老人福祉施
設、障害者支援施設等においても、職員等に対
するアレルギー疾患の正しい知識の啓発に努め
る。
第2(2)より移動→
カ
国は、アナフィラキシーショックに陥
った際に必要となるアドレナリン自己注
射薬の保有の必要性や、注射のタイミン
グ 等 の 使 用 方 法 に つ い て 、医 療 従 事 者 が 、
アレルギー疾患を有する者やその家族及
び関係者に啓発するよう促す。
キ
国は、アレルギー疾患を有する者が適切なア
レルギ-疾患医療を受けながら就労を維持でき
る職場環境等の整備等の施策を検討する。
カ
国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患
ク
国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患
を有する者やその家族の悩みや不安に対応し、生
を有する者やその家族の悩みや不安に対応し、生
活の質の維持向上を図るため、相談事業の充実を
活の質の維持向上を図るため、相談事業の充実を
進める。
進める。
キ
ケ
国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患
国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患
を有する者等を含めた国民が、アレルギー疾患
を有する者等を含めた国民が、アレルギー疾患
に関する必要な情報にいつでも容易にアクセス
を有する者への正しい理解のための適切な情報
できるホームページ等の充実を行う。
にいつでも容易にアクセスできるホームページ
等の充実を行う。
(2) 地域の実情に応じたアレルギー疾患対策の推進
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
地方公共団体は、厚生労働省が行う自治体調
ア
査等を活用して、地域の実情を把握し、アレル
地方公共団体は、アレルギー疾患対策に係る
全部局を統括する部署又は担当者の設置に努め
ギー疾患対策の推進に資する施策を立案及び実
る。
施するよう努める。
イ
地方公共団体は、アレルギー疾患に係る全部
イ
地方公共団体は、地域の実情を把握し、医療
関係者、アレルギー疾患を有する者その他の関
局を統括する部署又は担当者を設置するよう努
[14]
係者の意見を参考に、地域のアレルギー疾患対
める。
策の施策を策定し、及び実施するよう努める。
ウ
地方公共団体は、地域のアレルギー対策を推
進するため、医療関係者、アレルギーを有する
者等その他の関係者の意見を参考にし、その適
切な実施及び運営を図るよう努める。
(3) 災害時の対応
第9回協議会資料
第8回協議会資料
ア
国及び地方公共団体は、平常時において、関
同左
係学会等と連携体制を構築し、様々な規模の災
害を想定した対応の準備を行う。
イ
国は、災害時において、アレルギー対応食等 イ
国は、災害時において、アレルギー用ミルク
の確実な集積と適切な分配に資するため、必要
等の確実な集積と適切な分配に資するため、必
なアレルギー食の確保及び輸送を行う。また、
要なアレルギー食の確保及び輸送を行う。また、
国は地方公共団体に対して、アレルギー疾患担
国は地方公共団体に対して、防災や備蓄集配等
当者が中心となって、特殊食品の集積場所を速
に関わる担当部署とアレルギー担当部署が連携
やかに設置し、国が提供する物資の受け取りや
協力の上、アレルギー食等の集積場所を速やか
適切なタイミングで必要な者へ提供するよう指
に設置し、物資の受け取りや適切なタイミング
導する。
で必要な者へ提供できるよう支援する。
ウ
ウ
国及び地方公共団体は、災害時において、関
国及び地方公共団体は、災害時において、関
係学会等と連携し、ホームページやパンフレッ
係学会等と連携し、ホームページやパンフレッ
ト等を用いた周知を行い、アナフィラキシー等
ト等を用いた周知を行い、アナフィラキシー等
の重篤な状態の発生の予防に努める。
の重篤な状態の発生を予防するよう努める。
エ
同左
国及び地方公共団体は、災害時において、関
係団体等と協力し、アレルギー疾患を有する者
やその家族及び関係者、医療従事者向けの相談
窓口の設置を速やかに行う。
(4)必要な財政措置の実施と予算の効率化及び重点化
第9回協議会資料
第8回協議会資料
国は、アレルギー疾患対策を推進するため、ア
国は、アレルギー疾患対策を推進するため、本
レルギー疾患対策基本指針に則った施策に取り組
指針にのっとった施策に取り組む必要があり、そ
む必要があり、それに必要な予算を確保していく
れに必要な予算を確保していくことが重要であ
ことが重要である。
る。
[15]
昨今の厳しい財政事情の下では、限られた予算
その上で、アレルギー疾患対策を効率化し、成
でアレルギー疾患対策の成果を最大化するという
果を最大化するという視点も必要であり、関係省
視点が必要であり、関係省庁連絡会議等を設置し、 庁連絡会議等において、関係府省庁間の連携の強
関係府省庁間の連携の強化及び施策の重点化を図
化及び施策の重点化を図る。
る。
(5)アレルギー対策基本指針の見直し及び定期報告
第9回協議会資料
第8回協議会資料
アレルギー対策基本法第 11 条第6項において、
法第 11 条第6項において、「厚生労働大臣は、
「厚生労働大臣は、アレルギー疾患医療に関する
アレルギー疾患医療に関する状況、アレルギー疾
状況、アレルギー疾患を有する者を取り巻く生活
患を有する者を取り巻く生活環境その他のアレル
環境その他のアレルギー疾患に関する状況の変化
ギー疾患に関する状況の変化を勘案し、及び前項
を勘案し、及び前項の評価を踏まえ、少なくとも
の評価を踏まえ、少なくとも5年ごとに、アレル
5年ごとに、アレルギー疾患対策基本指針に検討
ギー疾患対策基本指針に検討を加え、必要がある
を加え、必要があると認めるときには、これを変
と認めるときには、これを変更しなければならな
更しなければならない。
」とされている。
い。
」とされている。
本指針は、アレルギー疾患を巡る現状を踏まえ、
本指針は、アレルギー疾患の現状を踏まえ、ア
アレルギー疾患対策を総合的に推進するために基
レルギー疾患対策を総合的に推進するために基本
本となる事項について定めたものである。国は、
となる事項について定めたものである。国は、国
国及び地方公共団体等における取組の現状につい
及び地方公共団体等が実施する取組について定期
て、定期的に調査及び評価を行い、アレルギー疾
的に調査及び評価を行い、アレルギー疾患に関す
患を巡る状況変化を的確に捉えた上で、厚生労働
る状況変化を的確に捉えた上で、厚生労働大臣が
大臣が必要であると認める場合には、策定から5
必要であると認める場合には、策定から5年を経
年を経過する前であっても、本指針について検討
過する前であっても、本指針について検討を加え、
を加え、変更する。
変更する。
なお、アレルギー疾患対策推進協議会について
なお、アレルギー疾患対策推進協議会について
は、関係府省庁も交え、引き続き定期的に開催す
は、関係府省庁も交え、引き続き定期的に開催す
るものとし、本指針に定められた取組の進捗の確
るものとし、本指針に定められた取組の進捗の確
認等、アレルギー疾患対策の更なる推進のための
認等、アレルギー疾患対策の更なる推進のための
検討の場として機能させるものとする。
検討の場として機能させるものとする。
[16]
資料2
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(案)
(未定稿)
目次
第1
第2
アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項
アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予
防のための施策に関する事項
第3 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項
第4 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項
第5 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項
本指針におけるアレルギー疾患とは、アレルギー疾患対策基本法(平成 26 年
法律第 98 号。以下「法」という。)に定められており、気管支ぜん息、アトピ
ー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギ
ーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全
身的反応に係る疾患であって政令で定めるものである。
医学的には、粘膜や皮膚の慢性炎症を起こし、多くの患者でアレルゲンに対
する特異的 IgE 抗体を有する、多様かつ複合的要因を有する疾患のことである。
気管支ぜん息は気道炎症を主病態とし、繰り返し起こる咳嗽、喘鳴、呼吸困難
等、可逆性の気道狭窄と気道過敏性の亢進に起因する諸症状を呈する。アトピ
ー性皮膚炎は皮膚バリア機能の低下による易刺激性とアレルギー炎症が主病態
であり、瘙痒感を伴う湿疹を呈する。アレルギー性鼻炎は、アレルゲン侵入後
にくしゃみ、鼻漏、鼻閉等を呈し、アレルギー性結膜炎は流涙、目の瘙痒感と
充血、眼瞼浮腫等を呈する。花粉症は、アレルギー性鼻炎のうち花粉抗原によ
る季節性アレルギー性鼻炎を指し、アレルギー性結膜炎を高頻度に合併する。
特にスギ花粉症の有病率は、アレルギー疾患の中で最も高く、全年齢層におい
て増加の一途をたどっている。食物アレルギーでは抗原食物の摂取等により、
皮膚症状・呼吸器症状・消化器症状等が引き起こされ、時にアナフィラキシー
と呼ばれる複数臓器に及ぶ全身性の重篤な過敏反応を起こす。これらアレルギ
ー疾患は、一度発症すると、複数のアレルギー疾患を合併しうることや新たな
アレルギー疾患を発症しうること等の特徴(アレルギーマーチ)を有するため、
これらの特徴を考慮した診療が必要になる。
我が国では、依然としてアレルギー疾患を有する者の増加がみられ、現在は
乳幼児から高齢者まで国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を有して
いると言われている。アレルギー疾患を有する者は、しばしば発症、増悪、軽
快、寛解、再燃を不定期に繰り返し、症状の悪化や治療のための通院や入院の
1
ため、休園、休学、休職等を余儀なくされ、時として成長の各段階で過ごす学
校や職場等において、適切な理解、支援が得られず、長期にわたり生活の質を
著しく損なうことがある。また、アレルギー疾患の中には、アナフィラキシー
ショックなど、突然の症状増悪により、時に致死的な転帰をたどることもある。
近年、医療の進歩により、科学的知見に基づく医療を受けることで症状のコ
ントロールがおおむね可能であるが、全ての患者がその恩恵を受けているわけ
ではないという現状も指摘されており、さらなる標準化医療の普及が望まれて
いる。
このような状況を改善し、我が国のアレルギー疾患対策の一層の充実を図る
ため、平成 26 年6月にアレルギー疾患対策基本法が公布された。国、地方公共
団体、アレルギー疾患を有する者やその家族及び関係者は、本法に定められた
基本理念や責務等にのっとり、共に連 携 し な が ら アレルギー疾患対策に主体的
に参画し、突然の症状増悪により亡くなるといった事態を未然に防ぐとともに、
アレルギー疾患を有する者の生活の質の向上に取り組むことが重要である。
本指針は、このような現状の下、アレルギー疾患を有する者が安心して生活
できる社会の構築を目指し、国、地方公共団体が取り組むべき方向性を示すこ
とにより、アレルギー疾患対策の総合的な推進を図ることを目的とし、法第 11
条第1項の規定に基づき策定するものである。
第1 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項
(1) 基本的な考え方
ア アレルギー疾患は、アレルゲンの曝露の量や頻度等の増減によって症
状の程度に変化が生じるという特徴を有するため、アレルギー疾患を有
する者の生活する環境、すなわち周囲の自然環境、住居内の環境や生活
の仕方、本人及び周囲の者の理解に基づく環境の管理等に大きく影響さ
れる。従って、アレルギー疾患の発症や重症化を予防し、その症状を軽
減するためには、アレルゲンに曝露しないようにすることが有効であり、
アレルゲン回避のための措置を講ずることを念頭に、アレルギー疾患を
有する者を取り巻く環境の改善を図ることが重要である。
イ アレルギー疾患に係る医療(以下「アレルギー疾患医療」という。)
の提供体制は、アレルギー疾患を有する者が、その居住する地域に関わ
らず、科学的知見に基づく適切なアレルギー疾患医療を等しく受けられ
るよう、アレルギー疾患医療全体の質の向上及び科学的根拠に基づいた
アレルギー疾患医療の提供体制の整備が必要である。
ウ 国民が、アレルギー疾患に関し、科学的知見に基づく適切な医療に関
する情報を入手できる体制を整備するとともに、アレルギー疾患に罹患
2
した場合には、日常生活を送るに当たり、正しい知見に基づいた情報提
供や相談支援等を通じ生活の質の維持向上のための支援を受けることが
できるよう体制の整備が必要である。
エ アレルギー疾患に関する専門的、学際的又は総合的な研究を戦略的に
推進するとともに、アレルギー疾患の発症及び重症化の予防、診断、治
療等に係る技術の向上その他の研究等の成果を普及し、活用し、及び発
展させることが必要である。
(2)国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師その他の医療関係者及び学
校等の設置者又は管理者の責務
ア 国は、基本的な考え方にのっとり、アレルギー疾患対策を総合的に策
定及び実施する責務を有する。
イ 地方公共団体は、基本的な考え方にのっとり、アレルギー疾患対策に
関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に
応じた施策を策定及び実施するよう努めなければならない。
ウ 医療保険者(介護保険法 (平成9年法律第 123 号)第7条第7項 に
規定する医療保険者をいう。以下同じ。)は、国及び地方公共団体が講
ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発及び知
識の普及等の施策に協力するよう努めなければならない。
エ 国民は、自らアレルギー疾患に関する正しい知識を持ち、アレルギー
疾患の重症化の予防及び症状の軽減に必要な注意を払うよう努めるとと
もに、アレルギー疾患を有する者について正しい理解を深めるよう努め
なければならない。
オ 医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が講ずるアレルギー
疾患対策に協力し、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に寄
与するよう努めるとともに、アレルギー疾患を有する者の置かれている
状況を深く認識し、科学的知見に基づく良質かつ適切なアレルギー疾患
医療を行うよう努めなければならない。
カ 学校、児童福祉施設、老人福祉施設、障害者支援施設その他自ら十分
に療養に関し必要な行為を行うことができない児童、高齢者又は障害者
が居住し又は滞在する施設の設置者又は管理者は、国及び地方公共団体
が講ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発及
び知識の普及等の施策に協力するよう努めるとともに、その設置又は管
理する学校等において、アレルギー疾患を有する児童、高齢者又は障害
者に対し、適切な医療的、福祉的又は教育的配慮をするよう努めなけれ
ばならない。
3
第2
アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予
防のための施策に関する事項
( 1 )今後の取組の方針について
アレルギー疾患は、その有病率の高さゆえ国民の生活に多大な影響を及
ぼしているが、現時点においても本態解明は十分ではなく、また、生活環
境に関わる多様で複合的な要因が発症、重症化に関わっているため原因の
特定が困難なことが多い。
その一方、インターネット等にはアレルギー疾患の原因やその予防法、
症状軽減に関する膨大な情報があふれており、この中から、適切な情報を
選択することは非常に困難となっている。また、適切でない情報を選択し
たが故に、科学的知見に基づく治療から逸脱し、症状が再燃や増悪する例
が指摘されている。
このような中、国は、国民がアレルゲンの除去や回避を含めた予防の方
法、症状軽減の方法等、科学的根拠に基づいたアレルギー疾患医療に関す
る正しい知識を習得できるよう、国民に広く周知すること並びにアレルギ
ー疾患の発症及び重症化に影響する様々な生活環境を改善するための取組
を進める。
(2) 今後取組が必要な施策
ア 国は、アレルギー疾患を有する幼児、児童、生徒(以下「児童等」と
いう。)が他の児童等と分け隔てなく学校生活を送るため、必要に応じ
て、児童等に対し適切な教育を行うよう、教育委員会等に対し適切な助
言及び指導を行う。また、国は、児童福祉施設、放課後児童クラブ、老
人福祉施設、障害者支援施設等を利用するアレルギー疾患を有する児童
等、高齢者又は障害者に対する適切な啓発等について、地方公共団体に
協力を求める。
イ 国は、国民がアレルギー疾患、アレルギーを有する者への正しい理解
を得ることができるよう、地域の実情等に応じた社会教育の場を活用し
た啓発について、地方公共団体に協力を求める。
ウ 国は、地方公共団体に対して、市町村保健センター等で実施する乳幼
児健康診査等の母子保健事業の機会を捉え、乳幼児の保護者に対して、
医療機関への受診勧奨等、適切な情報提供を実施するよう求める。
エ 国 及 び 地 方 公 共 団 体 は 、 医療保険者及び後期高齢者医療広域連合
(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律 80 号)第 48 条に規
定する後期高齢者医療広域連合をいう。)に対し、国及び地方公共団体
が講ずるアレルギー疾患やアレルギー疾患の予防、症状軽減の適切な方
4
法等に関する啓発及び知識の普及のための施策に協力するよう求める。
オ 国は、自動車等からの排出ガス対策等、環境基準の維持に努
める。
カ 国は、花粉の挙動モニタリング等を行い、適切な情報提供を
行うとともに、花粉飛散の軽減に資するため、森林の適正な整
備を図る。
キ 国は、地方公共団体と連携して受動喫煙の防止等を更に推進
することを通じ、気管支ぜん息の発症及び重症化の予防を図る。
ク 国は、アレルギー疾患を有する者の食品の安全の確保のため、
アレルギー物質を含む食品に関する表示等について科学的検証
を行う。食品関連業者は表示制度を遵守し、その理解を図るた
め従業員教育等を行う。さらに地方公共団体は表示の適正化を
図るため、監視指導計画に基づき監視等を実施する。また、国
は関係業界と連携し、外食事業者等が行う食物アレルギー表示
の適切な情報提供の取組等を推進する。
ケ 国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患の病態、診断に
必要な検査、薬剤の使用方法、アレルゲン免疫療法を含む適切
な治療、予防や症状軽減の適切な方法、アレルギー疾患に配慮
した居住環境や生活の仕方といった生活環境のアレルギー疾患
への影響等、最新の知見に基づいた正しい情報を提供するため
のホームページ等を通じ、情報提供の充実を図る。
第3 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項
(1)今後の取組の方針について
国民がその居住する地域に関わらず、等しくそのアレルギーの状態に応
じた適切なアレルギー疾患医療を受けることができるよう、アレルギー疾
患医療全体の質の向上を進めることが必要である。
具体的には、アレルギー疾患医療の専門的な知識及び技能を有する医師、
薬剤師、看護師、臨床検査技師その他の医療従事者の知識や技能の向上に
資する施策を通じ、アレルギー疾患医療に携わる医療従事者全体の知識及
び技能の向上を図る。
また、アレルギー疾患医療は、診療科が内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼
科、小児科等、多岐にわたることや、アレルギー疾患に携わる専門的な知
識及び技能を有する医師が偏在していることなどからアレルギー疾患医療
の提供体制の地域間格差の大きさが指摘されている。このような現状を踏
まえ、アレルギー疾患医療の提供体制に関する検討を行い、ア レ ル ギ ー 疾
5
患医療全体の質の向上を図る。
(2)今後の取組が必要な施策
ア 国は、アレルギー疾患医療に携わる医師に対し、最新の科学
的知見に基づく適切な医療についての情報を提供するため、地
方公共団体に対し、地域医師会と協力し講習の機会を確保する
ことを求める。また、関係学会に対して、アレルギー疾患に携
わる専門的な知識及び技能を有する医師等を講習に派遣し、講
習内容を充実させるための協力を求める。
イ 国は、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師その他の医療従
事者の育成を行う大学等の養成課程におけるアレルギー疾患に
関する教育について、内容の充実を図るため関係学会と検討を
行い、その検討結果に基づき教育を推進する。
ウ 国は、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師その他の医療従
事者の知識及び技能の向上を図るため、これら医療従事者が所
属する関係学会等が有する医療従事者向け認定制度の取得等を
通じた自己研鑽を促す施策等の検討を行う。
エ 国は、関係学会等がウェブサイトに掲載しているアレルギー
疾患に携わる専門的な知識及び技術を有する医療従事者並びに
アレルギー疾患医療提供機関の情報について、ホームページ等
を通じ、患者やその家族、医療従事者向けに提供する。
オ 国は、アレルギー疾患を有する者が居住地域に関わらず適切
なアレルギー疾患医療や相談支援を受けられるよう、アレルギ
ー疾患医療の提供体制に関する検討を行い、その検討結果に基
づいた体制を整備する。
カ 国は、アレルギー疾患医療の提供体制の更なる充実を図るた
め、国立研究開発法人国立成育医療研究センター及び独立行政
法人国立病院機構相模原病院等のアレルギー疾患医療の全国的
な拠点となる医療機関、地域の拠点となる医療機関の役割や機
能、またこれら医療機関とかかりつけ医との連携協力体制に関
する検討を行い、その検討結果に基づいた体制を整備する。
キ 国は、国立研究開発法人国立成育医療研究センター及び独立
行政法人国立病院機構相模原病院を中心とする医療機関の協力
のもと、最新の科学的知見に基づく適切な医療に関する情報の
提供、アレルギー疾患医療に関する研究並びに専門的な知識と
技術を有する医療従事者の育成等を推進する。
6
ク
アレルギー症状を引き起こす原因物質の特定は困難なことが
多く、容易に診断ができない場合がある。国は、正確な診断と
そ れ に 基 づ く 治 療 や 予 防 が 行 わ れ る よ う 、専 門 的 な 医 療 機 関 と 関
係団体との連携を推進して情報の共有を図り、アレルギー症状を引き起
こす可能性のある検査対象成分の確保及び活用等、効 率 的 で 適 切 な 仕
組みについて検討する。
第4 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項
(1)今後の取組の方針について
何らかのアレルギー疾患を有する者は、アレルギー疾患以外の多くの慢
性疾患を有する者と同様に、その症状に違いはあっても、総じて長期にわ
たり、生活の質が低下し、社会的、経済的に少なからず影響を受ける。ア
レルギー疾患は、その有病率の高さ等により、社会全体に与える影響も大
きいが、発症、重症化要因の解明、ガイドラインの有効性の評価や薬剤の
長期投与の効果や副作用等、未だに明らかになっていないことが多い。こ
れら諸問題の解決に向け、疫学調査、基礎病態解明、治療開発(橋渡し研
究の活性化を含む)、臨床研究の長期的かつ戦略的な推進が必要である。
アレルギー疾患は、最新の科学的知見に基づく治療に準じることで、概
ねコントロール可能であるが、診療科が、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼
科、小児科等、多岐にわたることや、ア レ ル ギ ー 疾 患 に 携 わ る 専 門 的
な 知 識 及 び 技 能 を 有 す る 医 師 の偏在等により、その周知、普及、実践が
進んでいない。最新の科学的知見に基づくアレルギー疾患医療の周知、普
及、実践度合いについて、適切な方法で継続的に現状を把握し、それに基
づいた対策を行うことで、国民が享受するアレルギー疾患医療全体の質の
向上を図る。
(2)今後取組が必要な施策について
ア アレルギー疾患の罹患率の低下並びにアレルギー疾患の重症
化の予防及び症状の軽減を更に推進するためには、疫学研究に
よるアレルギー疾患の長期にわたる推移(自然史)の解明等良
質なエビデンスの蓄積とそれに基づく定期的なガイドラインの
改訂が必要であり、国は、関係学会等と連携し、子どもの健康
と環境に関する全国調査(エコチル調査)等の既存の調査、研
究の結果の分析を活用するとともに、アレルギー疾患の疫学研
究を継続的、戦略的に実施する。また、地方公共団体の取組や
患者数、死亡者数の増減などを長期にわたり把握することで、
7
基本指針に基づいて行われる国の取組の効果を客観的に評価し、
より有効な取組の立案に繋げる。
イ 国は、 アレルギー疾患を有する者の生活の質の改善のみならず、アレ
ルギー疾患に起因する死亡者数を減少させるため、本態解明研究を推進
し、アレルゲン免疫療法をはじめとする根治療法の発展及び新規開発を
目指す。
ウ 国は、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、独立行政法人国
立病院機構相模原病院その他の専門的なアレルギー疾患医療の提供等を
行う医療機関と臨床研究中核病院等関係機関の連携体制を整備し、速や
かに質の高い臨床研究試験や治験を実施し、世界に先駆けた革新的なア
レルギー疾患の予防、診断及び治療方法の開発等を行い、これらに資す
るアレルギー疾患の病態解明等に向けた研究を推進するよう努める。
第5 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項
(1) アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための施策に関する
事項
ア 国は、アレルギー疾患を有する者への対応が求められること
が多い保健師、助産師、管理栄養士、栄養士及び調理師等がア
レルギー疾患への対応に関する適切な知見を得られるよう、地
方公共団体に対し、関係学会等と連携し講習の機会を確保する
ことを求める。
イ 国は、保健師、助産師、管理栄養士、栄養士及び調理師等の
育成を行う大学等の養成課程におけるアレルギー疾患に対する
教育を推進する。
ウ 国 は 、保 健 師 、助 産 師 、管 理 栄 養 士 、栄 養 士 及 び 調 理 師 等 の 、
アレルギー疾患に係る知識及び技能の向上に資するため、これ
ら職種に関連する学会等が有する認定制度の取得等を通じた自
己研鑽を促す施策等の検討を行う。
エ 国は、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン、学校給
食における食物アレルギー対応指針等を周知し実践を促すとともに、学
校の教職員等に対するアレルギー疾患の正しい知識の習得や実践的な研
修の機会の確保等について、教育委員会等に対し必要に応じて適切な助
言及び指導を行う。児童福祉施設や放課後児童クラブにおいても、職員
等に対して、保育所におけるアレルギー対応ガイドライン等既存のガイ
ドラインを周知するとともに、職員等に対するアレルギー疾患の正しい
知識の習得や実践的な研修の機会の確保等についても地方公共団体と協
8
力して取り組む。また、老人福祉施設、障害者支援施設等においても、
職員等に対するアレルギー疾患の正しい知識の啓発に努める。
オ 国は、アレルギー疾患を有する者がアナフィラキシーショックに陥っ
た際、適切な医療へアクセスできるよう、教育委員会に対し、アレルギ
ーを有する者及びその家族と学校等とが共有している学校生活管理指導
表等の情報を、医療機関、消防機関等とも平時から共有するよう促す。
カ 国は、アナフィラキシーショックに陥った際に必要となるア
ドレナリン自己注射薬の保有の必要性や、注射のタイミング等
の使用方法について、医療従事者が、アレルギー疾患を有する
者やその家族及び関係者に啓発するよう促す。
キ 国は、アレルギー疾患を有する者が適切なアレルギ-疾患医療を受け
ながら就労を維持できる職場環境等の整備等の施策を検討する。
ク 国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患を有する者やその家族の
悩みや不安に対応し、生活の質の維持向上を図るため、相談事業の充実
を進める。
ケ 国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患を有する者等を含めた国
民が、アレルギー疾患を有する者への正しい理解のための適切な情報に
いつでも容易にアクセスできるホームページ等の充実を行う。
(2) 地域の実情に応じたアレルギー疾患対策の推進
ア 地方公共団体は、アレルギー疾患対策に係る全部局を統括する部署又
は担当者の設置に努める。
イ 地方公共団体は、地域の実情を把握し、医療関係者、アレルギー疾患
を有する者その他の関係者の意見を参考に、地域のアレルギー疾患対策
の施策を策定し、及び実施するよう努める。
(3) 災害時の対応
ア 国及び地方公共団体は、平常時において、関係学会等と連携体制を構
築し、様々な規模の災害を想定した対応の準備を行う。
イ 国は、災害時において、アレルギー用ミルク等の確実な集積と適切な
分配に資するため、必要なアレルギー食の確保及び輸送を行う。また、
国は地方公共団体に対して、防災や備蓄集配等に関わる担当部署とアレ
ルギー担当部署が連携協力の上、アレルギー食等の集積場所を速やかに
設置し、物資の受け取りや適切なタイミングで必要な者へ提供できるよ
う支援する。
ウ
国及び地方公共団体は、災害時において、関係学会等と連携し、ホー
9
ムページやパンフレット等を用いた周知を行い、アナフィラキシー等の
重篤な状態の発生の予防に努める。
エ 国及び地方公共団体は、災害時において、関係団体等と協力し、アレ
ルギー疾患を有する者やその家族及び関係者、医療従事者向けの相談窓
口の設置を速やかに行う。
(4)必要な財政措置の実施と予算の効率化及び重点化
国は、アレルギー疾患対策を推進するため、本指針にのっとった施策に
取り組む必要があり、それに必要な予算を確保していくことが重要である。
その上で、アレルギー疾患対策を効率化し、成果を最大化するという視
点も必要であり、関係省庁連絡会議等において、関係府省庁間の連携の強
化及び施策の重点化を図る。
(5)アレルギー対策基本指針の見直し及び定期報告
法第 11 条第6項において、「厚生労働大臣は、アレルギー疾患医療に関
する状況、アレルギー疾患を有する者を取り巻く生活環境その他のアレル
ギー疾患に関する状況の変化を勘案し、及び前項の評価を踏まえ、少なく
とも5年ごとに、アレルギー疾患対策基本指針に検討を加え、必要がある
と認めるときには、これを変更しなければならない。」とされている。
本指針は、アレルギー疾患の現状を踏まえ、アレルギー疾患対策を総合
的に推進するために基本となる事項について定めたものである。国は、国
及び地方公共団体等が実施する取組について定期的に調査及び評価を行い、
アレルギー疾患に関する状況変化を的確に捉えた上で、厚生労働大臣が必
要であると認める場合には、策定から5年を経過する前であっても、本指
針について検討を加え、変更する。
なお、アレルギー疾患対策推進協議会については、関係府省庁も交え、
引き続き定期的に開催するものとし、本指針に定められた取組の進捗の確
認等、アレルギー疾患対策の更なる推進のための検討の場として機能させ
るものとする。
10
目次
ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 法
第 二早 総 則 (
第 一条- 第 十条 )
ア レ ルギ ー疾 患 の重 症 化 の予防 及 び症 状 の軽 減 (
第 十 四条 ・第 十 五条 )
ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 等 (
第 十 一条- 第 十 三条 )
第 一節
ア レ ルギ ー疾 患 医療 の均 てん 化 の促進 等 (
第 十 六条 ・第 十 七条 )
第 二章
第 二節
ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 の生 活 の質 の維持 向 上 (
第 十 八条 )
基 本的施策
第 三節
研 究 の推 進 等 (
第 十 九条 )
第 三章
第 四節
地方 公共 団体 が 行 う 基 本 的 施 策 (
第 二十条 )
ア レ ルギ ー疾 患 対策 推 進協 議 会 (
第 二十 一条 ・第 二十 二条 )
第 五節
第 四章
附則
第 三早 総 則
こ の法 律 は、 ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 が多 数 存 在 す る こと、 ア レ ルギ ー疾 患 に は急 激 な 症 状 の悪
(
目的 )
第 一条
化 を 繰 り 返 し生 じさ せ るも のが あ る こと、 ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 の生 活 の質 が著 し く損 な わ れ る場合
が多 い こと等 ア レ ルギ -疾 患 が 国 民生 活 に多 大 な 影 響 を 及ぼ し て いる現 状 及 び ア レ ルギ I疾 患 が 生 活 環境
に係 る多 様 か つ複 合 的 な 要 因 によ って発 生 しt か つ' 重 症 化す る こと に鑑 み、 ア レ ルギ I疾 患 対策 の l層
の充 実 を 図 るた め、ア レ ルギ ー疾 患 対策 に関 し、基 本 理念 を 定 め、国、地方 公共 団体 、医療 保 険 者 、国 民、
医師 そ の他 の医療 関 係者 及 び学 校 等 の設置 者 又は管 理者 の責 務 を 明 ら か に し、 並 び に ア レ ルギ ー疾 患 対策
の推 進 に関 す る指 針 の策 定 等 に ついて定 め ると と も に、 ア レ ルギ ー疾 患 対 策 の基 本 と な る事 項 を定 め る こ
と に よ り、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 を 総 合 的 に推 進 す る こと を 目的 と す る。
こ の法 律 に お いて 「ア レ ルギ ー疾 患 」と は、気 管 支 ぜ ん息 、アト ピI 性皮 膚 炎 'ア レ ルギ ー 性 鼻 炎 、
(
定義)
第 二条
ア レ ルギ ー 性結 膜 炎 ' 花 粉 症 、 食 物 ア レ ルギ ー そ の他 ア レ ルゲ ンに起 因す る免 疫 反応 に よ る 人 の生 体 に有
害 な 局所的 又は全身 的 反応 に係 る疾 患 であ って政令 で定 め るも のを いう。
二
ア レルギ ー疾患 対策 は、 次 に掲げ る事 項 を基 本 理念 と し て行 われな け れば な らな い。
(
基 本 理念 )
第 三粂
一 ア レ ルギ ー疾 患 が生活 環境 に係 る多 様 か つ複 合的 な 要 因 によ って発生 し、 か つ' 重症 化す る こと に鑑
ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 が' そ の居住 す る地域 にか かわらず等 しく科学的 知 見 に基 づ く適 切な ア レ
ア レルギ ー疾患 対策 に関す る施策 の総合 的 な実施 により生 活 環境 の改善 を 図 る こと。
み、 ア レルギ ー疾患 の重症 化 の予防 及 び症 状 の軽減 に資 す るた め'第 三章 に定 め る基本 的施策 そ の他 の
二
ルギー疾患 に係 る医療 (
以下 「
ア レルギ ー疾患 医療 」と いう。)を受 け る ことが でき るよう にす る こと。
国 民が、 ア レ ルギ ー疾 患 に関 Lt適 切な情 報を 入手す る ことが でき ると とも に、 ア レルギ ー疾 患 にか
か った 場合 には' そ の状態 及び置 かれ て いる環境 に応 じ、 生 活 の質 の維持 向上 のた め の支 援 を受 け る こ
ア レ ルギ I疾 患 に関す る専 門的 '学 際的 又は総合 的 な 研究 を推進 す ると とも に' ア レ ルギ ー疾患 の重
とが でき るよう体 制 の整 備がなさ れ る こと。
三
四
症 化 の予防 '診 断、治療 等 に係 る技術 の向上 そ の他 の研究等 の成 果を普 及 し、 活用 し、 及 び発展さ せ る
こと。
三
国 は、前条 の基本 理念 (
次条 にお いて 「
基本 理念」と いう0 ) に の っとり' ア レルギ I疾患 対策 を
(
国 の責務)
第 四条
総合的 に策定 し、 及び実施す る責務を有す る。
地方 公共団体 は、基本 理念 に の っとり' ア レルギー疾患 対策 に関 し、国と の連携を図 り つつ、自主
(
地方 公共団体 の責務)
第 五条
的 か つ主体的 に、 そ の地域 の特性 に応 じた施策 を策定 Lt 及び実施す るよう努 めな ければならな い。
医療 保険者 (
介護保険法 (
平成 九年法律第 百 二十 三号)
第 七条第七項 に規定す る医療保険者を いう0)
(
医療 保険者 の責務)
第 六条
は、 国及び地方 公共団体が講ず るア レルギ ー疾患 の重症 化 の予防 及び症状 の軽減 に関す る啓発及び知識 の
普 及等 の施策 に協力す るよう努 めなければならな い。
国民は、 ア レルギ-疾患 に関す る正し い知識を持ち' ア レルギー疾患 の重症 化 の予防 及び症 状 の軽
(
国民 の責務)
第 七条
減 に必要な注意 を払う よう努 めるととも に、 ア レルギー疾患 を有す る者 に ついて正し い理解 を深めるよう
四
努 めな け ればな らな い。
医師 そ の他 の医療 関係者 は、 国 及び地方 公共 団体 が講ず るア レルギ ー疾患 対策 に協 力 し、 ア レ ルギ
(
医師 等 の責務 )
第 八条
ー疾 患 の重症 化 の予防 及 び症 状 の軽減 に寄 与 す るよう努 め るとと も に、 ア レ ルギー疾 患 を有 す る者 の置 か
れ て いる状 況を 深く 認識 し、 科学的 知 見 に基 づ く良 質 か つ適 切な ア レルギ ー疾 患 医療 を行 う よう努 めな け
れば な らな い。
学 校 '児童福 祉 施 設'老 人福 祉施 設、障害者支 援 施 設 そ の他自 ら十 分 に療養 に関 し必要な行為 を 行
(
学 校 等 の設置者 等 の責務 )
第 九条
う ことが できな い児童 、高齢者 又は障 害者 が居住 し 又は滞在 す る施 設 (
以下 「
学校 等」 と いう。 ) の設置
者 又は管 理者 は、 国 及び地方 公共団体 が講ず る ア レルギ ー疾患 の重症 化 の予防 及び症 状 の軽 減 に関す る啓
発 及び知 識 の普 及等 の施策 に協 力す るよ-努 め ると とも に' そ の設 置 し 又 は管 理す る学 校等 に お いて、 ア
レルギー疾 患 を有す る児 童、高齢者 又は障 害者 に対 し、 適 切な 医療 的、福 祉 的 又は教育 的 配 慮 を す るよう
努 めな ければ な らな い。
五
政 府 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 を 実 施 す るた め 必 要 な 法 制 上 又は財 政 上 の措 置 そ の他 の措 置 を 講 じな
(
法 制 上 の措 置等 )
第 十条
ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 等
け れば な ら な い。
第 二章
厚 生 労 働 大 臣 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 の総 合 的 な 推 進 を 図 るた め、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 の推 進 に
(
ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 の策 定 等 )
第 十 1条
関 す る基 本 的 な 指 針 (
以 下 「ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 」 と いう。 ) を策 定 しな け れば な ら な い。
ア レ ルギー疾 患 対策 基 本 指 針 は、 次 に掲 げ る事 項 に ついて定 め るも のとす る。
三
二
ア レ ルギ ー疾 患 に関 す る調査 及 び 研究 に関す る事 項
ア レ ルギ ー疾 患 医療 を 提 供 す る体 制 の確 保 に関 す る事 項
ア レ ルギ ー疾 患 に関 す る啓 発 及 び知 識 の普 及並 び に ア レ ルギ ー疾 患 の予防 のた め の施 策 に関 す る事 項
2
四
そ の他 ア レ ルギー疾 患 対策 の推 進 に関 す る重 要事 項
l ア レ ルギー疾 患 対策 の推 進 に関 す る基 本 的 な 事 項
五
六
3
4
厚 生 労 働 大 臣 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 を策 定 しよう と す ると き は、 あ ら か じ め、 関 係 行 政 機 関
の長 に協 議 す る と と も に、 ア レ ルギ I疾 患 対策 推 進 協 議会 の意 見を 聴 く も のとす る。
厚 生 労 働 大 臣 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 を策 定 した と き は' 遅 滞 な く、 これ を イ ンタ ーネ ット の
厚生 労 働 大 臣 は、 適 時 に、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 に基 づ く ア レ ルギ ー疾 患 対策 の効 果 に関 す る評
利 用 そ の他適 切 な方 法 に よ り 公表 しな け れば な ら な い。
5
第 三項 及 び 第 四項 の規定 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 の変 更 に ついて準 用 す る。
/0
_
V
ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 に検 討 を 加 え 、 必要 が あ ると 認 め ると き に は、 これ を変 更 しな け れば な ら な
の他 のア レ ルギ ー疾 患 に関 す る状 況 の変 化 を勘 案 し、 及 び前 項 の評価 を踏 ま え 、 少 な く と も 五年 ご と に、
厚 生 労 働 大 臣 は' ア レ ルギ ー疾 患 医療 に関 す る状 況、 ア レ ルギ ー疾 患 を 有 す る者 を 取 り巻 く 生 活 環境 そ
価 を 行 い、 そ の結 果 を イ ンタ ーネ ット の利 用 そ の他 適 切 な 方 法 によ り 公表 しな け れば な ら な い。
6
7
厚 生 労働 大 臣 は、 必要 が あ ると 認 め ると き は、 関 係 行 政 機 関 の長 に 対 し て、 ア レ ルギ ー疾 患 対策
(
関 係 行 政 機 関 への要 請 )
第 十 二条
七
基 本 指 針 の策 定 のた め の資 料 の提 出 又 は ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 に お い て定 め ら れ た施 策 であ って当
該 行 政 機 関 の所 管 に係 るも の の実 施 に つい て、 必 要な 要 請 を す る こと が でき る。
都 道 府 県 は、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本 指 針 に即 す ると と も に、 当該 都道 府 県 に おけ る ア レ ルギ ー
(
都道 府 県 に おけ る ア レ ルギ I疾 患 対策 の推 進 に関す る計 画 )
第 十 三条
疾 患 を有 す る者 に対す る ア レ ルギ ー疾 患 医療 の提 供 の状 況、 生 活 の質 の維持 向 上 のた め の支 援 の状 況等 を
ア レ ルギ ー疾 患 の重 症 化 の予防 及 び症 状 の軽 減
基本的 施策
踏 ま え 、 当 該 都 道 府 県 に おけ る ア レ ルギ ー疾 患 対策 の推 進 に関す る計 画を 策 定 す る こと が でき る。
第 三章
第 一節
国 は、 生 活 環境 が ア レ ルギ ー疾 患 に及ぼ す 影 響 に関す る啓 発 及 び知 識 の普 及、 学 校 教 育 及 び社 会
(
知 識 の普 及等 )
第 十 四条
教育 に おけ る ア レ ルギー疾 患 の療 養 に関 し必要 な 事 項 そ の他 のア レ ルギー疾 患 の重症 化 の予防 及 び症 状 の
軽 減 の適 切 な方 法 に関 す る教 育 の推 進 そ の他 のア レ ルギ -疾 患 の重 症 化 の予防 及 び症 状 の軽 減 に関す る国
民 の認識 を 深 め るた め に 必要 な 施 策 を 講 ず るも のとす る。
.
/
i
Z
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国 は、 ア レ ルギ ー疾 患 の重症 化 の予防 及び症 状 の軽減 に資 す るよう'大気 汚染 の防 止、森 林 の適
(
生 活 環境 の改善 )
第 十 五条
正な整 備、 ア レ ルギI物質 を含 む食 品 に関す る表 示 の充実、 建築 構 造等 の改 善 の推 進 そ の他 の生 活環境 の
ア レ ルギ ー疾患 医療 の均 てん化 の促進等
改善 を 図 るた め の措 置を 講ず るも のとす る。
第 二節
国 は、 ア レ ルギー疾患 に関す る学会 と連 携協 力 し、 ア レルギー疾患 医療 に携 わ る専 門的 な知 識 及
(
専 門的 な知 識 及び技能を有 す る医師 そ の他 の医療 従事者 の育 成)
第 十 六条
び技能 を有 す る医師 、 薬剤師 、看護師 そ の他 の医療 従事者 の育 成 を 図 るた め に必要な施策 を講ず るも のと
す る。
国 は、 ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 が そ の居住す る地域 にか かわ らず 等 しく そ のア レ ルギ ー疾 患 の
(
医療機 関 の整 備等 )
第 十 七条
状態 に応 じた適 切な ア レ ルギー疾 患 医療 を受 け る ことが でき るよう、専 門的 な ア レ ルギ ー疾 患 医療 の提 供
等 を行う 医療 機 関 の整 備 を図 るた め に必要な施策 を 講ず るも のとす る。
九
2
国 は、 ア レ ルギ ー 疾 患 を 有 す る者 に 対 し適 切 な ア レ ルギ ー疾 患 医療 が 提 供 さ れ る よ う 、 独 立 行 政 法 人 国
立 成 育 医療 研 究 セ ンタ ー 、 独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 の設 置 す る 医療 機 関 であ って厚 生 労 働 大 臣 が 定 め る
も の、 前 項 の医療 機 関 そ の他 の医療 機 関 等 の間 に お け る連 携 協 力 体 制 の整 備 を 図 る た め に 必 要 な 施 策 を 講
ア レ ルギ ー 疾 患 を 有 す る者 の生 活 の質 の維持 向 上
国 は' ア レ ルギ ー 疾 患 を 有 す る者 の生 活 の質 の維 持 向 上 が 図 ら れ る よ う 、 ア レ ルギ ー 疾 患 を 有 す
第 三節
ず る も のと す る。
第 十 八条
る者 に 対 す る 医療 的 又 は福 祉 的 援 助 に 関 す る専 門 的 な 知 識 及 び 技 能 を 有 す る 保 健 師 、助 産 師 '管 理 栄 養 士 '
国 は、 ア レ ルギ - 疾 患 を 有 す る者 に 対 し ア レ ルギ ー 疾 患 医療 を 適 切 に 提 供 す る た め の学 校 等 ' 職 場 等 と
栄 養 士 、 調 理 師 等 の育 成 を 図 るた め に 必 要 な 施 策 を 講 ず る も のと す る。
2
医 療 機 関 等 と の連 携 協 力 体 制 を 確 保 す る こと 、 学 校 等 の教 員 又 は職 員 、 事 業 主 等 に 対 す る ア レ ルギ ー疾 患
を 有 す る者 への医療 的 、 福 祉 的 又 は教 育 的 援 助 に 関 す る 研 修 の機 会 を 確 保 す る こと 、 ア レ ルギー疾 患 を 有
す る者 及 び そ の家 族 に 対 す る相 談 体 制 を 整 備 す る こと 、 ア レ ルギ ー疾 患 を 有 す る者 に つい て の正 し い理解
を 深 め る た め の教 育 を 推 進 す る こと そ の他 の ア レ ルギ ー疾 患 を 有 す る者 の生 活 の質 の維 持 向 上 のた め に 必
一〇
研究 の推進 等
国 は、 ア レルギ ー疾患 の本態 解 明'革新 的な ア レ ルギ ー疾 患 の予防 、診 断 及び治療 に関す る方 法
第 四節
要な施策 を講ず るも のとす るO
第 十九条
の開 発 そ の他 のア レルギ ー疾患 の雁患 率 の低 下並 び に ア レ ルギ ー疾 患 の重症 化 の予防 及び症 状 の軽減 に資
す る事 項 に ついて の疫学 研究 、基礎 研究 及 び臨床 研究 が促進 さ れ、並 び にそ の成 果 が活 用さ れ るよう 必要
国 は、 ア レ ルギ ー疾患 医療 を 行う上 で特 に必要性 が高 い医薬 品' 医療 機 器 及 び再生 医療 等製 品 の早期 の
な施策 を講ず るも のとす る。
2
医薬 品、 医療 機 器等 の品質、 有効 性 及 び安 全性 の確 保等 に関す る法律 (
昭和 三十 五年 法律第 百四十 五号)
の規定 によ る製 造 販売 の承認 に資 す るよう、 そ の治験 が 迅速 か つ確実 に行 わ れ る環境 の整 備 のた め に必要
地方 公共団体 が行 う基 本的施策
地方 公共団体 は、 国 の施策 と相 ま って' 当該 地域 の実情 に応 じ、 第 十 四条 から第 十 八条 ま でに規
第 五節
な施策 を講ず るも のとす る。
第 二十条
定 す る施策 を講ず るよう に努 めな ければ な らな い。
一一
第 四章
第 二十 一条
ア レ ルギ ー疾 患 対策 推 進 協 議会
厚 生 労 働 省 に、 ア レ ルギ ー疾 患 対策 基 本指 針 に関 し、 第 十 一条 第 三項 (
同条 第 七 項 に お いて準
用 す る場合 を含 む。)に規 定 す る事 項 を 処 理す るた め'ア レ ルギ ー疾 患 対策 推 進 協 議 会 (
次条 に お いて 「
協
協 議会 の委 員 は、 ア レ ルギ ー疾 患 を有 す る者 及 び そ の家 族 を 代 表 す る者 、 ア レ ルギ I疾 患 医療
議 会 」 と いう。 ) を 置 く。
第 二十 二条
に従事 す る者 並 び に学 識 経 験 のあ る者 のう ち か ら' 厚 生 労 働 大 臣 が 任命 す る。
則
前 二項 に定 め るも の のほか、 協 議 会 の組織 及 び 運営 に関 し必 要な 事 項 は、 政令 で定 め る。
2 協 議会 の委 員 は' 非常 勤 とす る。
3
附
こ の法 律 は' 公布 の日から起 算 し て 一年 六 月 を 超 え な い範 囲内 に お い て政 令 で定 め る 日 から 施 行 す
(
施 行 期 日)
第 1条
号 ) の公布 の日 又は こ の法 律 の公布 の日 の いず れ か遅 い日か
る。 た だ し、 附 則第 三条 の規 定 は、 独 立 行 政 法 人 通 則 法 の 一部 を 改 正す る法 律 の施 行 に伴 う 関 係 法 律 の整
備 に関 す る法 律 (
平成 二十 六年 法 律 第
t二
ら施行す る。
に改め る。
号)第十 一条第 一項 に規定す るア レ
厚生労働省 設置法 (
平成十 一年法律第九十七号) の 一部 を次 のよう に改 正す る。
(
厚生労働省 設置法 の 一部改 正)
第 二条
アレルギI疾患 対策基本法 (
平成 二十六年法律第
第 四条第 一項第十七号 の三 の次 に次 の 一号を加え る。
十七 の四
ア レルギー疾患 対策推進協 議会」
「
肝炎対策推進協議会
ルギー疾患 対策基本指針 の策定 に関す る こと。
第 六条第 二項中 「
肝炎対策推進協議会」を
第 十 1条 の四 の次 に次 の 1条を加え るo
(
ア レルギー疾患 対策推進協 議会)
第十 1条 の五 ア レルギ-疾患 対策推進協議会 に ついては' ア レルギー疾患 対策基本法 (
これに基づく命
令 を含 むo) の定 め ると ころによ る。
(
独立行政法人通則法 の 1部を改 正す る法律 の施行 に伴う関係法律 の整備 に関す る法律 の 一部改 正)
一三
第 三条
号) の 一部を次 のよう に改 正
独立行政法 人通則法 の 一部を改 正す る法律 の施行 に伴う関係法律 の整備 に関す る法律 の 一部を次 の
よう に改 正す る。
目次中 「
第 百三十六条」を 「
第 百三十六条 の二」 に改 め る。
第 八華中第 百三十六条 の次 に次 の 一条 を加え る。
(
ア レルギー疾患 対策基本法 の 一部改 正)
第 百三十六条 の二 ア レルギー疾患 対策基本法 (
平成 二十六年法律第
す る。
第 十七条第 二項中 「
独立行政法 人国立成育 医療研究 セ ンター」を 「
国立研究開発法 人国立成育 医療 研究
セ ンター」 に改 めるo
附則第 二条 の-ち厚生労働省 設置法第十 1条 の四 の次 に 1条 を加え る改 正規定中 「
第十 1条 のE]
」を 「
第
十 一条 の三」 に改 め、第 十 一条 の五を第十 一条 の四とす る。