症状の代表的なものは,発熱(38∼39℃)と のど の痛みです。しかし, 3歳未満ではあまり熱があがらないと言われています。そして,体や手 足に小さくて紅い発疹が出たり,舌にイチゴのようなツブツブができたり します(イチゴ舌)。そのほかに頭痛,腹痛,首すじのリンパ節の腫れ もみられます。急性期を過ぎますと,発疹のあとには落屑(皮むけ)が 認められるようになります。風邪と違って咳や鼻水が出ないというのも この病気の特徴です。この病気には潜伏期間があり,実際に感染して からだいたい2∼4日で症状がでます。 まず,年齢,熱の程度, のど の発赤の具合,体や手足の発疹の程度 から溶連菌に感染している疑いがあれば,確認のために検査を行います。 最近は, のど についた細菌の検査の中で,溶連菌については,5 ∼10 分以内に結果が出るので,すぐに溶連菌かどうかわかります。この検査が 必要なのは,後でお話するお薬の服用期間と大きく関係してきます。 溶連菌の感染とわかれば,熱やのどの痛みといった症状をやわらげる お薬のほかに,抗生物質が出されます。抗生物質は病気の原因になっ ている溶連菌を退治する大変重要なお薬です。 お薬を飲み始めると,2∼3 日で熱が下がり,のどの痛みもやわらい できます。発疹が出た場合,急性期を過ぎて,手足の指先から始ま る落屑(皮むけ)が認められるようになります。確実に溶連菌を退治し, 重大な続発症(合併症)を引き起こさないために,症状が消えても抗 生物質はしばらく飲み続けなくてはいけません。一部の抗生物質以 外は,5∼10 日間飲み続ける必要があると言われています。 5 ∼10日間 5∼10 日間お薬を飲み続けるのは,こどもにはとってもむずかしいこと です。しかし, 決められた期間はしっかり抗生物質を飲んでおかないと, ときに,心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や,急性糸球体腎炎と いった続発症(合併症)につながることもあります。 溶連菌感染症は,繰り返しかかることもあります。大人になってもかかり ます。溶連菌感染症の症状としては咳や鼻水がありませんが,日常生活 の中で出る咳やくしゃみなどによって近くの人に感染(飛沫感染)する ことがあります。また, 溶連菌に汚染された食品が原因のこともあります。 一人がかかったら家族,特に一緒に遊んでいる兄弟への感染に注意し, できれば一緒に検査を受けておくとよいでしょう。 発病2 週と3 ∼4週後頃に尿検査をして,尿に異常がないことを確認 しましょう。この検査で異常がなければ、恐らく大丈夫でしょう。
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