小室淳史選手

釜石国体参加報告
小室
1.
淳史
国体に向けて
今回の釜石国体で、国体に参加するのは 6 回目である。春先から国体を意識し、レー
ス当日に照準を合わせるべくシーズン計画を立てた。今大会は参加人数がこれまでの倍
の 94 名となり、スイムで流れに乗りバイクの集団に入ることが何よりも重要となって
くる。そのため、スイムの自力アップを最重要課題に据え、トレーニングを重ねた。予
選会以降に試したフォーム変更がはまり、プールでの泳ぎとしてはタイムが良くなって
いたので、期待してレース当日を迎えた。
2.
レース内容
【スイム:74 位、25:46】
前日の試泳が寒かったのでホットクリームを購入し、全身に塗りこんだ。それでも当
日のウォームアップで冷えた体は温まりにくく、ジャージを何枚も着込むことでレース
直前には体の震えが落ち着いた。精神的には十分に落ち着いており、やる気も十分にあ
った。レースが始まり、一斉に飛び込む。飛び込みはおおむね成功したものの、ほどな
くしてバトルが始まり、何度か上体に乗られた。ここで慌てると過呼吸になるため、落
ち着いてと自分に言い聞かせた。第一ブイが近付くにつれて、前方にしぶきが多く見え
るようになる。それと同時に、視界の両脇から確認できる人の数が減っていった。ここ
で遅れてしまってはまずいと思い、必死に水を掻こうとするものの、心拍もそれなりに
上がっていて、苦しい。必死に集団の最後方に付くものの、徐々に前の集団が分断化し
ていき、自分はその後方の3人ぐらいの集団にはまった。今思うと、この集団の分断化
の時点で、どこにいられるかが今回のレースの最重要ポイントだった。それを逸した自
分のレース展開は、この時点で大方決まってしまった。その後は集団内で淡々と泳ぎ、
スイムアップ。
【バイク:63 位、1:01:46】
トランジットでぽつぽつとバイクがあるのを確認した。一つでも順位を上げるために、
他の選手と出来る限り協力して前を追うしかない。ほとんど同時に上がった佐賀の選手
と 2 人で前を追った。何人かの選手に追いつき、協力をしようとするもののローテーシ
ョンにほとんど加わることが出来ずに遅れてしまう選手が多かった。やはりスイムも遅
すぎるとバイク力も落ちてしまう。10 人ほど同じような状況を繰り返し、結局バイク
終了時も佐賀の選手と2人だった。あとからタイムを見ると、ほぼ 2 人で回したのにし
ては、良く頑張れていた方であったが、ひとつ前の集団とのタイム差は歴然であった。
【ラン:49 位、36:44】
バイクを終えた佐賀の選手と2人で一人でも順位を上げるべく、必死に前を追った。
佐賀の選手とはくっついたり離れたりをしながら、特に言葉を交わすわけではなかった
がお互いを鼓舞しながら走った。秋田県を応援してくれる多くの人の声や姿が目に入り、
頑張ろうという気持ちになる一方で、このような順位で申し訳ないという気持ちを抱え
ながら走った。結局、ひとつ前の集団にいた人にはほとんど追いつけず、61 位でフィ
ニッシュ。
【総合:61 位】
各県の第 2 代表の選手を抜いた順位を計算すると 33 位(47 人中)であった。前回大会
は 21 位であったから、今大会で大きく順位を落としてしまった。原因はスイムでの出
遅れに尽きる。なぜこうなったのか、その原因を以下に挙げる。

直前期のスイム練習を個人で行ってしまった
7月頃までは東北大のトライアスロン部のスイム練に混ぜてもらっていたが、
仕事の関係で合同練習には参加できず、1人で泳ぐ時間が増えてしまった。泳
ぐ量が減らないように気を付け、タイムも悪くなかったが、マイペースが体に
染み付いてしまったように思う。レースのスタートダッシュに対応するような
体は出来ていなかった。

エリートレースからしばらく遠ざかっていた
ここ2年間、エリートレースへの出場はしていない。最後は3年前の村上大会
であった。国体で良い成績を残したいのであれば、もっと積極的にエリートレ
ースへと出ていき、高いレベルで揉まれるべきである。エリートとエイジでは
スタート前の緊張感が全く違う。スタートの重要性がエリートとエイジで全く
違うからである。
3.
レースを終えて
今大会の結果は到底満足できるものではなく、悔しい気持ちでいっぱいである。大会
が終わって3週間がたった今でも、あの時のスイムの光景を思い出し、唇をかみしめて
いる。このままでは終われない。
自分は今、学生アスリートから社会人アスリートへの過渡期にある。まだうまく社会
人アスリートへの適応ができておらず、今シーズンは精神的に余裕がない中で練習を積
み、本番を迎えていた。次回へ向けての課題は、上記に挙げた技術的な反省点に加え、
社会人アスリートとしての生活スタイルの確立にあると思う。生活と仕事、トレーニン
グのバランスを考えながら、効率よく強くなれる方法を模索していきたい。
最後になりましたが、本大会に出場するにあたり、たくさんの方々にお世話になりま
した。秋田県協会の皆さん、磯崎さん、阿部監督、藤原監督、現地まで応援に来てくだ
さった川原谷さん、潮君、皆さんの応援はとても励みになりました。また他にも現地で
応援して下さった方もたくさんおりました。秋田県のユニフォームをみて、声をかけて
下さる方もおりました。現地のボランティアの方々の献身的な様子や、沿道の小中学生
からの応援に感動しました。このような経験はやはり、国体でしか味わえないものだと
思います。気にかけて下さったみなさま、本当にありがとうございました。今大会の悔
しさを胸に、福井国体でのリベンジを目標として、これからも頑張っていきたいと思い
ます。
写真①:国体の競技説明会にて
写真②:スイムスタート(前日練習)