放射線部 - Osaka University

Osaka University Hospital
放 射 線 部
1.スタッフ
をトレーサとする核医学検査を行っている。陽電子放
憲幸
出核種生成のための小型サイクロトロンの整備と運
その他、教授 1 名、病院教授 1 名、講師 1 名、医員 1
転、標識合成装置による検査薬剤の合成、標識薬剤の
名(兼任を含む。また、医療技術部放射線部門スタッ
品質管理、陽電子放射断層撮影装置(PET)をはじめ
フについては、医療技術部の頁を参照のこと。)
とする撮像機器の管理を行っている。PET は、癌、脳、
部長(兼)教授
富山
心臓などの代謝・機能を評価する。特に、癌の早期発
2.診療内容
見や遠隔転移の発見に威力を発揮し、PET-CT は診断
(1) 診療内容の概要
の主力になっている。
当部では、単純 X 線や X 線 CT などの放射線を用い
た検査、放射性医薬品を使用する核医学検査、磁気を
3.診療体制
用いた MRI 検査などの画像診断検査、インターベンシ
(1) 人的体制
ョナルラジオロジー(IVR)の技術を用いた低侵襲治
当部で行われる診療は、当部医師と当部登録医師が
療を行っている。診療とともに、医学部学生、初期研
担っている。当部登録医師は各々の専門性に応じた診
修医の放射線医学教育や、放射線診断機器の開発、新
療を行う(循環器内科医師による心臓カテーテル検査、
しい診断法や治療法の研究を行っている。また、放射
消化器内科医師による消化管内視鏡検査など)。診療
線作業従事者の安全・健康管理業務を行っている。診
放射線技師、臨床工学技士は医療技術部に所属し、撮
断は、撮影部門(一般撮影、特殊撮影)と核医学検査
影部門及び核医学部門の診療を担当している。看護師
部門の 2 部門に大別される。
は看護部に所属し、医師、診療放射線技師、臨床工学
技士と連携し放射線診療並びに看護にあたっている。
(2) 撮影部門(一般撮影、特殊撮影)
一般撮影部門は、胸部・腹部、全身の骨・関節部、
(2) 情報管理体制
乳房などの撮影などを行っている。造影剤を使った検
当部内には RIS(Radiology Information System)
査としては消化管透視などを行う。特殊撮影部門では、
と呼ばれるネットワークが設置されている。これは病
X 線 CT、MRI などによる画像検査、婦人科・泌尿器科・
院情報システム(Hospital Intelligent System:HIS)
整形外科系造影検査、循環器内科・小児科・放射線科・
と連携しているため、患者の基本情報の取得や検査依
脳神経外科の医師らによるカテーテル検査・治療が行
頼の予約受付、会計などを迅速に行うことができる。
われている。CT・MRI で得られたデータから 3 次元立
また、撮影した画像の全てが電子保存され、院内のコ
体画像を作成し、画像診断や手術支援に役立っている。
ンピュータ端末に配信され、各診療科の端末で読影レ
カテーテル検査・治療では、肝癌に対する肝動脈塞栓
ポートと共にモニター上で簡単に閲覧することがで
術、動脈瘤の塞栓術、頭頸部・心臓・下肢などの血管
きるようになっている。これにより当部での診療情報
の狭窄部分を手術しないで拡張させる血管形成術な
が主治医に迅速に提供されるとともに、各診療科で情
どの血管内治療、血管奇形に対する治療、消化管や胆
報を共有できるシステムが構築されている。
道の狭窄に対する治療など、患者に負担の少ない低侵
画像管理室は、院外紹介時や患者への画像情報の提
襲性治療を行っている。MRI 装置としては、患者が入
供のためのデータの作成を行っている。また院外画像
る空間がより大きく、より圧迫感が少ないボア径が大
の取り込みは原則的に医事課にて行っているが、医事
きな装置を 4 台中 2 台設置している。頭部 MRI 検査に
課にて取り込めない画像の取り込みを画像管理室に
限ってであるが、ほとんど音がしない MR 撮影が 1 台
て行っている。
の装置で可能である。平成 27 年度には IVR および整
形外科系撮影に用いる装置を更新した。画質が向上し、
(3) 当部が保有する装置
被曝線量が半分以下になった。また 1 台の CT 装置も
汎用 X 線装置 7 台、パノラマ X 線装置 1 台、乳房 X 線装
更新している。より速くより低被曝で撮影できるよう
置 1 台、マンモトム 1 台、骨塩定量撮影装置 1 台、移動型
になり、心臓 CT の画像がより良くなった。
X 線撮影装置 9 台、X 線透視撮影装置 4 台、X 線 CT 装置 4
台(64 列 2 台、320 列 2 台)
、心臓血管撮影装置 1 台、
(3) 核医学部門
心臓血管/CT 装置 1 台、血管撮影装置 1 台、アンギオ/CT
核医学部門では、単光子放出核種と陽電子放出核種
装置 1 台、超音波検査装置 6 台、磁気共鳴診断装置 4 台(3T
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放射線部
3 台、1.5T 1 台)
、SPECT/CT 2 台、ホールボディシンチカ
た、実施施設が限られている MRI 下の乳腺生検も行っ
メラ 2 台、PET/CT 3 台、サイクロン 1 台、リニアック 2 台、
ている。
サイバーナイフ 1 台、マイクロセレクトロン 1 台、X 線シ
(5) 学会の認定施設
ミュレーター1 台、治療計画用 CT1 台
日本医学放射線学会専門医総合修練機関
日本核医学会専門医教育病院
(4) 先進医療、地域医療への取り組み
日本 IVR 学会 IVR 専門医修練認定施設
子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術など低侵襲性治
日本心血管インターベンション治療学会研修施設
療の開発、腎腫瘍に対する凍結療法を行っている。ま
表1
平成 27 年度画像検査患者数
入院
外来
一般撮影
合計
62,549
53,979
116,528
透視
4,348
615
4,963
血管撮影
CT
4,914
10,265
138
22,423
5,052
32,688
MRI
4,052
7,834
11,886
575
2,794
3,369
24,154
33,804
57,958
核医学
1,308
4,287
5,595
合計
88,011
92,070
180,081
特殊撮影
骨塩定量
小計
表2
平成 27 年度 放射性同位元素使用件数
ポジト
63
99m
Ga
Tc
111
123
In
I
131
133
I
Xe
201
Tl
ロン核
その他
合計
種
検査に使用
した件数
治療に使用
した件数
入院
113
502
11
281
24
38
0
205
0
1,174
外来
20
1,218
9
631
47
13
2
2,246
0
4,186
合計
133
1,720
20
912
71
51
2
2,451
0
5,360
入院
23
23
外来
45
45
合計
68
68
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