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NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2016
戦略的省エネルギー技術革新プログラム
フェーズ名:実用化開発
<高効率LED照明のヒートシンク用
高熱伝導樹脂の開発>
事業実施法人名:デュポン(株)
研究開発期間:平成26年12月~平成28年6月
1-1.研究開発の背景
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 テーマの位置付け
ZEB/ZHBを指向したLED照明の市場導入を促進する材料技術の確立
→ 効果目標:高熱伝導製樹脂筐体によるLED照明部材の軽量化とコスト低減化
 テーマの必要性、重要性、妥当性
政府方針 ・2030年までに国内全ての照明のLED等省エネ型への置き換え
・住宅、オフィス等のゼロエミッション化推進
→ LED照明の熱対策課題を解決し、高効率LED照明普及の加速が必要
 研究開発目的の妥当性
熱伝導率二桁の樹脂+金属の一体型ヒートシンク → 金属単体の冷却性能に匹敵
(弊社シミュレーション)
 設定した当初の目的の妥当性
定型金属ヒートシンク
LED照明
放熱性、コストで従来
の熱伝導樹脂より優る
絶縁熱伝導(30W/mK)樹
脂ヒートシンクLED照明
樹脂化による軽量化かつ設計自由度向上
→ 40%軽量化、40%材料コスト削減可能
 国内外の市場動向
低熱伝導樹脂製ヒートシンク採用事例はあるが普及率は低い
 国内外の競合技術動向
高熱伝導樹脂開発例はあるが、コスト・加工性の問題で普及率は極めて低い
1-2.研究開発の目的、目標
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 従来の課題
 LED照明への置き換えが来たい通りには進んでいない
・LED照明の国内普及率: 2012年まで約20%だが、以降伸び悩み
・LED照明市場の中心: 白熱電球と蛍光灯の置き換えのみ
 高い初期導入費
・初期費用の回収に長期間(5年程度)かかる
 放熱問題
・高効率化・大光束化
→ 放熱不足によるLED寿命の著しい減少
・ヒートシンクの巨大化 → 材料コスト高、重要度大、設置コスト高
 目的、目標
LED照明ヒートシンク
樹脂材として絶縁性
を有した熱伝導率
30W/mKの達成
従来のアルミ代キャ
ストヒートシンク材と
比較し、40%の軽量
化、そして40%の材
料コストを削減
LED照明の小
型化、設置など
を含むトータル
コスト削減
ZEB/ZEHの実現
に不可欠である
高効率LED照明
の普及の加速
1-2.研究開発の目的、目標
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省エネルギー効果算出の際の提案技術達成目標:
現行のアルダイキャストヒートシンクと同等の放熱特性を有しながら、40%の軽量化と40%
の低コストヒートシンクを実現するための高熱伝導樹脂技術を提案すること
金属/樹脂ヒートシンク
金属
樹脂
アルミプレート
LED
コントロール基盤
熱伝導樹脂製筐体
アルミ
樹脂製絶縁リング
口金
放熱経路
アルミ/樹脂比
100/0
90/10
50/50
10/90
相対重量*
100
96
80
63
相対コスト
1**
100
69
63
56
相対コスト
2**
100
71
73
75
放熱性
-
◎
○
○
*比重:アルミ2.7, 熱伝導樹脂1.6をベースに計算
**相対コスト1:樹脂販売単価550円にて計算し、アルミ筐体を
100%とした場合の相対値
相対コスト2: 樹脂販売単価850円にて仮定
2-1.研究開発体制
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主任研究員
研究開発責任者
研究員、プロセス技術者
デュポン株式会社
マーケティング、営業
経理責任者
該当なし
委託先
又は共同実施先
顧客
綿密なニーズ調
査と各顧客に合
わせた適切な技
術開発と提案
2-2.研究開発内容
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技術開発項目①:
技術開発項目②:
低融点材料を被覆させた
熱伝導フィラー技術の開発
熱伝導パス形成技術
の開発
技術開発項目③:
熱伝導樹脂とアルミの
接合界面の最適化
3-1.成果
7
技術開発項目①使用樹脂 絶縁系
 樹脂/アルミ一体化部品においてアルミヒートシンクとほぼ同等の放熱
特性を達成した。
3-1.成果
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全体計画
最終目標(値)
開発当時の技術レベル
到達レベル
高効率LED照明
のヒートシンク用
高熱伝導樹脂の
開発
30W/mKの高熱伝導性
樹脂の開発、及びLED
用ヒートシンクとしてア
ルミダイキャストに対し
40%の軽量化とコストダ
ウン
アルミヒートシンクを代
替できる熱伝導樹脂材
料はなかった
絶縁かつ30W/mKの目標は未
達だが、射出成形可能な絶縁か
つ15W/mKの樹脂材により、金
属接合組合せができ、40%軽量
化とアルミダイキャストとほぼ同
等の放熱特性を達成した。
個別研究項目
最終目標(値)
開発当時の技術レベル
到達レベル
① 低融点材料を
被覆させた熱伝
導フィラー技術の
開発
低融点材料でコーティン 低融点材料をコーティン
グされた熱伝導フィラー グされたフィラーは前例
の圧粉体の体積抵抗値 がない
が1010Ω・cm以上
低融点ガラスと無機フィラーの
組合せで1010Ω・cmの体積抵抗
を達成した。
② 熱伝導パス形
成技術の開発
フィラー高充填化による
熱伝導率30W/mK
熱伝導樹脂で、導電系
で10W/mK、絶縁系で
5W/mKの熱伝導率に
止まった
導電系では30W/mKを達成した
が、電気絶縁かつ30W/mKは未
達となった。電気絶縁かつ
15W/mKは達成した。
③ 熱伝導樹脂と
アルミの接合界
面の最適化
樹脂・アルミ一体型ヒー
トシンクの放熱特性が
現行のアルミダイキャス
トと同等
樹脂とアルミが強固に
接合できず、一体型
ヒートシンクの提案がで
きなかった
樹脂と金属の接合技術を確立し
た。熱伝導性樹脂・アルミの接
合筐体が射出成形でき、アルミ
ダイキャストとほぼ同等の放熱
特性を達成した。
3-2.今後の展望
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到達技術の適用範囲
LED照明W数と適用可能な熱伝導樹脂ヒートシンク材料
30W/mK熱伝導樹脂
+アルミ(接合技術)
50W
30W/mK熱伝導
樹脂のみ
10W
5W
1W
LED照明W数
100W
15W/mK熱伝導性樹脂
+アルミ
(接合技術)
15W/mK熱伝導
樹脂のみ
円サイズ=市場サイズ
3-2.今後の展望
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熱源パワーによる適用放熱法の違い(概要)
適用可能な放熱法
1000W
金属(and/or)
ヒートパイプ
CPU
High Power IGBT
100W
10W
熱源パワー (W)
熱伝導性樹脂の適用範囲
(and/or)
ファン(and/or)
熱伝導性樹脂
熱伝導性樹脂
+
金属
AL
熱伝導性樹脂
1W
TC resin
(~数W/mk)
AL
AL
熱伝導性樹脂
熱伝導性樹脂のみ
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11
3-3.省エネルギー効果
省エネ効果算定式
指標A : LED照明(電球)1台あたりの省エネルギー効果量
0.044 kL
指標B: 市場規模(弊社製品導入量)
2020年: 660万台(国内62万台+国外598万台)
2030年: 2,046万台(国内135万台+国外1911万台)
2020年 省エネ効果量 : A X B = 29万kL/年
(国内2.7万kL+26.3万kL)
2030年 省エネ効果量 : A X B = 90万kL/年
(国内5.9万kL+84.1万kL)
(原油換算)
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3-3.省エネルギー効果
2020年時点: 29万kL/年(累計: 46万kL )
国内2.7万kL/年 (累計:5.2万kL)、国外26.3万kL/年(累計:40.8万kL)
2030年時点: 90万kL/年(累計:716万kL )
国内5.9万kL/年 (累計:47.4万kL)、国外84.1万kL/年(累計:671.9万kL)
1000000
原油削減量(kL/年)
900000
800000
700000
600000
国内+国外
500000
国内
400000
国外
300000
200000
100000
0
2015
2020
2025
年
2030