「年末商戦」は堅調の見通し(米国)

2016年11月24日
(No.1,952)
〈マーケットレポートNo.5,120〉
米国の「年末商戦」は堅調の見通し(米国)
米国では、11月下旬の感謝祭翌日から12月24日のクリスマス・イブまでの期間を「年末商戦」と呼びます。最
近ではセールの開始日が前倒しされる一方、クリスマス後も年末までセールが実施されるため、11月~12月の
2カ月を「年末商戦」と呼ぶことも多いようです。「年末商戦」が始まる感謝祭翌日の金曜日は、小売業者の売
上高が増えて黒字になることから、特に「ブラック・フライデー」と呼ばれます。
2016年の「年末商戦」は堅調に推移する見通し
雇用・所得など消費者を取り巻く環境は良好
■今年の「年末商戦」は、11月25日の金曜日(ブラック・フライデー)から始まります。全米小売業協会
(NRF)によれば、今年の「年末商戦」売上高は6,558億ドル、前年同期比3.6%増と予想されています。
■近年稀にみる暖冬の影響で季節商品の売り上げが振るわなかった昨年実績の同3.2%増はもとより、リーマ
ン・ショックの影響から立ち直った2009年以降の7年間(2009年~2015年)平均の同3.4%増を上回
る伸びとなる見込みです。良好な雇用・所得環境が、商戦を活況に導くと予想されます。
オンライン商戦は引き続き好調
贈り物としてギフトカードなどが人気
■感謝祭の次の月曜日は、週末にお店で見た商品を、
会社のパソコンやスマートフォンなどを通じて注文する
ことからサイバー・マンデーと呼ばれ、オンライン商戦の
スタートとされます。NRFは、今年の商戦期間中のオ
ン ラ イ ン 売 上 高 を 前 年 同 期 比 7 % ~ 10 % 増 の
1,170億ドル程度と見積もっています。
■商戦期間中の1人当たり支出予定額は約936ドル
と、過去最高だった昨年の約953ドルに次ぐ額になり
そうです。このうち589ドルほどが他人への贈り物に充
てられる見込みです。贈り物としては、ギフトカード、
洋服、書籍、CD、DVDなどの人気が高いようです。
米国経済は拡大基調を維持
(億ドル)
8,000
年末商戦の売上高推移
商戦売上高(左 軸)
(%)
12
前年同期比(右軸)
7,000
8
6,000
4
5,000
0
4,000
▲4
▲8
3,000
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
(注1) データの期間は2006年~2016年。
(注2) 年末商戦の売上高は小売売上高(自動車、
ガソリン、外食を除く)の11月と12月の合計。
(注3) 2016年はNRFの予測値。
(出所)米国商務省、NRFのデータを基に三井住友
アセットマネジメント作成
■米国景気は拡大基調を持続する見通し
■株価は企業収益の拡大を織り込む展開へ
「年末商戦」の見通しから判断すると、米国の個人消
費は拡大基調を続けると予想されます。トランプ次期
大統領による拡張的な財政政策とともに、米国経済
の拡大を支える要因になると見られます。
米国の株価は、景気と企業収益の拡大を織り込む展
開が予想されます。ただし、トランプ次期大統領が通
商面で保護主義的な動きを強めるようだと、市場の
変動性が高まる公算もあり、注意が必要です。
2016年11月11日 米国の債券市場(2016年11月)
2016年11月10日 米国の株式市場(2016年11月)
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