入庁後2年間を振り返って

地区連の頁
北海道
─若手技術者のコーナー─
入庁後2年間を振り返って
1.はじめに
クリート打設状況など、実際の現場施工を見ながら
私は、秋田県秋田市出身で高校卒業まで秋田で
下部工ができるのを経験した。上部工架設にも立ち
育った。高校は秋田県立金足農業高校を卒業し、こ
会い、橋面舗装までの一連の作業を自分の目で見る
の世界に入ったのは車に乗っていて「道路の線形は
ことができた。現場では、当初設計の考え方を自分
どうやって決まっているのか?橋はどうやって架け
なりに理解しながら現場の確認を行い、現場代理人
るのか?」など興味を持ち、自分の職業は土木関係
とも確認をしながら無事に完成させることができた。
にしようと考え始めた。
二年目でもまだまだ一人前ではないが、自分で現場
2.入庁時
を見て設計変更が必要になり、現場の状況を職場の
先輩や上司に説明しようとするが、うまく状況を伝
北海道に就職しようと考えたのは、広い土地で地
えられないなど、ポイントを把握して的確に状況を
域によっていろいろな景色もあり、何より美味しい
伝えることに苦労し、自分の考えを伝えることの重
ものが食べらること、冬のスポーツが盛んなことな
要さを改めて感じることができた。
どから、北海道に就職できたらいいかなと考え採用
試験を受けた。願いが叶い平成26年4月から晴れ
5.おわりに
て北海道職員として働き始めることになったが、始
まだまだ一人前にはほど遠いが、少しでも多くの
めは住み慣れたふるさとを離れる寂しい思いもあっ
現場を経験し、一技術者として北海道の社会基盤整
た。秋田から青森経由で津軽海峡を越え、今は廃線
備や維持管理業務に携わっていきたいと思う。
となったJR江差線に揺られ江差駅に降り立ったが、
最後に今住んでいる江差町のPRをさせていただ
第一印象は駅から穏やかな日本海がとてもきれいに
きたい。江差町は北海道の道南地域に位置し、今年
見えたことであり、昨日のことのように覚えている。
3月26日に開通した北海道新幹線の新函館北斗駅
3.一年目
から車で約1時間である。毎年8月9日〜11日には、
うばがみだいじんぐう と ぎょさい
約370年余続いている「姥神大神宮渡御際」があり、
晴れて北海道の職員となり、函館建設管理部江差
豪華な13台の山車が町中を練り歩きます。実際に
出張所道路係に配属となった。始めは研修ばかりで、
祭を見て北海道の夏を感じてはいかがでしょうか。
研修が一段落した後に積算・監督業務に携わること
になった。一年目は、専門用語や仕事の中身を覚え
るのに必死で、監督業務も現場代理人との打合せな
ど先輩のサポートも受けながら無事にやりきること
ができた。自分が携わった現場が完成したとき、妙
にうれしく感じたことを覚えている。
4.二年目
最初の一年を無事乗り越え、二年目は橋梁新設工
事を担当することとなった。土木に興味を持った動
機の一つ「橋はどうやって架けるの?」の実践であ
り、上部構造はプレテンション桁であった。まず、
下部工の施工から、基礎地盤の確認、橋台の配筋確
認(配筋図の見方など先輩に教わりながら)やコン
江差港にて(後ろは開陽丸)
(北海道 渡島総合振興局 函館建設管理部 江差出張所
技師 鵜木 真澄)
月刊建設16−07
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