平成28年 不当労働行為事件一覧表(10月末現在)

平成28年
1
不当労働行為事件一覧表(10月末現在)
前年繰越事件
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
25年11号
医療業
1
(2・3)
27年3号
リマック
2
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
25.8.29
-
-
5回
3回
(20回)(3回)
457日
1回
1回
(7回)(2回)
旨
組合は、法人と、職員の賃上げ、有期雇用契
約職員の特別休暇制度の改善、介護施設におけ
るサービス残業の実態調査の実施、セクシャル
ハラスメント問題に関わる職員の今後の労働条
件等を要求議題として団体交渉を行ってきた
が、法人は経営資料の開示に応じず、組合に十
分な説明を行わずに形式的な回答を繰り返すな
どして要求を拒否し、誠実に対応しなかった。
また、組合が、法人に対して実質的な決定権
を持っている最高責任者の団体交渉への出席を
求めても、法人はこれに応じなかった。
会社は、全社的な業務の見直しにより、札幌
支店のテレアポ事業部を閉鎖し、テレアポ担当
社員をすべて解雇した。その社員のうち16名が
順次組合に加入したので、組合が、大阪支店の
取締役を窓口として解雇予告手当等の支払など
を要求したところ、一定額の解決金を4回の分
割で支払う合意が成立し、組合と会社とで和解
合意書を締結した。しかし、第1回分は支払わ
れたが、その後の支払がなかった。
組合は、残余の解決金の支払と団体交渉を求
めて、郵便で要求書を送付したり札幌支店の経
理担当者を通じて社長に伝達を求めるなどした
が、会社から一切の連絡がなかった。
(2・3)
- 1 -
(係属中)
27.3.17
28.6.15
全部救済
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年5号
医療業
3
(2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
27.5.28
28.4.14
323日
旨
組合員Aは、法人内での転勤を控え、法人の
看護部へあいさつに訪れた。その際、法人のB
看護部長はAに対して、組合に加入しているの
ならば異動前に脱退するよう指示した。
Aは組合を脱退して転勤した後、直ちに再度
組合に加入した。
組合が法人給与係に組合費引き去り(チェッ
ク・オフ)名簿を提出したところ、同日中に、
BはAを看護部長室に呼び出し、「脱退してか
ら来なさい、という話を聞いていたか。」等と
発言した。その上で、BはAを給与係へ連れて
行き、同係に組合費の引き去りの停止を指示し
た。
数日後、Bのほか、C副看護部長及びD事務
部長は、Aに対して、組合に脱退の意思を伝え
たか確認し、Aが伝えていない旨を述べると、
それを伝えた上で報告に来るよう指示した。そ
の晩、Aは組合に脱退する意思を電子メールで
伝えた。
組合は、法人に対し、法人が組合費引き去り
名簿を個々の職員について組合加入の有無を確
認するために用いたことの違法性及び組合費引
き去りを行わないことの違法性を指摘した。
法人からD及びE管理課長が出席した別件で
の組合と窓口協議の場で、組合費引き去りに関
して手続に問題があったことについて、Dから
謝罪があった。
その後、組合は主にBのAに対する組合脱退
強要行為について、窓口協議の場で説明を求め
たところ、法人はその事実を否定した。双方の
主張が平行線であることから、組合は法人に対
し、書面で団体交渉を申し入れた。
法人は、組合が主張する組合脱退強要行為を
否定し、不当労働行為はなかったとした上で、
組合に対し、窓口協議に参加するよう要求し、
Eは団体交渉実施の考えはない旨を主張した。
- 2 -
関与和解
3回
0回
(7回)(0回)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年6号
医療業
4
(2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
27.6.1
28.9.21
479日
旨
法人では、労働協約に基づき、主に職員とそ
の扶養者を対象とした医療補償制度(以下「本
件医療補償制度」という。)が存在し、法人病
院での医療費について、請求に従って補償され
る制度になっていた。
平成23年、法人は組合に対して、本件医療補
償制度の廃止を議題とする団体交渉を申し入れ
た。法人は、その廃止の理由について、財政状
況が赤字であることや、金融機関等から財政に
ついて自助努力を求められていること等を挙げ
たが、組合は廃止に反対した。
その後、平成25年、平成26年2月にも、本件
医療補償制度の廃止について団体交渉が行われ
たものの、議論は平行線であった。
平成26年6月、法人は組合に対し、本件医療
補償制度の廃止を文書で通知した。
その後も3度に渡り、組合と法人の間で本件
医療補償制度の廃止に係る団体交渉が行われた
が、議論は対立したままであった。
同年11月、法人は組合に対し、本件医療補償
制度に係る労働協約の解約について文書で通知
し、その後法人は、組合との協議を経ることな
く、本件医療補償制度の対象となっている元職
員に対しても、その廃止を文書で通知した。
同年12月、組合は本件医療補償制度に係る労
働協約の解約について、法人に対し、再度団体
交渉を申し入れたが、法人はこれに応じなかっ
た。
平成27年2月、法人は全職員に対し、同年3
月31日をもって本件医療補償制度を廃止する旨
を通知した。
- 3 -
関与和解
5回
0回
(9回)(0回)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年7号
その他の生活関
連サービス業
5
(1・2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
27.6.1
-
-
旨
会社は、冠婚葬祭業を営んでおり、業務委託
契約を締結した代理店を通じて、冠婚葬祭の実
施と会員の募集を行っている。A及びBは、会
社の代理店の代理店主であるCと労働契約を締
結した。
なお、会社は、代理店に対して一方的に詳細
な業務に関する指揮命令を行い、加えて、個々
の代理店従業員に係る営業成績を把握し営業ノ
ルマ達成を指示するほか、代理店の売上げから
人件費、家賃、電話代、保証金等の控除するな
どの金銭管理を行っていることなどから、各代
理店の代理店主は、実質的には会社の業務遂行
に不可欠な労働力として会社組織に組み込まれ
ており、少なくともCは労働組合法上の労働者
であると評価できる。
したがって、CのA及びBに対する業務上の
指揮命令は、会社からCに対しなされた指揮命
令と同視でき、A及びBについても会社との関
係で労働組合法上の労働者であるといえる。
このような状況で、A及びBは、会社から過
大な営業ノルマに対抗するため労働組合を結成
しようとし、結成趣意書を会社の札幌圏内の職
員に配布し参加を募った。これを認知した会社
は、Cに対し業務委託契約に定めのない70歳定
年制などを理由に代理店を廃業して、A及びB
らCの代理店従業員(約30数名)を別の代理店
主であるDの下で働かせるよう要請し、Cは、
代理店従業員全員の雇用を条件に廃業を承諾し
た。そこで、Cは、会社との業務委託契約を合
意解除したが、会社の意を受けたDはA及びB
の2名のみ労働契約を締結せず、実質的な解雇
を行った。
このことは、会社によるX1組合結成の中心
人物であるA及びBらを狙い撃ちにした実質的
な解雇であり、組合の弱体化を企図したもので
ある。
また、会社は、X1らによる団体交渉申入れ
に対し、事実上の話合いには応じたものの、使
用者性を争い、正式な団体交渉に応じようとし
ない。
- 4 -
(係属中)
6回
0回
(10回)(0回)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年11号
金属製品製造業
6
(2・3)
27年12号
教育・学習支援
業
7
(2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
27.8.27
28.1.13
140日
1回
0回
(3回)(0回)
-
5回
0回
(7回)(0回)
旨
平成27年5月、組合は会社に対し、会社従業
員からなる支部組合を結成したことを通知する
とともに、労務管理の適正化に係る団体交渉開
催要求書を提出したが、その要求書の中で、組
合は、会社の収支状況を示す資料の提出を求め
た。
同年6月の第1回団体交渉において、会社は
組合に対し、次回の団体交渉までに上記資料を
開示する旨回答したが、同年8月の第2回団体
交渉において、会社は、前言を翻して資料は渡
せないと述べた。
また、会社のA及びBは、同年3月に自主退
職していたが、会社の規程には退職から45日以
内に退職金を支給すると規定されていたのに支
給されなかったことから、同年5月に組合に加
盟し、組合は、会社に対し、A及びBの退職金
が支払期限を過ぎた以降も、未払のまま故意に
放置されている問題について、団体交渉の開催
を求めた。
しかし、会社は、組合が求めた団体交渉の手
続きを経ることなく、一方的に退職金をA及び
Bの口座に振り込んだ。
関与和解
法人が運営する大学に勤務する組合員は、人
事異動に伴う辞令交付によって、給与の減額を
伴う降格等とされた。当該辞令交付の翌日以降、 27.9.2
-
組合は、法人に対して要求書を提出し、①本件
降格辞令発令の理由と人事考課内容の開示、②
(係属中)
組合員に対する労働条件不利益変更の撤回、③
本件降格による不利益の回復及び④本件降格辞
令等を協議するための団体交渉の開催を求めて
きた。
これらの組合要求に対して、法人は約束した
期日までに回答せず、また団体交渉では回答資
料や回答書を提示せずに口頭で、本件辞令は組
織変更の都合上実施された正当な人事異動であ
り、労働条件の不利益変更には当たらない、本
件辞令発令の理由及び人事考課内容については
個別案件であり、説明はできないとの回答を繰
り返した。
- 5 -
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年14号
道路旅客運送業
(ハイヤー・タクシー業)
8
(1・3)
申
申
立
要
立
旨
年月日
終 結
年月日
終結区分
会社では、賃金協定書により賃金体系が決め
られ、協定書内で定められた時間外労働を「協
定内残業」とし、協定内残業以外の時間外労働 27.9.7
-
を「協定外残業」とし、賃金を支払っていた。 (追加)
その他にも、会社は、公休日の出勤も認め、乗 28.4.11 (係属中)
務員から勤務シフト変更の申出があった場合に
は、柔軟に対応していた。
会社は組合に対し、経営悪化を理由として賃
金体系について基本給制からオール歩合給制へ
の変更や、賞与廃止等を提案した。組合はこの
提案を拒否し、その後3度にわたって、会社か
ら賃金協定の改定案が示されたが合意に至るこ
とはなかった。会社内における他の3つの組合
は協定案に調印妥結しており、また非組合員は
個人で会社と協定案を調印していた。
4度目の改定案提示の翌日、会社は全職員に
対し、会社提案の賃金協定に調印妥結しない限
り、今後は協定外残業及び公休日出勤を認めな
い旨の通知を行い、また、シフトの変更も認め
なくなった。
協定外残業並びに公休日出勤及びシフト変更
が認められなくなったことから、組合組合員は
経済的不利益等を被り、組合からの脱退が相次
いでいる。
その後、会社は、就業規則の改定手続を行い、
組合に対して、一方的に新賃金体系を適用する
旨を通告した。これ以降、会社は、組合員に対
して、残業及び公休日出勤を認め、シフト変更
にも応じているが、残業及び公休日出勤の禁止
命令を撤回しておらず、シフト変更の拒否を中
止することを明言していない。加えて、組合員
は、残業及び公休日出勤を禁じられていた期間
に被った不利益の回復を受けていない。また、
組合員に対する差別的取扱によって組合員が大
量に脱退し、組合に生じた甚大な被害も何ら回
復されていない。
- 6 -
処理
調査
審問
日数
回数
回数
-
5回
1回
(7回)(1回)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年17号
卸売業、小売業
9
(2)
申
申
立
要
立
年月日
終 結
年月日
終結区分
27.12.1
28.3.1
旨
平成27年6月、YはAに対し、何ら具体的理
由を示さずに1か月後の同年7月31日付けで解
雇すると告げた。Aには処分歴がなく、Yのし
た行為は不当解雇である。
Aは、同年9月に北海道労働局に個別労働紛
争解決制度のあっせん申請を行ったが、Y側の
不参加によりあっせんは打ち切られた。
同年10月、AはX1労働組合に加入し、X1
及びX2はYに団体交渉を申し入れたが、Yは
「Aが組合員であることを証明せよ。」、「団体
交渉の日程については多忙につき来週以降に返
答する。」と答えた。同年11月、X1及びX2
は再度団体交渉を申し入れたが、Yは「Aが組
合員であることを証明する書類を送付しなけれ
ば団体交渉に応じない。」と回答した。これに
対して、X1及びX2は3度目となる団体交渉
申入れを行ったが、YはAが組合員であること
の証明が必要であるとして団体交渉を拒否し
た。
- 7 -
取下げ
処理
調査
審問
日数
回数
回数
92日
1回
0回
(0回)(0回)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
27年18号
卸売業、小売業
10
(1・2・3)
申
申
立
要
立
旨
年月日
会社の従業員Aは、社長から親会社の指示と
して約9万円の賃金減額を求められたが、了解
できないと抗議し、社長も、再度、検討すると 27.12.7
答えた。また、Aがこの件を組合に相談したと
ころ、労働基準法等違反が明白で従う必要がな
いとの助言を受けた。
Aの抗議に対する検討結果として、社長は、
8万8千円を非課税扱いにして別人名義で支払
うと回答し、Aは、組合との相談を経て、社長
の指示に従うこととし、以後、そのとおり毎月
支払われていた。
その後、社長自身が退任し顧問となったが、
Aは、その顧問から、会社の指示であるとして、
これまで別人名義で支払われていた分を支払わ
ないと言われた。
社長退任の後、親会社の部長が来て、社員を
前にして、前社長がお金を使い込んだこと、加
担したのはAであると発言した。Aは、この暴
言に耐えられず、退職せざるを得なくなった。
Aが組合に加入し、組合がAの未払賃金、年
次有給休暇の買い上げ等について団体交渉を申
し入れたが、会社は未払賃金がないなどと回答
した。
申入れの5か月後にようやく第1回団体交渉
が行われ、年次有給休暇の買い上げについては
合意書を締結したが、その他の問題については、
継続して協議することになった。
しかし、会社は、別人として賃金を支給され
ていた名義人であるAの母に対し、70万円余の
金銭返還を求め、同人がこれに応じなかったと
ころ、訴訟を提起した。
組合が、会社の訴訟提起に抗議し、継続協議
することとしていた未払い賃金等について、団
体交渉開催を申し入れたが、会社は、Aの母に
対する訴訟提起が性質上労使間における協議事
項ではないと、これを拒否した。
- 8 -
終 結
年月日
終結区分
処理
調査
審問
日数
回数
回数
28.3.7
92日
関与和解
1回
0回
(1回)(0回)
2
新規事件
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年1号
卸売業、小売業
11
(2)
28年2号
教育・学習支援
業
12
(2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
28.1.20
28.2.26
38日
0回
0回
226日
5回
0回
旨
会社はAに対し、即日解雇を言い渡すととも
に、解雇通知書を手交した。
そのため、AはX1に加入し、X1及びX2
(以下単に「組合」という。)は会社に対し、
Aの組合加入を通知するとともに、Aの解雇撤
回等を議題とする団体交渉の開催を申し入れ
た。会社はこれに応じ、団体交渉が行われた。
当該団体交渉において、会社は、Aに対する
即日解雇を撤回したものの、改めてAを予告解
雇するとの意向を示すとともに、Aに対するセ
クハラ等に係る労働災害の手続等について弁護
士と相談する旨回答したが、その後、会社から
労災について具体的な回答はなかった。
やむなく、組合は会社に対し団体交渉の開催
を申し入れたが、会社はA及び組合に対し、1
か月の解雇予告期間をもってAを解雇する旨通
知するとともに、団体交渉は平行線を続けるの
で第三者機関での解決を考慮しているとの回答
があった。それに対し、組合は年内に団体交渉
を行うよう会社に書面で申し入れたが、会社か
ら「年末年始と多忙のため、明年改めて、回答
します。」との回答があった。
その後組合から会社に対し、早急に団体交渉
を開催するよう3度の申入れをしたが、会社は
業務多忙等を理由に団体交渉の期日設定に非協
力的な態度をとり続けている。
法人の教職員らをもって結成した組合は、法
人に対し、組合活動の保障、雇用形態の変更、
未払一時金、時間外労働等について要求書を提
出したが、理事会に時間を要する等の理由から
法人が回答を見送った。
組合が、法人の上記対応に対し、要求書に対
する回答を求めて団体交渉を申し入れたとこ
ろ、法人は、要求項目について文書で回答を行
った。その中で、法人は、「①組合執行委員長
が法人の管理職たる地位にあることから、組合
が労働組合法上の労働組合に該当しない」と主
張し、「②団体交渉の開催は、組合規約及び加
入申込書等の提出が条件である」とした。
その後、組合と法人が、団体交渉を一回開催
したが、法人は、団体交渉においても前記①及
び②の条件に固執し、組合を労働組合法上の労
働組合とは認めない旨の発言を繰り返した。
この団体交渉の後も、法人は、組合の要求に
対し、前記①及び②の条件を提示し続け、一旦
団体交渉の中で法人が認めた労働協約の締結を
拒絶した。また、あらかじめ決定していた次回
の団体交渉開催期日を一方的に取り消した上、
組合と団体交渉応諾義務がないため団体交渉を
行った認識はない旨の見解を表明している。
- 9 -
無関与
和 解
28.2.4
28.9.16
関与和解
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年3号
教育、学習支援
業
13
(2・3)
申
申
立
要
立
旨
年月日
終 結
年月日
終結区分
法人は、教職員の期末手当及び勤勉手当(以
下、両手当を併せて「期末・勤勉手当」という。)
の年間支給割合を引き下げる意向を組合に対し 28.2.8
-
表明した。
これに対し、組合は前年度と同じ支給割合と
(係属中)
するよう求めたが、団体交渉において、法人は、
財政難ということばかりを強調し、財政状況や
経営見通しを示さず、十分な説明を行わなかっ
た。
この件に関して、組合が、団体交渉と平行し、
北海道労働委員会にあっせんを申請したとこ
ろ、法人は、あっせんに応じたものの、妥結へ
の進捗が期待できないとして、団体交渉を打ち
切ることを組合に通知した。
その後、法人は、組合と妥結していないにも
かかわらず、6月期期末・勤勉手当の割合を前
年度より引き下げて支給し、これに加えて、給
与規定を一方的に変更することを通知した。
北海道労働委員会によるあっせんは双方の主
張に開きがあり、打ち切りとなったが、組合は、
引続き期末・勤勉手当について団体交渉を申し
入れた。しかし、法人は、団体交渉に応じたも
のの、組合の質問に対して十分な説明を行って
いない。
さらに、法人は、12月期期末・勤勉手当支給
日まで残り少ないことを理由に交渉を打ち切
り、12月期期末・勤勉手当の割合も前年度より
引き下げて一方的に支給した。
調査
審問
日数
回数
回数
-
5回
0回
231日
2回
0回
28年4号
14
Aは、正職員としてYに採用され、医療事務
に従事している。
医療業
Yの院長は、唐突に、Aが他のスタッフを誘 28.3.1
って一緒に辞めると患者から聞いたとしてAを (追加)
問いただし、その後もAに対して嫌がらせ行為 28.3.18
及び退職強要を続けた。そのため、AはXに加
入した。
XはYに対し、Aの組合加入を通知するとと
もに、院長による嫌がらせ行為と退職強要に起
因する慰謝料の支払を交渉事項とする団体交渉
の開催を求める書面を郵送した。院長は届いた
書面に目を通した後、Aの面前で書面を破って
ごみ箱に捨て、机をたたいて「辞めたい理由を
書いて出せ。」とAを怒鳴りつけた。Aが「書
面を読んでください。」と求めたところ、「なん
で命令されなければならないのだ。私に直接言
えばいいでしょう。」と怒鳴りつけた。
Xはこれらの院長の行為に対し抗議するとと
もに、団体交渉に応じるよう求めたが、Yは何
らの対応もしていない。
その後、YはAに対し解雇予告を行ったため、
AはYに解雇理由証明書の交付を求めたが拒否
された。XはYに対し、既に申し入れた団体交
渉に応じていないことに加え、YのAに対する
行為が労働組合法及び労働基準法に違反する行
為であると抗議し、改めて団体交渉に応じるよ
(1・2・3・4) う求めたが、Yは何らの対応もしていない。
処理
- 10 -
28.10.17
無関与
和 解
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年5号
専門サービス業
15
(2・3)
28年6号
その他の生活関
連サービス業
16
(1)
申
申
立
要
立
旨
年月日
終 結
年月日
終結区分
会社の従業員Aは、インフルエンザに罹患し
たため、10日間ほど休職した。
症状が回復したため出勤したところ、専務か 28.3.7
-
ら口頭で、休んでいたことを理由として解雇を
言い渡された。Aは、解雇予告通知と予告手当
(係属中)
はあるのかと尋ねたが、専務からは、その対象
にはならないと回答された。
さらに、Aは雇用保険に加入していないこと
について問いただしたが、専務は、採用時に雇
用保険に加入していないことは説明したと主張
し、解雇についても具体的な理由を説明しなか
った。
その後、Aは組合に加入し、解雇撤回、雇用
保険を遡って加入することを要求するとして団
体交渉の開催を求めた。
1回目の団体交渉中に会社から組合に手交さ
れた解雇通知書には、解雇理由として、当初の
理由に加え、Aの能力不足や欠勤について改善
の余地がないことが挙げられていたが、Aはこ
れまで仕事上のことで注意や処分を受けたこと
はなかった。
その後、2回目の団体交渉が開催されたが、
組合の要求に対して具体的な回答や説明はなか
った。
組合は、3回目の団体交渉の開催を求めたが、
会社は、Aの履歴書に記載されていた資格や経
歴に関して事実関係を調査中であり、今後の団
体交渉に応じるか否かの回答を含めて、後日連
絡したいと組合に通知し、団体交渉の開催を引
き延ばしている。
会社の社長は、社員研修旅行で研修幹事役の
営業課長に暴言を吐き同人を傷つけ、かつ会社
の品位を落としたとして、組合の分会長と書記
長を懲戒解雇する旨告げた。
組合の役員が社長と非公式に会い、研修旅行
中の言動は懲戒解雇事由にはならないと翻意を
求めたが、社長は懲戒処分になるとする文書を
組合に渡し、この際に組合の副分会長も同様に
処分されたことが判明した。
組合の調査では、会社が懲戒解雇とした本人
たちの言動が事実を一面的に歪曲して表現した
ものであり、また、会社の事実確認は、社長に
よる解雇する旨の威圧的発言の後に取締役統括
部長によって行われたが、「社員研修旅行での
報告ならびに要望」という文書に書かれている
断片的な発言の認否を問う形でのみ行われてお
り、公平・公正とは言えない。また、副分会長
には、「著しく職員としての品位を傷つけるな
どの行為」という処分理由に該当する事実がな
い。
したがって、懲戒解雇は、組合の発足したば
かりの分会役員3人の分会結成とその活動を嫌
悪して行ったものである。
- 11 -
28.3.22
28.5.13
取下げ
処理
調査
審問
日数
回数
回数
-
5回
0回
53日
1回
0回
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年7号
社会保険・社会
福祉・介護事業
業
17
(1・3)
28年8号
道路旅客運送業
申
申
立
要
立
旨
年月日
終 結
年月日
終結区分
A組合員は、平成4年に法人へ就職し、平成
11年までは生活支援員として、その後は生活相
談員として勤務していた。組合には平成4年頃 28.3.25
-
に加入し、約20年にわたり書記長を務めている。
法人は平成25年10月頃から平成26年3月頃に
(係属中)
かけ、立て続けに不当労働行為を行ったことか
ら、平成26年に組合は、北海道労働委員会に対
し、不当労働行為救済申立を行った。その審理
中、法人B施設長は、組合C委員長に対し、
「組
合とかAを徹底的にやるぞ」と発言した。
本年2月、A組合員はB施設長らから突如、
4月1日をもって生活相談員の職から生活支援
員へ勤務を変更する旨の辞令を交付された。同
時期に配置転換がなされる他の職員には、法人
は事前に承諾を得、承諾しない職員については
説得していたが、A組合員には一切、配置転換
の打診がなされなかった。
会社は、組合員Aに対して、稼働額が低額で
あることを理由として、数回にわたり退職届の
提出を強要した。
28.4.12
-
(ハイヤー・タクシー業)
18
会社は、組合の執行委員長Bに対して、乗車
定員の超過による就業規則違反を理由として、
出勤停止5日間の懲戒処分とした。会社は、賞
罰委員会において、当該違反についての議決を
完了していないにもかかわらず、上記懲戒処分
を決定したものである。また、過去に乗車定員
の超過による就業規則違反を理由とした懲戒処
分がなされた事例は存在しない。
組合は、会社に対して、組合の執行委員長B
の懲戒処分を不当として団体交渉を申し入れ
た。これに対し、会社は、後日行われた団体交
(1・2・3) 渉において、懲戒処分の撤回を拒否した。
- 12 -
(係属中)
処理
調査
審問
日数
回数
回数
-
3回
0回
-
5回
0回
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年9号
専門サービス業
19
(1・2・3)
28年10号
社会保険・社会
福祉・介護事業
20
(1・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
28.5.11
28.7.28
79日
2回
0回
126日
4回
0回
旨
会社は、Aと業務委託契約を締結するととも
に、その指揮監督下に置くとして労働条件に関
する労働契約を締結し、また、労働契約に記載
されていない労働条件については就業規則に基
づくとした。Aの労働条件については、一定の
月額賃金のほか、就業時間は9時~18時(休憩
1時間)、土曜、日曜、祝日、年末年始、ゴー
ルデンウイークが休日などとなっていた。
Aは、採用後から早出、残業を強いられたが
時間外手当が一切支払われていないばかりか、
上司からパワーハラスメントを受けるようにな
り、精神的疾病に罹患した。しかも、会社の社
長が、Aに退職を強要したことから、Aは、会
社に精神的疾病の診断書を提出し、3ケ月の休
職を取ることを通知し、その後、組合に加入し
た。
組合は、①パワハラと退職強要に対する慰謝
料の支払い、②時間外手当の未払分支給を会社
に要求し、書面で団体交渉の開催等を求めた。
これに対し、会社は、Aと 合意解約をもって
業務委託契約が終了している、Aが労働者では
ないから団体交渉に応じないと回答してきた。
A組合員は、会社に採用され、要介護者の送
迎などを行っている。Aは組合には加入したが、
組合は会社に、その旨を通告していなかった。 28.6.15
会社代表者らは、Aを呼び出し、憶測に基づ
き非難するとともに、組合代表者を誹謗中傷す
る言動も行った。
その後、会社代表者からAに対して、「事務
所に来ても仕事にならないので出社は不要」と
の電話での指示があったが、Aはこれを不信に
思い出社した。しかし、会社代表者は指示に背
いたことに激怒し口論に発展したため、会社職
員が警察に通報する事態となった。
Aから連絡を受けた組合は、会社に対し、A
が組合に加入していることを通知するととも
に、Aに対する不利益取扱い等を行わないよう
要請した。
Aが後日出社したところ、事業所玄関の鍵が
施錠されていた。Aは、会社職員に対して解錠
を要請したが、職員は会社代表者の指示である
として解錠しなかった。
そのため、Aは自宅に戻ったところ、会社代
表者から事務所に呼び出され、退職を強要され
た。
- 13 -
関与和解
28.10.18
関与和解
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年11号
道路貨物運送業
20
(2・3)
28年12号
廃棄物処理業
21
(1・2・3)
28年13号
映像・音声・文
字情報制作業
22
(1・2・3)
申
申
立
要
立
年月日
終 結
年月日
終結区分
28.8.1
28.9.6
旨
Aは、会社に契約期間の定めのある社員とし
て採用され、配送業務に従事していた。
Aは、採用から5か月を経過した後、会社か
ら、マイナンバーの提出を求められたが、提出
は難しいと答えた。翌日、Aは、会社から、マ
イナンバーの提出をしないのなら、今月末で退
職してもらいたいと言われ、納得できないと答
えた。翌々日、Aは、会社から、マイナンバー
の提出に応じなかったことを理由に、この日で
解雇すると告げられた。
その後、Aは、組合に加入し、組合は、Aの
組合加入を会社に通知するとともに、解雇に対
する慰謝料の支払を要求し、団体交渉の開催を
申し入れた。これに対し、会社は、Aはすでに
退社した者であり、団体交渉に応じられないと
回答してきた。
- 14 -
調査
審問
日数
回数
回数
37日
2回
0回
-
1回
0回
-
1回
0回
関与和解
会社において車両運行を担当する収集運搬業
務に従事していたAは、会社内に存在するX1
労働組合に加入していた。
28.8.3
-
Aは、会社から、X1所属B組合員の労災申
請の事実確認とする事情聴取を二度受けた。
(係属中)
事情聴取の後、会社はA及びX1に対して、
人事権に基づき適正な処分を検討するとして、
懲戒事由を示した上で意見を求める照会書を送
付した。これに対しX1は、判断の留保及び処
分の撤回を会社に要求した。
この要求に対する回答が一切ない中、会社は
Aに対し、Aの解雇及び解雇予告手当の支払を
内容とする即時解雇通知書を送付した。
その後、Aの他数名がX1から独立する形で
申立人組合Xを結成し、XはAの解雇について
の根拠となる事実が特定されていないとして、
会社に対し処分撤回等を求める要求書を提出し
たが、会社は懲戒処分は有効であるとして解雇
は撤回しない旨の回答をした。
その後もXは、会社に対し、二度の団体交渉
及び要求書の提出にて処分の撤回等を求めた
が、会社は従前の主張を繰り返すのみであった。
会社は、組合員Aに対して、組合員Aが会社
による出向内示を拒否したことを理由として、
降格処分を行った。
組合は、会社に対して、組合員Aへの上記処
分を不当として団体交渉を申し入れた。これに
対し、会社は、団体交渉において主張の根拠を
説明せず、虚偽の事実を主張し、また組合によ
る質問への回答に際して十分な調査をしなかっ
た。
処理
28.8.17
-
(係属中)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年14号
教育・学習支援
業
23
(1・2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
28.8.22
-
-
1回
0回
旨
法人と組合との間には、これまで、定期昇給
については、毎年、55歳に達する教職員を除
き例外なく1号棒昇給し、賞与については、毎
年、前年度3月に翌年度の年間支給総額等の合
意を行い、その合意に従って支給するという労
使慣行があった。
ところが法人は、平成27年7月、全教職員
に、①定期昇給については教職員個別に判断し
実施すること、②賞与額については、一定割合
以上は勤務評定を基準に金額を算出すること、
など従来の労使慣行を改める提案書を配付し
た。これに対して組合が求めた団体交渉におい
て、組合は提案に反対したが、法人は先延ばし
せず実施すると回答し、後日、組合に理事会で
決定したと通知した。
さらに法人は、分限処分の運用について、教
職員を恣意的評価によって処分することが可能
になるように定めた。
組合は団体交渉を申し入れたが、法人は、申
入れが修学旅行の引率で学校長が不在の時期に
行われたことが学校の秩序を乱すものであると
して、組合の委員長と書記長に口頭注意処分を
行った。
組合は、その後も繰り返し団体交渉を申し入
れ、法人は、無視または拒否を繰り返していた
が、平成28年3月に申し入れた団体交渉には
応じた。組合は、団体交渉には理事長だけでな
く理事の出席も求めていたが理事長のみが出席
し、理事長は、定期昇給及び賞与の支給基準の
変更理由について、少子化の進展など抽象的な
話に終始し、財務資料等を用いた具体的説明は
なかった。
また、これまでの団体交渉中の理事長の態度
は、威圧的発言をするなど極めて不誠実であっ
た。
その後、5月と6月に開かれた団体交渉にお
いても、理事長のみが出席し、理事長は、夏期
賞与について改訂したとおりとし、組合がそれ
を了承しない限り支給しないと述べ、組合は仮
払いを求めるとともに、理事長の一存でなく理
事会に諮ってからの回答を求めたが、理事長は
拒否した。
7月、法人は、全教職員に向け、定期昇給と
賞与に関して組合との合意が成立していないこ
とを理由に夏期賞与を支給できないと文書通知
し、その後、夏期賞与の支給を行っていない。
- 15 -
(係属中)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年15号
教育・学習支援
業
24
(2・3)
28年16号
道路貨物運送業
25
(2・3)
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
28.8.22
-
-
1回
0回
-
1回
0回
旨
法人は、団体交渉において、期末手当が労使
間の協議に係っていることから、従来の労使慣
行に則り、冬期期末手当を仮支給にて支給する
旨を説明したにもかかわらず、その後、教員に
対し、交渉が妥結できない理由を組合から法人
の財政再建に係る提案がなされなかったことと
して、冬期期末手当を前年よりも減額して本支
給した。
組合は、法人の上記対応が是正されない限り
団体交渉を凍結する旨の抗議を行った。これに
対して、法人は、このことを奇貨として以後は
団交申入れを拒否した。
さらに、法人は、当時の組合執行委員長Aに
対し、同人が既にそのことによる処分を受けて
いる非違行為を理由として、懲戒解雇処分を行
った。これに対して組合が団交申入れを行った
ところ、法人は、職員会議において説明を行っ
ており、また裁判に係属している事項であると
して、これを拒否した。
その後、法人は、年度末に、教員の一部に対
し、組合と一切の協議を行うことなく、給与規
定に存在しない特別手当を支給した。
また、法人は、各種労働協約について、組合
との事前協議が必要であるにもかかわらず、一
方的にその解約を行ったほか、組合と労使協定
を締結して変形労働時間制を1年単位で導入し
ていたところ、導入後はその運用に関して労使
間で協議が行われていたにもかかわらず、次年
度において、労使協定を締結することなく変形
労働時間制の実施を開始した。
会社は、組合と締結した再雇用制度に係る覚
書の新たな締結において、同覚書のうち、自動
更新条項の条文のみを改訂したいとしていた。
しかし、実際の提案においてはこの確認を無視
し、賞与の支給水準を組合と協議の上で決定す
るとしていた条項を、組合との事前協議条項に
変更するなど組合に不利な条文に変更すること
などを提案し、会社提案でなければ、新たな覚
書を締結しないという態度に出た。
また、会社は、平成27年冬期一時金に関し、
勤務評価査定を加算して支給するとし、組合が
団体交渉でこれまでの説明との一貫性がない、
勤務査定評価の導入はこれまでの経過を無視す
るなどと十分な説明を求めたにもかかわらず、
会社は、同査定を導入した冬期一時金を一方的
に支給した。28年夏期一時金についても、組合
が団体交渉で、その原資や資金繰りについて説
明を求めたが、会社はこれを拒否した。
さらに、会社の役員による組合委員長に対す
る職務上でのパワー・ハラスメントについて、
組合が団体交渉を求めたが、会社はこれを拒否
した。
- 16 -
(係属中)
28.8.26
-
(係属中)
整理
事件番号
業 種 名
番号 (労組法該当号)
28年17号
社会保険・社会
福祉・介護事業
26
(2・3)
28年18号
建設業
27
(2・3)
(注)1
2
申
申
立
要
立
処理
調査
審問
年月日
終 結
年月日
終結区分
日数
回数
回数
28.10.17
-
-
0回
0回
28.10.24
-
-
0回
0回
旨
法人は、組合との団体交渉において行った答
弁を、組合へ事前に説明することなく翻し、実
行しなかった。
組合は、法人に対して、上記事項等について
の団体交渉の開催を申し入れたが、法人は、一
般職員らを対象とした法人再建案に関する説明
会の実施を優先する考えを組合に示し、団体交
渉に応じず、当該説明会において、組合運営に
関する批判を繰り返し行った。
さらに、法人は、組合が団体交渉を求めてい
た年末賞与の支給割合について、組合を差し置
いて一般職員らに具体の支給割合を通知した。
Aは、会社にパート職員として採用され、会
社が運営する飲食店において調理業務に従事し
ていた。会社は、Aを含めた全従業員に労働条
件通知書の交付を怠ったうえに、法改正により
Aの賃金が最低賃金を下回る状況になってもこ
れを是正せず、Aの労働時間が月80時間を超え
るに至っても雇用保険加入手続を履践しなかっ
た。
さらに、会社が運転資金がないことを理由に
Aの賃金を3箇月にわたり支払わず、会社代表
者の妻との不和を理由にAを即日解雇したこと
から、Aは組合に相談してこれに加入した。
組合は、会社にAの組合加入を通知し、Aに
関する解雇予告手当及び未払賃金の支払、雇用
保険加入手続の履践などを交渉事項とする団体
交渉を申し入れた。
その後、団体交渉が開催されたが、会社は、
必要な資料(未払賃金に係る給与明細書、タイ
ムカードなど)を組合に提示しないばかりか、
Aの勤務態度を非難する言動を繰り返したこと
から、実質的な団体交渉は行われなかった。
このため、組合は、会社に再度の団体交渉を
開催するよう申し入れたが、会社は「前回団体
交渉は一方的で公平な話し合いにならなかっ
た。(組合は)中立とは言えず、これ以上交渉
するつもりはない」などと述べ、団体交渉の開
催を拒否した。
調査回数、審問回数は当該年の回数を記載。なお、( )は総計。
審査期間の目標について当委員会は180日(全終結事件の1件当たり平均処理日数)と定めている。
- 17 -