2 理系の学部選び 理系の学部には、理学部、工学部、農学部、医・薬学部等の様々な学部が存在するため、進路の選択には十分な情報収集が重要 です。 また、早い時期からより多くの情報を得ることが進路選択前の中学生・高校生にとって大切なポイントとなります。それぞ れの学部学科で学習する内容を理解し、将来の職業をイメージして進学することが、充実した大学生活や就職に繋がります。 理系学部 の 特 徴 ▶1年生は共通基礎、2年生、3年生から専門科目を学びます。 ▶大学院へ進学する人も多くいます。 ▶学年が上がるにつれて実験、実習、演習がメインとなります。 ▶英語の論文を読み書きすることもあり、 英語の語学力は重要です。 ▶4年生になると研究室に所属し、研究を行います。 農学部 ∼生物・化学で社会に役立つ応用を実現∼ 自然の理解に基づき、人が生きる上で欠かすことのできない 食糧の生産や生物資源の循環に係る知識や技術を学びます。 特徴として、農場や実習場など体験的なカリキュラムも存在 します。 ■主な学科 食品・食料学科、 応用生物学科、 生物資源学科 ■卒業後の主な進路 ∼自然を究極まで深く理解する∼ ■主な学科 ・公務員 (農業、 水産業、 林業等) ■卒業後の主な進路 医学科、薬学科、看護学科 ∼物理・化学で社会の要請に応える∼ 高校までに学んだ理数系の科目のような学術的・学問的な 基礎研究が主となり、 自然を究極まで深く理解していきます。 入学すると、 まず全ての分野の基礎を勉強することや数学科 以外では、実験を多く行うことも特徴のひとつです。 自然現象や理論・公式を道具として利用して、社会の要請に 応える実学が主となります。 メーカー等でモノづくりをしたい 人に向いている学部と言えます。 また、社会の動向によって、 研究内容が変化するという特徴があります。 ■主な学科 ■主な学科 数学科、 物理学科、 化学科、生物学科、天文学科 機械工学科、 電気電子工学科、 情報工学科、 化学・材料工学科、 ■卒業後の主な進路 土木・建築学科 ・大学院へ進学 ■卒業後の主な進路 ・中学校、 高等学校の教員 ・病院・診療所 ・医薬品メーカー 工学部 ・自動車関連メーカー ・大学教授等の研究職 ・電機メーカー ・保険薬局 ・大学教授等の研究職 ・ドラッグストア ・製薬会社 ・大学教授等の研究職 その他の理系の学部 情報系学部 情報技術で社会問題を解決するために、 システム設計やプログラミング等を学ぶ学部です。情報技術は様々な分野で活用されるため、 活躍できるフィールドが広く存在します。 ・大学院へ進学 ・化学関連メーカー ∼人の健康を守る知識と技術∼ 人の生命に関わる実学が主となるため、患者を相手にした 実習カリキュラムが存在します。 薬学部には薬剤師を目指す臨床薬学と研究者を目指す創薬 科学に分かれています。 看護学科は女子が多いという特徴がありましたが、近年は 男子も増えています。 医学部・薬学部は卒業のための卒業試験があります。 ・大学院へ進学 ・食品・飲料メーカー 理学 部 医 学 部・薬 学 部 の 理系 メ スス 環境系学部 ・工作機械メーカー 現在、地球規模での課題となっている環境問題を解決するために、工学や農学のみならず自然科学や社会科学、 さらに人文科学といった 様々な視点から環境問題を学びます。 ・航空機器メーカー ・大学教授等の 研究職 教 育 学 部( 数 学 、理 科 ) 教員養成を目的として、数学、物理、化学、生物、地学といった高校までに学んできた学問について、子どもたちに指導するために必要な 専門知識や教育学を学びます。教育実習、 介護実習等の実習カリキュラムが特徴です。 コラム 先輩 の ? ■大学での勉強 ・研究内容 大学生の時は、理系選択のきっかけとなった受動歩 行ロボットの原理を用いた歩行支援機の研究を行っ ていました。大学院では、 モノづくりに必須な材料分 野の勉強もしたいという思いから、 ショットピーニングと つぼい なご み 坪井 和さん 名古屋工業大学大学院 工学研究科 機能工学専攻 博士前期課程1年 ? ■大学での勉強 ・研究内容 大学での過ごし方 7:00 起床 8:40 大学に到着 8:50 午前の講義開始 農学部の資源生物科学科は、 「ラボから フィールド へ」 がテーマになっていて、実際に農場で実習を行う 大学での過ごし方 7:30 起床 10:30 研究室へ到着。実験の準備を始める。 存在することが特徴です。現在、 ブドウの持つ健康に 11:00 研究開始 ことやタイやカンボジアでの海外研修カリキュラムが いう小さな球体を表面に打ち付ける加工技術を利用し、 12:00 昼食 (研究室の同級生と学食にて) 役立つ物質の分泌メカニズムやその物質をより多く 12:00 昼食 (研究室の飲食スペースにてお弁当) 材料表面の高機能化を目指す研究を行っています。 13:00 研究開始 (講義の空き時間を利用して) 分泌させる遺伝子を研究しています。 13:00 研究再開 16:00 研究終了 14:00 16:20 本日最後の講義を受ける 17:50 講義終了 ミーティング (先生や研究室のメンバーを交えて、 進捗状況や今後の研究方針を報告し 意見をもらいます。 ) 16:00 休憩(生協へ買い物) 就きたいと考えています。具体的には、農業・食品分 18:00 研究終了 野に関わる企業の技術職として働きたいと考えてい 19:00 自宅で夕食(友人と食べに行くことも) ます。 23:00 就寝 ? ■学部選択のきっかけ 中学生、高校生の時はバレエに打ち込んでいて、 自然できれいに見える動きや姿勢を常に考えていま 19:00 家庭教師のアルバイト 自分も自然に動くロボットを作りたいと思ったのがきっ 21:00 アルバイト終了 かけです。 そこから、 モノづくりへの興味が深まってい 22:00 帰宅し、 夕食を食べる きました。 24:00 就寝 した。 そんな時、2足歩行するロボットのことを知って、 たき も えこ 瀧 萌子さん 名古屋大学 農学部 資源生物科学科 4年 ? ■将来の夢 来年度から大学院に進学する予定であり、将来につ いて考える割合も多くなってきています。 その中で 現在研究を行っている野菜や果物に関わる仕事に
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