近赤外蛍光アプリケーションシート

LI-COR 近赤外蛍光アプリケーションシート
IRDye®700DXを利用した、がんのPhotoImmunoTherapy(PIT)
近赤外蛍光色素で標識した抗体をがん細胞に結合させてそこに近赤外光を照射すると、in vitroとin vivoの両方で、抗体が結合し
たがん細胞のみがネクローシスを起こし死滅することを、米国立がんセンターの小林久隆 博士のグループが2011年に、Nature
Medicine誌で報告しました。
Mitsunaga, Makoto, et al. "Cancer cell-selective in vivo near infrared photoimmunotherapy targeting specific
membrane molecules." Nature medicine17.12 (2011): 1685-1691.
小林久隆 博士
NCI, NIH
近赤外蛍光色素には蛍光波長700nmのLI-COR社 IRDye®700DXを用い、がん細胞表面抗原特異的に結合するトラスツヌマ
ブとパニツヌムマブの2種類を、IRDye700®DX NHSエステルと混合するだけで標識しています。
がん細胞に結合したIRDye®700標識抗体に励起光を照射すると、励起されたIRDye®700DXのもつエネルギーによって周辺の酸
素分子が活性酸素に変化し、細胞傷害を引き起こします。
IRDye®700DX 分子構造
近赤外波長光の利用には、以下の利点があります。
•
UVなどの短波長の光と異なり、長波長の近赤外光は細胞にダメージを与えない。
•
生体内への透過性が可視光に比べて非常に高い。
•
標識した抗体の追跡をイメージングで行えて、シグナルは組織、細胞からの自家蛍光の影響を受けない。
In vivoイメージャーを利用した、癌縮小過程のモニタリング
IRDye®700DX標識抗体によるPITの効果は、LI-COR社のPearl Impulseイ
メージャーでモニタリングしています。 Pearl Impulseイメージャーの励起光源は
単波長レーザーで、生体物質からの自家蛍光とクロストークがなく高いS/N比で
IRDye®700DXからのシグナルを検出します。
下図はA431がん細胞株を背面に移植したマウスにパニツムマブIRDye®700DXをインジェクションし、がん組織のみに近赤外光を照射した後のが
ん縮小の様子です。右側の癌組織にのみ近赤外光を照射しています。
抗体のインジェクション後1日目でがん組織にシグナルの集積が見られ、2日目から
左側のコントロールに比べがん組織の縮小がみられます。病理学的検査でも右側
の組織には生存細胞が少なく、肉芽形成が観察されました。
この研究で使用されたIRDye®700DX NHSエステルの製品情報は下記の通りです。
IRDye ® 700DX近赤外蛍光色素製品
価格(税別)
928-38046
IRDye ®700DX Protein Labelling Kit High MW
¥95,000
929-70010
IRDye ®700DX NHS 0.5mg
¥34,000
929-70011
IRDye ®700DX NHS 5.0mg
¥189,000
インフラレッドin vivoイメージャー
9400-00
PEARL® IMPULSE INTL
¥15,500,000
上記の製品は研究目的以外に使用できません。ヒト、動物への医療、臨床診断などには使用しないようご注意ください。
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