平成28年10月 建 設 局 「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」(第1

まちづくり委員会資料
平成28年10月
建
「いのちを守る
設
局
橋りょう健全化プログラム」(第1期プログラム)の取組状況と今後の
見通しについて
「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」
(第1期プログラム:平成24年度~平成
28年度)について,今年度が取組の最終年度となりますので,取組状況と今後の見通し
について御報告いたします。
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第1期プログラム策定の経緯
(1)耐震補強
阪神・淡路大震災以降,緊急輸送道路上の橋長15m以上の橋りょう及び跨線・跨道
橋を都市防災上重要な橋りょう(92橋)と位置付け,耐震補強を進めてきました(第
1期プログラム策定までに40橋の耐震補強完了)。
しかしながら,平成23年の東日本大震災を契機として,残る52橋の耐震補強をス
ピードアップさせることといたしました。
(2)老朽化修繕
第1期プログラム策定時点で,建設後50年を経過した橋りょうが約3割を占め,
20年後には約8割に達するなど,老朽化した橋りょうの修繕を効率的に進めていく
ことも大きな課題でした。
これらの状況を踏まえ,耐震補強と老朽化修繕を並行して,効率的,効果的かつスピ
ード感を持って進めるために,平成24年度から平成28年度までの5年間の取組目
標を定めた第1期プログラムを平成23年12月に策定しました。
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第1期プログラムの概要と完了の見通し
(1)概要
ア
耐震補強
緊急輸送道路の中でも,特に重要であると判断する路線を「重要路線*」と位置付け,
この「重要路線」上の橋りょうの対策工事を最優先で進めることにより,救助,支援
活動のための骨格となる道路ネットワークの確保を早期に実現します。
第1期プログラム終了の平成28年度末には,「重要路線」上の橋りょう(橋長15
m以上)の対策は,東大路通の一部を除き,すべて完了する計画です。
跨線・跨道橋については,新幹線又は緊急輸送道路を跨ぐ橋りょうを優先します。
*重要路線:・他都市から京都市への進入ルート
・上記ルートを補完し,市域の骨格ネットワークを形成する路線
【「別紙1」参照】
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イ
老朽化修繕
橋りょう点検を踏まえて,損傷が比較的大きく,早期に老朽化修繕を実施する必要が
ある橋りょうのうち,損傷の状況や路線の重要性を考慮し,特に老朽化修繕を急ぐ必
要があると判断した橋りょうを優先します。
なお,対策が完了した橋りょうから,最小の投資で最大の効果を得られるよう,損傷
が小さいうちに修繕を行うことにより長寿命化を図る予防保全型の維持管理を実施し
ます。
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(2)第1期プログラムの計画と完了の見通し
<計
【「別紙1,別紙2,別紙3」参照】
画>
プログラムで「5年以内(平成28年度末まで)に
対策を完了する」と位置付けた橋りょう
プログラムで「5年以内(平成28年度末まで)に対
策に着手し,完了が6年目以降(平成29年度以降)
になる」と位置付けた橋りょう
・緊急輸送道路上の橋りょう
14橋
・緊急輸送道路上の橋りょう
(御池大橋,羽束師橋 等)
耐震補強
17橋
(御薗橋,松尾橋 等)
<すべて「重要路線」上の橋りょう>
・新幹線又は緊急輸送道路を跨ぐ
跨線・跨道橋
5橋
特に老朽化修繕を急ぐ必要がある」
と判断した橋りょう
34橋
・点検により,「損傷が比較的大きく,
3橋
(菊屋橋,四ノ宮高架橋 等)
合計
1橋
(西国街道高架橋)
・点検により,「損傷が比較的大きく,
34橋
<うち「重要路線」上の橋りょう 1橋(今熊野橋)>
・跨線・跨道橋
3橋
(伏見街道跨線橋,大石道跨線橋 等)
老朽化修繕
4橋
特に老朽化修繕を急ぐ必要がある」
と判断した橋りょう
3橋
(賀茂大橋,荒神橋 等)
51橋
8橋
<完了の見通し>
プログラムで「5年以内(平成28年度末まで)に
対策を完了する」と位置付けた橋りょう
14橋
(82%)
耐震補強
16橋
(94%)
老朽化修繕
平成29年度末時点
(大石道跨線橋)
29橋
平成28年度末時点
43橋
50橋
着手率
※1
平成29年度末時点
(御薗橋,松尾橋 等)
100%
3橋
平成28年度末時点
5橋の完成 が
H29年度に
着手率
(賀茂大橋,荒神橋 等)
100%
(二条大橋,越前橋 等)
平成28年度末時点
平成29年度末時点
7橋 の完成 が
H29年度に
※2
8橋
平成28年度末時点
着手率
(98%)
51 橋
平成28年度末時点
(菊屋橋,四ノ宮高架橋 等)
(84%)
合 計
5橋
2 橋 の 完成 が
H29年度に
(山端跨線橋,九条跨線橋)
(100%)
(100%)
になる」と位置付けた橋りょう
(御池大橋,羽束師橋 等)
平成30年度以降
34橋
策に着手し,完了が6年目以降(平成29年度以降)
平成28年度末時点
17橋
(85%)
プログラムで「5年以内(平成28年度末まで)に対
100%
平成30年度以降
(100%)
※1)平成30年度以降になる見込みの1橋は,大石道跨線橋です。近くに迂回路があることや利用者が多くないことから,地元と調整し,
耐震補強から廃橋に方針変更したことにより期間を要したものです。
※2)耐震補強2橋,老朽化修繕5橋の合計7橋の対策完了が平成29年度となる主な理理由は,予算の平準化によるスケジュールの見
直しや鉄道事業者等との協議により期間を要したことによるものです。
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3
(3)事業費
第1期プログラムの事業費は,当初計画では約150億円を見込んでおりましたが,
実績では約120億円となる見込みです。
事業費が約30億円減少したのは,国の内示等の影響によるスケジュールの見直し
(プログラムで「5年以内に対策に着手し,完了が6年目以降となる」と位置付けた
橋りょう)や整備方針の変更(架替→耐震補強,耐震補強→廃橋)等が主な要因です。
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第1期プログラムの取組の特色
第1期プログラムの実施に当っては,橋りょうの健全化に併せて,事業の目的を踏ま
えたうえで,利用状況等を改善する工夫や周辺景観との調和を図る取組を行っています。
(1)橋りょう幅員の拡幅
橋りょうの前後道路に比べ幅員が狭い場合などには,構造上可能な範囲内で,橋り
ょうの幅員を拡幅しています。
実施橋りょう数:4橋
<施工事例> 丹波橋(伏見区)
(2)歩道幅員の拡幅
歩道が狭い場合には,構造上可能な範囲内で,歩道幅員を拡幅します。
実施予定橋りょう数:5橋
(3)高欄の嵩上げ
高欄の高さが基準に満たない場合には,必要な高さを確保しています。
実施橋りょう数:29橋
<施工事例> 開花橋(左京区)
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(4)車両用防護柵の改良
車両の転落の恐れがある場合には,歩道と車道の間等に,車両用防護柵を設置して
います。
実施橋りょう数:21橋
車両用防護柵
<施工事例> 京川橋(南区・伏見区)
(5)デザイン検討会議の開催
鴨川に架かる橋りょうで,架替えの場合や,デザインに趣向の凝らした橋りょうに
おいて大規模修繕工事により周辺景観に大きく影響を与える場合等には,自治連合会
等の地元団体の代表者や学識経験者を構成員とするデザイン検討会議を開催し,御意
見をお聴きしたうえで取組を進めています。
実施橋りょう数:3橋(御薗橋,賀茂大橋,二条大橋)
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今後の取組
現在,事業中の第1期プログラム対象橋りょうについて,完遂に向け,着実に取組を
推進していきます。
橋りょう点検について,平成26年度に本市が管理する約2,900橋すべての1巡
目の点検を完了し,現在,2巡目の点検を実施しています。点検結果は,現在策定中
の第2期プログラム(平成29年度~平成33年度)の基礎データとして活用してい
きます。
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工事事例
◎「耐震補強」
御池大橋
中京区上樵木町他にある鴨川をまたぐ橋りょう
落橋防止装置
↑落橋を防ぐ装置を取付けました。
◎「老朽化修繕」
丹波橋
伏見区丹波橋町にある濠川をまたぐ橋りょう
防護柵
地覆
↑防護柵を取替え,地覆を打換えました。
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