心的トラウマとその対処について 日本語版

衝撃的な出来事や危機的な状況に直面した際、心身共に
強い反応が出ることがあります。その反応は正常であ
り、心と体が起きた事を認識するために起こります。
気持ちを外に出すと癒しのプロセスが始まります。それは
コントロールを失う意味ではなく、逆に感情を止めてしま
うと他の複雑な問題を引き起こす可能性もあります。
正常な感覚として体験すること:
ポイント:泣くことには苦痛を和らげ、考えを明確にする
効果があります。1 人よりも、誰かと共に泣く
と良いでしょう
危機への反応は人によって異なり、感じ方の強さや期間
も人それぞれです。以下は、反応として現れる可能性の
ある感情の一部です。
恐れと不安
 自分や他人への影響に対して
 同じような事が起こるのではないか
 1 人きりでいることや最愛の人との別れに対して
罪悪感
 生きている事について
 出来たであろう事について考える
恥


怒り


記憶


自分の持つ感情に対して
サポートを必要としていること、感情が傷ついて
いる事に対して
身体的、精神的感覚:
一般的に、疲労感、不眠、悪夢、記憶喪失や集中力低下な
ど考えがぼやけた感じ、めまい、動悸、震え、呼吸がしづ
らい、喉と胸の息苦しさ、吐き気、下痢、頭痛、首や背中
など痛みを伴う筋肉の張り、腹痛、生理不順、性的関心の
変化などの感覚が出る事があります。
無感覚
初めのうち、圧倒されたり打ちのめされた気分になるのは
珍しくありません。起きたことは現実感がなく夢のよう
で、実際に起きたことではないかのように感じるかもしれ
ません。時に、無感覚であることを強さ、または思いやり
がない、と誤った解釈をします。
活動
人助けのために働くことで、苦痛が和らぐかもしれません
起きたことに対して
他人から理解されないことに対して
過去の衝撃的な出来事などで亡くした最愛の人々
への愛情
感情を思い出すこと(またはフラッシュバッ
ク)、長く忘れ去られていた思いの場合もある
現実
お葬式に参加したり、事故の現場に戻るなど、可能な際に
現実に向き合うと、起きた事への理解につながります。起
きた事を心で認識すると、それを考える必要があり、睡眠
中に夢の中に繰り返し出てくることがあります。子どもは
遊びや絵に描いて表現します。
無力感
 出来事について、どうすればいいか分からず圧倒
される
 危機的な状況がさらす人間の弱さ
支援・サポート
周囲の支援を受け入れると痛みが和らぐかもしれません。
同じような経験をした人々と思いを共有するのは役に立ち
ます。信仰がある場合は、そこで支援を得られるかもしれ
ません。
注意:強いストレスを受けた後は交通事
故を起こしやすいため、ご注意下さい
プライバシー
さまざまな気持ちに対処する際に、家族や親しい友人との
時間、または 1 人の時間が必要かもしれません。
家族や社会とのつながり:
衝撃的な出来事の結果、新しい友達関係が育つかも
しれません。一方で、既存の関係にひずみが生じる
場合もあります。例えば、相手を責める気持ちが出
たり、あなた自身も相手の期待に応えられない場合
があります。
ワンポイントアドバイス:
感情を押し殺さない 感情を表してください。子ど
も達にも悲しみを共有させましょう
起きた事について話すのを避けない 経験を振り返
る為に、あらゆる機会を利用して下さい
薬物やアルコールを避ける 感情を鈍らせても起き
た事を受け入れる手助けにはなりません
辛抱する 起きた事を受け入れるには数週間や数ヶ
月かかるかもしれません
記憶は消えると期待しない 経験から感じた事はこ
れから長い期間残るでしょう
子ども達も同じような感情を持つと覚えておこう
時間をかけて睡眠と休息を取り、考える時間を持
ち、あなたの大切な人たちと共に過ごそう
必要とすることは、はっきり、素直に伝えよう
強い悲しみが去ったら、普段と変わらない生活を心
がけよう
子ども達と感情について話し合い、ゲームや絵を用
いて思いを表現しよう
子ども達を学校へ戻し、学校活動についていけるよ
うサポートしよう
運転は気をつけよう
いつ専門家に相談するか
1. 数ヶ月が過ぎても症状が改善しないとき
2. 数週間が過ぎても感情がまひしたり、感情が切り離さ
れた感じが続くとき
3. 悪夢や睡眠不足が続くとき
4. 気持ちを共有できる人が周りにおらず、誰かに話した
いと思うとき
5. 人間関係がつらい、または性的な問題を抱えている
とき
6. 事故にあったとき
7. 過度な喫煙、飲酒、その他の薬物使用が続くとき
専門家にお気軽にご相談下さい
(助けを求める事をためらわないで
ください)
もし何らかの出来事から身体的または精神的に影響を感
じる場合、または仕事、社会、家族関係においてマイナ
スの影響を受けていると感じたときはどうぞ専門家にご
相談下さい。
がんじゅうサービス
電話: 098-982-3327(内線 23327)
[email protected]
OIST クリニック
電話:098-982-3446 (内線 23446)
8. 仕事の作業能力が低下したとき
9. とても参っている人や十分回復していない人を心配す
るとき
10. 周囲を手助けし、疲労感に悩まされているとき
心的トラウマの効果的な治療は、衝撃的な出来事に対して
感じた恐怖心や他の感情について話し合い、対処法を身に
つけ、そのプロセスから、起きた事と気持ちを自分なりに
受け入れられるようになることを目指します。
OIST ヘルスセンター
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英語による無料の電話カウンセリング
(守秘義務は守られます)
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(毎日午前 9 時から午後 11 時までご利用可能)
ポイント:あなたは別人になったわけではありません。衝
撃を受ける前と同じ人です
ポイント:徐々に気分が前よりも楽になります
ポイント:専門家の助けがご利用いただけます
がんじゅうサービス
心的トラウマと
その対処について
(精神的ショック、心の傷)
リーフレットの目的:
1.ショックな出来事の後に経験する
可能性のある感情についての情報
2.セルフケアのアドバイス
3.アドバイスと連絡先の詳細