Case Study NTTPC コミュニケーションズが、 ストレージ基盤を刷新し WebARENA SuiteX のサービスを拡充 目的 企 業 向 け 共 用 ホ ス テ ィン グ サ ー ビ ス 「 WebARENA SuiteX 」のストレージ基 盤刷新。パフォーマンス、信頼性、運用性、 容量効率を高めたストレージ環境に移行し、 より競争力 の 高 いサ ービスにリニューア ルする。 HPE 3PAR StoreServ を採用し 共用サーバーサービスの競争力を強化 同時にサービス基盤の保守性・運用性の効率を大幅に改善 アプローチ 自社 およびクラウド事業者で実績豊富な 高性能ストレージを採用。サービス基盤の アーキテクチャーおよびサーバー環境を そのままに、SAN ストレージのみを刷新して サービス基盤全体のパフォーマンス向上を 実現する。 IT の効果 • 高負荷でも安定的なパフォーマンスを発 揮する「HPE 3PAR StoreServ 7200」 を採用しサービス品質を向上 • シンプロビジョニング、データ階層管理 によりストレージ容量効率を大幅に向上 • 2筐体間の Active - Active 冗長構成に より高い信頼性を確保 • サービス無停止でのメンテナンスや増設 が可能に • ストレージ 機器 の 設置面積 を 1 / 10 に、 容量単価を 1/ 20に削減 ビジネスの効果 • 容量を300GB に増強した「WebARENA SuiteX V2タイプ」の提供を開始 • ストレージ環境の刷新だけでサービス品 質を高めサービスメニューの拡充を実現 • シンプロビジョニングにより初期投資を抑 えながら大容量サービスの提供を可能に • 現在の多様な顧客ニーズに応えながら、 将来の変化に応えるサービス基盤を実現 日本を代表する大手インターネッ チャレンジ トサ ービス事業者 NTTPC コミュ ニ ケ ー ション ズ が、HPE 3PAR StoreServ を採用してストレージ 基盤 を 刷新。共用 サ ー バ ー ホ ス ティング サ ービ ス「WebARENA 業界最高クラス、容量300GB の ホスティングサービス 大手通信サービス事業者である NTTPC コミュニ ケーションズ (以下、NTTPC) の足跡は、インターネッ トの発展の歴史とまさに合致している。1985年設 立――パソコン通信サービスで先鞭をつけ、1995 年にインターネット接続サービス「InfoSphere」 、 1997年にハウジングサービス「WebARENA」、 1999年にホスティングサービス「WebARENA Suite」を開始するなど、次々と先進的なサービス を投入して市場の発展を牽引してきた。 SuiteX」を リ ニ ュ ー ア ル し た。 300GB という大容量を月額換算・ 税別1,361円という低価格で実現し、 高品質なサービスと相まって大き な支持を獲得している。 「現在は、クラウド/ネットワーク/データセンター サービスの3分野を軸に、法人向けビジネスをコ ア事業として展開しています。 『 WebARENA 』 ブランドのハウジング/ホスティング/クラウド サービスは、私たちの主力事業のひとつに位置 づけられます」とデータセンター事業部 ホスティン グサービス部 サーバプラットフォーム担当 担当 課長の冨永嘉之氏は紹介する。 WebARENA の強みは、NTT グループならで はの高品質なサービス、そして中堅・中小企業で も利用しやすい価格と大容量を両立させたサー ビスメニューの提供にある。 Case study 業界 株式会社 NTTPC ISP / コミュニケーションズ ホスティングサービス Page 2 “ホスティングサービスは 常に激しい競争にさらされる一方で、 お客様のビジネスを支えていくミッションを担っています。 私たちは、強い使命感を持って NTTPC ならではの高品質なサービスを追求していきます” −株式会社 NTTPC コミュニケーションズ データセンター事業部 ホスティングサービス部 サーバプラットフォーム担当 担当課長 冨永 嘉之 氏 株式会社 NTTPC コミュニケーションズ データセンター事業部 ホスティングサービス部 サーバプラットフォーム担当 担当課長 冨永 嘉之 氏 株式会社 NTTPC コミュニケーションズ データセンター事業部 ホスティングサービス部 サーバプラットフォーム担当 主査 萩原 正浩 氏 株式会社 NTTPC コミュニケーションズ データセンター事業部 ホスティングサービス部 オペレーション担当 成嶋 功一 氏 「2008 年に共用ホスティングサービスのシス ソリューション テムアーキテクチャーを全面的に見直し、新たに 『 WebARENA SuiteX 』として提供を開始しま コストパフォーマンスに優れた した。サーバー内蔵ディスクをユーザー領域と 「HPE 3PAR StoreServ 7200」を採用 して提供する方法から、SAN による外部ストレー WebARENA SuiteX のサービス基盤では、仮 ジに変更したことが大きなポイントです」と同部 想ストレージプールを実現する先進的なストレー ジ製品が運用されてきた。では、なぜ今回「HPE 門 主査の萩原正浩氏は振り返る。 3PAR StoreServ 7200」の採用を決めたのか。 サービス基盤を見直した背景には、ホスティング サービス選定の要素として “ディスク容量” への 「現行サービスよりも優れたレスポンス、高い信頼 性、大きなディスク容量を提供するという目標に対 期待が急速に高まってきたことがあった。 して、どれだけ成果を期待できるかという観点で (萩原氏) 「WebARENA SuiteX の 利用目的は、会社 の 複数のストレージ製品を検討しました」 ホームページ、キャンペーンサイト、EC サイト、 Web メールサービスから業務システムまで、お ホスティングやクラウドサービスでは、共有スト 客様ごとに異なるうえにシステムリソースに対す レージの I/O 性能がサービス品質を決定づける るニーズも大きな幅があります。ですから、サー と言っても過言ではない。一方で、ストレージテ ビス基盤側の構成を柔軟に調整できることがと クノロジーの進化、ディスク容量単価の低下は著 ても重要です。大容量へのニーズ、容量拡張の しく、これをどう活かすかも重要になる。冨永氏、 ニーズ、変化するニーズに応えるための SAN 導 萩原氏らは、最新ストレージ製品ならではの性能 や投資対効果を慎重に見極めた。 入でした」 (萩原氏) そ れから6 年 ――2014 年 2 月にディスク容量 「結果として、HPE 3PAR の最新モデルの導入 を 大 幅 に 増 強 し た 新 プ ラ ン「WebARENA を決めました。バーチャルプライベートサーバー 『 WebARENA SuitePRO 』のサービス基盤で SuiteX V2クラス」の提供を開始した。 運用実績があり、高負荷に際しても高い性能を 「新しい『 WebARENA SuiteX V2 』は月額換 維持できること、サービス無停止で容量拡張が 算・税別1,361円。堅牢なデータセンターに構築 可能なことが、実環境で証明されていました。こ 『 HPE 3PAR StoreServ 7200 』の されたディスク容量300GB の高性能サーバー れに加え、 を、稼働率100%のサービス品質保証(SLA)で コストパフォーマンスの高さが決め手になりまし ご利用いただけます。従来(V1クラス)は標準で た」と冨永氏は話す。 30GB でしたから、10倍の容量アップを果たしま 採用された「HPE 3PAR StoreServ 7200」は、 した」 (冨永氏) HPE 3PAR 製品ファミリーの中ではエントリー さらに、ユーザーデータのバックアップサービス、 クラスに位置づけられる。だが、ハイエンドの Web 改ざん検知サービスも無料で含むという HPE 3PAR 製品と同一アーキテクチャーを採用 手厚さだ。セキュリティ機能の強化は、企業ユー し、共通の「HPE 3PAR OS」から提供される先 進機能を利用可能なだけでなく、ハイエンド製品 ザーに強くアピールする要素となる。 に匹敵する高い信頼性を実現している。 「サービス基盤のアーキテクチャーを変更せずに、 ストレージの刷新だけでこのサービススペック 「WebARENA SuitePRO の サ ー ビ ス 基盤 に を実現したことが重要と考えています。新しいス HPE 3PAR を導入したのは2010年でした。当時、 “シンプロビジョニング” に注目していた トレージシステムには、HPE 3PAR StoreServ 私たちは のですが、実用レベルに達しているストレージ製 (萩原氏) 7200を採用しました」 品はほとんど見当たりませんでした」 (萩原氏) Case study 業界 株式会社 NTTPC ISP / コミュニケーションズ ホスティングサービス 日商エレクトロニクス株式会社 サービスプロバイダ第一営業本部 第二営業部 第一グループ グループリーダー 青山 友和 氏 Page 3 サーバーA 群 サーバー B 群 ストレージA 群 ストレージ B 群 スナップ ショット 相互バックアップ HPE 3PAR StoreServ 7200 (リモートコピー機能を利用) HPE 3PAR StoreServ 7200 Active 日商エレクトロニクス株式会社 サービスプロバイダ第一営業本部 第二営業部 第一グループ 前田 英幸 氏 Active HPE 3PAR ASIC 様々なストレージ機能をコントローラーから オフロードしてハードウェア処理 「WebARENA SuiteX V2クラス」で利用されている主な機能 …容量予約を可能にしてキャパシティプランニングを不要に シンプロビジョニング …ボリューム内のデータブロックを最適な階層に自動配置 アダプティブオプティマイゼーション システムワイドス トライピング …全ディスクにデータを最適配置 リモートコピー …複数のHPE 3PAR StoreServ間でデータコピー/DRにも応用可能 シンプロビジョニングは、仮想ストレージプール 上での容量予約を可能にしてキャパシティプラン ニングを不要にする。あらかじめ大規模な物理 容量を用意する必要がなく、容量効率を大幅に 高めることができるので、クラウド事業者を中心 に期待が大きい。 「HPE 3PAR は “シンプロビジョニング” を初めて 実装した製品であり、その “実効性” において現在 も他のストレージ製品を圧倒的にリードしていま す」と HPE 3PAR を提案した日商エレクトロニ クスの青山友和氏は言う。 この圧倒的な差を生み出している理由は、HPE 3PAR StoreServ がシンプロビジョニングをはじ めとするストレージ機能を『HPE 3PAR ASIC』 上でハードウェア処理していることにある。独自 ASIC の開発には長期に及ぶ開発作業と大きな投 資を伴うため、他社が追随するのは容易ではない。 冨永氏は「ストレージ容量への先行投資を抑える ことができるだけでなく、ディスク単価の低下傾 向が続く中で『来年買った方が安い』というメリッ トも手に入ります」とシンプロビジョニングの効 用を語る。さらに、 「HPE 3PAR StoreServ では サービス無停止でディスクを増設して容量を拡張 サービス本番環境で使える できます。お客様のニーズ、需要に応じて自由に シンプロビジョニング 拡張できることが、シンプロビジョニングの効果 シンプロビジョニングの “実効性” とはどのような を確かなものにしてくれます。これは私たちの事 意味か。HPE 3PAR StoreServ のシンプロビジョ 業リスクの低減にもつながっています」と評する。 ニングと他社製品のそれは、何が違うのだろうか。 HPE 3PAR StoreServ では、 「アダプティブオ 「カタログ上で同じようにシンプロビジョニング プティマイゼーション」によりデータ階層管理 を謳っていても、HPE 3PAR と他では大きく異 が可能だ。もちろんこの 機能も、HPE 3PAR なります。サービス基盤として “実運用に耐える ASIC により高速にハードウェア処理される。 か否か” ということです。ストレージの I/O 性能は ホスティングのサービス品質に直結しますが、シン 「HPE 3PAR StoreServ 7200には、高速な SAS プロビジョニングを実行すると3割とかそれ以上 ディスクと安価なニアライン SAS を搭載してい パフォーマンスが劣化する製品がほとんどです。 ます。アダプティブオプティマイゼーションによ これに対して HPE 3PAR は、まったくと言ってい り、データへのアクセス頻度に応じて SAS−ニア いほど I/O 性能への影響がありませんでした」と ライン SAS 間で動的かつ自動的にデータを移動 萩原氏は語る。 させ、パフォーマンスとコストの最適バランスを Case study 業界 株式会社 NTTPC ISP / コミュニケーションズ ホスティングサービス ソリューション概略 導入ハードウェア • HPE 3PAR StoreServ 7200 “2台の HPE 3PAR StoreServ 7200を Active – Active で稼働させ、 それぞれに接続するサーバーノードを区分して相互にバックアップを行 う構成としています。2筐体でデータを持ち合うことにより、より独立性 の高いデータ保全を可能にしているのです” ー株式会社 NTTPC コミュニケーションズ データセンター事業部 ホスティングサービス部 サーバプラットフォーム担当 主査 萩原 正浩 氏 HPE プレミアムロイヤルパートナー 図っています」とホスティングサービス部 オペレー ション担当の成嶋功一氏は説明する。 HPE 3 PAR StoreServ の ディス ク 使用率 や IOPS、アダプティブオプティマイゼーションによ るデータの配置状況などは、専用のレポーティン グツール「HPE 3PAR SystemReporter」によっ てトレンドグラフとして可視化される。成嶋氏は、 「このレポートツールを使えば、最適なタイミン グでディスクの増強を行えるとともに、最適な投 資計画の立案も可能です」と語る。 「HPE 3PAR StoreServ 7200」の 2 システム間でデータを二重化 HPE 3PAR StoreServ 7200を採用したストレー ジ基盤構築にあたり、冨永氏、萩原氏らはシステ ム構成に独自のノウハウを投入した。 「2台の HPE 3PAR StoreServ 7200を Active – Active で稼働させ、それぞれに接続するサー バーノードを区分して相互にバックアップを行う 構成としています。2筐体でデータを持ち合うこ とにより、より独立性の高いデータ保全を可能に しているのです」 (萩原氏) ベネフィット スペース効率を10倍、容量単価を1/20に HPE 3PAR StoreServ 7200の導入効果を聞こう。 運用を担当する成嶋氏は、 「旧システムで大き なスペースを占めていたストレージ環境です が、HPE 3PAR StoreServ 7200 への移行で 設置面積は1/10 以下になりました。また、分散 型の複雑なストレージ環境からシンプルな構成 に変わったことで、監視対象が大幅に削減され て運用も容易になりました。何より HPE 3PAR StoreServ の安定性が大きな安心ですね。サー ビスに影響するような問題は一度も発生してお らず、期待に応えてくれています」と評する。 萩原氏は、 「ストレージの容量あたりのコストを、 およそ1/20にまで低下させることができました。 ディスク自体の容量単価が下落していることを考 慮に入れても、かなり大きな効果と言えるでしょう」 と語る。 パフォーマンス、信頼性、運用性、容量効率― ―ストレージ環境の刷新により、 「WebARENA SuiteX」は競争力を大幅に強化して生まれ変わっ 相互バックアップには、HPE 3PAR StoreServ た。そして、最後に冨永氏が次のように語って締 7200のリモートコピー機能が利用されている。 めくくった。 この構成により、たとえ筐体レベルでの深刻な問 題が発生しても即座に片系がデータと処理を引 「2014年2月から提供を開始した『 WebARENA SuiteX V2クラス』は好評をもって迎えられ、順 き継ぐことができる。 調にユーザー数を伸ばしています。ホスティン 「HPE 3PAR StoreServ 7200内でのスナップ グサービスは常に激しい競争にさらされる一方 ショットコピー、2筐体間でのリモートコピー、さ で、お客様のビジネスを支えていくミッションを らに外部のバックアップ装置でのデータ保護、と 担っています。私たちは、強い使命感を持って いう運用をしています。お客様には “三重化され NTTPC ならではの高品質なサービスを追求し たデータ保護” という安心をご提供できるように ていきます」 なりました」 (冨永氏) サービス品質を徹底的に追求する NTTPC なら ではのこだわりと言えるだろう。本システムの検 証をサポートした日商エレクトロニクスの前田英 幸氏は、次のように語る。 Sign up for updates 詳しい情報 HPE3PAR StoreServ についてはこちら hpe.com/jp/3par 「長年にわたり HPE 3PAR 製品を運用されてき た、その知見が本システムに存分に活かされて いると感じました」 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。記載事項は2015年1月現在のものです。本カタログに記載 されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 © Copyright 2016 Hewlett Packard Enterprise Development LP 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒136-8711 東京都江東区大島2丁目2番1号 4AA6-8307JPN CST15001-01 2016年10月
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