<記者用説明文> 「プラスチックをくっ付ける接着剤」強くしっかりと手軽に接着 綜研化学株式会社 学会発表番号 研究開発センター 小山雄司 ~工業実用化を目指して~ 近畿大学 分子工学研究所 遠藤剛 2PD43 <研究成果のポイント> ●接着しにくいプラスチックを「強くしっかりとくっ付ける」接着剤 ●「塗って貼るだけ」日常環境で誰でも手軽に取り扱える接着剤 <研究成果の概要> 様々な場面で使用されるプラスチックは、 「接着しにくい」ことが多くあります。一般 的には、接着しやすくなる処理や接着剤以外の方法の利用が行われており、手軽にプラ スチックを接着する方法、特に接着剤が求められています。私達は、プラスチックに「強 くしっかりとくっ付ける」特性を発現させる研究を行い、鉄分子とアミン分子を利用し た独自の接着の仕組みを見出しました。この接着の仕組みを利用すると、接着剤を「塗 って貼るだけ」で手軽にプラスチックを接着することも可能です。自動車や各種機器組 プラスチック(ポリプロピ レン)を接着 み立てなど、工業用途への実用化を目指しています。 <研究成果解説文> 「ポリオレフィン用アクリル系反応型接着剤の開発」 強くしっかりと手軽にプラスチックを接着 ~工業実用化を目指して~ 第 25 回ポリマー材料フォーラム 予稿集 P218 著者名: 小山雄司*1、井村哲郎*1、遠藤剛*2 著者所属 1. 綜研化学株式会社 研究開発センター 2. 近畿大学 分子工学研究所 *1 E-mail: [email protected] [email protected] 接着が難しいとされるポリオレフィン素材に向けた接着 剤の開発を行っています。接着性発現には、ポリオレフ ィンと接着剤が接する接着界面の親和性と接着剤層の硬 化性発現が必要です。私達は、両特性を満たせる触媒系 に視点を置いた検討を行い、特定の鉄-アミン系触媒が 良好な接着性を発現することを見出しました。この触媒 系とアクリル系モノマーを用いると、室温・大気環境で の取り扱いが可能な上、急激な反応進行が生じることも 無く、良好な接着性が発現することが分かりました。ま た、ポリオレフィン基材の表面処理無しで接着性が発現 するため、接着工程の簡易化に繋がると期待しています。 市場では、金属から樹脂材料への代替、CFRP導入、 異種材接合が要求されており、市場への提案から実用化 を目指して日々の検討を行っています。
© Copyright 2024 ExpyDoc