所有者不明土地問題を考える - 公益社団法人日本不動産学会

日本不動産学会 ワークショップ
所有者不明土地問題を考える
日 時:2016 年 11 月 27 日 13:10~15:10
場 所:日本大学経済学部 7 号館 4 階 7044 教室
*開催教室は、参加申込数により変更させていただく場合がございます。
主 催:公益社団法人日本不動産学会
後 援:国土交通省、日本司法書士会連合会、日本土地家屋調査士会連合会、
公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会
公開形式:一般公開・無料
登壇者:
【講演】大水敏弘(前大槌町副町長、現国土交通省都市局企画専門官)
舘
逸志(国土交通省政策統括官)
松尾 弘(慶應義塾大学法科大学院教授)
吉原祥子(東京財団研究員兼政策プロデューサー)
【報告】稲野邉 俊(日本不動産鑑定士協会連合会副会長)
岡田潤一郞(日本土地家屋調査士会連合会副会長)
櫻井 清(日本司法書士会連合会副会長)
【コメンテーター】 植松
丘(日本不動産学会副会長、政策研究大学院大学客員教授)
平澤春樹(都市開発研究所代表)
【コーディネーター】福井秀夫(日本不動産学会常務理事、政策研究大学院大学教授)
【趣旨】
東日本大震災からの復興、公共事業実施、山林の管理処分、農地の集約など、公共事業の実施
や民間の売買・賃貸などのニーズが生じた土地等について、公図が明確でない、相続が繰り返さ
れ相続財産の分割が未了の間に多数の相続人が発生し、全部又は一部の所有者が不明な状態とな
っている土地等が存在する。
このような土地では、公共用地取得に際しても、権利者との交渉が成立せず、土地収用法が活
用しにくい場面では、失踪宣告、不在者財産管理制度、相続財産管理制度などの活用によって、
事業などのための利用や管理を図らざるを得ない。しかしながら、これらの制度については、所
有者不明土地の権利変動や利活用促進を目的とするものでないことに加え、その基準が明確でな
く、運用も必ずしも容易でないなどの事情により、特に地方自治体や、私人間の取引等に際して
は、十分に活用されていないのが実情である。
現行制度を活用する前提での所有者不明土地等への対応については、2016 年 3 月国土交通省
から「所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン」が公表さ
れ、運用上の指針が示されたが、そもそも私人間の取引等に関してニーズが生じた土地の有効利
用については、現行制度で十分な解決を図ることは難しい。
また、公共事業については、最終的には現行制度の活用によって一定の対処が確保されてはい
るが、果たして現行制度が、現場のニーズに沿って迅速かつ的確に管理や取引を適切なものとす
る程度に、平易で使いやすい制度となっているとも言い難い。
「権利の上に眠る者」は保護しない、という観点から、時効制度や一定の失権制度が仕組まれ
ていることからも、また、土地を所有している以上所有権に内在する制約として一定の社会的な
弊害を発生せしめないように適切に管理を行うべき責任が伴うと言えることからも、失踪宣告や
不明裁決という究極の手段に訴えなくとも使いやすい、また私人間でも活用可能な制度が求めら
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れている。
現実のニーズは、公共事業にとどまらず、広く民間による開発行為、農地集約行為など一般に
存在するので、民間によるニーズについては公共性が小さいなどと一律に切り分けることは妥当
ではない。公共事業のみに限らず、広く土地が有効利用され、居住や産業のための有益な使途に
供されることは、広い意味での公共の福祉にも十分かなうものである。
このようなニーズに的確に応えていくためには、法務、登記、税務、価値評価など専門的で実
務的な処理が必要であり、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士などの専門家によ
る適切なサポートが求められる。
以上のような観点から、例えば次の論点について、学際的、実務的、政策的な議論・検討を行
う。
(1)問題点の所在……所有者不明土地増大の要因とは何か、どのような弊害がもたらされるのか
(2)ニーズの把握……新たな制度を設けた場合に、公共事業でも民間でも、特にどのような種別、
地域について強いニーズがあるのか
(3)既存制度による限界……運用上どのような課題があるのか、立法や制度改正によってより適切
な制度とすべき余地があるのか
(4)管理上の制約の撤廃……所有者不明土地の有効利用を促すこと自体が公共の利益に合致する
という観点からいえば、必ずしも所有権そのものの整理を行うことが必然と
はいえないかもしれず、利用権の付与など管理上の制約をなくすことに力点
を置くべきか。
(5)真実の所有者の公示制度……日本の不動産登記は対抗要件であり、所有権移転の成立要件でな
い。また真実の所有者の公示制度は存在しない。このような状況が、真実の
所有者の探索費用を高めている可能性があり、公示制度が必要か。
(6)専門家の活用…関連専門資格者、関連学術研究者などの知見や実務経験の質を高めるとともに、
これらを活用することによって、適切に実務における問題の解決に資する活
用のあり方とは
(7)所有者不明土地に関する一般ルールのあり方……特に私人間での取引等のニーズにも迅速に
応えられる平易で使いやすい制度のあり方とは。併せて、公共事業等にも応用
でき、より使いやすい制度とする可能性はどうか。
<参加申込方法>
下記①~⑤をご記入の上、メールまたは FAX でお申し込み下さい。参加票等の送付は致しません
ので、確認の必要な方は事務局までご連絡をお願いします。
①催し物名称 (「11 月 27 日ワークショップ」と記載ください)
②氏名
③勤務先・所属
④メールアドレスもしくは FAX 番号
⑤区分(当学会会員、後援団体関係(所属団体名)
、一般)
<お問合せ>
公益社団法人日本不動産学会 事務局
〒102-0071 東京都千代田区富士見 2-7-2 ステージビルディング 7 階
電話:03-5211-1037
FAX:03-5211-1425
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Email:[email protected]