急速に進歩する情報技術の活用等に関する意識調査

(2016 年 11 月号掲載)
急速に進歩する情報技術の活用等に関する意識調査
~情報技術を利用する立場での企業アンケート~
群馬経済研究所主任研究員
~要
齊藤由香
約~
1. 当研究所は 2016 年5~6月、県内企業を対象に、情報技術の利用者としての意識や生
産性向上に関してアンケート調査を行った。以下は、その結果の概要である。
2. 利用者としての情報技術への関心の程度では、
「非常に関心がある」が 20%強、
「ある
程度関心がある」が 60%弱と、合わせて 80%が関心を示している。また、技術内容で
は、「タブレット端末」、「自動運転」、「電子タグ」への関心が高い。
3. 既に活用している情報技術が「ある」と回答した企業は 20%強で、具体的には「タブ
レット端末」を利用している企業が多く、以下、
「無線通信」、
「センサー」などが続く。
4. 今後導入したい情報技術が「ある」企業は 45%で、「タブレット端末」、「スマート工
場」、
「電子タグ」、
「遠隔操作」などへの期待が高い。活用目的は、
「品質管理」、
「営業
支援」、「情報の一元管理」、「コスト削減」、「物流管理」と多岐にわたっている。
5. 情報技術の利用・新規導入で問題となるのは、まず「価格の高さ」であり、そのほか、
「操作できる人材の確保・育成」、「運用面の難しさ」などである。
6. 情報技術の開発者側への要望を自由回答方式でたずねたところ、導入しやすい価格、
簡単な操作、といった意見が挙がった。
7. 次に、生産性向上のための経営上の重点項目では、
「新規顧客の開拓」、
「人材育成や技
術継承」、「専門性の追求や技術・品質の向上」が多い。また、経営戦略実現のための
具体的な計画では、
「既存設備・機械等の更新」、
「技術等の教育訓練」、
「採用等、人員
の増加」が上位に挙がっている。なお、生産性向上への障害では、能力不足、人材不
足、人材育成、社員の意識など「人材」に関する回答が圧倒的に多い。
8. 今後、情報技術の利用者側企業においては、営業支援や情報の一元管理といった点か
ら、企業規模に関わらず、情報技術の活用が必要不可欠とみられる。同時に、技術の
開発・提供者側にも、新たな技術の導入メリットをわかりやすく解説することや、費
用・操作両面での負担軽減策などが求められよう。