酸化亜鉛薄膜の極性判定・極性制御法開発

酸化亜鉛薄膜の極性判定・極性制御法開発
Keyword : フォトルミネッセンス、ドーピング、ガスセンサ
研究の背景
酸化亜鉛は直接遷移型の半導体で、室温での大きな励起子結合エネルギー、高い可視光
透過性と低い電気抵抗率の両立、光導電性や圧電性などの多様な物性を示し、紫外発光・
受光素子、透明電極、ガス・センサ、MEMSデバイスなどへの応用が期待されている。
研究の狙い
酸化亜鉛はc軸方向に自発分極を有しているため、c軸配向膜には2種類のタイプの表面が
存在する。最表面がZn原子で終端されているc(+)極性面と、O原子で終端されているc(-)極
性面である。どちらの極性面が最表面になるかで酸化亜鉛薄膜の物性は大きく異なるので、
デバイス応用のためには極性判定および極性制御が重要となる。
最先端研究トピックス
◎酸化亜鉛の物性は結晶面によって異なる。
◎そのため、デバイス応用のためには、目的に適した結晶面
が最表面になるように薄膜を作製する必要がある。
◎そのための結晶面の同定法、結晶配向制御法を開発。
◎開発した結晶面同定法、結晶配向制御法を用いて、ガス
センシング特性の結晶面依存性を明らかにした。
酸化亜鉛の結晶構造と各結晶面の原子配列
フォトルミネッセンスによるc(+)面
とc(-)面の判定法
文献
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不純物添加による酸化亜鉛薄膜の極性制御法
Alの添加により極性が反転する。
エタノールガスセンシング特性
の結晶面依存性
Y. Adachi, et al. J. Ceram. Soc. Jpn, 124, 668 (2016).
Y. Adachi, et al. Phys. Status Solidi B, 250, 2122 (2013).
Y. Adachi, et al. Thin Solid Films, 519, 5875 (2011)
まとめ
実用化の目標

不純物添加による酸化亜鉛薄膜の極性制御法の開発

耐久性の高い熱線反射膜

フォトルミネッセンス測定による極性判定法の開発

高性能ガスセンサー

ガスセンシング特性の表面依存性の調査

高移動度薄膜トランジスタ

特許登録 2件
電気・電子機能分野 電子セラミックスグループ
安 達裕
E-mail: ADACHI.Yutaka●nims.go.jp
URL: http://www.nims.go.jp/research/group/electroceramics/index.html
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