電磁気学II 第8回授業 演習 (第31章の例題とpp.917-927の問題より) 問題49 N巻きの長方形ループが抵抗Rを持っており,各巻線は図31.38に示 すような長さlと幅wとを持っている。このループが速度vで一様な磁場B の中に入る。次の場合にループに作用する合力の大きさと方向を求めよ。 (a) ループが磁場に入るとき。 (b) 磁場内をループが進行するとき。 (c) ループが磁場から出るとき ループ内を通過する磁束を時間の関数 として書く → 起電力 → 電流 → 磁気力 (N巻きであることを忘 れずに) 問題73 (a) 図31.53に示すようにテーブル上に幅w,長さLの長方形の導線の ループと,電流Iが流れる長い直線状の導線が置いてある。ループを通 過する磁束を決定せよ。 (b) 電流が時間とともにI = a + bt に従って 変化すると仮定する。ここにaおよびbは 定数である。b = 10 [A / s],h = 1 [cm],w = 10 [cm]およびL = 100 [cm]であるとき, ループに誘導される起電力を決定せよ。 I= ε R =− 問題49 N巻きの長方形ループが抵抗Rを持っており,各巻線は図31.38に示 すような長さlと幅wとを持っている。このループが速度vで一様な磁場B の中に入る。次の場合にループに作用する合力の大きさと方向を求めよ。 (a) ループが磁場に入るとき。 → 【考え方:ループ内を通過する磁 束を時間の関数として書けばファ ラデーの法則から起電力がわかる。 / 起電力とループの抵抗と電 流の関係は? / 電流と磁場と 磁気力の関係は? / N巻きで あることを忘れずに。】 ループが磁場に入るときについて,時間をtとし,ループの右端 が磁場領域に入るときをt = 0とする。時間tではループが磁場内に 進んだ距離はvt。したがって,ループを通過する磁束Φmは, Φm = Bwvt 誘導起電力ε は 直線状導線を流れる電流Iと導線から距離rのと ころの磁場の関係は? 電流Iは 【解答(問題 【解答(問題49 (問題49) 49) 】 ε = − N dΦm dt = −N d ( Bwvt ) = − NBwv dt (b) 磁場内をループが進行するとき。 NBwv R → 磁場内をループが進行するときは, ループ内の磁束は変化しないので, 電流は流れず,力も働かない。よっ て,力は0。 符号は負なので,電流の向きはBと 逆向きの磁場を作る向き。したがっ NBwv / R て,反時計回りに の電 流。 磁気力が働くのは磁場内にある3辺で,それぞれループの内側向 きの力。 図で横方向の2辺は同じ大きさで逆向きの力 → 相殺し合う。 磁場内にある図の縦方向の辺に働く力を考えればよい。 したがって,力の大きさFは, NBwv N B wv B= R R 2 F = NwIB = Nw 向きは左向き。 2 2 (c) ループが磁場から出るとき → ループが磁場から出るときについて,時間をtとし,ループの右端が 磁場領域から出るときをt = 0とする。時間tではループがまだ磁場内 にある距離はl - vt。したがって,ループを通過する磁束Φmは, Φm = Bw(l − vt ) 誘導起電力ε は ε = −N dΦm d = − N {Bw(l − vt )} = NBwv dt dt 電流Iは I= ε R = NBwv R 【宿題(問題73 【宿題(問題73)】 73)】 符号は正なので,電流の向きはBと 同じ向きの磁場を作る向き。した がって,時計回りに の NBwv / R 電流。 磁気力が働くのは磁場内にある3辺で,それぞれループの外側向 きの力。 問題73は宿題にします。各自A4 A4の紙 A4の紙に解答を書いて,次 の紙 回の授業(2016年11月18日)で提出して下さい。 (一部の人は11月11日の授業中に問題73までやった人がい るかもしれませんが,他の人に解説をするレポートのつも りで,改めて宿題として提出して下さい。) 図で横方向の2辺は同じ大きさで逆向きの力 → 相殺し合う。 磁場内にある図の縦方向の辺に働く力を考えればよい。 したがって,力の大きさFは, F = NwIB = Nw 向きは左向き。 NBwv N 2 B 2 w2 v B= R R 【単なる式の羅列ではなく,読む人が導出仮定を理解する のに必要な説明を加えて記述すること。】
© Copyright 2024 ExpyDoc