資料1-2

資料1-2
財政制度等審議会 財政投融資分科会
編 成 上 の 論 点
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(助成勘定)
平 成 28 年 11 月 11 日
財 務 省 理 財 局
(機関名:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(助成勘定))
[平成 29 年度要求の概要]
[編成上の論点]
(単位:億円)
28 年 度
計画額
(A)
28 年 度
改定額
29 年 度
要求額
(B)
増減(△)
額
(=B-A)
事業規模
-
15,000
15,000
15,000
財政投融資①
-
15,000
15,000
15,000
財政融資
-
15,000
15,000
15,000
産業投資
-
-
-
-
政府保証
-
-
-
-
自己資金等②
-
-
-
-
財投機関債
-
-
-
-
再計(①+②)
-
15,000
15,000
15,000
区
分
論点
リニア中央新幹線建設に係る財政融資について、これまでに示されて
きたその意義及び効果に加え、今後、早期全線開業に伴う投資誘発効果
等の波及効果をどのように見込んでいるのか確認する必要があるので
はないか。また、超長期の融資となることから、償還確実性を確保する
ため、適切な債権管理を行っていく態勢を維持する必要があるのではな
いか。
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編 成 上 の 論 点
(機関名:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(助成勘定))
要求の内容
論
<平成 29 年度要求の概要>
○ 今般の経済対策における、リニア中央新幹線の全線開業前倒
しを図るため、長期・固定・低利の財政投融資を活用。
○ 財政投融資は、リニア中央新幹線の建設を行うJR東海に対
する貸付けに必要な額として 1.5 兆円を要求。
点
論点
リニア中央新幹線建設に係る財政融資について、これまでに示され
てきたその意義及び効果に加え、今後、早期全線開業に伴う投資誘発
効果等の波及効果をどのように見込んでいるのか確認する必要がある
のではないか。また、超長期の融資となることから、償還確実性を確
保するため、適切な債権管理を行っていく態勢を維持する必要がある
のではないか。
【論点に対する考え方】
○ 「未来への投資を実現する経済対策」(平成 28 年 8 月 2 日閣議決
定)において、現下の低金利状況を活かし、財投債を原資とする財
政投融資の手法を積極的に活用することにより、リニア中央新幹線
の全線開業を最大 8 年間前倒しすることとされた。
(参考1)「未来への投資を実現する経済対策」
(平成 28 年 8 月 2 日閣議決定)
(抄)
(3)リニア中央新幹線や整備新幹線等の整備加速
大都市がハブとなって、地方と地方をつなぐ地方創生回廊をつくり上げ
ることで、全国を一つの経済圏に統合し、成長の果実が全国津々浦々にい
きわたる環境の整備を図る。
① 低金利状況を活用したインフラ整備
現下の低金利状況を活かし、財投債を原資とする財政投融資の手法を
積極的に活用・工夫することにより、リニア中央新幹線の全線開業を最
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大 8 年間前倒し、整備新幹線の建設を加速化する。
(参考2)最大8年間前倒しのイメージ図
○ これを受け、今般、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機
構法の改正を行い、その上で財投から独立行政法人鉄道建設・運輸
施設整備支援機構(以下「機構」という。)に対し長期・固定・低利
の貸付けを行い、機構がリニア中央新幹線の建設主体である東海旅
客鉄道株式会社(以下「JR 東海」という。)に対して財投と同条件で
貸付けを行うことを予定。貸付規模は、28 年度補正と 29 年度当初で、
計 3 兆円を予定。
※
平成 28 年度財政投融資計画補正において、財政融資 1.5 兆円を計上。ま
た、平成 29 年度当初予算においても、財政融資 1.5 兆円が要求されている。
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(参考3)財投の融資スキーム図
<リニア中央新幹線に対する財投活用の意義・効果>
○ リニア中央新幹線に財投を活用することにより、JR 東海は資金調
達リスク及び金利変動リスクが軽減され、東京-名古屋間の工事を
着実に進めることができるようになる。さらに、名古屋開業後、JR
東海が予定していた債務水準の圧縮のために工事を行わない期間
(経営体力回復期間)を置かずに、速やかに名古屋-大阪間の工事
に着手することが可能となり、全線開業までの期間が、最大 8 年間
前倒しされることとなる。
○ リニア中央新幹線の全線開業により、三大都市圏が約 1 時間で結
ばれ、人口 7 千万人の世界最大の巨大な都市圏が形成されることに
より、成長力・国際競争力の向上が期待される。
○
また、早期の全線開業を見越して、沿線地域における民間企業の
先行投資、民間都市開発や住環境整備等のまちづくりが誘発される
ことが期待されるところであり、こうした効果を広くかつ確実に波
及させていく必要があるのではないか。
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<適切な債権管理態勢の維持について>
○ リニア中央新幹線については、平成 23 年の交通政策審議会の答申
において、JR東海が、収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営
を行うことで、経営の安定性を確保しながら事業を遂行できること
を確認しているところ。
(参考4)交通政策審議会中央新幹線小委員会答申(平成 23 年 5 月 12 日)
(抜
粋)
今後仮に今般の東日本大震災のような不測の事態が発生し、一時的な収入の
低下や設備投資費用の増加などの事態が生じたとしても、我が国の三大都市圏
間の高速かつ大量の旅客輸送を担う東海道新幹線の安定的な収益力を踏まえ
れば、債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断す
ることにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考え
られる。
○
今般の貸付けは、超長期にわたって総額 3 兆円の貸付残高が残存
することとなり、また、交通政策審議会において、長大山岳トンネ
ルや大深度地下などの難工事や用地買収の難航等が議論されている
ことから、適切にモニタリングしていくことが不可欠。
機構における貸付けの実行に当たっては、定期的に会社の財務状
況・工事の進捗等の確認を行う態勢を構築することとしているが、
償還確実性を確保するため、これを償還まで適切に維持していく必
要がある。
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