技法の説明 【津軽塗・唐塗(からぬり)】 津軽塗の代表格で、津軽塗で現在、最も多く生産されている。独特の複雑な斑点模様は、 塗り・乾燥・研ぎを何度も繰り返し、全部で四十八の工程から生み出される。 【津軽塗・錦塗(にしきぬり)】 津軽塗の代表技法のひとつ。七七子塗の変化の一種で、七七子地に、黒漆で桜を唐草風 にデザインした文様などを描き、錫粉を蒔いて錦を思わせるような仕上がりになる技法。 【津軽塗・七七子塗(ななこぬり)】 津軽塗の代表技法のひとつ。模様を付けるために菜の花の種を蒔きつけるのが特徴。菜 種による小さな輪紋の集まりが魚の卵を連想させる模様から「七子」 「魚子」 「菜々子」等 の字が当てられている。 【津軽塗・紋紗塗(もんしゃぬり)】 津軽塗の代表技法のひとつ。津軽地方では、もみ殻のことを紗と呼ぶ。黒漆の模様(多く は線描を主にした総模様)の塗り面に、紗の炭粉を蒔き、研ぎ出して磨き仕上げされたも の。 【秀衡塗(ひでひらぬり)】 加飾は、当地で昔から伝えられてきた漆器の「秀衡椀」を手本にしたもので、 「源氏雲」 という雲の形と、いくつかの菱形の組み合わせで作られる「有職菱文様(ゆうそくひしもん よう)」が、描かれる。 【輪島塗・沈金(ちんきん)】 塗面に鋭利なノミで絵を彫り、そこに金箔や金粉・銀粉などを入れて絵を表す、塗面を 削ることで生まれる加飾技法。椀や棗(なつめ)など湾曲部を持つ器物に対して沈金を施す には、特に高い技術を必要とする。 【高岡漆器・螺鈿(らでん)】 鮑・夜光・蝶貝などを刀・針等を用いて細片をつくり、これをモザイク風に組み合わせ て山水・花・鳥等を表現する技法。特に有名な富山県の杣田細工(そまたざいく)では、金・ 銀切金の細片と組み合わせて精細な文様を表す。 【香川漆器・蒟醬(きんま)】 竹や木などで作った器物の上に漆を数十回塗り重ねて文様を彫る。そして、彫り込みを 入れた溝に色漆を埋め、表面を平らに研ぐことによって文様を表現する技法。 【香川漆器・存清(ぞんせい)】 漆を塗り重ねた器物の表面に色漆で文様を描く。そして、輪郭や細部に線彫りを施し、 彫り口に金粉や金箔を埋めて文様を引き立てる技法。 【香川漆器・彫漆(ちょうしつ)】 各種の色漆を数十回から数百回塗り重ねて色漆の層(100 回で厚さ約 3 ㎜)をつくる。そ して、色漆の層を彫り下げることによって文様を浮き彫りにする技法。 【香川漆器・後藤塗(ごとうぬり)】 江戸時代末期、高松の藩士、後藤太平が発案した特異な朱の塗り。塗りの堅牢さから庶 民にも気軽に愛用され、日用品はもとより、家具にも塗られるようになった。使うほどに 朱漆の色調が味わいを増す。 【香川漆器・象谷塗(ぞうこくぬり)】 木地に繰り返し漆を塗り、川辺や池に自生する真菰(まこも)の粉を撒いて仕上げる。使 い込むほどに渋みを増す民芸的な味わいが特徴。
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