排水性舗装の騒音低減効果とさらなる機能向上を

土木技術資料 50-2(2008)
特集:道路のユーザーインターフェース向上に向けて
排水性舗装の騒音低減効果とさらなる機能向上を目指して
並河良治 * 吉永弘志 ** 山本裕一郎 * ** 久保和幸 **** 加納孝志 * ****
1.はじめに 1
100%
全国
大都市
80%
インターフェースに求められる機能は、それを
達成率 (%)
介して連絡する異種のもの同士がそれぞれの機能
を発揮できるようにすることが第一義であるが、
その機能を発揮する際に周辺に何らかの影響を及
ぼすような場合、その影響を小さくすることもイ
60%
48%
47%
46%
42%
42%
39%
「騒音規制法第十七条第一項の規定に基づく指定地域内における
自動車騒音の限度を定める省令」で幹線交通を担う道路に近接す
る区域に係る限度の特例値である夜間70dB以下の延長を集計
73%72%
71%
67%
69%
64%
64%
61%
61%
58%
56%
55%
53%
53%
52%
47%
40%
20%
ンターフェースの機能として考慮すべきである。
0%
舗装は、自動車と道路のインターフェイスと位
1996
置づけられる。従って、舗装に求められる機能は、
第一義に自動車が安全・快適に走行できる環境を
1997
1998
1999
2000
※大都市:東京23区及び政令指定都市
2001
年度
2002
2003
2004
2005
2006
夜間要請限度達成率の推移 (H18全国・延長ベース )
図-1
提供することだと言える。すなわち、平坦であり、
400
いうことである。しかし、車輪が舗装路面上を転
動すると音が発生する。この音を“タイヤ/路面
音”と呼び、その大きさは、速度が速くなるほど
大きくなる。そして、道路交通騒音に占めるタイ
ヤ/路面音の割合は乗用車では特に大きく、タイ
ヤ/路面音を小さくすることが道路交通騒音を低
4000
遮音壁(左目盛)
排水性舗装(右目盛)
350
3500
300
3000
250
2500
200
2000
10年で約2倍
150
1500
10年で約10倍
100
50
500
0
減する極めて効果的な対策となる。
1000
排水性舗装の敷設延長(km)
遮音壁の設置延長(km)
適当な滑り摩擦があり、また、耐久性を有すると
0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
本報告では、環境に配慮したインターフェース
としての排水性アスファルト舗装(以下、排水性
図-2
騒音対策延長の推移 (道路環境センサス)
舗装)について、タイヤ/路面音を低減する舗装
( 低 騒 音 舗 装) と し ての観 点 か ら 、そ の 現 状と 普
2.2 騒音対策の実施状況
道路交通騒音の改善方策は以下に大別される。
及に向けた取り組み、騒音低減メカニズム、性能
向上及び維持に関する技術開発について紹介する。
①発生源対策:低騒音舗装、交通量の抑制等
②伝搬時対策:遮音壁や環境施設帯の設置等
2.道路交通騒音の現状と対策状況
③受音点対策:建物の防音化等
これらの改善方策のうち、道路環境センサスに
2.1 一般国道における道路交通騒音の現状
国 土 交 通 省 が 管 理 す る 直 轄 国 道 (約 22,000km)
基づく直轄国道における排水性舗装の敷設延長
のうち、「騒音の環境基準の類型指定」「騒音規制
( 右 目 盛 ) と遮 音 壁 の設置 延 長 ( 左目 盛 ) の推 移
法に基づく地域の指定」のいずれかがなされてい
を 図 -2に 示 す 。 最 近 10年 間 で 排 水 性 舗 装 の 敷 設
る地域を通過する区間を対象に実施した騒音調査
延長が約10倍、遮音壁の 設置延長が約2倍 の伸び
(道路環境センサス:平成18年度における評価延長
は 8,800km) の 結 果 を 図 -1に 示 す 。 騒 音 状 況 は
を示している。
年々改善しているが、平 成18年度においても約 3
3.排水性舗装の普及
割の区間で夜間の要請限度を超過している。
3.1 排水性舗装技術指針(案) 1)
排水性舗装が昭和62年 に東京都の環状7号線に
────────────────────────
Noise reduction effect and recent technology trend of the
porous pavements
おいて初めて施工された当時は、排水性舗装技術
- 20 -
土木技術資料 50-2(2008)
に関する統一的な基準はなく、排水性舗装の普及
排 水 性 舗装 で は 、「騒音 値 」 が 性能 指 標 とし て
を図るために基準類の取りまとめが求められてい
取り上げられ、その測定に舗装路面騒音測定車
た。このことを受け、(社)日本道路協会で検討が
(以下、騒音測定車)が用いられている。
重ねられ、平成8年10月 に排水性舗装の基本的な
騒音測定車は、車内に特殊タイヤとマイクロ
考え方とその標準を示した「排水性舗装技術指針
フォンおよび記録機器類を搭載し、特殊タイヤと
(案)」(以下、指針案)が発刊された。
路面の間で発生する音を測定するタイプ(以下、
指針案では、排水性舗装用のアスファルト混合
特殊タイヤタイプ)と乗用車のタイヤ/路面音を
物(以下、排水性混合物)に使用する材料やその配
測定するタイプ(以下、普通車タイプ)が開発さ
合設計方法、製造・施工方法などが示され、排水
れている 3) 。写真-1と写真-2に特殊タイヤタイプ
性舗装は急速に普及していった。
と普通車タイプの外観を示すが、特殊タイヤは排
3.2
舗装の構造に関する技術基準 2)
水性舗装の騒音低減効果を的確に評価するため特
平成13年 6月に定めら れた「舗装の構造に関す
殊なトレッドパターンとなっている。
る 技 術 基 準 」 (以 下 、 技 術 基 準 )で は 、 こ れ ま で
これらの騒音測定車の開発により、排水性舗装
「 仕 様 規 定 」と な っ ていた 舗 装 の 技術 基 準 が「 性
のタイヤ/路面音の大きさを定量的に評価するこ
能規定」に移行したことが特徴として挙げられる。
とができるようになり、より騒音低減性能の高い
仕様規定は特定の材料や構造、工法などを指定す
排水性舗装の開発が推進された。
るものであるのに対して、性能規定は目標とする
性能を満足すれば材料や構造、工法を自由に選択
4.排水性舗装の騒音低減メカニズム
自動車の走行騒音は、エンジン音やタイヤ/路
できるものである。
前出の指針案では、標準的な排水性舗装の普及
面音、風切り音等から構成されるが、排水性舗装
を目的として仕様が規定されたものとなっていた
は主にタイヤ/路面音を低減する。
が、技術基準で性能規定の考え方が示されたこと
4.1 タイヤ/路面音の発生要因
タ イヤ /路 面音 は以 下に 示 す 3つ の 発生 要因 か
により、排水性舗装においても技術的な選択の幅
ら構成されると考えられている 4) , 5) (図-3)。
が広がった。
①トレッドパターンエアポンピング音
タイヤが路面に接地する際、トレッドパターン
の溝と路面が形成する気柱管内の空気がトレッド
パターンの変形に伴って圧縮・膨張作用を受ける
ことにより発生する音である。
②トレッドパターン加振音
トレッドパターンの横溝が路面に接地する際に
受ける衝撃音、及びその衝撃によるタイヤ振動に
写真-1
特殊タイヤタイプの外観
より放射される音である。
③タイヤ加振音
路面の凹凸によりタイヤ全体が振動する時に発
生する音である。
4.2 排水性舗装の騒音低減メカニズム
排水性舗装がタイヤ/路面音を低減させるメカ
ニズムとして、以下が挙げられる(図-3)。
ⅰ)エアポンピング音の発生抑制
排水性舗装の空隙が圧縮・膨張作用を受ける空
気の逃げ場となり、上記①のエアポンピング音の
写真-2
普通車タイプの外観
発生が抑制される。
- 21 -
土木技術資料 50-2(2008)
路面の硬さ
影響因子
路面凹凸
③
騒音発生
②
①
ⅰ
(単位:dB)
排気音
走行速度
80km/h
6.2
4.8
3.5
大型車
100km/h
7.3
6.3
3.7
120km/h
6.4
5.6
4.5
風切り音
etc
路面の吸音
発生するタイヤ/路面音の抑制による騒音低減
路面の吸音効果による騒音低減
4
3
2
5
0
15
18
21
23
排水性舗装の空隙率(%)
図-4
27
8.5
5.5
2.4
9.2
6.4
3.4
120km/h
9.8
6.6
3.0
舗装厚と騒音低減効果の関係 6)
(単位:dB)
12
15
18
21
23
排水性舗装の空隙率(%)
舗装厚
車種
走行速度
80km/h
4.4
4.8
5.5
大型車
100km/h
4.5
6.3
6.8
120km/h
5.1
5.6
6.2
80km/h
5.1
5.9
6.2
100km/h
5.9
6.4
6.6
120km/h
6.2
7.1
7.2
2
1
20mm
80km/h
3
0
13mm
乗用車
4
1
12
100km/h
80km/h
60km/h
40km/h
6
騒音低減効果 (dB)
5
大型車
10mm
100km/h
表-2
7
100km/h
80km/h
60km/h
40km/h
6
騒音低減効果 (dB)
小型車
排水性舗装の騒音低減メカニズムと各要素の関係
7
最大骨材粒径
車種
受音点における騒音
図-3
骨材粒径と騒音低減効果の関係 6)
エンジン音
ⅱ
伝搬過程
表-1
トレッドパターン
エアポンピング音
タイヤの振動音
メカニズム
路面の空隙
27
空隙率と騒音低減効果の関係 6)
小型車
ⅱ)自動車騒音の路面反射の抑制(吸音効果)
3cm
5cm
8cm
路面と車体下面の間においてタイヤ/路面音や
エンジン騒音等が多重反射する際、排水性舗装の
4.3.3 舗装厚
空隙率を20%、最大骨材粒径を13mmとした場
空隙が吸音効果を発揮する。また、排水性舗装の
表面に沿って自動車走行騒音が伝搬する際にも、
この吸音効果により超過減衰が生じる。
合における排水性舗装の厚さと騒音低減効果(密
粒舗装 との比較)との 関係を表 -2 6) に示す。舗 装
厚が8cmの場合にやや騒音低減効果が大きいもの
4.3 騒音低減に影響を及ぼす要因
の、この結果からは舗装厚の違いによる大きな差
4.3.1 空隙率
排水性舗装の空隙率と定常走行時における騒音
は み ら れ ず 、 舗 装 厚 は 3~ 5cmの 範 囲 で 設 定 す れ
低減効 果(密粒舗装と の比較) の関係を図 -4 6) に
ばよいと考えられる。
示す。これらによると大型車、乗用車ともにすべ
5.排水性舗装の新たな取り組み
て の 走 行 速 度 に お い て 空 隙 率 23% の 騒 音 低 減 効
果が最も大きかった。一般的に空隙率が高いほど
騒音低減効果が大きいと考えられるが、骨材粒径
5.1 騒音低減機能の向上技術
5.1.1 骨材の整粒化
粗骨材の整粒化とは、粗骨材の形状をできるだ
が13mmの場合、空隙率が27%まで大きくなると
路面の凹凸が大きくなりタイヤ加振音が増大する
け均一に整えることである。整粒化により粗骨材
が単粒化されると、排水性混合物内に連続する空
ことを示唆していると考えられる。
隙が増えるため吸音効果が向上し、騒音低減効果
4.3.2 骨材粒径
空隙率を20%、舗装厚を5cmとした場合におけ
る最大骨材粒径別の騒音低減効果(密粒舗装との
比較) を表-1 6) に示す。この結 果から、最大骨 材
が大きくなる。
5.1.2 2層式排水性舗装
(1)概要
骨材を小粒径化することは、騒音低減には効果
粒径が小さいほど騒音低減効果が大きくなってい
る。これは、骨材の粒径が小さいほど舗装表面の
凹凸が小さくなるため、路面からタイヤに加わる
衝撃力が小さくなりタイヤ加振音が低下すること
によると考えられる。
的だが、混合物の耐流動性の観点から層厚を大き
く取ることができない。そこで、上層と下層に最
大 粒 径の 異な る排 水性 混合 物 を用 いた 2層 式排 水
性舗装が開発された(写真-3)。
- 22 -
土木技術資料 50-2(2008)
騒音低減効果(dB)
10
通常の排水性舗装
2層式排水性舗装
8
6
4
2
0
40
50
60
80
走行速度(km/h)
上層
図-5
下層
100
120
排水性舗装を走行する乗用試験車の騒音低減効果
乗用試験車80km/h
100
(a)通常の排水性舗装
A特性重み付き音圧レベル(dB)
乗用試験車、80km/h
(b)2層式排水性舗装
90
80
70
密粒舗装
一層式排水性舗装
MAP施工
60
写真-3
4000
2500
630
1600
400
1000
250
63
160
100
合成値
50
1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)
通常の排水性舗装と2層式排水性舗装
密粒舗装
通常の排水性舗装
2層式排水性舗装
この2層式排水性舗装は1984年頃から主にオラ
ンダで研究が進められ 7) 、日本では1999年頃から
試 験 施工 が開 始さ れて いる 。 現在 、わ が国 の 2層
式 排 水性 舗装 は、 異な る 2種 類 のア ス ファ ルト 混
1/3 オクターブバンド中心周波数(Hz)
合 物 を 2層 同 時に 施工 する ア スフ ァル トフ ィニ ッ
シャを用いて施工されている 8) , 9) 。当該技術は、
2層 を 同時 に 施工 し、 各層 を 薄層 で施 工で きる こ
図-6
(3)騒音低減効果の経年変化
2層 式排 水 性舗 装の 騒音 低 減効 果の 経年 変化 に
とから工期短縮とコスト縮減を図ることができる。
(2)騒音低減効果
乗用車のパワースペクトル
ついては、中部地方整備局管内で調査した結果が
乗用車走行時の騒音低減効果(密粒舗装との比
報告されており 11) 、通常の排水性舗装と同程度の
較 )を 図-5に示 す 10) 。 2層 式排 水性舗 装に よる 騒
騒音低減効果の低下が確認されている。国土技術
音低減効果は全ての速度域において通常の排水性
政策総合研究所では全国7現場(経過年数3~ 5年 、
舗 装 に よ る 騒 音 低 減 効 果 を 上 回 り 、 そ の 差 は 0.9
上 層 最 大 粒 径 5mmと 8mm) の デ ー タ を 収 集 し て
~3.4dBである。
おり、騒音低減効果の低下原因などについて解析
こ こ で 、 80km/h走 行 時 に お け る A特 性 音 響 パ
ワーレベル(騒音の発生量)の周波数分析結果を図
を行っている。
5.1.3 多孔質弾性舗装
-6に示す 10) 。通常の排水性舗装では、800Hz以上
多孔質弾性舗装は、廃タイヤなどを裁断して作
では舗装の空隙によるプラスの効果が確認できる
られる繊維状または粒状のゴムチップをウレタン
も の の、 500~ 630Hzで は 路 面の 粗さ に よる マイ
などの樹脂で固めたものである。高い連続空隙率
ナスの効果がプラスの効果を相殺していると考え
と弾力性を有することから、エアポンピング音と
られる。一方、2層式排水性舗装では、通常の排
共にタイヤ加振音を低減し、通常の排水性舗装な
水 性 舗 装 よ り も 路 面 が 滑 ら か な た め 、 500 ~
どと比較して大きな騒音低減効果が得られる。図
630Hzにおいても、密粒舗装に対する騒音低減効
-7に 多 孔 質 弾 性 舗 装 の 特 殊 タ イ ヤ 音 に よ る タ イ
果 が 確認 でき る 。な お、こ の 500~ 630Hzは 、 自
ヤ/路面音の測定結果の例を示す 3) 。
なお、多孔質弾性舗装は、効果の持続性ととも
動車の走行に伴う騒音における騒音レベルのピー
クとなる周波数帯域であり、騒音レベルのオー
に耐久性について現在調査中である。
バーオール値(全周波数の合成値)の低減に大き
5.2 機能の持続性向上
排水性舗装は骨材飛散や空隙詰まりにより、騒
く関わっている。
音低減機能や透水機能が低下する。これらの対策
- 23 -
土木技術資料 50-2(2008)
としては、排水性舗装表面に樹脂を塗布する方法
で検討が行われてきたが、配合設計方法や再生骨
( 以 下 、 樹 脂塗 布 型 )や表 面 付 近 の空 隙 部 に透 水
材の配合率の限界値、供用性、長期の耐久性等が
性を有する樹脂モルタルを充填する方法(以下、
明らかになっていないなどの課題が残されていた。
樹 脂 モ ル タ ル 充 填 型 ) が 開 発 さ れ て い る 。 図 -8
このことから現在、排水性混合物の再生利用技
に排水性舗装の表面強化方法の概念を示す。樹脂
塗布型は、特殊な樹脂を表面から散布・含浸させ
樹脂モルタル
充填型
樹脂塗布型
ることにより、表面付近の骨材周辺に強固な樹脂
樹脂+硬質骨材
硬化膜を形成させ、骨材間の結合力を強化するも
透水性樹脂モルタル
のである 12) 。また、樹脂モルタル充填型は透水性
樹脂モルタルを排水性舗装の凹部にくさび状に充
填することで、表面付近の骨材の動きを抑制する
基層( 不透水層)
とともに、透水性樹脂モルタルのフィルター効果
により土砂による空隙詰まりを抑制するものであ
図-8
表面強化方法の概念
る 13) 。
LED表示ボード
5.3 排水性舗装の機能回復
ブロア
作業用エンジン
排水性舗装は供用とともに、空隙部に土砂など
回収タンク部
が堆積し、透水機能と騒音低減機能が低下する。
そのため、排水性舗装の機能を維持するためには、
定期的に空隙部の堆積物を除去する必要がある。
洗浄ユニット部
堆積物の除去方法については、これまで多くの
後エアカーテンノズル
機関で検討が行われてきた 14) 。初期には、高圧水
飛散防止カバー
進行方向
吸引部
飛散抑制板
による洗浄とバキュームによる吸引を組み合わせ
たものが開発されたが、近年では水を使用せずエ
変向板
ア ーブロー による 方法など が検討さ れてい る 15) ,
飛散抑制板
16) 。 図 -9に 機 能 回 復 車 の 概 念 の 一 例 を 示 す 。 ま
た、より効果的に機能回復を図るための機能回復
20
排水性混合物には、ポリマー改質アスファルト
H型 (以下、 改質 H型)が用 いられて いる。一 般
わだち掘れ量 (mm)
比較工区(新規排水性)
5.4 排水性混合物の再生
25℃
速度50km/h補正後
5
0.5
1.0
1.5
経年 (年)
2.0
2.5
3.0
比較工区(新規排水性)
R材13-5mm 20%混入
1000
R材13-5mm 30%混入
R材13-5mm 50%混入
R材13-0mm 30%混入
500
0.0
0.5
1.0
90
85
80
75
多孔質 排水性(5) 排水性(10) 排水性(13) 密粒度(13)
弾性舗装
舗装種別
※( )内の数字は、使用骨材の最大粒径を示す
図-7
R材13-5mm 50%混入
R材13-0mm 30%混入
0
普通車タイプの
タイヤ/路面音 (dB Leq)
特殊タイヤタイプの
タイヤ/路面音(dB(A))
100
10
1500
浸透水量 (ml/15s)
リサイクルに関しては、これまでにも多くの機関
R材13-5mm 20%混入
R材13-5mm 30%混入
0.0
度が高いため、通常の再生方法での対応では再生
利用(リユース)が困難である。排水性混合物の
15
0
に、改質H型はストレートアスファルトに比べ粘
95
前洗浄ノズル
機能回復車全体と清掃ユニット部の概念の一例 16)
図-9
作業の頻度についても検討されている 17) 。
後洗浄ノズル
2.5
3.0
比較工区(新規排水性)
92
R材13-5mm 20%混入
R材13-5mm 30%混入
90
R材13-5mm 50%混入
R材13-0mm 30%混入
88
86
84
図-10
- 24 -
2.0
94
0.0
各種舗装のタイヤ/路面音測定例(一部加筆 ) 3)
1.5
経年 (年)
0.5
1.0
1.5
経年 (年)
2.0
2.5
3.0
再生排水性舗装の供用性調査例 (R176西宮) 18)
土木技術資料 50-2(2008)
術の確立を目的に再生骨材の粒度や混入率を変化
さ せ 全国 5カ 所で 試験 施工 を 行い 、長 期の 耐久 性
等 の 確認 を 行っ て いる 18) 。 試 験施 工 後 2年経 過 時
の調査では、密粒度舗装への再生利用や、再生骨
材 配 合 率 30% ま で の 再 生 排 水 性 混 合 物 に つ い て
は 、耐 久性な どに問 題は見 られ ていな い。図 -10
に追跡調査結果の一例を示すが、今後も追跡調査
を継続して長期耐久性を確認する予定としている。
6.まとめ
本稿では、騒音低減効果に着目して主に排水性
舗装の技術開発の状況を紹介した。排水性舗装は、
排水機能や騒音低減機能の耐久性を向上させる点
で更なる技術開発が求められている。現在、多孔
質弾性舗装など新たな取り組みがなされているが、
現状では排水性舗装に勝る対策がないため、当面、
本舗装が騒音の発生源対策の主流と考えられる。
今後も低騒音舗装の性能向上、持続性の向上に
おける技術開発を実施し、より静かな道路交通の
実現を目指したい。
参考文献
1)(社)日本道路協会:排水性舗装技術指針(案)、平成
8年10月
2)(社)日本道路協会:舗装の構造に関する技術基準・
道解説、平成13年7月
3) (独)土木研究所ほか:タイヤ路面騒音測定方法の開
発共同研究報告書、整理番号第317号、平成17年3
月
4) (社)日本自動車タイヤ協会:トラック・バス用タイ
ヤ騒音試験報告書-騒音発生源と寄与率の把握、
1986
5) (社)日本自動車タイヤ協会:タイヤ騒音試験報告書
-音源別寄与解析、1991
6) 大西博文:排水性舗装の騒音低減に関する諸特性、
自動車研究、第22巻、第12号、pp.579~584、2000
7) C.J.Padmos:Development of low noise surfacing
in the Netherlands,International Conference on
roadside noise abatement,pp.1-9,1995
8)内山鏡二郎、鈴木哲雄:マルチアスファルトペーバ
を用いた2種混合物敷きならし工法、舗装、Vol34、
No.10、pp.3~7、1999
9)斉藤徹、田中智彦、丑久保吾郎:2層同時舗設型ア
ス フ ァル トフ ィ ニッ シャ の開 発 、第 24回日 本道 路
会議一般論文集(C)、pp.18~19、2001
10)小柴剛、上坂克巳、並河良治:実用化間近な二層
式排水性舗装-その減音メカニズムと諸特性-、
土 木 技 術 資 料 、 Vol.44 、 No.3 、 pp.52~57 、
2002
11) 台本尊之、石川賢一、植田知孝、 金木誠、福井時
夫:一般国道における二層式排水性舗装の騒音低減
効果持続性について(第4報)、 日本音響学会講演
論文集、 pp.657~658、 2006
12)橋本修治、光安正純、橋本啓三郎:排水性トップ
コ ー ト 工 法 の 概 要 と 適 用 事 例 、 舗 装 、 Vol.36 、
No.10、2001
13)原富男、島原辰利、松野晃:透水性レジンモルタ
ルシステム工法(PRMS工法)による排水性舗装表面
の補強、舗装、Vol.36、No.10、2001
14)久保和幸:排水性舗装の機能回復器の開発、舗装、
Vol.31、No.9、pp.4~8、1996
15)須田幸彦、佐久間孝司、菅沼多恵:低騒音舗装の
維持清掃方法に関する検討-現道における機能維持
のための試験清掃の報告-、舗装、Vol.41、No.5、
pp.15~21、2006
16)杉浦博幸、阿部忠行、稲垣竜興:排水性舗装の効
率 的 な機 能維 持 を目 指し て、 第 27回日 本道 路会 議
論文集、論文番号12078、2007
17 ) 小 長 井 彰 祐 、 伊 藤 正 秀 、 新 田 弘 之 : コ ス ト パ
フォーマンスを考慮した排水性舗装機能回復手法の
検討、舗装工学論文集第10巻、pp.205~212、2005
18)佐々木巌、新田弘之、久保和幸:排水性舗装発生
材を再生利用した直轄国道試験舗装の路面性状変化、
第 27 回 日 本 道 路 会 議 論 文 集 、 論 文 番 号 12P64 、
2007
並河良治 *
吉永弘志**
山本裕一郎 ***
久保和幸 ****
加納孝志 *****
国土交通省国土
技術政策総合研
究所環境研究部
道路環境研究室
長
Yoshiharu
NAMIKAWA
国土交通省国土
技術政策総合研
究所環境研究部
道路環境研究室
主任研究官
Hiroshi
YOSHINAGA
国土交通省国土
技術政策総合研
究所環境研究部
道路環境研究室
研究員
Yuichiro
YAMAMOTO
独立行政法人土
木研究所つくば
中央研究所道路
技術研究グルー
プ舗装チーム
上席研究員
Kazuyuki
KUBO
独立行政法人土
木研究所つくば
中央研究所道路
技術研究グルー
プ舗装チーム
主任研究員
Takashi
KANOU
- 25 -