釧路水武 だよ り 第7 9 号 ( 1 9 9 9 .3) 病原性大腸菌0-1-- と 阪 本 イ ク ラ の衛 生管 理 に ついて 加 工部 正 博 0 -157は はか の食中 毒 菌 と同様 に熱 に ルな ど の消 毒剤 でも容易 に死威 し ます 。 弱く、加 熱 により死威 しま す 。ま た、 アル コー 1番 確 実 な のは 加 熱 です 。 0 -157 は 七 五℃、 1分 以上 の加熱 で死滅し ます.ただ に充分 な加 熱 が 必要 です 。給食 セ ンターな ど し 、食 品 の中 心部 も この温度 以上 にな るよう では'加熱 調理をす る場 合 、食 品 の内部 が計 ば れ る強 い毒 素を産生 し て、血 便を とも な う 腸管内 で菌 の増殖にともな ってベ ロ毒素 と呼 ため 調 理後 に細 菌 が付着 す ると、 かえ って付 た、加熱 調 理し た食 品は細 菌 が いな- な った て います が、 0 115 7は人 の腸管 に感 染 し 、 れ る温度 計 を使 用し て確 認を し て います 。 ま す 。病 原性 大 腸菌 は、 さら に四 つに分 類 され いう ) の食中毒事件は'私 共、水 産加工にた るか、包装 な どを し て細 菌 の感染 を さ け る必 着 し た細 菌 が繁 殖L やす い ので、早め に食 べ 0 -15 7と 昨 年 の六月 に発生 し た醤 油漬 け イ ク ラ の病 ず さわ る者 にと って'大変 シ ョ ックを受 けた 激し い下痢 を起 こす 「 腸管出 血 性大 腸菌 」 の 原性 大 腸 菌 0 -1 5 7 (以下 出来 事 でし た。多 - の方 が感染 され た こと は イク ラの衛 生管 理 はどうす る の? 要 がありま す 。 一種 です 。 に入らな いと食中毒 にはな ら な いのに比 べ' 菌 では'食 品 一g当 たり 百 万程 度 の菌 が休 内 腸炎 ビブ リ オやサ ル モネ ラな ど の食中 毒 細 もち ろん です が' これ ま で0 -1 5 7は ハン 食品でみられ るも ので'今 ま で水 産 食 品 では発生 し た こと がな バ ーグ、 レバ ーな ど の畜産 か ったか ら です 。 し かし ' イ ク ラな ど加 熱 し な い で食 べる非 加 熱食 品 は加 熱 以外 の方 法を 考 えな- ては い 0 -15 7はわず か数 百程度 の非常 に少 な い 図 1 にイ ク ラ の製造 工程 の概要 を示 しま し 菌数で感染す ると いわれ ています。菌 の増殖 た。イク ラ には塩 イ クラと醤 油漬 けイ ク ラが 病 原性 大 腸菌0-1-- ってな に? ロ毒 素を産 生 す るため、感 染者 の抵 抗力 によ あ ります 。漬 け込 み の工程 で塩 イ クラは飽和 け ま せん。 ここ では、 イ ク ラ に ついて、も う り症 状 の差 が大きく 、小 児 や老人 が感染 し や 食 塩水を '醤油 漬 け イク ラは調味 液を 用 いま 少 し 詳し く 見 てみま し ょう。 0 -1 5 7は大腸菌 の 一種 です 。0-15 7と言われる のは'大腸菌 の細胞 壁 にあ る「 0 (オ I)抗 原 」と いう成 分 が 1七 三種類 見 つ す いと いわ て います 。時 には、感染 者 が死 に も適 温だ と 二〇分 程度 で二倍 に増 え ると言 わ か っています が、 そ の中 の 1五七 番 目 のも の 至 る ことがあ ります 。 れ ています 。ま た、感 染後 体 内 で増 殖 し てベ です 。普 通'大 腸 菌 は牛 や羊 な ど の家畜 や皆 と いう意 味 で'比 較的 最 近 見 つか った大 腸菌 す が、 それ 以外 は同様 の工程 で処 理され ます。 まず 、原魚 の段 階 です が'図 2 に漁 獲後 、 加 工場 に搬 入 され た秋 サ ケ (シ ロサケ) の魚 - 肉 、内蔵 な ど の菌数を 調 べたも のを示 しま し さ ん のお腹 の中 ( 腸内 ) に住 ん でいます 。 ほ 通常 の食中 毒対策 、衛生管 理 で可能 です 。 0 1-- はど のよう に予防 す れば よ い の で し うか? と んど の大 腸菌 は害 があ りま せ んが 、な か に は'人 の腸管 に感 染 し て下痢 を 起 こす も のが ょ あり ます 。 これを 病 原性大 腸菌 と呼 ん で いま 13 釧路水武 だよ り 第 7 9 号 呂 逼 E Z 9 道 内 産 抱 卵 サ ケ 、 ( 1 9 9 9 .3) 月∼l l B L 嘲 召 唖 蜘 _ 一 一 一 > 紗 原 タr g 原 卵 分 離 書き 一 部、 卵 の み で購 入 l 洗 調 味 調味液漬 け ↓ (披 切 り) I 包 装 液 浄 真水 または2 -3%食 塩 水 塩 水 溝 も ナ 清 L ナ 主 に 液 切 りタ イ プ 卵 重 畳 :調 味 液 量 - l oo:1 6- 4 0 主 に 数時 間∼ 一 晩 調 味 料 :背 油 、 酒、 み り ん、 グ ル タ ミン 酸Naな ど 塩 水 頭目ナ ↓ 液切 り t 含気包装 包 ビン詰 め、 バ ック詰 め 他 に ビ ン詰 め、 バ ック詰 め 装 飽和食海水 卵 重 量 の 5-1 5倍 量 5- 1 4分 間 含気包装 主 に 木 箱 詰 め、 塩 イ ク ラ 醤 油 潰 L ナイ ク ラ 図 1 替 油漬 けイ クラ と塩 イ クラの製造 工程 の概 要 ー1 4- では細 菌 が付 着 し て いま し た が 、魚 肉 中 や卵 た。 原魚 の表 面、 胃 腸 ( 内 容 物 も 含 む ) や鯉 ど か ら の汚染 や、魚 体 表 面 の付 着 菌 か ら の汚 は、腹 出 し の機 械 (カ ッタ ー マシ ン) の刃な た ため '原 因 を 調 べてみ ると '使 用し て いた 和 食 塩 水 に漬 け 込 ん だ後 に細 菌 数 が高 - な っ 別 な 工場 では' 塩 イ ク ラ の製 造 工 程中 で、 飽 調査結 果 を 示 し て いま す 。 こ の工場 では腹 出 程 が 異 なり ま す が ' これ らを 通し て、 イ ク ラ こ のよう に' 工場 により 菌 数 の増 加 す る 工 食 塩 水 の菌 数 が 高 か ったと の こと でし た。 染 が考 え られ ま す 。 し 後 は それ ほど汚 染 され て いま せ んが ' も み 図 4 には 、 別 の加 工場 にお け る塩 イ ク ラ の 巣 では検 出 さ れ ま せ ん でし た。 このよう に、 原魚 の段 階 では魚 肉 や 卵 巣 は細 菌 に汚染 され て いな いと考 え ら れ ま す 。 次 に' 各 工場 の事 例 に つい て紹 介 し ま し ょ 問 題 点 を ま と め てみ ま し た。 も み後 生 イク ラ 洗 浄後 塩水 沸 け 後 水 切り後 製 造 におけ る、 一般 的 な衛 生 管 理 の注 意 点 、 2 0 は、 もむ 人 が 軍手 を使 用し てお り 、軍 手 の 一 3 0 後 に 一般 生 菌 数 が増加 し ま し た 。 この工場 で 4 0 15 百 万 / 一〇平 方 誓 ㍍ 5 0 (B J ) 東 海 胡尊 - 図 4 塩イクラ処理工程中の一般生菌数の変化 (B工場 ) 図 3 には、 あ る加 工場 にお け る イ ク ラ加 工 ) (生 イ ク ラ も み後 (生筋子 ) 放出し後 化 と か なり 多 く の菌 が検 出 され ま した。 ま た 、 *菌数 :皮 部 は/1 0 C ば、 それ以 外 は /g *菌数 の 1 0 / i :検出限界 般 生 菌数 を 測 定 す ると 0 図 2 原魚 における内部、皮部及び各器官の菌数 処 理中 の細 菌 数 の変 化 を 見 たも のです 。 細 菌 0 腸 垂 肉部 皮部及び各器官 、 変 1 0 皮 数 は腹 出 し 後 で増 加 し て いま し た。 こ の原 因 0 ( z L u。 0「BJ) 点 楓 程 中の菌数の (A工場) *菌数の /g:検出限界 ク ラ処理 工 イ 図3 部 卵 巣 精 巣 鯉 幽 門 肝 臓 胃 腹 須 肉 背 肉 生 賎 子 洗 浄 後 放 出 し 後 う0 釧路水武 だよ り 第7 9 号 ( 1 9 9 9 .3) ∼十 二時 間 以内 に処 理します 。 さ ら に、 原魚 「 原料 は漁 獲 後 直 ち に海水氷 で冷却 し 、六 点 と は? イク ラ製 造 におけ る衛生管 理 の注意点 、 問 題 剤 な ど でよ- 汚れを 落 とした後 '塩素系 の消 手 '軍手 を使 用し ます ので、 これ ら は中性洗 五.手 洗 いはまめ に行 います 。実 際 にはゴ ム は 工場内 の洗 浄 殺菌 に有効 と考 え られます。 ウムを添 加し た水 や' オゾ ン水 、電 解水 など です 。ま たへ殺 菌力 のあ る次 亜塩素 酸 ナトリ 毒 剤 や熱 湯 で消 毒 をし 、乾燥後 '使 用し て下 は低 下し 、 イ ク ラ への付着 菌 も 少 な-な ると 考 え られ ます 。ま たへ 工場 の製 造能力 を越 え ター マシ ンな ど簡 単 に分解 できな い機械 は、 スポ ンジ な ど も 同 様 に行 って下 さ い。 カ ッ 洗浄 殺 菌 が難 しく 、 こま め に洗浄 殺 菌をす る さ い。包 丁、まな 板 、魚 箱、 ザ ル、 たわし、 手作 業 で行 う ため 細菌 の汚染 を 促進 しま す。 し か方法 がありま せ ん。衛生管 理し やす い機 る処 理は避 け る べき です 。 作業 員 は衛 生 的 な 手袋を 着 用し 'ま た、 使 用 械 の開発 が望 ま れ ると ころ です 。 二. 生筋 子 か ら生 イク ラ にす るも み 工程 は' が 必要 です 。 う に考 え がち です が ' 必ず しも そう でな い場 六 . 飽和 食塩 水 や調味 液 は'細 菌 が いな いよ 器 具 '特 に網 ( 分 離 綱 ) の充分 な洗浄 ・殺 菌 ( ゼ ロ) にす る ことは不可能 です。 そ こで、 どを 行 って下 さ い。 合 があ ります ので、安 全 のため に加 熱処 理な ≡. イク ラは非加 熱食 品 であり '殺 菌数 をo ます 。理想 的 には'す べて の工程を 一〇℃ 以 付 着 し た細 菌 を増 やさな い ことが重要 になり 細菌 は ほと んど増 殖 しま せ ん。 工場内 の使 用 こと です 。し かし ' こ のこと が食 品加 工 にた こと は'経費 、人 、時 間を 必要 とし 、大変 な 実 際 に' この食 中毒 対策 '衛 生管 理を行 う 下 で'数 時 間 以内 に終 了す るよう に行えば 、 調を 入れ たり '液切 り の時 間を 短 -す るな ど ず さ わ る方 にと って、今 一番求 め られ て いる 水 を 冷却 水 にし たり'液切 りをす る部 屋 に空 の改 善 は'細 菌 の増 殖を 抑 えます 。特 に、醤 こと です 。 ( さ かも とま さ ひろ ・加 工部 ) 油漬 け イク ラは調味 液 に漬 け込む ため水 分 が 工程 など にお け る細菌 の増 殖 が速 いと考 え ら 多 く '細 菌 にと って栄養分 が豊富 で、液切 り れま す。 四. 水産 加 工 では'多 量 の水 を使 用し ます 。 そ のため '水 の殺 菌 を充 分 に行 う ことが大切 1 6 段階 で の洗浄 殺 菌 を行 う と、魚体 表 面 の菌数 釧路水武だより 第7 9 号 ( 1 9 9 9 .3)
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