行政の取組みに対して評価を行うことは、計画を作ることと同様に重要かつ最優先の 事項である。本審議会は長崎市が行っている政策評価について、中立的・専門的観点か ら、評価結果や評価の手法、その他評価全般に係ることについて意見を述べるとともに、 行政では気づかない部分を市民の目線で見て、長崎市に意見していくことも本審議会の 目的としており、客観性に基づいた政策評価制度の公正かつ円滑な運用と向上に重要な 役割を果たしている。 また、本審議会での意見を市政に反映させ、施策の目的達成につなげるために、施策 の進捗状況を適切に把握でき、課題やその要因にも言及した内容を市がわかりやすく示 していくこと、意見を施策に反映できる仕組みを作ることなど、現在の評価手法の課題 について考え、その評価を的確に施策へ反映させていくようなサイクルを確立していか なければならない。さらに、第四次総合計画に掲げる将来の都市像「個性輝く世界都市」、 「希望あふれる人間都市」の実現に向け、施策の展開に対するより効果的な取組みを提 案していくことも重要な役割である。 以上のことを踏まえて、本審議会の総括的な意見を以下に述べる。 (1)評価のあり方について ○ 各施策について、個別の指標に基づく評価をすることも重要であるが、併せて、 人口減少のような市の命題に関しては市全体をみる視点をもち、施策を横断的に評 価することも必要である。 (2)成果指標について 〇 成果指標において、施策の中で変えてはいけないもの、場合によっては指標の見 直しが必要となるものを内部でしっかり協議してほしい。 ○ 成果指標の数値が割合等になっているもので、名称だけでは分かりにくいものに ついては、算出方法を示すべきである。 ○ 実施した施策が正しく評価されるための適切な成果指標となっているのか疑問が 残る指標が見受けられることから、後期基本計画期間において、より適切な成果指 標の設定について検討されたい。 ○ 過去5年間で、世界や日本の環境が大きく変化しているので(中国経済・アベノ ミクス・地球温暖化等)、成果指標の変更・追加を行っていくべきではないか。 (3)評価シートについて ○ 今後、何に力をいれるべきかを判断するため、成果指標の分析結果を記載すべき ではないか。 ○ うまくいかない、不十分である等の問題点があった場合は、もう少し具体的に問 題点を踏まえた今後の課題(取組み)がわかるような記載をすべきではないか。 (4)その他 ○ 成果指標以外の市民意識調査の結果についても、今後役立てていくことが必要で はないか。 ○ 後期基本計画の策定にあたって、見直しを行った指標についても、これまで5年 間評価してきた経過を踏まえ、報告を継続するべきではないか。 ○ 計画の策定や改訂においては、今後の人口減少を見据えたものとすること。 ○ 施策の推進には、関係課等との連携が必要であることから、今後は、関係課等と の連携が見えるような取組みや報告を行ってほしい。 ○ 外部評価に関し、市の担当者はどのような捉え方をしているのか。また、評価結 果をAからDと表現された施策に対し、それぞれどのように受け止めているのか。 それらを把握し、審議会と市の担当者との間にある評価の見方や受け止め方のギャ ップを知ることで、本審議会の評価のあり方にもポジティブに影響すると思われる ため、ぜひ把握に努めてほしい。 ○ 会議等で市民に意見を求めたことについては、その後の中間報告等をしっかりと やってほしい。
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