その測定値の信頼できる桁数が決まる

第1講
測定と有効数字
教科書P.10~15
 測定値の表現方法と有効数字につい
て知る。
 単位の重要性ついて知る
【A 測定と誤差】
(問題1-1)
右の長方形の長辺と短辺の長さを手持ち
の物差しで測りなさい。また,測定結果を
周りの人と比べなさい。
測定値には単位をつける。
最小目盛りの1/10まで測定する
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
この長方形は,長辺3.15cm,短辺1.65cmとなるよう
に描いたものです。
この値を「真値」としたとき,測定結果との「誤差」を求めて
下さい。
(誤差)=(真値)-(測定値)
10
【A 測定と誤差】
物理量
測定とは,測定器を使って「もの量」を測ること
ある「もの」の物理量を測定器で測るとき,その本当の
値(真値)はわからない
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
目盛りより細かい物は測れない
目分量で0.1mmが限界
目分量のため,測定した数値の最後
の桁には誤差が含まれている
100ml
100
90
80
70
60
(問題1-2)
誤差を減らすにはどうすればよいか?
50
40
目分量で0.1ml
が限界
30
20
10
【A 測定と誤差】
b.測定値の表現
ある物体の長さを6.5cmと表記した場合と,6.50cmと
表記した場合では,意味が異なる。
●6.5cmと表記
●6.50cmと表記
6.495~6.504cmを四捨五入
6.45~6.54cmを四捨五入
6.50cm
6.5cm
6
7
6.4
6.5
最小目盛りが0.1cm
最小目盛りが1cm
6.5cm
6
7
小数第1位に誤差あり
6.4
6.50cm
6.5
小数第2位に誤差あり
【B 有効数字】
a.有効数字
測定値をどのように表記するかによって,その測定値
の信頼できる桁数が決まる
『有効数字』という
6.5cm ⇒ 有効数字2桁
6.50cm ⇒ 有効数字3桁
(問題1-3) 有効数字は何桁?
(1)82.70mm (4桁)
(2)0.0827m
(5桁?)
(3)8270m
(4桁?)
桁数が大きいほど測定
の信頼度が高い
【B 有効数字】
b.有効数字の表し方
8.50km を m の単位で表すと.... 8500m?
 8.50kmの最後の「0」は本来は書かなくてもよい
⇒有効数字を表す(有効数字3桁)
 8500mの下2桁「00」は位取りの表記として必要
⇒有効数字かどうかわからない(有効数字?桁)
どうすればよいか?
有効数字(数値)の部分と
位取りの部分に分けて表
記する。
𝑎 × 10𝑛
この場合は,
『8.50 × 103 m』
と表記する。
【C 測定値の計算】
【加減算】
答は誤差の大きい方の測定値の最高位の位まで求める。
このとき,もう一つ下の位を四捨五入する。
543.2 g の水に,0.186 g の水を加えたら,何gになるか。
また,抜いたら何gになるか。
±1の誤差を含む
543.2
0.186
+
543.38
4
543.2
0.186
-
543.02
足しても無駄なので
はじめから切り捨てる
【C 測定値の計算】
【乗除算】
有効数字の小さい方の桁数と同じにする。このとき,もう
一つ下の位を四捨五入する。
 縦82.7 cm ,横3.9 cm の長方形の面積はいくらか。
 面積332 cm2 の長方形の一辺が9.2 cm であるとき,も
う片方の辺の長さはいくらか。
【C 単位】
a.単位の歴史
単位とは,『物の量』を比べるときに基準となるもの。昔は
各国が独自に単位を定めていたが,国際化が進むなか混
乱を招いたため,国際的に統一する必要性が生じた。
• 1790年 メートル法条約がフランスで締結(現加盟国は
ヨーロッパを中心とした17カ国)
• 1885年 日本がメートル法条約に署名(尺貫法からの転換)
• 1960年 SI(Le Système international d'unités:国際単位系)
が制定
【C 単位】
b.基本単位
基本単位……SIによって定められた7つの単位
長さ:メートル(単位記号 m )
質量:キロクラム(単位記号 kg )
時間:秒(単位記号 s )
熱力学的温度:ケルビン(単位記号 K )
物質量:モル(単位記号 mol )
光度:カンデラ(単位記号 cd )
電流:アンペア(単位記号 A )
【C 単位】
c.組み立て単位
基本単位の組み合わせによって作られる単位
速さ(速度):メートル毎秒(m/s)
圧力:パスカル(Pa = N/m2)