意見の全文

意見
No.
御意見
1
指定旧供給区域等の指定(関東経済産業局所管分)に対して以下の意見表明を行います。
長野県の消費者から見た時、現在の計画では長野県で事業を行う全ての都市ガス事業者が指定されず、自由に料金値上げを行うことが可能になります。現時点で新規参入も見通せず、実質的な選択の自由がない中で、LPガス料金の方が高い現状を踏まえるならば、自由化と同時
に全県で値上げが行われる事態も想定されます。また電気やLPガス等エネルギーの選択肢があるのはガス供給の設備等の関係で一般的に持ち家の新築、改築時に限られ、現実的には電気のような消費者の選択はできません。集合住宅においてはそうした選択も消費者は行えず、L
Pガス事業者の一部で発生しているような不透明な料金体系が都市ガスに生まれてくることも考えられます。そうした場合には、少なくとも長野県においては、消費者にとって「ガス自由化は、消費者利益を何らもたらさない、失敗であった」と評価せざるを得ません。そのような結果を生み
出した場合、「ガス自由化とは地方切り捨ての政策」との評価となると考えます。
今回、経済産業省は、「適正な競争環境が確保されている」と評価して「指定しない」と判断しているわけですが、長野県内の都市ガス事業者が対象事業者として指定されない場合、実質的な「規制なき独占」による値上げが起きないかどうかを、どのように行政として監視するのか、監
視の具体的な方法を示すべきです。その結果、値上げが起きた場合に、どのように対処されるのか、その基本方針を示すべきと考えます。 また、県内の都市ガス事業者は対象事業者として指定されなかった場合は、事業者自らが検針票などに同封する形でそのことをすべての家庭用
消費者に告知すべきと考えます。
2
消費者視点から見た時、東京都福生市の武陽ガス株式会社が、現時点で適正な競争環境にあるとは認められないため、当面家庭用を含むガスの小売全面自由化後も経過措置として小売料金規制を課す対象として指定するよう強く求めます。
1.武陽ガス株式会社は、福生市・羽村市・武蔵村山を中心に28,634世帯に独占的に都市ガスを供給してきた事業者であり、供給区域内家庭用普及率も福生市では41.6%、供給区内では30.8%となっています(経済産業省「平成25年度供給区域内普及率実績(平成27年度供給
計画)」)。当該会社のガス料金の当該地域住民のくらしに与える影響はきわめて大きいといえます。市民生活への影響の大きさに鑑み、当面経過措置として小売料金規制を課す対象として指定いただくよう求めます。
2.LPガスとの競争については、STEP2で競争があると評価していますが、新築住宅における競争はあるとしても、既築住宅における競争は、当該地域において見られません。当該地域では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都市ガス事業の新規参入がない限り、
経過措置料金規制規制を解除した後に、家庭用都市ガス料金がLPガス水準まで引き上げられる恐れを否定できません。競争を通じて料金を引き下げることが自由化の目的であるにも関わらず、「規制なき独占」の下で料金の引き上げを懸念せざるを得ません。とりわけ、集合住宅にお
いては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入
が認められるまで、料金規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す対象事業者として指定すべきと考えます。
3.今回、経済産業省は、「適正な競争環境が確保されている」と評価して「指定しない」と判断しているわけですが、もし武陽ガス株式会社が対象事業者として指定されない場合、「規制なき独占」による値上げが起きないかどうかを、どのように行政として監視するのか、監視の具体的な
方法を示すべきです。その結果、値上げが起きた場合に、どのように対処されるのか、その基本方針を示すべきと考えます。また、武陽ガス株式会社が対象事業者として指定されなかった場合は、事業者自らが検針票などに同封する形でそのことをすべての家庭用消費者に告知すべき
と考えます。
3
消費者視点から見た時、東京都青梅市の青梅ガス株式会社が、現時点で適正な競争環境にあるとは認められないため、当面家庭用を含むガスの小売全面自由化後も経過措置として小売料金規制を課す対象として指定するよう強く求めます。
1.青梅市において、青梅ガス株式会社は、これまで20,225世帯に独占的に都市ガスを供給してきた事業者であり、供給区域内家庭用普及率も49.2%となっています(経済産業省「平成25年度供給区域内普及率実績(平成27年度供給計画)」)。当該会社のガス料金の当該地域住民
のくらしに与える影響はきわめて大きいといえます。市民生活への影響の大きさに鑑み、当面経過措置として小売料金規制を課す対象として指定いただくよう求めます。
2.LPガスとの競争については、STEP2で競争があると評価していますが、新築住宅における競争はあるとしても、既築住宅における競争は、当該地域において見られません。当該地域では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都市ガス事業の新規参入がない限り、
経過措置料金規制規制を解除した後に、家庭用都市ガス料金がLPガス水準まで引き上げられる恐れを否定できません。競争を通じて料金を引き下げることが自由化の目的であるにも関わらず、「規制なき独占」の下で料金の引き上げを懸念せざるを得ません。とりわけ、集合住宅にお
いては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入
が認められるまで、料金規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す対象事業者として指定すべきと考えます。
3.今回、経済産業省は、「適正な競争環境が確保されている」と評価して「指定しない」と判断しているわけですが、もし青梅ガス株式会社が対象事業者として指定されない場合、「規制なき独占」による値上げが起きないかどうかを、どのように行政として監視するのか、監視の具体的な
方法を示すべきです。その結果、値上げが起きた場合に、どのように対処されるのか、その基本方針を示すべきと考えます。また、青梅ガス株式会社が対象事業者として指定されなかった場合は、事業者自らが検針票などに同封する形でそのことをすべての家庭用消費者に告知すべき
と考えます。
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消費者視点から見た時、東京都昭島市の昭島ガス株式会社が、現時点で適正な競争環境にあるとは認められないため、当面家庭用を含むガスの小売全面自由化後も経過措置として小売料金規制を課す対象として指定するよう強く求めます。
1.昭島ガス株式会社は、昭島市を中心に29,093世帯に独占的に都市ガスを供給してきた事業者であり、供給区域内家庭用普及率も56.4%となっています(経済産業省「平成25年度供給区域内普及率実績(平成27年度供給計画)」)。当該会社のガス料金の当該地域住民のくらしに
与える影響はきわめて大きいといえます。市民生活への影響の大きさに鑑み、当面経過措置として小売料金規制を課す対象として指定いただくよう求めます。
2.LPガスとの競争については、STEP2で競争があると評価していますが、新築住宅における競争はあるとしても、既築住宅における競争は、当該地域において見られません。当該地域では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都市ガス事業の新規参入がない限り、
経過措置料金規制規制を解除した後に、家庭用都市ガス料金がLPガス水準まで引き上げられる恐れを否定できません。競争を通じて料金を引き下げることが自由化の目的であるにも関わらず、「規制なき独占」の下で料金の引き上げを懸念せざるを得ません。とりわけ、集合住宅にお
いては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入
が認められるまで、料金規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す対象事業者として指定すべきと考えます。
3.今回、経済産業省は、「適正な競争環境が確保されている」と評価して「指定しない」と判断しているわけですが、もし昭島ガス株式会社が対象事業者として指定されない場合、「規制なき独占」による値上げが起きないかどうかを、どのように行政として監視するのか、監視の具体的な
方法を示すべきです。その結果、値上げが起きた場合に、どのように対処されるのか、その基本方針を示すべきと考えます。また、昭島ガス株式会社が対象事業者として指定されなかった場合は、事業者自らが検針票などに同封する形でそのことをすべての家庭用消費者に告知すべき
と考えます。
意見
No.
御意見
5
経過措置と料金の監視に関して意見を述べます。
公共料金として消費者保護のあった別記の都市ガスの料金が自由料金となることは、消費者にとって、大きな影響のある変更です。しかしながら、別記のガス会社の消費者は、その事実を知らされないままに自由料金となります。
ガス小売登録申請はまだ三大都市圏の電力三社だけで、電力自由化と同じく地方でのガス小売参入、特にガス導管から孤立する地域では新規参入が困難です。都市ガスでも新規参入があるのは三大都市圏と思われますが、ガス料金が自由料金となるのは、それ以外の全国180私
営地方ガス会社の内、別記170会社の約700万世帯となると考えます。
来年4月の家庭都市ガス自由化を知っている消費者も、電力自由化と同様に経過措置料金規制は残ると思い安心しています。
そもそも都市ガス自由化の本旨は「他燃料選択ではなく、新たな都市ガス会社も選べること」にあるはずです。自由料金であるLPガスでは、料金など取引に不満があれば、電話一つで販売店を変更することができます。しかし都市ガスでは、都市ガスの新規参入がなく、従来の都市ガス
会社が独占状態であれば、他燃料との競争の激しい新築や業務用ガスでの料金値下げを、家庭用のガスに転嫁する料金値上も想像されます。
その場合に、既存の賃貸や集合世帯ではオール電化やLPへの他燃料変更はできません。また年金や低所得家庭には熱源変更負担も大きく、泣き寝入りしかありません。
別記の対象ガス会社からガス供給を受ける世帯がそれを全く知らず、経済産業省からの地方での説明会もされす、意見提出の機会も周知されないまま来年4月から自由料金に変更されることは消費者にとって不意打ちとなり、保護に欠けます。
以下の点について、要望します。
1今回の意見提出で、別記の都市ガス会社の利用者総数の内、1割にも満たない意見しかなかった都市ガス会社は、電気・ガス取引監視等委員会や消費者委員会等が改めて見直しを提言するべきです。
2ガス料金規制の維持については、「ガス自由化についての意見及び要望」として2015 年10 月にガスシステム改革小委員会に提出しました。競争状態を確認せずに料金規制撤廃することがないよう、経過措置料金規制の廃止は、別記の都市ガス会社ごとに改めて検針票やチラシなど
で丁寧な周知をして、消費者の理解と賛否の意見を集約してから実施してください。
【別記】
◆資源エネルギー庁(本省)3社
東京ガス(群馬地区・群馬南地区・四街道地区)、西部ガス、東部ガス
◆北海道経済産業局 9社
釧路ガス、旭川ガス、滝川ガス、美唄ガス、岩見沢ガス、帯広ガス、苫小牧ガス、室蘭ガス、北海道ガス
◆東北経済産業局 28社
青森ガス、五所川原ガス、弘前ガス、十和田ガス、八戸ガス、黒石ガス、盛岡ガス、花巻ガス、水沢ガス、一関ガス、釜石ガス、古川ガス、石巻ガス、塩釜ガス、のしろエネルギーサービス、湖東ガス、酒田天然ガス、鶴岡ガス、新庄都市ガス、寒河江ガス、山形ガス、庄内中部ガス、福島ガ
ス、若松ガス、相馬ガス、東北ガス、常磐共同ガス、常磐都市ガス
◆関東経済産業局 71社
東日本ガス、栃木ガス、鬼怒川ガス、北日本ガス、足利ガス、佐野ガス、沼田ガス、渋川ガス、桐生ガス、館林ガス、伊勢崎ガス、太田都市ガス、本庄ガス、幸手都市ガス、坂戸ガス、入間ガス、東彩ガス、武州ガス、鷲宮ガス、新日本ガス、日高都市ガス、武蔵野ガス、秩父ガス、埼玉ガ
ス、西武ガス、松栄ガス、伊奈都市ガス、堀川産業、東上ガス、角栄ガス、大多喜ガス、野田ガス、総武ガス、房州ガス、東日本ガス、角栄ガス、昭島ガス、青梅ガス、武陽ガス、大東ガス、銚子ガス、東部液化石油、厚木ガス、秦野ガス、小田原ガス、湯河原ガス、日本瓦斯 (南平台・初
山地区除く)、新発田ガス、越後天然ガス、北陸ガス、蒲原ガス、白根ガス、栄ガス消費生活協同組合、佐渡ガス、東京ガス山梨、吉田ガス、長野都市ガス、大町ガス、上田ガス、松本ガス、諏訪ガス、信州ガス、伊東ガス、下田ガス、御殿場ガス、静岡ガス、島田ガス、中遠ガス、袋井ガ
ス、東海ガス、湯河原ガス
◆中部経済産業局 6社
大垣ガス、犬山ガス、津島ガス、中部ガス、上野都市ガス、名張近鉄ガス
◆北陸支局 3社
日本海ガス、高岡ガス、小松ガス
◆近畿経済産業局 15社
甲賀協同ガス、丹後ガス、福知山都市ガス、長田野ガスセンター、篠山都市ガス、伊丹産業、洲本ガス、豊岡エネルギー、大和ガス、五条ガス、桜井ガス、大武、新宮ガス、越前エネライン、敦賀ガス
◆中国経済産業局 10社
鳥取ガス、米子ガス、出雲ガス、津山ガス、岡山ガス、水島ガス、福山ガス、因の島ガス、広島ガス、山口合同ガス
◆四国経済産業局 四国ガス 1社
◆九州経済産業局 27社
西日本ガス、久留米ガス、大牟田ガス、直方ガス、飯塚ガス、筑紫ガス、高松ガス、エコア (100MJ地区除く)、唐津ガス、佐賀ガス、伊万里ガス、鳥栖ガス、筑紫ガス、九州ガス、小浜ガス、第一ガス、大牟田ガス、天草ガス、山鹿都市ガス、大分ガス、宮崎ガス、日本ガス、阿久根ガス、南
日本ガス、加治木ガス、国分隼人ガス、出水ガス
◆沖縄総合事務局 沖縄ガス 1社
意見
No.
御意見
6
○ガスシステム改革の目的は『需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大』『ガス料金の最大限の抑制』です。またガスシステム改革小委員会報告書には、「小売全面自由化の実施により、新たに2、400万軒を超える一般家庭と120万軒を超える事業者等が都市ガスの供給サービ
スを受ける事業者を自由に選択できるようになる」と書かれています。
○成分に違いがない都市ガスの自由化に対する消費者の期待は、保安と低料金の維持です。発電事業者数も多く全国的に送電線のある電力でも地方では消費者の選択が限られている現状です。
まして都市ガスでは、都市ガスを持つ電力、都市ガスや国産天然ガス事業者が、直接またはそこからガス卸を受ける小売事業者が、ガス導管のある範囲でしか参入できません。
またガス卸事業者は、卸受都市ガス事業者の競争相手となる新規参入者へのガス卸をするとは考えられません。
電力は自由化前から150社以上の小売登録がありました。ガス小売登録申請はまだ電力3社だけで、電力自由化と同じく地方や少量世帯のガス小売参入、特にガス導管から孤立した四国や中国地方など地方都市ガスでは新規参入がないと思います。
○都市ガス会社同士の競争が無い場合は、安い料金設定を自由としつつ上限価格となる経過措置料金規制の維持を、消費者保護の観点から消費者代表委員が主張し、多数の消費者団体も料金値上げを心配する意見が出ました。それにも関わらず今回の「指定旧供給区域等の指
定」では、例えば供給区域内世帯の7割以上を独占しガス消費者が100万件以上、また9割以上を独占、またガス消費者が30万件の都市ガス会社も含め、全国私営ガス会社約180社の内、別記にある170社、全国約700万世帯の料金規制が廃止され、LPガスと同じく事業者は自由
に料金設定ができ公共料金ではなくなります。
○電力と違い、都市ガスの家庭自由化は殆ど報道されずに浸透もしておらず、都市ガス会社も経済産業局も周知していません。それにも関わらず殆どの消費者が閲覧しない経済産業局の意見募集で、従来のガス料金規制の廃止を決めることに不意打ちに等しく反対です。
○ガス卸取引の活性化よる都市ガスの新規参入促進は、ガス料金値上げの対抗策として特効薬となります。電力自由化と同じく、別記のガス会社では、来年4月小売全面自由化実施以降も3年間は経過措置料金規制を維持し、その後に家庭消費者への新規参入が無い場合には、規
参入者からのガス卸希望があれば、ガス卸事業者や既存都市ガス事業者は、一定量のガス卸が拒めない制度とするか、「標準家庭における1か月のガス使用量を前提とした小売料金に係る事後監視」について「合理的でない小売料金の値上げの基準を具体化する」前提で継続するか
いずれかを選択できるようにすべきです。
7
1. 約200社の都市ガス事業者のうち、12社しか経過措置料金が指定されないのは問題です。都市ガス事業者間の競争が見通せない中で、拙速に料金規制を解除すべきではありません。
電気に続き都市ガスの小売全面自由化が予定されていますが、両者は自由化への環境が大きく異なります。電気は全国送電網が整備されていますが、都市ガスは導管網が未整備であることなどから、電気のように新規事業者の参入を見通しにくい状況です。このような状況の中、経
過措置料金が指定される事業者が12社のみとなれば、3大都市圏以外では「規制なき独占」に陥るのではないかと危惧されます。
ガス料金が地域住民のくらしに与える影響はきわめて大きいといえます。都市ガス供給は導管というインフラが必須であり、膨大な装置産業です。新規参入事業者との競争、LPガスとの競争については、新築住宅における競争はあるとしても、既築住宅における競争は、設備等の問題
もあり簡単ではなく、消費者は実質的に他燃料への転換は困難です。とりわけ、集合住宅においては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する
手段もありません。これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入が認められるまでは料金規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す対象事業者として指定すべきと考えます。
また、現状では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都市ガス事業の新規参入がない限り、経過措置料金規制規制を解除した後に、家庭用都市ガス料金がLPガス水準まで引き上げられる恐れを否定できません。競争を通じて料金を引き下げることが自由化の目的
であるにも関わらず、経過措置が外れることで「規制なき独占」となり、料金の引き上げが懸念されます。そのような事態になれば、ガス供給の実態への配慮を欠いた結果として、「消費者にとって都市ガス自由化は、消費者利益を何らもたらさない、失敗であった」と評価せざるを得ませ
ん。
2.資源エネルギー庁は、都市ガス自由化実施後の監視の具体的な方法を示してください
今回資源エネルギー庁は、12社以外の事業者については「適正な競争環境が確保されている」と評価して、経過措置料金規制に係る指定をしない方向性を示しています。しかし、指定されなかった事業者の、「規制なき独占」による値上げについて、どのように行政として監視するの
か、監視の具体的な方法を示すべきです。また、都市ガス自由化後に値上げが起きた場合にどのように対処するのか、その基本方針を示すべきと考えます。
3.経過措置料金規制に係る指定がされない事業者は、利用者への周知・説明を徹底するべきです
都市ガス自由化開始当初から経過措置料金規制に係る指定がされない事業者及び、その後解除基準に該当し経過措置料金規制に係る指定が解除されることになった事業者は、その旨の利用者への周知・説明を徹底してください。
4.資源エネルギー庁は、制度変更や都市ガス自由化に関する周知を行ってください
国民の多くは都市ガス自由化の目的や意義、制度の仕組み等について十分に知らされていません。資源エネルギー庁は、様々なツール・機会を利用して、制度変更や都市ガス自由化の広報を積極的に行ってください。
*<添付資料>都市ガスの自由料金移行世帯数の状況(日本生協連作成) (略)
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1.関東経済産業局所管85社すべてに経過措置として料金規制を継続してください。都市ガス事業者の新規参入がどの程度あるのか不明なまま、大幅に料金規制を解除するのは困ります。
本年4月に先駆けて小売り自由化をした電力においても需要の少ない地域への新規参入事業者は少なく、価格競争があまり起こっていません。
今回電力事業者やLPガス事業者、他の都市ガス事業者の都市ガス事業への参入が期待されていますが、経済効率のよくない地域ではどの程度の新規参入があるのか不明です。
消費者の選択肢としてLPガスや電力が競争相手となるとされていますが、料金も現状の都市ガスに比べ高く、また設備の切り替えの負担は消費者にとって大きく、容易に変換はできません。
移行措置として新規参入状況が見えてくるまでの少なくても3年間はすべての私営都市ガス小売事業者に対し料金規制を継続すべきです。
2.自由化実施後の料金監視体制の構築をしてください。
都市ガス料金の価格形成には、それぞれの地域の事情が大きく影響すると考えられますが、意っての考え方を資源エネルギー庁がガイドライン等で示し各経済産業局で料金の監視体制を作ってください。また、料金監視体制の中に消費者代表も加えて下さい。