読み聞かせのコツと学力向上のヒント~(PDF:169KB)

情報コーナー
~読み聞かせのコツと学力向上のヒント~
生涯学習県民大学講座
かごしま県民大学中央センター
生涯学習県民大学講座について
「かごしまの学力を高める~未来を生きる
子どものために」
大妻女子大学 樺山敏郎 准教授
本年度,かごしま県民大学中央センターでは,
県内10市町村で26の生涯学習県民大学講座を計画
しています。
1 学力の高い県の特徴(以下全国学力・学習状況調査結果から)
開催する市町村のニーズに応じて,専門の方を
各学校における教員が協力し合い,よりよい
講師にお招きして講座を実施しています。今回は,
授業を求めて研究し,効果が上がるまで徹底的
湧水町中央公民館(7/30)とかごしま県民交流セ
に実践にしている。
ンター(8/28)で実施した「教育・子育て」に関 2 鹿児島県の児童生徒の学力の実態(直近3か
する講座の内容の一部を紹介します。
年にみる全国との比較)
○ 生活や学習に対する基本的生活習慣や態度
「親子で楽しむ絵本と豊かな時間」
は概ね良好であり,人間形成の側面に関して
鹿児島純心女子短期大学 森木朋佳 准教授
は,健全な成長がうかがえる。
1 絵本の構造
○ 課題は,一定の形式を重んじる教育が功を
知っておきたい2
奏している反面,様々な課題に対する児童生
つの構造として,「繰
徒の主体的,積極的な姿勢の不十分さである。
り返し構造」と「物
3 社会経済的背景と学力
語構造」がある。
○ 不利な環境を克服している児童生徒の特徴
2 「絵本の楽しみ」
として,朝食等の生活習慣の確立,家庭での
に注目した絵本選び
読書や読み聞かせ,勉強や成績に関する会話,
○ 発達の段階応じて,
【講座の様子】
学歴期待,学校外教育投資などが挙げられる。
「絵本の楽しみ」が変わってくる。それに応じ
○ 勉強時間や読書は裏切らない。
た絵本選びが大切である。
4 授業改善へのアプローチ
① 「色・形・音・感覚を楽しむ」段階→繰り
○ 習得・活用・探求のサイクル,学習の見通
返し(音・パターン)や感覚に訴えかける絵
し,モデルや手引きの提示(教師作成),交
本
流の位置付け,学習のふり返りが大切。
② 「先を予想して楽しんだり,好きなお話は
○ 形におぼれず,内容で勝負できる授業が大
何度でも読んでほしい」段階→繰り返し(は
切,教えるべきことは教えるが,気付くよう
じめ・パターン・おわり)のある絵本
に,気付かせるように教えることが大事。
③ 「繰り返しから先を予想して展開を楽しん 【受講者の感想】
だり,みんなで一緒に楽しんだりする」段階
○ 今後の授業に役
→物語の(繰り返しを含む)絵本
立てたい。
④ 「まとまったお話を理解したり,お話の世
○ 先生の情熱的な
界を楽しんだりする」段階→物語構造の絵
お話は,子どもの
本
ためだけでなく,
3 上手に読むコツ
聞いている私たち
○ 物語の進む方向(主人公の目線)と同じにな
にも学ぶことや知
るように持つことがお薦めの持ち方である。
ることの喜びを与え
【講座の様子】
○ 絵本のめくりは,読むスピードに合わせる。
てくださった。
○ 低年齢の子ども用の絵本は,リズムを利用し
て読み進める。
「教育・子育て」に関する講座の案内
○ 声の変化よりも,スピードに変化をつける。
◆ 12月3日(土)【かごしま県民交流センター】
【受講者の感想】
○13:00~14:40「育てる脳,育てられる脳~
○ 絵本の構造を知り,今後絵本を選ぶ際の参考
『子育て』で変わる親子の脳」
になった。
○15:00~16:40「住まいるな話」
○ 絵本の読み方を知り,今後親子一緒に過ごす
◆ 12月11日(日)【宇検村生涯学習センター】
時間が増えると思う。
○13:00~14:40「子どもの学習意欲の見方・
導き方」