竜巻注意情報の改善について ∼より精度良く、対象地域を絞り込んで

報 道 発 表 資 料
平成 28 年 11 月4日
気
象
庁
竜巻注意情報の改善について
∼より精度良く、対象地域を絞り込んで発表します∼
気象庁では、本年 12 月 15 日(木)より、最新の科学的知見や新たな観測
データの活用等により、竜巻注意情報の精度向上を図るとともに、竜巻注意
情報の発表区域を細分化します。
気象庁では、竜巻のメカニズムに関する研究や竜巻等の突風発生後の現地調
査等から得られた知見を活用し、竜巻注意情報の改善に向けた技術開発を進め
てきました。
今般、これまでの竜巻に関する調査研究等から得られた最新の科学的知見や、
国土交通省高性能レーダ雨量計ネットワーク(XRAIN)による観測データの一部
を新たに活用することにより、本年 12 月 15 日(木)から、竜巻注意情報の精
度向上を図るとともに、竜巻注意情報の発表区域を、現在の県単位から「○○
県南部」などの天気予報と同じ区域に細分化します。
なお、本件は、平成 25 年9月の竜巻災害を踏まえて開催された「竜巻等突風
対策局長級会議」(※)の検討報告(平成 25 年 12 月 26 日)を受けた取組の一
環です。
【竜巻注意情報(気象庁ホームページ)】
http://www.jma.go.jp/jp/tatsumaki/
※
竜巻等突風対策局長級会議(内閣府ホームページ)
http://www.bousai.go.jp/fusuigai/tatsumakikyokucho/h25.html
[本件に関する問い合わせ先]
気象庁予報部予報課気象防災推進室
予報課
03-3212-8341(内線 3187)
03-3212-8341(内線 3169)
竜巻注意情報の発表区域の細分化
∼ 竜巻注意情報を“天気予報と同じ細分区域”に地域を絞り込んで発表します ∼
現
状 竜巻注意情報を“概ね県単位” で発表
今
後 竜巻注意情報を「○○県南部」などの“天気予報と同じ細分区域”に地域を絞り込んで発表
・住民にとって、竜巻注意情報をこれまで以上に自らの危険として認識できるようになる。
・「空の様子を見て身を守る」などの安全確保行動につながる。
現状
県全体で注意、という
ことは分かるけど、実際に
危険度が高まっているのは
限られた地域だろうし、
どこまで対応すべきか?
茨城県
栃木県
埼玉県
千葉県
改善後
茨城県南部
栃木県南部
埼玉県北部
埼玉県南部
千葉県北西部
全域に
竜巻注意情報を発表
に限定して
竜巻注意情報を発表
県内でも南部が危険。
直ぐに防災対応を!
!!
栃木県
改善
「○○県」と言われても、
県は広いし、
自分は大丈夫だろう。
茨城県
埼玉県
栃木県
南部
埼玉県
北部
埼玉県
南部
茨城県
南部
すぐ近くかも!
空の様子を見て
身を守ろう!
千葉県
北西部
千葉県
より自らの危険として認識できる!
過去事例における改善の効果の例
○竜巻注意情報を、より早く、より精度良く、発表が可能に!
年月日
発生時刻
発生場所
実際の発表状況
改善後
2013年9月2日
14:00 頃
埼玉県
さいたま市
埼玉県に
14:10頃に発表
(発生の10分後)
埼玉県南部に
13:50頃に発表が可能に
(発生の10分前)
2013年9月4日
12:50 頃
栃木県
塩谷町
栃木県に
12:47頃に発表
(発生の3分前)
栃木県北部に
12:20頃に発表が可能に
(発生の30分前)
2013年9月16日
01:30 頃
埼玉県
滑川町
発表できず
埼玉県北部に
01:00頃に発表が可能に
(発生の30分前)
【参考】改善による予測精度の変化
予測精度
捕捉率:約40%
適中率:約 3%
(府県単位での発表)
精度改善
捕捉率:約70%
適中率:約14%
(天気予報と同じ地域単位での発表)
改善後の値は過去事例データ(平成24.4-26.9)による検証値