平成28年10月28日 報 道 機 関 各 位 青森県危機管理局原子力安全

平成28年10月28日
報
道
機
関
各
位
青森県危機管理局原子力安全対策課
六 ヶ 所 村 原 子 力 対 策 課
平成28年度第1回使用済燃料受入れに係る立入調査結果
及び環境放射線の測定結果について
県及び六ヶ所村は、安全協定に基づき平成28年度第1回使用済燃料の受入れに係る立
入調査を実施しました。
また、併せて環境における放射線の測定を行いましたので、これらの結果をお知らせし
ます。
記
1.日 時 平成28年10月28日(金) 9時30分 ~ 15時49分
2.現地調査者 青森県危機管理局原子力安全対策課 課長代理 松田 大 他1名
青森県原子力センター
所
長 安田 浩 他5名
六ヶ所村原子力対策課
総括主幹 種市 誠 他1名
3.調査結果
(1) 立入調査結果(別紙1)
ア
船内において実施した輸送物(使用済燃料を収納した輸送容器)の線量当量率
等の検査結果が、法令に定める基準内であることを確認しました。
イ
荷揚港岸壁における作業・検査状況、陸上輸送状況について調査し、輸送物は
法令に定める基準内であること、また一連の作業は、関係法令の遵守のもとに安全
に終了したことを確認しました。
(2) 環境放射線の測定結果(別紙2)
輸送物の荷役作業を行った荷揚港岸壁において、空間放射線を測定しました。
使用済燃料の受入れに伴いその付近にいた人が受ける放射線(ガンマ線、中性子線)
の影響を試算すると、その値は、極めて低い値でした。
また、居住地域に設置している各モニタリングステーションでの空間放射線測定結
果では、輸送による影響は認められませんでした。
以上から、輸送物の受入れに伴う周辺の住民及び周辺の環境への影響は認められま
せんでした。
【参考】今回搬入された輸送物
使用済燃料(沸騰水型原子炉の使用済ウラン燃料)
合計約4トン・ウラン(燃料集合体22体、輸送容器1基)
(内訳)
中部電力㈱浜岡原子力発電所 約4トン・ウラン(燃料集合体22体、輸送容器1基)
報道機 関用 提供資 料( 連絡先 )
担当課
青森県 危機 管理局
原子力 安全 対策課
課長代理 松田 大
電話番 号 内線 6487
直通 017-734-9253
報道監
岡田 次 長
担当課
六ヶ所 村
原子力 対策 課
電話番 号
代表 0175-72-2111
内線 331~ 5
(別紙1)
平成28年度第1回使用済燃料受入れに係る立入調査結果について
1 船内における測定及び検査状況
(1)輸送物(輸送容器)検査結果
法令上の基準内であることを確認した。(別添参照)
2 荷揚港岸壁での状況
(1)クレーン・車両使用前点検状況
異常がないことを確認した。
(2)車両積載時の状況
法令上の基準内であることを確認した。(国土交通省実施)
3
陸上輸送の状況
安全に輸送されたことを確認した。
平 成 28 年 10 月 28 日
青
森
県
六
ヶ
所
村
船 内 立 入 調 査 結 果
(輸送物(輸送容器)検査結果)
輸
項
目
外観検査
輸送容器表面の
線量当量率(最大値)
α線を放出する
放射性物質(最大値)
表面状態(傷、
割れ等)及び形
状に異常がな
いこと
異常なし
<0.001
2mSv/hを
超えないこと
<0.04
mSv/h
Bq/㎝2
<0.09
mSv/h
Bq/㎝2
表 面 温 度 (最 大 値)
【輸送中、人が容易に
近づくことが出来る表面】
器
法令上の基準
Bq/㎝2
α線を放出しない
放射性物質(最大値)
容
1 基 目
( S5B137 )
mSv/h
放の
射表
性面
物密
質度
送
Bq/㎝2
Bq/㎝2
mSv/h
Bq/㎝2
Bq/㎝2
Bq/㎝2
Bq/㎝2
mSv/h
mSv/h
mSv/h
Bq/㎝2
Bq/㎝2
0.4Bq/㎝2を
超えないこと
Bq/㎝2
Bq/㎝2
mSv/h
Bq/㎝2
4Bq/㎝2を
超えないこと
Bq/㎝2
Bq/㎝2
43.7
℃
85℃を
超えないこと
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
※:<0.001mSv/hは0.001mSv/h未満であること、<0.04及び<0.09Bq/cm2は検出限界値未満であることを示します。
形式
電離箱式サーベイメータ
中性子サーベイメータ
スミヤろ紙自動測定装置
熱電対式温度計
型式
ICS-313
TPS-451BS
JDC-R48-22248
HFT-20V
メーカ名
㈱日立製作所
㈱日立製作所
㈱日立製作所
安立計器㈱
(別添)
<測定器の型式等>
測 定 項 目
γ線
線量当量率
中性子線
放射性物質の表面密度
表面温度
(別紙2)
平 成 28年 度 第 1回 使 用 済 燃 料 受 入 れ に 係 る 環 境 放 射 線 の 測 定 結 果 に つ い て
1. 測定項目
空間放射線(ガンマ線、中性子線)
2. 空間放射線(ガンマ線)量率
( 1 ) 荷揚港岸 壁
荷揚港岸壁にモニタリングカーを配置し、輸送船接岸前から陸上輸送終了までの間
( 10月 28日 (金)9時 30分 ~ 15時 49分 ) 、 測 定 を 実 施 し た 。
空間放射線(ガンマ線)量率の結果は次のとおりであり、輸送物の受入れに伴う有
意な上昇は認められなかった。
測定結果(ナノグレイ/時)
最小値
最大値
20
28
(2)モニタリングステーション
原子燃料サイクル施設周辺に設置しているモニタリングステーションでの自動測定
装置による測定結果については、輸送物の受入れに伴う有意な上昇は認められなかっ
た。
3. 使用済燃料の受入れに伴う影響
使用済燃料の受入れに伴い、モニタリングカーを配置した場所にいた人が受ける放
射線(ガンマ線、中性子線)の影響を試算すると次のとおりである。
実効線量(ミリシーベルト)
0.00001未満
[参考]
〇放射線
・ 電 磁 波( 光 や 電 波 な ど の 総 称 )の 中 で エ ネ ル ギ ー の 高 い も の 、及 び 高 速 で 飛 ぶ 粒 子
の 流 れ を 放 射 線 と い い ま す 。前 者 に は ガ ン マ 線 や エ ッ ク ス 線 、後 者 に は ア ル フ ァ 線 、
ベータ線や中性子線などの多くの種類の放射線があります。
〇空間放射線
・ 人 間 が 体 外 か ら 受 け る 放 射 線 に は 、宇 宙 か ら 降 り そ そ い で く る も の( 宇 宙 線 )や 大
地などからのものがあります。大地などからの空間放射線は、地質の違いなどによ
り地域で差があります。また、同じ場所であっても、気象条件などによって変動し
ています。例えば、雨や雪が降るとその影響で一時的に高くなります。また、雪が
積もる冬には、大地からの放射線がさえぎられて平均値は低くなります。
・ い ろ い ろ な 物 質 に 放 射 線 が 当 た る と き 、吸 収 さ れ る 放 射 線 量 を グ レ イ と い う 単 位 で
表 し ま す 。 1 グ レ イ の 10 億 分 の 1 を 1 ナ ノ グ レ イ と い い ま す 。
・ 尾 駮 モ ニ タ リ ン グ ス テ ー シ ョ ン で の 空 間 放 射 線( ガ ン マ 線 )量 率( ナ ノ グ レ イ / 時
: 時 々 刻 々 の 放 射 線 量 を 1 時 間 当 た り に 換 算 し た も の ) の 過 去 5 年 間 ( 平 成 22 年 4
月 ~ 平 成 27 年 3 月 )の 測 定 結 果 で は 、気 象 の 変 化 な ど に よ り 6~ 91 ナ ノ グ レ イ / 時
の変動がありました。この測定結果には宇宙線のようなエネルギーの高い放射線は
含まれていません。
〇実効線量
・ 体 の 組 織 に よ っ て 放 射 線 の 影 響 が 異 な る の で 、そ れ を 考 慮 し て 、各 組 織 が 受 け た 放
射線の量を、全身に受けた場合にどのくらいになるかを表したものを実効線量とい
います。
・ 実効線量はシーベルトという単位で表します。1 シーベルトの千分の 1 を 1 ミリシ
ーベルトといいます。
・ 胸 の X 線 集 団 検 診 1 回 で 約 0.05 ミ リ シ ー ベ ル ト 、 胃 の X 線 集 団 検 診 1 回 で 約 0.6
ミ リ シ ー ベ ル ト の 放 射 線 を 受 け ま す 。( 出 典:経 済 産 業 省 資 源 エ ネ ル ギ ー 庁 編 集「 原
子 力 2010」 )
・ 普 段 か ら 私 た ち は 、 1 年 間 に 、 宇 宙 か ら 約 0.39 ミ リ シ - ベ ル ト 、 大 地 か ら 約 0.48
ミ リ シ - ベ ル ト 、食 物 な ど か ら 約 0.29 ミ リ シ ー ベ ル ト 、空 気 中 の ラ ド ン か ら 約 1.26
ミ リ シ ー ベ ル ト 、 合 計 約 2.4 ミ リ シ - ベ ル ト の 自 然 放 射 線 ( 世 界 平 均 ) を 受 け て い
ます。(出典:同上)
・ 六 ヶ 所 村 及 び 隣 接 5 市 町 村 の 36 地 点 で 測 定 し て い る 積 算 線 量 の 平 成 27 年 度 1 年 間
の 調 査 結 果 か ら 、大 地 か ら の 放 射 線 に 起 因 す る 実 効 線 量 を 各 地 点 ご と に 試 算 す る と 、
0.131 ~ 0.222 ミ リ シ ー ベ ル ト で あ り 、 地 点 ご と に か な り の 差 が あ り ま す 。 こ の 地
域 は 、 前 述 の 0.48 ミ リ シ - ベ ル ト に 比 べ て 低 め と な っ て い ま す 。