News Release 平成 28 年 10 月 28 日 財務省北陸財務局 平成 28 年度予算執行調査の結果について (10 月公表分) 今般、財務省において、平成 28 年度に実施した 52 件の調査のうち、15 件の調査結果 が公表されました※。これらの調査結果については、的確に今後の予算編成に活用され ます。 ※37 件の調査結果は 6 月 28 日に公表済みです。 今回公表された事案のうち、 「書籍購入に係る経費」については、北陸財務局が調査結 果の取りまとめを行いました。その概要は別添のとおりです。 その他の事案の調査結果については財務省のホームページを御覧ください。 http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/index.htm (参考)予算執行調査とは 予算執行調査とは、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場に接する機会の多い財 務局職員が、予算の執行の実態を調査して改善すべき点等を指摘し、予算の見直しや執行の効率化等 につなげていく取組みです。 【お問合せ先】 財務省北陸財務局 理財部 特別主計実地監査官 ℡ 076-292-7954 1/2 総 調査事案名 省庁名 括 調 調査対象 予 算 額 (47)書籍購入に係る経費 各府省 組織 査 ― 票(行政経費等に係る府省横断的な調査) 【参考】平成27年度(調査対象実績額):3,139百万円 会計 ①調査事案の概要 書籍の購入については、各府省は、書店から の購入、または出版社からの直接購入といった 形態をとっている。その際、定期購読や共同調達 (※)などの方法を採用することで、購入費用の 抑制に努めているところである。 ※本調査における共同調達は、各官署の調達を まとめて行う場合をいう。 ②調査の視点 1.書籍を購入する際、安価な方法で購入するた めの取組をしているか。具体的には、定期購読、 共同調達などによる割引や、電子書籍を取り入 れているか。 2.ウェブで代替可能な書籍について、ウェブへ の切り替えが図られているか。 【調査対象】 本府省庁:36先 地方支分部局:360先(下部機関を含む) 一般会計 各特別会計 調査主体 財務局 取りまとめ財務局 北陸財務局 ③調査結果及びその分析 【図1】割引購入等の利用状況 1.書籍購入に係る割引の状況 利用していない 198先(19.7%) ⑴ 書籍の購入額及び割引購入等の利用状況 本府省庁及び地方支分部局等における、平成27年度の書籍購入額は 3,139百万円であった。このうち、書店からの購入は1,418百万円、その他 (出版元からの直接購入など)は1,721百万円であった。 割引購入等の利用状況については、利用しているのは806先(80.3%)、 利用していないのは198先(19.7%)であった。 【図1】 ⑵ 割引率の状況 1件10万円以上の購入事例における割引率は、「共同調達 による複数購入」では20%以上30%未満、「定期購読」、「共 同調達以外の複数購入」では10%以上20%未満が大宗を 占めていた。【表1】 ⑶ 割引を利用していない理由 割引を利用していない理由について確認したところ「出版元か らの直接購入のため割引を利用できないと判断した」と回答した 先が29先あったが、各府省における購入実績の中には、出版元 からの直接購入であっても割引を利用して購入している事例が 認められた。 また、「書店から購入したため」と回答した先は84先あったが、 各府省における購入実績の中には、書店からの購入であっても 大量購入等による割引を利用して購入している事例が認められ た。【表2】 利用している 806先(80.3%) 【表1】購入方法と割引率の分布状況(1件10万円以上の購入事例) 割引率 件数 定期購読 共同調達による複数購入 共同調達以外の複数購入 電子書籍 その他 計 67 37 67 7 32 210 ~10%未 10%以上 20%以上 30%以上 40%以上 50%以上 満 20%未満 30%未満 40%未満 50%未満 12 6 10 4 8 40 24 9 30 0 12 75 21 20 19 0 9 69 1 1 1 0 1 4 4 0 4 0 2 10 5 1 3 3 0 12 【表2】割引を利用していない理由(回答198先) 書店から購入したため 84 少量、少額購入のため割引を利用できなかった 67 出版元からの直接購入のため割引を利用できないと判断した 29 納入元(出版元、書店)に割引を利用できないことを確認した 18 2/2 総 調査事案名 括 調 査 票(行政経費等に係る府省横断的な調査) (47)書籍購入に係る経費 ③調査結果及びその分析 ⑷ 割引購入を利用する余地のある事例 割引購入を利用する余地のある事例が以下のとおり見られた。(いずれも複数見られたもの) ・書店購入の書籍について、割引購入を利用することは可能と認識しながら、これまで内部で検討をしたことがないとの回答があ った。 ・購入先に割引購入の有無を確認したことがないとの回答があった。 ・出版元からの直接購入において、同一書籍でも、官署によって割引の有無が生じていた。 ・法律書などの専門書で、調達部数が100部以上などの大量購入をする際、定価で購入していた。 ・毎年購入する同一書籍について、地方支分部局ごとに別々に購入をしているため、購入単価に格差が生じていた。 ・紙版よりも安価な電子書籍があることを把握しているが、これまで購入方法の見直しを検討をしたことがないとの回答があった。 【今回調査で把握された好事例】 本府省庁Aは、業務で使用している専門書の中に、全国の地方支分部局共通で使用しているものがあることから、当該専門書の 購入を全国規模で行うことを発案。地方支分部局Aが全国分をとりまとめて一括で購入し、定価よりも安価な価格での調達を実施。 ④今後の改善点・検討の方向性 1.書籍購入に関して、以下の購入方法 の見直しを速やかに検討し、最も安価で 購入できる方法を選択すべき。 ・書店からの購入であっても、割引購入で きる場合もあることから、購入の際には 割引の可否について確認を行うべき。 ・法律書など出版元から直接購入をする場 合においても、割引の可能性があること から、割引購入の努力をすべき。 ・各官署において毎年度購入している共通 の書籍については、一括で購入すること を検討すべき。 ・紙版よりも安価な電子書籍がある場合は、 電子書籍への見直しを検討すべき。 ⑸ 省庁横断的な調達の検討について 他の書籍に比べて購入総額が大きい住宅地図について、同一エリアの各省庁の地方支分部局それぞれで、同じ出版社から直接購入 している事例が多く見受けられ、割引率が地方支分部局間で異なっていた。さらに安価に調達するためには、同一エリアの各省庁の 地方支分部局が連携し、スケールメリットを活かした共同調達を行うことが有効である。【参考】 【参考】 従来、予算執行調査においてコスト削減の主要な改善策として取り上げてきた、省庁一括による共同調達や大量調達は、地方など遠隔地への輸 送コストがかかるためにスケールメリットが生かせないという声があった。そうしたデメリットを解消する省庁一括での調達にこだわらない事例 が、北陸管内で見受けられており、平成28年3月の行政改革推進会議でも、そうした取組が模範事例として取り上げられたところである。具体的 には、同一庁舎や近隣庁舎の他省庁に省庁横断的な共同調達への参加を促すことで、地方都市でも調達量を増やして単価の引き下げを図っている。 2.ウェブで代替可能な書籍について 時刻表や都市地図については、出張計画を作成する場合などに使用されているが、一部の省庁において、ウェブでの代替が可能と 認識しつつも、特段、要不要の検討をしていないとの回答があった。 ・各官署共通でかつ購入総額が大きい住宅 地図などの購入については、同一所在地 の他省庁との共同調達を検討をすべき。 2.ウェブで代替可能な書籍については、 購入廃止を検討すべき。
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