2016 年度 数 学

2016 年度
数 学
■ 大学・学部(日程):東北大学・文系(前期)
■ 出題構成
(時間/配点):文・経済・教育・医(保健学科看護学専攻):100分/200点,
法:100分/300点
(出題形式):全問記述
(難易度変化):(昨年と比べて)易化
大問
出題分野・テーマ
1
ベクトル
2
2次関数
図形と方程式
積分法
3
整数
4
図形の性質
問題分析・コメント
難易度
ベクトル方程式で表された領域の図示と,内積の最大
値を求める問題。(2)はいわゆる「線形計画法」の要領
標準
で考えればよい。
放物線と絶対値を含む関数のグラフの共有点の個数に
ついて考察する。 (2)は x≦a,x≧a の範囲にそれぞれ
標準
2 つずつ共有点をもつと読み替えることができるかが
ポイント。
l,m,n に関する不定方程式を立て,非負の整数解を
求める。地道に数え上げてもそれほど大変ではないが,
やや易
l が 3 の倍数となることに気づくと場合分けが少なく
なる。
円の性質を利用して角度が等しいことを示す問題。円
に内接する四角形の性質や,円周角の定理の逆などを
標準
適切に用いることが要求される。
※難易度は東北大受験生を母集団とする基準で判定しています。
■ 出題傾向
出題範囲からまんべんなく出題されているが,とくに
・微積分
・確率
・図形(ベクトル)
が頻出である。また,文字定数を含む計算もよく出題されている。基本的な問題からやや難しい問
題まで幅広く出題されており,計算量も多めである。
■ 2016 年度入試の特記事項
文系4と理系1が共通であった。
2015 年度までは頻出であった確率の問題が,2016 年度は出題されなかった。
■ 求められる力とその養成
図形的な見方や式の見方を要求する問題や,事象の扱い方や場合分けに工夫を要する問題など,思
考力の必要な問題が比較的多い傾向にある。このような問題に対しては,解法の丸暗記では歯が立
たない。問題の考え方や方針の立て方について,本番に近い問題の演習を通して習熟しておく必要
がある。独力で解法を探ること,いろいろなアプローチの仕方,および別解を考えることで,本質
的な理解を目指すことが望ましい。そのためにも,解答,解説が詳しい問題集・参考書などを用い
て,多様な考え方を身につけることを意識したい(眺めるだけではダメ。まずは自力で考えること
が大切)。効果的な東北大対策として,本番に近い問題の演習ができるZ会の通信教育を是非活用
してほしい。
また,場合分けが煩雑になりやすい問題や,計算力を要する問題もあるので,処理量の省力化の工
夫と計算をやりぬく腕力の双方が必要であり,日頃から「最後まで計算する」姿勢が重要になる。