トップメッセージ 企業理念「The Denka Value」のもと、 「できるをつくる。」で 社会発展に貢献する企業に [新成長戦略の取り組み] 株主・投資家やすべてのステークホルダーの皆さまの信 2017年度を目標年度とする経営計画 「Denka100」 新 頼を得るため、当社はコーポレート・ガバナンスを一層強 成長戦略においては、数多くの具体的な施策を実行して 化し、情報の開示に努めるとともに、2014年度に制定し います。 た方針に基づく株主還元を実行してまいります。 「徹底したコストの総点検」 では、生産効率の向上、省資 源・省エネルギー化による大きなコストダウンの成果が得ら れています。特に千葉工場におけるユーティリティの最適化 デンカ株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 「生産体制の最適化」 では、 クロロプレンゴム事業におけ 企業が成長するためには、働く人々も成長することが必 る日米2拠点体制化、中国と東南アジアにおける特殊混和 要です。そのためには従業員一人ひとりが幸せとやりがい 材の海外事業拠点新設、千葉工場ABS樹脂プラントのダ を感じ、自由闊達に活躍できる環境をつくることが不可欠 ウンサイジングなどを実施いたしました。 です。少子高齢化の中、育児や介護など、企業としてサポー 「成長ドライバーへの資源集中と次世代製品開発」 にお トすべき課題は数多くあります。当社では若い従業員や女 いては、“疾病予防”“健康増進”をキーワードとする健康関 性が活躍できる環境づくりを行い、ワークライフバランス の改善を通じた、従業員の幸せを追求してまいります。 1.熊本地震と東日本大震災の被災地支援について るために、経 営 環 境 の 変 化に左 右されにくい 経 営 基 盤 連事業を国内外で強化しました。また、次世代の自動車に の 構 築を目 指して 、企 業 風 土・組 織 の 変 革と経 営 計 画 求められる、素材やソリューションを提供するマトリックス 本年4月に発生した熊本地震により、お亡くなりになら 「Denka100」の新成長戦略を通じた、事業基盤の強化 型新組織の設置、デンカイノベーションセンターを中心と 文化や制度の違いを理解し、多様性を受け入れる企業風 するオープンイノベーション研究推進などの重要な施策 土づくりが重要となっています。ダイバーシティへの取り を実行しています。 組みは、海外事業拡大の成功への鍵でもあり、外国籍社 れた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災され に努めています。 た皆さまには心よりお見舞い申し上げます。 当 社は、被 災 地 近 隣にある大 牟 田 工 場 従 業 員による [企業風土・組織の改革] 企業風土・組織の改革においては、デンカ株式会社への 地域社会のご協力を得て事業活動を行う企業として、被災 社名変更を行うとともに、企業活動の根幹となる経営理念 された地域の皆さまへ、 できる限りの支援を行っています。 「The Denka Value」、 「 安全衛生と保安防災に関わる また、2011年に発生した東日本大震災につきまして 基本方針」 と 「デンカコーポレートガバナンス・ガイドライ 2015年 (平成27年) は、9月に国連総会において、2030 も、宮城県南三陸町での当社従業員によるボランティア ン」 を定めるなど、企業活動の基盤となる重要な改革を行 年に向けた 「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable 活動を、震災直後から全面的にバックアップしています。 いました。 Development Goals) 」 が、 また12月の 「気候変動枠組条約 ます。 2.2015年度を振り返って デンカ株式会社は2015年に創立百周年を迎えました。 これはひとえに皆さまのご支援とご協力の賜物であり、 改めて心から御礼を申し上げます。 こ の 中 で 特 に 重 要 な 改 革 とな る 、企 業 理 念「 T h e Denka Value」の制定においては、 「 化学の未知なる可 経験を積ませるなど、国際的な視野を持った次世代社員 3.サステナビリティへの取り組み 第21回締約国会議 (COP21) 」 では、 地球温暖化防止に向けた 重要な目標の枠組みがそれぞれ採択された年でもありました。 6.これからのデンカ デンカの企業文化は、お客様の期待に真摯に向き合い、 粘り強く課題解決を目指す誠実な姿勢であり、高い品質 資源とエネルギーを利用して化学製品を生産するデン 展に貢献する企業となる。」 を 「Denkaの使命」 として掲げ カにとって、生産活動に起因する環境負荷を減らすこと バル化が進み、ニーズが刻々と変化する今日だからこそ、 ました。そして、 この企業として果たすべき使命を実現す と、ものづくりを通じて世界の持続的発展に寄与するこ これはデンカの強みとなります。 るためには何が必要か、果たすべき責任とあるべき姿は とは、企業としての存続の前提です。 「 環境」 「エネルギー」 何かを、一人ひとりが考え、行動するための「Denkaの 行動指針」 を定めました。 また、 「 安全衛生と保安防災に関わる基本方針」 を制定 し、 「 安全はすべてに最優先! 守るべきものは守り、変える 環境の下、国内外での積極的な拡販と、 コスト総点検の成 べきものを変えよう!」 を安全推進会議のスローガンに掲 果などによって、営業利益、経常利益、親会社に帰属する当 げて、グループ全体の安全活動を強化しました。2013年 期純利益とも、過去最高益を更新することができました。 の青海工場と千葉工場での重大事故を踏まえた安全活動 の維持と製品の安定供給に向けた強い意識です。グロー そして、グループを挙げて取り組むチャレンジする文 「インフラ」 「 健康」 という当社が資源を集中する分野に 化の定着によって、スペシャリティを追求するデンカの技 は、SDGsが提起する社会的課題が山積しています。当社 術は、社会的課題を必ず解決していくと確信しています。 だからこそ取り組むべきテーマを見極めて、化学の可能 コーポレート・スローガン「できるをつくる。」は、新たな 性に挑戦しながら、価値創造に邁進してまいります。 価値の創造を通じて、世界の持続的発展への貢献を目指す デンカの企業姿勢を表したものです。 わたしたちデンカグループは 「The Denka Value」 の 4.株主の皆さまへ しかし、これに続く2 0 1 6 年 度は、円 高 の 進 行や中 国 をベースとして、現場単位で取り組む危険予知や、不安全 および 新 興 国 経 済 の 減 速 感 、英 国 の E U 離 脱 決 定など 状態の改善を一つひとつ確実に実行し、働く人々が心を スチュワードシップ・コードや、コーポレートガバナン の動きもあり、先行きが不透明な状況になっています。 ひとつにして、最終目的である災害撲滅に向けて取り組ん ス・コードの制定によって、日本においても、ESG(環境、 でまいります。 社会、ガバナンス)がこれまで以上に注目されています。 Denka Group CSR Report 2016 の育成に努めています。 能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる) ことで、社会発 2015年度の当社は、円安や原燃料価格下落などの経済 私たちは、次 の 百 年に向かってさらなる成 長を遂 げ また、企業活動のグローバル化がさらに加速する今日、 員の採用数を増やすとともに、若手社員に積極的に海外 ボランティア活動をサポートすることにより、日ごろより 被災地の一日も早い復旧と復興を、心よりお祈りいたし 4 は、 大幅な環境負荷低減にもつながっています。 5.働く人の幸せと多様化への対応 理念の下、心をひとつにして、化学の力で新たな価値を 創造することで、人々の幸せな暮らしと社会の発展に貢献 してまいります。 今後とも皆さまのご理解とご支援を賜りますよう、宜し くお願い申し上げます。 Denka Group CSR Report 2016 5
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