CISPR 25の概要

e-OHTAMA, LTD.
CISPR 25 の概要
株式会社 e・オータマ 業務グループ 佐藤智典
2016 年 10 月 25 日
目次
1
はじめに
1
はじめに
1
自動車には多くの電装品が搭載されており、それ
2
共通事項
2.1 試験場所 . . . . . . . . . . .
2.2 グランド ・プレーン . . . . .
2.3 測定器 . . . . . . . . . . . .
2.4 電源電圧 . . . . . . . . . . .
2.5 電源のインピーダンスの管理
2.6 EUT の配置 . . . . . . . . .
2.7 ロード ・シミュレータ . . . .
2.8 EUT の動作条件 . . . . . . .
2.9 限度値 . . . . . . . . . . . .
らが発生するノイズがその自動車上のラジオなど
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
2
2
2
3
3
3
4
4
4
.
.
.
.
.
5
5
5
6
6
7
3
4
5
測定法
3.1 電圧法 . . . . . . .
3.2 電流プローブ法 . .
3.3 ALSE 法 . . . . . .
3.4 TEM セル法 . . . .
3.5 ストリップライン法
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
に妨害を与えることがある。伝統的にはラジオなど
の放送受信への干渉が主な問題であったが、現代の
自動車では 、キーレスエントリーやイモビライザ、
GPS などを含め、多様な無線デバイスが用いられ
るようになっており、それらへの干渉も懸念となる。
CISPR 25 は 、同一の車両上の受信機の保護を
目的に 、車両に取り付けられる電装品が発生する
ノイズの評価方法を定めている。この規格は ECE
Regulation No. 10 (ECE R10)[3][4] や OEM 規格
(自動車メーカー規格) などでエミッションの測定方
法のベースとして参照され 、広く用いられている。
補足
8
4.1 測定結果の変動要因の例 — 電流プローブ法の場合 8
4.1.1 電流プローブの位置の影響 . . . . . . .
8
4.1.2 ハーネス長の影響 . . . . . . . . . . .
9
4.1.3 ロード・シミュレータのインピーダンス
の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . .
9
4.1.4 EUT の接地ワイヤの影響 . . . . . . .
11
4.2 CISPR 25 ed. 4 での改訂 . . . . . . . . . . .
11
参考資料
CISPR 25 の ed. 2 (2002) や ed. 3 (2008) は、試
験対象品を車両に取り付けてその車両上のアンテナ
で測定する方法、及び試験対象品をテスト・ベンチ
上や試験用セル内に配置して測定する一連の測定法
を含むが、本稿では後者の一連の測定法についてそ
11
の概要を述べる。
本稿での説明は主に CISPR 25 ed. 3 (2008) に基
づくが、まだ CISPR 25 ed. 2 (2002) も用いられて
いる†1ため、CISPR 25 ed. 2 (2002) についてもあ
る程度は触れるようにする。
なお、規格についての正確な情報は、該当する規
格そのもの [1] を参照していただきたい。
図 1: CISPR 25 ALSE 法での測定
†1 例えば ECE R10.05[3][4] は CISPR 25 ed. 2 (2002) を
参照している。
1
e-OHTAMA, LTD.
び平均値 (AV) †7が用いられるが 、その適用に関し
共通事項
2
ては規格の版による違いがある:
2.1
試験場所
• CISPR 25 ed. 2 (2002) まで
通常、電圧法や電流プローブ法などでの試験は、
– 広帯域ノイズには広帯域限度 (PK 、また
外部からの放送などのノイズを防ぐために、シール
は QP) を、狭帯域ノイズには狭帯域限度
ド ・ルーム内で行なう。
(PK) を適用する
ALSE 法については、単なるシールド・ルームで
は壁など での電磁波の反射が試験に著し い悪影響
– PK と AV の差が 6 dB 以上のものは広
を与えることから、ALSE (absorber-lined shielded
帯域ノイズ、6 dB 未満のものは狭帯域ノ
enclosure) と呼ばれる、反射を抑えるためにその壁
イズと判断する
†2 †3
と天井を電波吸収体
で覆ったシールド ・ルーム
• CISPR 25 ed. 3 (2008)
が用いられる (図 1)。
2.2
– ノイズの性質と無関係に、AV 及び PK 、
または AV 及び QP の限度を適用する†8
グランド ・プレーン
いずれの場合も、PK での測定値が QP や AV の
テスト・ベンチ上での試験では、非導電性の試験
限度に入る場合、QP や AV での測定の省略が認め
台の上にグランド・プレーンとして金属板†4を敷き、
られる。同様に、QP での測定値が AV の限度に入
その上に試験対象となるシステムを配置する。グラ
る場合、AV での測定の省略が認められる。†9 †10
ンド・プレーンは、巾広の金属のストラップを用い
てシールド ・ルームの壁か床に接続する。†5
周波数掃引を行なう場合の最大周波数ステップと
最小ド ウェル・タイム、あるいは最大掃引速度は、
グランド・プレーンの大きさは、電圧法などの場
合は 1 000 mm × 400 mm 以上、ALSE 法の場合は
用いるべき測定帯域幅とともに、周波数範囲と検波
毎に規定されている。†11
2 000 mm × 1 000 mm 以上とし 、EUT がその外周
から 100 mm 以上内側に収まるよう、必要に応じ
てさらに大きいものを用いる。
2.3
測定器
†7 CISPR 25 ed. 3 (2008) から参照されている CISPR 161-1:2006+A1:2006+A2:2007 で規定されている AV 検波はい
わゆる “CISPR-AV” であるが、CISPR 25 ed. 3 (2008) では、
旧版の AV 検波の使用も認められている。だが 、繰り返し周波
数が低いノイズに対しては特に 、これらはかなり異なった値を
示すことがある。
†8 全ての周波数範囲について全ての検波での限度が規定され
ているわけではない。一部の検波の限度のみが規定されている
場合には、その限度のみを適用する。
†9 これは、検波器の特性上、測定のばらつきによる若干の逆
転の可能性を除き、PK での測定値 ≥ QP での測定値 ≥ AV で
の測定値 となるためである。
†10 QP 検波器は特に応答が遅く、最小のド ウェル・タイムは
1 秒とされている。30 ∼ 1 000 MHz では、レシーバでの掃引
の周波数ステップは最大 50 kHz (レシーバの 120 kHz の測定
帯域幅の約 1/2) となるので、その周波数範囲全体を QP で掃
引すると 1 回の掃引に最低でも 5 時間以上を要することになる。
QP の限度を適用する場合、ノイズに変動がない (あるいは変動
の周期が 1 秒よりも大幅に短い) ならば 、先に PK での掃引を行
ない、それが QP 限度を超えた周波数についてのみ改めて QP
で測定を行なうようにすれば 、測定時間を相当節約できる場合
が多い。
†11 規格で示されているド ウェル・タイム (各周波数での観測
を行なう時間) や掃引速度は下限や上限であり、実際の測定に際
しては、ノイズの性質 (主にノイズの変動の周期) に応じた調整
が必要となる場合がある。これは試験時間に影響するので、動
作に伴うノイズの変動が予期される場合、可能であればその周
期が短くなるような動作条件を選んだ方が良いだろう。
エミッションの測定のための測定器としては、規
定された特性の帯域幅フィルタや検波器などを備え
た、CISPR 16-1-1 に適合したテスト・レシーバか
スペクトラム・アナライザが用いられる。†6
検波器としては尖頭値 (PK) 、準尖頭値 (QP) 、及
†2
70 ∼ 2 500 MHz で反射減衰量が 6 dB 以上のもの。
現時点では CISPR 25 に ALSE の特性に関する要求はな
いが 、CISPR 25 ed. 4 FDIS[2] で評価方法が提案されている。
†4 厚さ 0.5 mm 以上の、銅、黄銅、あるいは亜鉛めっき鋼板。
†5 長さと幅の比率が 7:1 以下のストラップを、300 mm 以下
の間隔で取り付ける。グランド・プレーンと壁や床とのあいだの
直流抵抗は 2.5 mΩ 以下でなければならない。この接続方法の
違いが ALSE 法での測定結果に大きな影響を与える場合がある
ことが知られているが 、これについては本稿では議論しない。
†6 一般的なスペクトラム・アナライザの多くは CISPR 16-1-1
には適合していない。また、CISPR 25 ed. 3 (2008) では、ス
ペクトラム・アナライザでの測定は、広帯域エミッションの繰り
返し周波数が 20 Hz を超える場合にのみ認められる。
†3
2
e-OHTAMA, LTD.
電源電圧
2.4
50
45
40
になる電源のコンポーネント試験における供給電圧
35
| Z | (ohms)
車両の 12 V や 24 V のバッテリに接続されること
は、テスト・プランで電源電圧が指定されていない場
合、CISPR 25 ed. 2 (2002) の場合は 13.5±0.5 V や
30
25
20
15
27±1 V 、CISPR 25 ed. 3 (2008) の場合は 13±1 V
や 26 ± 2 V とする。
10
5
0
0.1
10
100
Frequency (MHz)
電源のインピーダンスの管理
2.5
1
図 3: 5 µH/50 Ω AN のインピーダンス (理論値)
試験に際して電源のインピーダンスを管理するた
めに、そして電圧法においては電源線上の測定すべ
• ローカルでの接地 — 電源リターン線が 200 mm
以下の場合†13
き高周波成分のみを取り出して測定器に送るために、
AN (artificial network)
†12
と呼ばれるものが用いら
れる。
12 V や 24 V などの直流電源に使用する AN は、
5 µH/50 Ω AN 、あるいは単に 5 µH AN と呼ばれ
AN を 1 台だけ用い、給電線 (バッテリのプラ
ス側への接続) のみを AN を介して接続し 、電
源リターン線はグランド・プレーンを介して接
るもので、図 2 に示すような構成の、測定ポートを
続する
50 Ω で終端した時に図 3 に示すようなインピーダ
• 遠隔での接地 — 電源リターン線が 200 mm よ
りも長い場合
ンス特性を示すものである。
AN の測定ポートは、電圧法でその線の測定を行
なう時には同軸ケーブルを介して測定器の 50 Ω の
AN を 2 台用い、給電線と電源リターン線の双
入力に接続するが 、その他の時には 50 Ω の終端器
方を AN を介して接続する
(AN 内蔵のもの、あるいは外付けの同軸終端器) で
AN の金属の筐体はグランド・プレーンに直接接
終端する。
続する。また、電源のマイナス側の線は、AN を用
AN は、ALSE 法など 、100 MHz (108 MHz) を
超える周波数での測定を行なう場合にも用いられ
いない場合は勿論、AN を用いる場合にもその電源
るが、そのような高い周波数についてはインピーダ
それぞれの場合の接続のイメージは、電圧法の場
ンスが規定されていないことに注意することが望ま
合について、図 6 と図 7 に示す。CISPR 25 ed. 3
しい。
では、電圧法以外では AN は EUT にではなくロー
A
側でグランド ・プレーンに接続する。
ド・シミュレータに接続するような図となっている
P
が 、基本的な考え方は電圧法の場合と同様である。
5 µH
0.1 µF
ÿÿ
1 µF
1 000 Ω
ÿÿ
ÿÿÿ
DUT
50 Ω
B
2.6
B
EUT の配置
EUT (被試験装置; DUT と呼ばれることもある)
は、低誘電率 (εr ≤ 1.4) の絶縁材†14を用いて、グ
図 2: 5 µH/50 Ω AN の構成
ランド・プレーンから (50 ± 5) mm の高さに置く。
EUT の筐体は、それが実際の設置に際して車体
に接続される場合のみ、短いワイヤでグランド・プ
AN は、実際の設置に際しての電源リターン線 (バ
ッテリのマイナス側への接続) の長さに応じて、次
のような形で用いられる:
†12
レーンに接続する。
†13 自動車上の電装品の配線で伝統的に行なわれているように、
電源リターンをワイヤで戻す代わりに装置の近くで車体に落と
すような場合。
†14 密な材料は誘電率が高いため、発泡材 (例えば発泡ポリス
チレン ) が用いられる。
LISN (line impedance stabilization network) とも呼ば
れる
3
e-OHTAMA, LTD.
2.7
ロード ・シミュレータ
2.8
ロード・シミュレータは、EUT を動作させる役割
EUT の動作条件
EUT は、意図された使用方法の範囲内で、エミッ
に加え、その位置でのハーネスの終端インピーダン
ションが最大となるような条件で動作させる。
スを管理する役割を持つ。†15 ロード・シミュレータ
一般には、ノイズを発生するかも知れない全ての
としては、実際のデバイスそのもの、あるいは実際
部分を動作させ、また適切な負荷をかけることが必
のデバイスを追加の回路と組み合わせたものが用い
要となるであろう。だが、負荷が軽い時や間欠的に
られることも、実際のデバイスとは全く異なるもの
動作させた時の方がエミッションが高くなるような
(例えば単なる終端抵抗) が用いられることもある。
試験に際して、ロード・シミュレータはグランド・
プレーン上に直接置き、それが金属の筐体に入れら
場合もあり、全ての部分を最大負荷で連続動作させ
ることが可能であるとしても、その条件だけを考え
れば良いとは限らない。
れている場合にはそれをグランド・プレーンに接続
どの条件が最悪となりそうかが明確ではない場合
する。
や同時に動作しない機能がある場合などは、様々な
動作条件を含む動作シーケンスを組む、複数の動作
EUT を動作させるために 、ロード ・シミュレー
条件での測定を行なう、あるいは適切な動作条件の
タとは別に周辺装置が必要となることもある。この
決定のために予備測定を行なうなどの対応が必要と
ような周辺装置は決められた位置に置かれたロー
なるかも知れない。
ド ・シミュレータやフィルタなどを介して接続し 、
接続する周辺機器やそのインピーダンス、それと接
続するための配線などが測定結果に悪影響を与えな
2.9
限度値
いようにすべきである。また、そのような周辺装置
く、光ファイバで接続する、シールド・ルームの壁
CISPR 25 では、測定法、及び周波数帯毎に、該
当するそれぞれの検波に対してクラス 1∼5 の 5 段
階の限度値が規定されている (図 4, 図 5)。この限
の位置に取り付けたフィルタを介して接続するなど
度を用いる場合、コンポーネントの製造業者と顧客
の手段を用いることが望ましい。
は、どの周波数帯についてどの限度に適合すべきか
をシールド・ルームの外に置く場合、導体をシール
ド・ルームの壁の貫通穴を通して引き出すのではな
をその中から選択して取り決めることになる。
試験に際して、ロード・シミュレータや周辺機器
クラス 1 は最も緩く、クラス 5 は最も厳しくなっ
からのノイズが試験に悪影響を与えることも珍しく
ており、そのコンポーネントが搭載される車両上で
ない。†16 †17 ロード ・シミュレータや周辺機器から
の使用が想定されるそれぞれの周波数帯について、
ノイズが出るかも知れない場合には、このリスクの
例えば 、実際の車両上でそのコンポーネントが無線
低減のため、それらをしっかりとシールドし 、出入
受信機への干渉を起こしにくい、かつ/もしくは比
りする全ての線を厳重にフィルタしておくことが望
較的高いレベルの干渉が許容できる場合には低いク
ましい。
ラスを、実際の車両上でそのコンポーネントが無線
受信機への干渉を起こしやすい、かつ/もしくは低
いレベルの干渉が期待される場合には高いクラスを
選択できると考えられる。
だが 、OEM 規格では、CISPR 25 で示されてい
†15
ロード ・シミュレータの試験への影響については 、§4.1.3
も参照されたい。なお、TEM セル法 (§3.4) の場合は、ハーネ
スの終端インピーダンスはハーネスを TEM セルから引き出す
箇所に取り付ける低域通過フィルタで管理される。
†16 CISPR 25 では、それらのノイズが限度値よりも 6 dB 以
上低いことが要求されている。
†17 ノイズがど ちらからのものであるかを一方の電源を切るこ
とで判別できることもあるが 、EUT の電源を切ると周辺機器
からのノイズの出方が変わる (例えば通信が止まってノイズが消
える、など ) 場合などもあり、常にそれで判別できるとは限らな
い。また、限度値を超えているのが EUT 以外からと思われる
ノイズのみであるとしても、一般にはそれを除外して合格と判
定することは認められない。
るものとは異なる、かなり厳しい限度値が規定され
ていることも多い。
また、ECE R10.05[3][4] では、充電モード 以外に
ついては、30 ∼ 1 000 MHz についてのみ、QP (広
帯域限度) と AV (狭帯域限度) のかなり緩い限度値
のみが規定されている。†18
†18 ECE R10.05 のこの限度は明らかに AM ラジオを保護せ
ず、またその緩い限度はその車両上の FM ラジオの保護のため
4
GPS L1 civil
GSM
1800
(PCN)
GSM
19002000
3G
IMT
2000
3G
// IMT
Bluetooth/802.11
RKE
Analogue UHF
RKE
VHF
• ALSE 法:
0.15 ∼ 2 500 MHz
CISPR 25 ed. 2 (2002) では 0.15 ∼ 960 MHz
SDARS
DAB L band
80
TV DAB
Band III
III
VHF
VHF
TV Band I
FM
CB
SW
MW
LW
Emission limits (dBµV/m)
100
DTTV
TV Band IV/V
CISPR 25:2008 ALSE method, Peak limits
120
GSM 1000UHF
EGSM/GSM
Analogue
900
e-OHTAMA, LTD.
• TEM セル法:
Class 1
Class 2
60
0.15 ∼ 245 MHz
Class 3
Class 4
• ストリップライン法 (参考):
Class 5
40
0.15 ∼ 960 MHz
20
CISPR 25 ed. 2 (2002) には含まれない
0.1
1
10
Frequency (MHz)
100
1000
図 4: 限度値の例 (CISPR 25 ed. 3 (2008) ALSE 法 尖
頭値限度)
3.1
電圧法
電圧法では、EUT への給電線のみ (ローカルでの
接地の場合) 、あるいは給電線と電源リターン線のそ
CISPR 25:2008 Current−probe method, Class 1 and 5 limits
100
れぞれ (遠隔での接地の場合) の上のノイズ †20を、
Class 1, QP
Class 1, AV
AN を用いて測定する (図 6, 図 7)。
60
Class 5, PK
C
Class 5, QP
Class 5, AV
40
00
+2
-0
20
0
20
E
25
ed.
)
02
20
2(
R
ISP
5
R2
20
3(
)
08
ed.
SP
CI
UT
50
Emission limits (dBµA)
80
Class 1, PK
0
−20
0.1
1
Frequency (MHz)
10
100
図 5: 限度値の例 (CISPR 25 ed. 3 (2008) 電流法、クラ
ス 1 とクラス 5 の各検波の限度)
3
図 6: 電圧法のセットアップ (ローカルでの接地)
測定法
CISPR 25 ed. 3 (2008) では、テスト・ベンチ上
や試験用セル内でのコンポーネント測定法として、
以下のものが述べられている: †19
3.2
• 電圧法:
電流プローブ法
電流プローブ 法では 、ハーネス全体 (CISPR 25
0.15 ∼ 108 MHz
ed. 3 (2008) の場合) 、あるいは制御/信号リード 全
体 (CISPR 25 ed. 2 (2002) の場合) に電流プロー
• 電流プローブ法:
ブを取り付け、その束を流れる電流を測定する (図
0.15 ∼ 108 MHz
8)。†21 †22
†20
グランド ・プレーンと測定対象の線のあいだに現れる電圧
で、コモン・モード とノーマル・モード の双方の成分を含む。
†21 電流プローブをハーネス全体に取り付けた場合はノーマル・
モード の電流は相殺され 、結果に現れないが 、干渉の主な原因
となるのはハーネス上のコモン・モード ・ノイズであり、通常、
この形で測定すれば充分と考えられる。
†22 OEM 規格などで、ハーネス内のワイヤを個別に測定する
ように求められることがあるかも知れない。このようにした場
合、ワイヤを流れる信号やその高周波成分が測定周波数範囲内
にも充分ではなさそうである。ECE R10.05 のこのエミッショ
ン限度は 、その車両上の受信機ではなく、近隣の受信機の保護
を意図したものと考えられる。“REESS 充電モード ” (電気自動
車などを外部の電源から充電している状態) については 0.15 ∼
30 MHz の伝導エミッション限度の規定もあるが 、これも同様
で、またこの測定では CISPR 25 は用いられない。
†19 ALSE 法、TEM セル法、及びストリップライン法のセット
アップは、それぞれイミュニティ試験で用いられる ISO 11452-2 、
ISO-11452-3 、及び ISO 11452-5[5] と良く似ている。
5
e-OHTAMA, LTD.
の距離に、1 000 MHz 以下ではハーネスの中心の正
)
02
C
5
R2
ISP
2
ed.
(20
08
d.3
R
SP
(20
)
面に、1 000 MHz 以上では EUT の正面に置く (図
e
25
CI
9∼図 11)。†23
T
EU
00
+2
0 -0
典型的には受信アンテナとしては次のようなもの
50
20
が用いられ、30 MHz 以下については垂直偏波のみ、
30 MHz 以上については垂直偏波と水平偏波での測
定が行なわれる:
• 0.15 ∼ 30 MHz
1 m アクティブ・モノポール・アンテナ
• 30 ∼ 300 MHz
図 7: 電圧法のセットアップ (遠隔での接地)
バイコニカル・アンテナ
• 200 ∼ 1 000 MHz
図 8 に示すように電流プローブの位置が複数指定
されているが、§4.1.1 で述べるように、その位置に
対数周期アンテナ (LPDA) †24
よって一部の周波数での測定結果が大きく異なった
• 1 000 MHz ∼
ものとなることがある。
ホーン・アンテナ (ダブルリッジド・ウェーブ
ガ イド ・ホーン・アンテナ)
T
EU
d
50
3.4
0
+30
-
00
900
17
0
1
TEM セル法では 、EUT を TEM セル内に配置
CISPR 25 ed.2 C ÿÿ ÿÿÿÿÿ
CISPR 25 ed.3 CCÿ ÿÿ ÿÿÿ
ÿ
し 、TEM セルの同軸コネクタに現れる電圧を測定
する (図 12, 図 13)。
EUT
CISPR 25 ed.2 (2002)
測定可能な 周波数の 上限は TEM セル の 大き
EUT
CISPR 25 ed.3 (2008)
さから決まり、セルの高さが 600 mm の場合は
図 8: 電流プローブ法のセットアップ
3.3
TEM セル法
0
50
200 MHz 、1 200 mm の場合は 100 MHz となる。
EUT からの線は、§2.5 で述べた AN と似たイン
ピーダンス特性を持つ低域通過フィルタを、あるい
はそれが信号線の特性のために適切でない場合には
ALSE 法
これと異なる適切なフィルタを通して引き出す。こ
ALSE 法では 、ALSE (absorber-lined shielded
enclosure; 電波暗室) 内で 、EUT やハーネスから
のフィルタは、状況に応じて、TEM セルのコネク
空間に放射される電磁界を受信アンテナを用いて測
†23 一般に、低い周波数ではハーネスからの放射が支配的と考
えられるが 、周波数が高くなると EUT からの放射の寄与が高
くなるとともに使用される受信アンテナの指向性が鋭くなる傾
向があり、受信アンテナをハーネスの中央に向けて置いたのでは
適切な評価を行なえなくなる可能性が高まる。このため、この
規格では、1 GHz を区切りとして受信アンテナの位置を変える
ようになっている。受信アンテナを EUT の正面に置いた場合、
ハーネスの大部分が受信アンテナの視野から外れる可能性が高
いが、1 GHz 以上の周波数では、ハーネスは EUT から 10 cm
程度までの部分が視野に入っていれば充分と考えられる。
†24 200∼300 MHz がオーバーラップしているが、これはバイ
コニカル・アンテナと対数周期アンテナの双方で重複して測定
を行なうことを意味するわけではない。これらのアンテナを用
いる場合、通常、200 MHz か 300 MHz でアンテナの切り替え
が行なわれる。
定する。
EUT は、グランド・プレーンの前縁から 200 mm 、
高さ 50 mm の位置に置く。ハーネスは、グランド・
プレーンの前縁から 100 mm 、高さ 50 mm の位置
に、1.5 m がグランド・プレーンの前縁と平行とな
るように引く。受信アンテナは、ハーネスから 1 m
に入った場合、それもそのまま測定されることになる。従って、
このような測定法で測られるエミッションを低く抑える必要が
ある場合、基本設計からの配慮が必要となるだろう。
6
e-OHTAMA, LTD.
1m
90
90
T
EU
T
EU
0
20
0
20
1000
00
15
0
50
1
100
900
50
900
50
100
100
1000
図 11: ALSE 法のセットアップ (1 000 MHz ∼)
図 9: ALSE 法のセットアップ (∼ 30 MHz)
ÿÿÿÿ
ÿÿÿÿ
ÿÿÿÿÿÿ
90
ÿ
EU
T
ÿÿÿ
ÿÿÿÿÿÿ
ÿÿÿÿÿÿ
ÿÿÿÿÿÿÿÿ
ÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿ
ÿÿÿÿ
ÿÿ
ÿ
DUT
ÿ
0
20
図 12: TEM セル法のセットアップ
0
0
15
ÿ
1000
100
900
50
100
図 10: ALSE 法のセットアップ (30 ∼ 1 000 MHz)
b
DUT
タ・パネルに取り付けるか、あるいはその外に置い
て同軸ケーブルで接続することになるだろう。
b/6
ÿ ÿ ÿÿÿÿ ÿÿÿÿ
このフィルタは 30 MHz から最大測定周波数ま
W
でで 40 dB 以上の減衰を持たなければならず、そ
b / 24
の最小減衰量の例を図 14 に示す。このフィルタは
L
他の測定法でのロード ・シミュレータと同様に RF
図 13: TEM セル内の EUT とハーネスの配置
境界を作るものとなり、ハーネスの終端インピーダ
ンスを管理し 、そこから先に接続された装置や配線
の試験の結果への影響を低減するとともに、外部か
3.5
スト リップライン法
らのノイズの侵入を低減する。
この測定法は参考扱いとして示されているもので
ある。
この測定法では 、通常は図 16 のようにテスト・
ハーネスをストリップライン内に引いてストリップ
ラインの同軸コネクタに現れる電圧を測定する形と
7
e-OHTAMA, LTD.
50
Attenuation (dB)
40
30
20
10
0
1
10
100
1000
図 17: ストリップラインの例 (写真は Teseq 社提供)
Frequency (MHz)
図 14: 低域通過フィルタの最小減衰量の例
補足
4
4.1
測定結果の変動要因の例 — 電流プ
ローブ法の場合
電流プローブ法の場合について、測定結果に顕著
な影響を与える可能性がある、試験対象品側に起因
する要因のいくつかの例を示す。
図 15: TEM セルの例 (写真は Teseq 社提供)
このうち、電流プローブの位置は電流プローブ法
に特有のものであるが、それ以外の要因は他の測定
法での測定にも影響を与えることが予期される。†25
なり、この方法では 0.15 ∼ 400 MHz の周波数範
囲が測定可能と考えられる。
ストリップラインの高さの 1/3 以下の寸法の EUT
4.1.1
は、ストリップラインの中に入れ、ハーネス上のノ
電流プローブの位置の影響
図 8 に示したように、この規格では電流プローブ
イズのみではなくそれ自身からの放射を含めての測
の取り付け位置を変えて測定を繰り返すように述べ
定を行なうこともできる。
られており、これはハーネスが非常に長い†26ことか
ら生じる可能性がある測定レベルの変動を緩和する
ためと考えられる。
0
0
43
00
25
10
00
0
+5
0 −0
この影響を推定したもの†27を図 18 と図 19 に示す
50
20
0
+5
0 −0
が、図 18 の条件では、電流プローブを d = 500 mm
EUT
に置いて測定した場合、40 MHz 近傍での測定結果
20
740
が著しく低くなりそうなことがわかるだろう。
150
1500
なお、図 18 の推定では、どの周波数についても
電流プローブの位置を d = 1450 mm (ロード ・シ
((
ミュレータから 50 mm) とした時が最大となってい
図 16: ストリップライン法のセットアップ (寸法は 50 Ω
ストリップラインのもの)
†25 ALSE 法においては、ハーネスの長さや配置、ロード・シ
ミュレータの配置やインピーダンスの変化などが放射パターン
の変化も引き起こすことも予期される。[6] この測定は受信アン
テナの位置は固定で行なわれることから 、放射パターンの僅か
な変化が測定結果の大きな変動をもたらす可能性が考えられる。
†26 100 MHz での波長 λ は 3 m (自由空間中での値) 、λ/4 は
0.75 m となる。
†27 ハーネスを無損失伝送線路とみなした理想化したモデルに
よる単純な推定であり、正確なものではない。また、実際のハー
ネスでは信号の伝搬速度が若干遅くなる場合があるが 、その影
響も考慮していない。
8
e-OHTAMA, LTD.
るが 、これはこの推定で EUT 側のインピーダンス
守る†29とともに、再現性が重要な場合には、同一の
を 50 Ω 、ロード ・シミュレータ側を短絡 (0 Ω) と
試験では常に同じ長さのハーネスを用いることが 、
しているためであり、常にそうなるわけではない。
可能であれば同一のハーネスを用いることが望まし
†28
Emission Level
Emission Level
いだろう。
Frequency (MHz)
Frequency (MHz)
ハーネス長 L = 1500 mm 、EUT のインピーダンスを 50 Ω 、
ロード ・シミュレータ側は短絡としての推定
電流プローブ位置 d = 500 mm 、EUT のインピーダンスを
50 Ω 、ロード ・シミュレータ側は短絡としての推定
図 18: 電流プ ローブ の位置の影響 (CISPR 25 ed. 2
(2002))
図 20: ハーネス長の影響
4.1.3
ロード ・シミュレータのインピーダンスの
Emission Level
影響
しばしば見過ごされているように見受けられるが、
§2.7 でも述べたように、ロード・シミュレータはテ
スト・ハーネスの終端のインピーダンスを管理する
役割を持ち、その特性が試験結果に著しい影響を与
えることが予期される。
電流プローブ法はハーネスを流れるコモン・モー
Frequency (MHz)
ハーネス長 L = 1700 mm 、EUT のインピーダンスを 50 Ω 、
ロード ・シミュレータ側は短絡としての推定
ド 電流を測定するものであるので、ロード・シミュ
レータのグランド・プレーンに対するインピーダン
図 19: 電流プ ローブ の位置の影響 (CISPR 25 ed. 3
(2008))
スが高い場合、電流の流れが妨げられ、低い周波数
での測定結果は著しく低いものとなる。
この影響を推定したものを図 21 に示すが 、ロー
ド ・シミュレータ側を開放 (高インピーダンス) と
4.1.2
した時には、電流プローブをどの位置にしても低い
ハーネス長の影響
周波数のレベルが著しく低くなるであろうことがわ
ハーネス長の違いの影響を上と同様の方法で推定
かるだろう。
したものを図 20 に示す。
測定を適切に行なうためには、ロード・シミュレー
プローブの位置を変えて測定を繰り返せばその影
タがノーマル・モード・インピーダンス†30のみでな
響は緩和されるものの、この図で見られるように、
く、全測定周波数にわたるコモン・モード・インピー
ハーネス長も測定結果にかなりの影響を与える可能
性がある。従って、規格で定められたハーネス長を
†29 試験によって異なる長さのハーネスが規定されている場合
にはそれぞれの長さのものを用意すべきであり、異なる長さの
もので代用したり長いハーネスを折り畳んで使用したりすべき
ではない。
†30 ハーネス内の線と線のあいだのインピーダンスで、しばし
ば回路の動作に影響するため、回路設計者はこれは考慮してい
ることが多い。
†28 図 21 の赤の点線で示されるように、ロード ・シミュレー
タ側のインピーダンスが高い場合、ロード ・シミュレータから
50 mm の位置でのレベルは著しく低くなることが予期される。
9
e-OHTAMA, LTD.
ダンス†31を適切に管理することが非常に重要とな
ンピーダンスとなっているか、それとも高インピー
†32
ダンスとなっているか、など ) が 、測定結果に予期
る。
できない影響を与える可能性が考えられる。
また、ロード・シミュレータの先に長いハーネス
や周辺装置が接続される場合も、ロード・シミュレー
EUT
C CAN
ÿÿÿÿÿÿÿÿ ÿÿÿÿÿÿÿ
ÿ
タで充分に減結合が行なわれていれば 、そこから先
ÿ
USB (2 m)
120
に接続されるハーネスや装置が試験の結果に悪影響
PC
を与えにくくなると期待される。だが、減結合が適
切に行なわれていない場合は、その先に接続された
ハーネスや装置も試験の結果に大きな影響を与える
Emission Level
Emission Level
可能性がある。
Frequency (MHz)
ハーネス長 L = 1500 mm 、EUT 側インピーダンスを 50 Ω
とし 、CAN トランシーバの CAN 側と PC 側のあいだのイン
ピーダンスが低いと仮定し 、PC 端を短絡 (青) とした場合と開
放 (赤) とした場合の推定;
d = 500 mm (実線), 1000 mm (破線), 1450 mm (点線)
図 22: CAN のコモン・モード・インピーダンスが制御さ
れていない場合
Frequency (MHz)
ハーネス長 L = 1500 mm 、EUT のインピーダンスを 50 Ω
とし 、ロード ・シミュレータ側を短絡とした場合 (青) と開放と
した場合 (赤) の推定;
d = 500 mm (実線), 1000 mm (破線), 1450 mm (点線)
図 21: ロード ・シミュレータのインピーダンスの影響
だが、図 23 に示すように、CAN トランシーバの
手前で CAN のラインのコモン・モード・インピー
ダンスを制御し 、またそこから先のラインを減結合
4.1.3.1
した場合には、その先の部分の影響が著しく軽減さ
例: 周辺装置として CAN ト ランシーバ
れることが期待される。
とコンピュータを用いる場合
対向器として CAN トランシーバ (変換器) とコン
ピュータ (PC) を用いたセットについて、CAN の
C CAN
ÿÿÿÿÿÿÿÿ ÿÿÿÿÿÿÿ
ÿ
EUT
ÿ 0.01 mH
60
USB (2 m)
60
4.7 nF
PC
ハーネス上のノイズを測定する場合を考える。
この場合、CAN トランシーバをロード ・シミュ
CAN のラインのコモン・モード ・インピーダンス
が制御されていない (RF 境界としての役割を適切
に果たしていない) 場合には、図 22 に示すように、
Emission Level
レータとして考え、規格に忠実に配置したとしても、
CAN トランシーバ、それと PC とを接続するケー
ブル、そして PC やその状態 (例えば 、それが低イ
†31 ハーネスとグランド ・プレーンとのあいだのインピーダン
スで、回路の動作に影響しないことも多く、あまり意識されない
ことがある。
†32 ALSE 法のように高い周波数までの測定を行なう場合には、
ロード ・シミュレータはその最大の周波数までのインピーダン
スを管理することが望ましい。通常は AN のインピーダンスは
100 MHz までについてのみ管理されており、それよりも高い周
波数でのインピーダンスは不明であるので、このような高い周
波数まででの測定で AN をハーネスの終端に用いることは好ま
しくないかも知れない。
Frequency (MHz)
ハーネス長 L = 1500 mm 、EUT 側インピーダンスを 50 Ω 、
テスト・ハーネス端を 120 Ω/2 + 4.7 nF での終端とし 、PC
端を短絡 (青) とした場合と開放 (赤) とした場合の推定;
d = 500 mm (実線), 1000 mm (破線), 1450 mm (点線)
図 23: CAN を分割終端してコモン・モード・インピーダ
ンスを制御した場合
10
e-OHTAMA, LTD.
EUT の接地ワイヤの影響
4.1.4
CISPR 25 ed. 4 での改訂
4.2
現在改定作業が進められている CISPR 25 ed. 4[2]
CISPR 25 では、実際の使用に際して接地される
EUT もグランド ・プレーンから 50 mm の高さに
置かれ、接地ワイヤでグランド・プレーンに接続さ
では、次のような大きな変更が予期される:
• ハイブリッド 自動車などで用いられる高圧直流
れる。
電源を用いる装置の測定方法や、その測定で用
この接地ワイヤは インダ クタン スを与え 、一方
いられる高圧直流電源用の AN (HV-AN) の規
EUT とグランド ・プレーンとのあいだにはキャパ
定などの追加
シタンスが生じるので、これが並列共振回路となっ
• 電気自動車やプラグイン・ハイブリッド 自動車
などの充電モード での測定方法の追加
て共振周波数近傍で著しいインピーダンスを生じ 、
試験の結果に影響を与える可能性が考えられる。
図 24 はこの影響を推定したもので、EUT とグラ
• ALSE の性能評価の方法 (参考)
ンド・プレーンとのあいだのキャパシタンスを 20 pF 、
接地ワイヤのインダ クタンスを 200 nH †33と仮定
した時、その共振周波数となる 80 MHz 付近での
5
エミッションの著しい低下が推定されている。
実際の測定でこの共振周波数が測定周波数範囲内
[1] CISPR 25 ed. 2 (2002) & ed. 3 (2008), Vehicles, boats and internal combustion engines –
Radio disturbance characteristics – Limits and
methods of measurement for the protection of
on-board receivers, IEC, 2002 & 2008
に入るかど うかは微妙かも知れず、それが測定周波
数範囲内に入ったとしても著しい影響を受ける可能
性があるのはその近傍のごく限られた周波数範囲の
みで、比較的影響は小さそうである。だが、できる
[2] CISPR/D/432/FDIS (CISPR 25 Ed. 4.0 FDIS),
Vehicles, boats and internal combustion engines
– Radio disturbance characteristics – Limits and
methods of measurement for the protection of
on-board receivers, IEC, 2016-09
限り短い接地ワイヤを用い、また再現性が重要な場
合には同一の長さの接地ワイヤを同じような形で取
り付けることは、この問題の軽減の役に立ちそうで
ある。
Z: 0 Ω
[3] ECE Regulation No. 10 Revision 5, Uniform
provisions concerning the approval of vehicles
with regard to electromagnetic compatibility,
United Nations, 2014
0.01
1
10
Freqyency (MHz)
Z: 20 pF // 100 nH
0.1
Z: 20 pF // 200 nH
Emission Level
1
参考資料
http://www.unece.org/trans/main/wp29
/wp29regs1-20.html
[4] ECE Regulation No. 10.05 の概要, 株式会社 e・
オータマ, 2014–2015,
http://www.emc-ohtama.jp/emc/reference.html
[5] ISO 11452 シリーズの概要, 株式会社 e・オータ
マ, 2014–2016,
http://www.emc-ohtama.jp/emc/reference.html
100
ハーネス長 L = 1500 mm 、電流プローブ位置 d = 1000 mm 、
EUT 側インピーダンスを 50 Ω 、ロード ・シミュレータ側を短
絡とし 、EUT とグランド・プレーンの接続のインピーダンスを
変えた場合の影響
[6] Test harness length in CISPR 25 ALSE
method and electric field pattern at 1 m distance, T. Sato, 2016
http://t-sato.in.coocan.jp/compliance
/cispr25-alse-field-pattern/
図 24: EUT の接地ワイヤの影響
c 2016
†33
5 cm の間隔で置かれた 20 cm 角の平板のあいだのキャパ
シタンスは、エッジ効果を含めて 20 pF 程度となると推定され
る。200 nH は、しばしば用いられる 1 nH/mm としての概算
で 20 cm のワイヤに相当する。
e-OHTAMA, LTD.
All rights reserved.
免責条項 — 当社ならびに著者は、この文書の情報に関して細心
の注意を払っておりますが、その正確性、有用性、完全性、その
利用に起因する損害等に関し 、一切の責任を負いません。
11