報道資料 平成28年10月24日 NHK広報局 ロスト北斎 The Lost Hokusai 幻の巨大絵に挑む男たち 総合11月23日(水・祝)午後10時~10時49分 「冨嶽三十六景」など浮世絵といえば誰もが思い浮かべる作品を生み出した 江戸の絵師・葛飾北斎。元祖クールジャパンとして、世界にその名を知られる 日本人の一人で、荒波が強烈な印象を与える「神奈川沖浪裏」は”Great Wave” と呼ばれ、ヨーロッパでは「モナリザ」に次いで知られる絵画という。 かつて、この北斎が最晩年の 86 歳で手がけた、巨大な作品が存在した。幅 3 メートルもある大画面に、須佐之男命が疫病神たちを退治する様子が、きらび やかな色彩と、大胆な筆遣いで描かれたという肉筆の大群像画。まさに北斎版 の「ゲルニカ」とも言える大作だ。江戸・向島の牛嶋神社に奉納されたが、関 東大震災で焼失。その姿を知る手がかりは、明治末に写された、一枚のモノク ロ写真だけだった。 今年、11 月に開館予定の「すみだ北斎美術館」が、その写真を元に“幻の巨 大絵”を原寸大で復元するプロジェクトを始動。写真の明暗差の解析から、当 初の色を導き出すなど、最新技術を駆 使。単なる色の再現にとどまらず、北 斎独特の筆遣いを絵画修復の専門家 が分析。さらに北斎の膨大な作品を研 究してきた美術史家も加わって「失わ れた大作」の復元に挑む。まさにデジ タル時代だからこそ可能な壮大な試 みだ。 番組は、幾多の障害に直面しながら、 北斎芸術の復元にかける男たちを徹 底ドキュメント、北斎の人物像に迫る。 なぜ北斎はこの巨大絵を描いたの か?そこには、死や病を恐れる江戸の 人たちを絵筆で救おうとする絵師の 姿が浮かび上がる。実写とアニメーシ ョンを融合した新たな演出で、江戸社 会の実像をも解き明かす。 ※作品は「須佐之男命厄神退治之図」 (1845 年 北斎 86 歳筆 焼失)
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