青森市における地域の未利用資源等を活用した社会システムイノベーション推進事業導入 可能性調査業務提案競技要求水準書 1.業務の目的 青森市は全国で唯一県庁所在地において市内全域が特別豪雪地帯に指定される多雪都市 であり、この多量の雪を地域における未利用資源(雪冷熱エネルギー)として活用すること は、雪の海洋投棄などの地域課題の解決に寄与するとともに、未利用エネルギーの活用によ る化石エネルギー使用量の削減に大きく貢献することが期待される。 当該可能性調査のモデル対象施設である青森市中央卸売市場は、特定フロンを使用して いる空調機器の冷媒転換が喫緊の課題となっており、既存の冷媒に代えて雪冷熱エネルギ ーを低温倉庫における冷蔵に活用することで経費削減、CO2 削減を図るとともに、融雪に よる雪処理も併せて行なう複合的なシステムを検討し、雪の堆積場所の不足という課題を 解決するための、採算性も考慮したモデル事業を構築することを目的とする。 併せてこのモデルケースから、類似施設への水平展開を図るための条件整理、検討を行い、 青森市における未利用資源(雪冷熱エネルギー)を活用した低炭素社会の構築を目指す。 2.業務の要求水準 1.基礎調査 1.1 中央卸売市場の冷蔵設備仕様の調査 青森市中央卸売市場(青森市卸町1)内の青果低温倉庫の冷蔵設備の仕様や利用状況、 駐車場など敷地内の状況について把握する。 1.2 熱の供給量の調査 中央卸売市場内で排出、堆積する雪の利用可能量や、新たに提案する熱源設備の冷熱供 給能力の諸条件を整理する。 1.3 需要量の調査 青果低温倉庫における冷熱需要量や駐車場を融雪設備とする場合の必要熱量を算定す る。 ※1.1、1.2、1.3 に関し、電気使用量等の施設に関する情報は可能な範囲で市から提供 する。 1.4 関連法制度・規制の整理 冷熱エネルギー利用のための整備・運用に際して、関連する法制度・規制を、各段階(計 画・立案、調査、着工前、完成時、運転保守)で整理する。 2.利活用モデルの検討 2.1 モデル施設を対象とした具体的なシステムの検討 青果低温倉庫に設置されているコンデンサユニット(冷却器)を活用して、雪冷熱エネ ルギーを利用するための雪堆積場、熱源設備、冷蔵装置などエネルギー変換に係るシステ ムについて、求められる機能・能力などの発揮に必要な条件を整理する。 青果低温倉庫における冷熱需要量から、概ね2割程度以上の冷蔵能力を雪冷熱エネル ギーで代替するための最適なシステムを検討する。 2.2 ヒートポンプによる融雪の検討 2.1 のシステムの検討に加え融雪装置への冷熱利用についての可能性を検討する。 2.3 整備費及び維持管理費の算定 2.1、2.2 で整理した条件から、調査設計、整備、維持管理に必要な事業費を算定する。 3.利活用モデル実現可能性調査(評価) 3.1 システム導入時のエネルギー削減効果の調査 利活用モデルによる電気使用量・フロン使用量の直接効果・波及効果を試算する。 3.2 CO2 削減効果の算定 利活用モデルによる CO2 削減の直接効果・波及効果を試算する。また、事業実施によ る 2020 年度および 2030 年度における CO2 削減量も算定する。 3.3 事業採算性の調査 利活用モデルについて、事業採算性の検討を行う。 事業に要するイニシャルコスト・ランニングコスト及び導入可能な補助事業を想定し た上で、エネルギー削減効果及び設備耐用年数などからの損益分岐点を算出する。 3.4 モデル施設で検討した結果を市内類似施設へ波及させるためのシステムのモデル化 構築した利活用モデルを、冷熱需要のある類似施設へ波及させるための比較可能なモ デル化、パターンを構築し、具体の施設への技術転用について提案する。 4.資金調達の検討 民間金融機関や公的金融機関の融資情報を整理し、活用可能な資金調達方法を把握 するとともに、設備導入費用を軽減する方策として、補助金・交付金などの情報を収集・ 整理する。 5.事業化に向けた課題と対応策の検討 1.~4.の結果を踏まえ、事業化にむけた課題とその対応策を検討し整理する。 6.事業化に向けたスケジュールの作成 事業を着実に進めるためのスケジュールを作成する。 7.成果品 調査報告書 5部 (ファイル製本) 上記の電子データ CD-R 2枚
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