No.218/新入生号(pdf 1.2MB)

私のお奨めの本
金持ち父さん貧乏父さん
(改訂版)
ロバート・キヨサキ 著
白根 美保子 訳
筑摩書房
お奨めの本を、
教職員からご紹介します。
教職員から
橋本 哲平 医学部事務室
主人公は、高学歴なのに収入が不安定な著者の父(貧乏父
を自分のために働かせるにはどうしたらよいかを学ぶことを
さん)と、著者の親友の父親で13歳のとき学校を中退した
奨めた。当初、筆者は主張の違う2人の大人の言うことに戸
億万長者(金持ち父さん)の2人の主張を対比し、幼少の頃
惑ったが、話を聞く中でお金に関することについては金持ち
の著者の視点で話が進んでいく。
「貧乏父さん」は常に金銭
お父さんの言う事を聞くことに決める。
問題に悩まされ、ついには家庭生活崩壊の窮地に立たされる。
この本は、2000年に出版されて以降、世界的なベストセラー
一方「金持ち父さん」はそれと全く別の対照的な人生を謳歌
となっている。内容的には自らがビジネス展開する上で何が
する。二人とも魅力的で周りに影響力を持つ存在であり、教
重要かが記されている。特にキャッシュフローに関する話は
育が大切という点では二人とも共通していたが、著者に勉強
興味深かった。しかし、地道に働くこと否定し、ビジネスオー
を進める対象が異なっていた。貧乏父さんは「学校で一生懸
ナーや投資家になり不労所得を得ることのみが多くのお金を
命勉強し、いい大学を卒業して、いい仕事につき、できるだ
得て幸せになるといったような極端な主張も見られる。
け多くのお金を稼ぐために働く。
」ために弁護士などの専門職
読み進めるうちに普段使っている「お金」についての価値
に就くか、MBAを取得するために大学院に入ることを奨め、
観や使い方、また「働く」ということについて考えるきっか
金持ち父さんは「金持ちになるために学ぶ。
」つまり、お金が
けになるような1冊です。
どのように働くを理解し、お金のために働くのではなくお金
写真部員作品 撮影者:北里会文化会写真部 吉川 亮
Sophia kai Ergon / No.218 31