生活者が健康になるコミュニティ実現の為 の考察と医療機関の役割 LisaKirimura M.D. ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 海と魚の関係 汚染された海(環境)でもがく魚(生活者)をキレイな水槽(病院) で治療して蘇生しても、元の汚染された海に戻せばまた苦しむ。 人は社会的文脈の中の存在 現代社会の中で生活する生活者に増加する生活習慣病へのア プローチは、生活者だけでなく社会に対しても行わなければ解決 できない! 海とお魚の両方をキレイにしなければ、お魚は元気にならない。 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 革新的アプローチの必要性 生活習慣病は現代社会の社会問題の一つであるが、 医療技術が発達しても増え続ける一方である。 社会に対しては、縮小する医療財源、増大する医療費問題の解決、 個人に対しては、長寿化と健康寿命確保 の為、 この問題の解決が不可欠である。 人は社会的文脈の中の存在である。 生活習慣病は、人と環境とその関係性の不適合(循環不全) によっておこるシステムエラーである。 従来、医師が個人の病気に対してアプローチを行ってきたが、 これだけでは欠陥がある。 生活者と環境、またその関係性への革新的アプローチにより、 これらのシステムがサスティナブルな循環を取り戻すと考えられる。 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 生活者と総合作用する環境 複合状態の日常的環境 家庭 学校 職場 地域社会など… 環境 ①物理・空間・施設的 ②経済的 ③政治・制度的 ④対人・家庭・組織・社会的 ⑤歴史・文化的 ⑥自然・生態的 生活習慣病 =人と環境の相互作用と関係性、その循環不全で 起こるシステムエラー ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 生活者を取り巻く環境の分析 家庭 生活者 仲間 サークル 学校 職場 ミクロシステム 地域 国 Pronfenbrennerの人間発達についての生態学的モデル改変 マクロシステム ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 環境と生活者・関係性へのアプローチ ①環境(時空間) 社会構造・機能を改革 環境調整・イノベーション ②生活者(存在) 情報・教育・体験・経験などを通して、 能力・判断基準・価値観・認知を 強化し、 意識変容⇒行動変容をもたらす ③関係性 社会的再構成OR形態形成 人と人との関係性回復 共同・協力・つながり 行動の原因は個人と環境との 相互作用にある ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 人のシステム(下位システム) 情報 INPUT 心のフィルター (判断基準) 心のパターン 習慣 知識 Image 体験 経験 認識 比較 判断 選択 心 感情/思考・決断 行動 体 行動パターン 習慣 人 生 OUTPUT 現在(結果) ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 環境 OUTPUTとしての生活習慣病の発生 環境からの 情報 INPUT 判断基準・価値観 ↓ 思考パターン PROCESS OUTPUT 行動パターン (習慣) 生活習慣病 OUTPUTを変えるには、 INPUTを変えることで、 PROCESSを変えなければならない 生まれた時から 個人を取り巻く環境から 様々な情報をINPUT 個々人の 判断基準を 形成 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 判断基準から来る 考え、感情、思考 行動 反 復 ・ 習 パ タ 慣 ン 化 化 INPUTとしての環境からの情報(データ) 会話 経験 体験 教育 時代 メディア ・ ・ 地域 ・ 国 家庭 メディア 友人・知人 周囲の人々 様々な経験 言語 受けた教育 文化 政治 経済状況 環境 生活習慣病をもたらす行動パターンの原因となる 判断基準・価値観を変えるには、 その原因となる環境からの情報を変える必要がある ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 生活者のふれる環境からの情報 1)教育 学校教育・家庭教育・母親教育 食育・患者教育・啓蒙 講演会・セミナー・ワークショップ 2)本 絵本・雑誌・単行本・冊子 3)テレビ・ラジオ 番組・CM 4)WEB メディア・Youtube・サイト・ブログ 5)SNS facebook・Instagram・LINE 6)コミュニティ タウン誌・ポスター・ポップ・イベント ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. システムの変革と維持(ホメオスターシス) 外的刺激 (情報や専門家の介入など) システムの変革 新しいシステムへのシフト 維持(ホメオスターシス) 生活者の健康問題に取り組むとき 個々の生活者の心身の問題(下位システム)だけでなく、 所属する家族・学校・職場・地域・社会制度・文化等 (上位システム)へもアプローチしなければならない。 個人とその環境のシステム、双方へ働きかけ、 また双方の関係性(組み合わせ・結びつき力・相互作用) を変えることで 望ましい変化を生むことができる。 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. その生活者の 所属する上位システム に変革をもたらす 生活者とコミュニティのエンパワメント向上 従来型の治療・指導・ケアモデル 未来型のエンパワメントモデル 主体的に問題解決 専門家上位 成長 依存 関係 介入 一方通行 患者下位 自立 セルフイメージ向上 生 生 生 Hub 生 生 生 生 生 生活者 中心 生 インタラクティブ 専門家 サポート 教育 コンサル 専門家のサポートにより 生活者の成長と心身の健康・自立を促す そして、生活者が情報発信者となり、 相互作用によりコミュニティ全体の 問題解決能力が高まり、健康増進 ↓ コミュニティのエンパワメントと成長 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. サポートネットワーキング形成 ※Hubとなる生活者をコンサルティとして育てる コンサルタント コンサルティ 専門家 医師 栄養士 PT/STなど 家庭:母親・父親 学校:教師 企業:経営者・管理職 地域:町内会長・商店街会長 料理店店主・スーパー店主・・・ メディア:ブロガー・コミュ運営者 twitter/SNSフォロワー数上位者 生 生 生 生 Hub 生 生 生 Hub 生 生 生 生 生 生 生 生 生 コンサルタント ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved. 相互に作用し合う持続可能な社会 持続可能なネットワーク社会システムの中で、 医療機関と生活者は上位と下位の関係性ではなく、 互いに作用し合うネットワークの中の一部としての関係性に シフトすることになる。 医療機関は専門知識を持つ専門家として 他の専門家らと密接に関係し合いながら、的確な情報を発信し、 社会の中で主体的に問題解決できる自立した生活者を育てること が可能になる。 それぞれの生活者は相互作用により互いに高め合い、 コミュニティ全体の問題解決能力が高まり、 エンパワメントが高まることで、 健康的で健全な社会システムの構築が可能になるのではないか。 ©2016LisaKirimuraAllRightsReserved.
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