ETERNUS TR series 仮想化虎の巻~オールフラッシュ

汎用ストレージと比較して
分かりやすく伝授
仮想化虎の巻
〜オールフラッシュ
ストレージ編〜
オー ル フ ラ ッ シ ュ は 仮想化に適しているか?
AFA +
VVOLで出来ることと
出来ないことは?
仮想マシン単位でパフォーマンスの
制作:富士通株式会社/ティントリジャパン合同会社
〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
富士通株式会社
保証をするには?
スト レ ー ジ 以 外 で ボ ト ル ネ ッ ク が
発生した際の見極め方は?
お問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200
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(土・日・祝日・年末年始を除く)
NANDとは? 何度言ったら わかるのか?
HDD のボトルネック
HDD はその構造の特性から、性能面ではほとんど進化していません。パフォー
HDD 搭載ストレージは、1 台の HDD が故障してもシステム全体に影響がでない
マンス(I/O 性能)を上げるためには磁気ディスクを高速回転させればよいので
よう、RAID による冗長構成にし、故障した HDD を交換してデータを復元させ
すが、ディスク回転数は最速でも 15,000rpm で今後も I/O 性能の進化は見込め
ます。しかし、この作業は、1 本の HDD 容量が大きければ、それだけ時間を要
ません。CPU の処理速度はナノ秒(1/1,000,000,000 秒)単位レベルで飛躍
します。作業中に別の HDD が故障し、訂正不能な読み取りエラーなどが起きたり、
的に向上しているのに対し、HDD のアクセス速度はミリ秒(1/1,000 秒)単位
データが消失してしまう危険性もあります。
レベルです。つまり、いくら高性能な CPU を搭載したコンピューターであって
も、HDD のアクセス性能がボトルネックになり、システム全体で十分なパフォー
マンスが発揮できない状況が発生しているのです。
SSD を選ぶべき理由
もう 1 つネックとして挙げられるのが、耐久性と信頼性です。
HDD は磁気ディスクが常に回転し、アームを移動させて書き込むという構造上、
外部からの衝撃、振動、経年劣化などによる故障が発生します。また、近年、ス
トレージの高集積化(高密度)により、発熱の課題が顕在化しています。
HDD(SAS ディスク)の耐久性と信頼性、そして何より I/O 性能が頭打ちになっ
ている状況において、注目されているのが、「NAND 型フラッシュメモリ」とい
う不揮発性メモリにデータを書き込む SSD です。
SSD の特長は、何といっても I/O 性能が高いことです。NAND 型フラッシュメ
モリは、HDD のような機械的な構造ではないため、シークタイムがなく、高速
なランダムアクセスが可能なのです。また、物理的に動作するモーターやアーム
がないため、外部からの衝撃で発生する故障のリスクも軽減されています。
CPU
SSD の容量は、今後、飛躍的に増加すると期待されています。その理由は、「3D
NAND フラッシュメモリ技術」の実用化です。
SSD
現行の NAND 型フラッシュメモリは、プレーナ(平面)型が主で、これ以上微
細化すると、性能が出にくくなったり、書き込み許容量が低下したり、読み取り
エラーが発生しやすくなったりする問題が指摘されています。
HDD
この技術的な限界を超えるのが、3D NAND フラッシュメモリ技術です。これま
での平面型の回路配置であったセル上に、何層ものセルを積層(多層化)し、微
細化によるパフォーマンスの低下を防ごうというものです。つまり、微細化によ
る密度向上が信頼性の低下やエラー発生率上昇を引き起こすのを防ぐことで、書
性能進化の比較。パフォーマンス(I/O 性能)ギャップは 100 万倍以上の開きがある
1
き換え耐久性や速度の向上、容量を増大させる方法です。
2
ニアライン 今後もまだまだ 現役生
プロセスルールに余裕がある 3D NAND フラッシュメモリは、3D NAND 型フ
複数のアナリストは、2017 年度中に SAS HDD と SSD の容量単価が逆転する
ラッシュメモリを搭載したストレージが幅広い容量帯で登場すると期待されてい
と指摘しています。そうなれば、SAS HDD 搭載ストレージは、SSD へと置き
ます。
換えられていくことになるでしょう。
では、ストレージの記憶媒体はすべて SSD に置き換えられるのでしょうか。そ
3D NAND
フラッシュメモリ
プレーナ(平面)型 NAND
フラッシュメモリ
微細化が進むにつれ線幅が狭くなり、寿
命や性能に悪影響を与える。NAND コン
トローラやエラー訂正技術の進化で対処
の答えは「ノー」です。なぜなら「ニアラインディスク」があるからです。
ニアラインディスクは、性能よりも大容量、低価格であることを重視して設計さ
1個のトランジスタ
セルを 32 層や
48 層と積層さ
せる
れ、これらと SSD の容量単価が逆転するのは、かなり先であると予測されてい
ます。今後しばらくは、アクセス頻度の少ないデータ、バックアップやアーカイ
ブにはニアラインディスク搭載ストレージを利用し、パフォーマンスが要求され
拡散層 ゲート
拡散層
る環境では SSD を活用するといった「記憶媒体の共存」がしばらく続くと予想
ゲート
1個のトランジスタ
余裕を持った線幅で
設計、製造できるた
め、高 速・大 容 量・
高寿命が実現可能
されます。
3D NAND は集積度が上がり、大容量化が期待できる
SSD が割高なのは過去の話
容量単価だけを比較すれば、HDD のほうが安価です。しかし、エンタープライ
ズ分野でのレベルを評価するのであれば、容量だけではなく性能単価にも注目す
べきでしょう。
例えば、10,000IOPS(I/O per Second)を RAID10(ストライプミラー)で
実現する場合、HDD は 100 本必要(1 本あたり 200IOPS として)なのに対し、
SSD なら 2 本のミラーリングだけで実現できます。つまり、少ない台数で十分
な性能を得られるのです。さらに、消費電力を比較してみると、1 ドライブ当た
りの HDD の消費電力は、10 ~ 15W です。これに対し SSD は、何万 IOPS を
発揮するピーク時でも 10W 以下で、冷却の電気代、CO2 排出量なども少なく済
み、設置面積も比べものにならないくらい小さくなります。SSD は性能単価で言
えばかなり優位性があります。
3
HDD と SSD の性能比較。「3D NAND フラッシュメモリ技術」の実用化で SSD が飛躍
的な大容量化を遂げつつある
4
フラッシュは 読み書き特性 異なります
オールフラッシュストレージの
特性を理解する
苦手なデバイスです。データを書き換えるためには、一度データを「消去」して
から書き込みます。NAND 型フラッシュメモリの書き込みは「ページ」と呼ばれ
る単位で行います。一方、消去は複数の「ページ」をまとめた「ブロック」単位
でしか実行できません。1 つのページに書き込まれたデータを変更する場合には、
そのページを含むブロック全体を空きのあるブロックに移動させ、元データをブ
オールフラッシュストレージの最大の特徴は、I/O 性能が高く、高速な読み書き
ロック単位で消去したあと、改めてデータを書き込むという処理を行います。つ
が可能となることです。その一方で、データの書き換え回数制限による寿命や、
まり、一カ所の変更でもより多くのデータを書き込む必要があり、長期間、書き
長期間使用するとパフォーマンスが低下するといった、HDD とは異なる課題も
換えを繰り返すとセル(フラッシュメモリのデータを記録する最小単位)が磨耗
存在します。オールフラッシュストレージを選択する際には、こうした課題に対
し、パフォーマンスの低下を引き起こし、最終的に寿命を迎えてしまうのです。
してどれだけ工夫がされているのか、NAND 型フラッシュメモリの特性を十分に
考慮し、最適化されているのかを見極める必要があります。
▶ ポイント 2:
「インライン重複排除 / 圧縮」技術を理解する
書き換え回数に限界がある SSD の課題を鑑み、ストレージの多くは「重複排除 /
HDD と SSD ではデータの読み書きに関する内部構造が異なります。単に HDD
圧縮」技術を備えています。特に、データを SSD に書き込む前に重複排除処理
を SSD に入れ替え、RAID、ストライプサイズ、ファイルシステムを今まで通り
を実行する「インライン重複排除技術」が搭載されているかどうかは、大きな差
使用すれば、SSD の持つ高速性能を十分に享受できず、さまざまな弊害を引き起
別化ポイントです。書き込みの回数を削減することで、NAND 型フラッシュメモ
こしてしまう可能性があります。
リの製品寿命を延ばせるのです。また、実際の SSD 容量よりも多くのデータを
格納することができるようになるため、SSD の容量単価をより低く抑えることに
▶ ポイント 1:書き換え回数制限による寿命を理解する
も寄与します。
知っておきたいポイントは、「書き換え回数制限による寿命」です。NAND 型フ
ラッシュメモリは元あったデータの一部だけを「書き換える(上書き)」ことが
▶ ポイント 3 NAND 型フラッシュメモリ独自の「読み書きの性質」を理解する
単に HDD を SSD に置き換えただけでは SSD のメリットを享受できず、弊害を
引き起こす可能性があります。この問題は、HDD と SSD の扱うデータの単位に
起因します。HDD の多くはセクターと呼ばれる 512 バイトの単位でデータを扱
います。従来型のストレージはこのセクターサイズを基準にファイルシステムの
ブロックサイズ(数 KB)や RAID のストライプサイズ(数百 KB)を決めてい
ました。
対して SSD は、現在では 8KB や 16KB のページサイズを読み書きの最小単位
とし、書き換え消去には 512KB から 2MB 程度のブロックサイズを最小単位と
しています。
例えば HDD の時と同じような RAID ストライプサイズで SSD の RAID を構成
した場合、書き込みの度に全 SSD のブロックの消去の処理が重なり、性能は低
下し、早期に製品寿命を迎えます。よって、オールフラッシュストレージには、
HDD のセクターと比べて大きな SSD のページサイズ、およびブロックサイズを
考慮した設計が求められます。
HDD(左)と SSD(右)の各構成名称と仕組み
5
6
仮想化環境に最適化された
製品を理解する
AFA 速いだけでは 役不足
オールフラッシュストレージ(AFA)は、デスクトップ仮想化(VDI)システム
あらゆる I/O 要求がサーバーからストレージに押し寄せる状況においては、アク
のストレージに適しているとよく言われます。仮想デスクトップを一斉にブート
セスしてくる個々の仮想マシン(アプリケーション)の読み書き性質を認識し、
するような環境でも、高い I/O 性能で対応できるのです。
自動的に最適化するストレージが望まれます。
しかし、
「オールフラッシュストレージだから仮想環境に最適である」とは一概
こうした思想に基づき設計されているのが、富士通の仮想化環境専用ストレージ
にも言えません。ある特定の仮想マシンの I/O で、他の仮想マシンが影響をうけ
「ETERNUS TR series」です。
るという課題はオールフラッシュストレージでも変わりません。
多数の仮想マシンが存在する環境では、データがランダムアクセスになります。
さまざまな仮想マシンが個別にデータの I/O を発生させるからです。
また、ある仮想マシンがバックアップなどの継続的な処理を実行すると、他の仮
想マシンのパフォーマンスが低下することもあります。仮想化環境の規模が大き
くなるほど、多種多様なアプリケーションが混在し、さまざまなワークロードが
発生します。ワークロードには優先度があったとしても、ストレージ側が把握で
きなければ、来たものから順に I/O 処理を行ってしまいます。
汎用ストレージ
ETERNUS TR series
FIFO = I/O 渋滞が発生
VM / vDisk ごとにキューイング
VM1
VM2
VM3
VM4
VM5
仮想化環境専用ストレージ -ETERNUS TR series
OS には、仮想マシンごとに、稼働状況に合わせたストレージ性能を自動的に割
り当てる機能が搭載されています。また、I/O 渋滞を回避するため、各仮想マシ
ンに専用の「データレーン」を用意し、仮想マシン単位で最適な I/O を実現して
out
in
います。これにより、常にシステム全体を安定稼働させることができるのです。
*FIFO: First in, first out = 重要度に関係なく、早い者順で処理
out in
従来型のストレージ(左)はワークロードの優先度に関係なく I/O 処理を行うため渋滞が発生
する。ETERNUS TR series(右)は各仮想マシンに専用の「データレーン」が用意されるので
I/O 渋滞が発生しない
7
8
汎用ストレージ
ETERNUS TR series
高速も 車線がなければ 大渋滞
まだ仮想環境がなかった時代のストレージは、物理サーバと 1 対 1 の関係にあり
この問題を解決するのが、仮想環境に最適化された「ETERNUS TR series」で
ました。I/O は物理サーバごとに管理され、「LUN」と呼ばれるストレージ内の
す。汎用ストレージとはアーキテクチャが根本的に異なり、I/O 渋滞を発生させ
論理区画と物理サーバは 1 対 1 でマッピングされていたのです。
ることがありません。
しかし、仮想環境の台頭で、この関係性は崩れました。仮想環境では、物理サー
バの中にある、さまざまな仮想マシンが、ランダムに I/O 要求を行います。汎用
ストレージ(SAN ストレージ)ではワークロードの優先度にかかわらず、順次
▶ ETERNUS TR series は、ストレージ側が個々の仮想マシンや仮想ディスクを
認識したうえで、I/O 処理を直接管理します。
I/O を処理します。そのため、例えば 1 台の仮想マシンが過大な I/O 要求をした
場合には I/O 渋滞が発生し、他の仮想マシンの性能が低下します。
▶ ETERNUS TR series はそれぞれのアプリケーションのワークロードを専用レー
ンで分離して I/O 渋滞を回避し、パフォーマンスを最適化することで、システム
▶ 汎用ストレージは、LUN やボリューム単位でストレージ領域を切り分けて管理
全体を安定稼働させているのです。仮想マシンの動きを理解し、個々の要求に応
しなければなりません。I/O 処理は仮想マシン単位ではなく、SCSI ベースのブロッ
じて柔軟に処理する性能を備えるストレージは、ETERNUS TR series だけです。
クデータの塊での単位で行います。そのためストレージ側が、
「どの仮想マシンが、
最近ではオールフラッシュの高速ストレージも数多く登場しており、「処理能力
どのようなデータを出力しているのか」といった、仮想マシンごとの状況を把握
が高速であれば、I/O 処理をチューニングする必要がない」と安易に考えがちで
することはできません。その結果、データ処理の優先順位をつけることができず、
すが、それは早計でしょう。将来的にオールフラッシュのストレージが普及すれ
I/O 渋滞が発生してしまうのです。
ば、アプリケーション自体がそのストレージ性能に合わせて設計されます。そこ
での評価ポイントは、
「ストレージが各仮想マシンの動きを理解し、制御できる
機能を備えているか」なのです。
ETERNUS TR series
汎用ストレージ
仮想マシンA
仮想マシンB
99%READ
99%WRITE
仮想マシンA
仮想マシンB
99%READ
9 9 % W RITE
仮想マシンA用
仮想マシンB用
仮想マシン毎に性能予約するため、遅延が発生しにくい
仮想マシン A の READ 処理が終わっても、たった 1% の WRITE 処理が終了しないため
に遅延が発生する
9
ETERNUS TR series は仮想マシン単位で「専用 I/O データレーン」を設けているので、
他の VM のワークロードに影響されることがない。
10
表向き 簡素に見えても 中は複雑
汎用ストレージ +VVOL
ETERNUS TR series
▶ VMware の VVOL
(VMware vSphere Virtual Volumes)
は、VMware vSphere
▶ ETERNUS TR series は、仮想マシン単位で稼働状況を可視化でき、システム
6.0 から搭載されたストレージ管理のための API(Application Programming
遅延の特定と切り分けが可能です。また、仮想マシンの稼働状況をリアルタイム
Interface)で、VVOL によって、レプリケーションやスナップショットなど、
に把握し、リソースを自動的に割り当てる機能 QoS(Quality of Service)も
従来は LUN やボリューム単位でしか実行できなかった管理も、仮想マシンごと
備えているため、仮想マシンごとにパフォーマンスの最適化ができるのです。
に実行できるようになります。では、汎用ストレージに VVOL を導入することで、
仮想化環境に最適化することができるのでしょうか?
▶ もともと ETERNUS TR series は、仮想環境に特化した管理を目的に 1 から開
発されたストレージです。ですから、VVOL にかかわらず、仮想マシン上のアプ
▶ VVOL はストレージの仮想化対応のために用意された API です。そして、VVOL
対応することで実現される機能はストレージベンダーの実装方法に依存します。
リケーションやワークロードを安定稼動させられます。仮想環境が大規模になり、
仮想マシンの数が膨大になれば、その違いは明白になるでしょう。
例えば、サポートされる最大 VVOL 数や、仮想マシン単位の管理、性能の最適化
といった機能は、ストレージベンダーがいかに VVOL を実装するか次第なのです。
「VVOL は仮想マシン 1 台ごとに 1 つ用意される」というわけではありません。
V V O L 無 し の 従来型
SAN/NASストレージ
V V O L 有 り の 従来型
SAN/NASストレージ
▶ 1 つの仮想マシンに対してコンフィグ用、データ用、スワップ用と最低 3 つの
VVOL が、また仮想ディスクごとに 1 つの VVOL が必要になります。さらにスナッ
プショットを実行すれば、その世代数だけ VVOL が必要になります。例えば、3
VVOLs
つの仮想ディスクがある 1 つの仮想マシンに対して 7 世代のスナップショットを
取得した場合は、仮想マシンは 1 つであっても 33 個の VVOL が必要となります。
▶ 汎用ストレージの場合、サポートされる LUN やボリュームなどのオブジェクトの
最大数によって、サポートされる VVOL の数も異なります。1 システムのストレー
ジに収容できる仮想マシン数が期待するほど多くないという結果になりえます。
ETERNUS TR series
汎 用 ス ト レ ージ
ETERNUS TR series
収容可能VM数
収容可能V M数
数千 数万 VVOL程度まで
仮想マシン毎に
必要なVVOLの例
例:MAX VVOL=10,000の場合
数十万以上のVVOLをサポート
( T5080の場合)
9 (vDisk3,Snap1世代)
1 0 , 0 0 0 ÷ 9 =1 , 1 11 V M
3 ,5 0 0 V M
3 3 (vDisk3,Snap7世代)
1 0 , 0 0 0 ÷ 3 3 = 3 0 3 VM
5 ,0 0 0 V M
1+(3+1)*2
1+(3+1)*8
サポートする VVOL 数の影響。従来型の SAN ストレージの場合、サポートする最大
VVOL 数は、VVOL を構成するオブジェクト(LUN やボリューム等)の最大数に依存す
るため、収容できる VM 数に影響を及ぼす
11
VVOLの有無に関わらず、同じ価値を提供
VVOLs
汎用ストレージ(VVOL 有無)と ETERNUS TR series の違い。ETERNUS TR series は
VVOL の有無に関わらず、同じ価値を提供できる
12
汎用ストレージ
ETERNUS TR series
▶ それに対して ETERNUS TR series は、VM / vDisk 単位で稼働状況を自動
め、個別の仮想マシン(VM)や仮想ディスク(vDisk)の状態を把握すること
的に把握し、ストレージのリソースを自動的に割り当てる機能を備えています。
ができません。そのため、VM 単位で SLA (Service Level Agreement)や
IOPS やスループット、レイテンシーなどをモニタリングし、VM ごとに最適な
QoS(Quality of Service) を設定できないという課題を抱えています。
I/O ストレージリソースを自動的に配分します。突発的に I/O しても、利用可能
なリソースから自動的に割り当てます。このため、ピーク時や予想外の I/O ワー
▶ 汎用ストレージで IOPS 値を設定する場合には、LUN やボリューム単位となり
ます。複数の VM / vDisk を1つの LUN に配置する際には、ある程度オーバー
クロードを想定したストレージを設計しなくとも、常に安定したパフォーマンス
を提供できるのです。
プロビジョニングをして余裕を持たせる必要があります。そして、VM ごとに
QoS を設定するには1つの LUN に1VM を配置する必要があります。
▶ もちろん、VM / vDisk ごとに IOPS の上限値と下限値を手動設定することも可
能です。管理 GUI(Graphical User Interface)上で稼働状況を確認しながら、
▶ さらに、こうした設定は、すべて手動で行う必要があります。新たに VM /
ドラッグ&ドロップで最適なしきい値を設定できます。
vDisk が追加されたり、各 VM / vDisk の稼働状況が想定よりも増加したりし
た場合には、その都度、手動で設定しなければなりません。つまり、継続的にス
トレージを管理し続けなくてはならないのです。
▶ IOPS の上限値と下限値が設定された VM では、例えば、サービスプロバイダー
がアプリケーションの性能保証をしたり、金額によって異なるレベルのサービス
を提供したりすることも可能です。
サーバー
リソ ースプ ー ル
TIER 2
TIER 1
CPU
ストレ ー ジ
VM
VM
VM
VM
メ モリ
VM
VM
VM
VM
VM
VM
I
O
P
S
ネットワ ーク
VM
VM
VM
VM
VM
VM
20000
16000
12000
状況
8000
4000
min
max
MIN値とMAX値を階層化し
サービスレベルを分ける
min
max
0
VM
host network contention flash disk throttle
LUN
LUN
ハ イエンド
LUN
LUN
ミッドレ ン ジ
LUN
LUN
120
80
サービスレベルに応じた
パフォーマンスが与えられる
40
0
ロ ー エンド
従来型ストレージは LUN やボリューム単位でしかリソースを設定/管理できない
汎用ストレージは LUN やボリューム単位でしかリソースを設定 / 管理できない
13
遅延状況
仮想化も 自動運転 始まります
▶ 汎用ストレージは、LUN やボリューム単位でワークロードを管理しているた
個々の VM ごとに IOPS の上限値/下限値を設定できる。操作はドラッグ&ドロップで
最適なしきい値を設定するだけ
14
汎用ストレージ
ETERNUS TR series
遅延箇所 一目で確認 すぐ復旧
仮想環境の運用では、VM 上で稼働する複数のアプリケーションをそれぞれ安定
▶ 一方、ETERNUS TR series は、各 VM や vDisk を OS がもつファイルシステ
稼働させることがとても重要です。そのためには、VM 単位での稼働状況をわか
ムで管理しています。ストレージの稼働情報を、ストレージ側で管理できる機能
りやすく可視化し、問題点を素早く把握できる環境が求められます。
を備えています。
▶ 管理 GUI は、VM 単位での IOPS、スループット、レイテンシーなどさまざまな
▶ 汎用ストレージの課題として挙げられるのが、
「LUN やボリューム単位の管理で
項目を表示します。さらに、レイテンシーは、サーバー、ネットワーク、ストレー
は VM 単位の動きは把握できない」ことです。例えば、ある特定の VM で I/O の
ジに分けて可視化できるため、「インフラのどの部分で遅延が発生しているのか」
遅延が発生した場合、システムのどの部分が影響しているのか特定することが困
を一目で確認できます。
難です。汎用ストレージでは、自身の状況はわかったとしても、VM 特定の問題や、
ストレージ以外のインフラでの問題を把握することはできません。
▶ また、ETERNUS TR series は、過去 7 日間の遅延状況のデータを保持してグ
ラフィカルに表示できるので、パフォーマンスの傾向値を探ることも可能です。
例えば、毎日同じ時間に特定の I/O が発生しているなどの状況を素早く把握でき
ます。こうした運用管理性の向上は、仮想環境が大規模になるにつれ、重要とな
ります。
ETERNUS TR series Performance view trends
IOPS
36,453 IOPS
18,020 - 38,007
VM
VM
VM
Performance Reserves
VM
0% free
ハイパーバイザー
auto-allocated
ホスト(サーバー)
ネットワーク
汎用ストレージ
汎用ストレージではストレージの範疇外のインフラの遅延問題を把握することが難しい
15
174% used
Throughput
Latency
950 MBps
4.1 ms
444 - 986
Host
0.0 ms
Network
0.3 ms
リソースの
競合で発生する
レイテンシー
13 ms
Storage
4.1 ms
Contention
3.2 ms
Flash
0.9 ms
通常の
ETERNUS
TR series
パフォーマンス値
Throttle
9.0 ms
IOPS の上限値を
設定した際に発生する
スロットル(過負荷制御)
のレイテンシー
管理 GUI はレイテンシーの詳細をサーバー、ネットワーク、コンテンション(リソース
競合)、フラッシュ、ディスク(ハイブリッドモデルの ETERNUS TR800 series のみ)、
スロットル(過負荷制御)ごとに可視化できる
16
コスパよし ハイブリッドと 使い分け
「ハイブリッド」と「オールフラッシュ」
▶ オールフラッシュストレージのユースケースとともに、SSD と HDD の両方を搭
▶ オプションの「TR Global Center Advanced」を導入することで、仮想化され
載した「ハイブリッドストレージ」との使い分けについて考えてみましょう。 たワークロードをストレージが的確に判断し、ハイブリッドとオールフラッシュ
オールフラッシュストレージは、あらゆるサーバー仮想化および仮想デスクトッ
にデータを振り分けるロードバランシングによるスケールアウトが実現します。
プに対応します。2015 年に GPU(Graphics Processing Unit)の仮想化が
VMware 環境でサポートされたことから、製造業を中心に、高性能な 3D CAD
ワークステーションを VDI 環境で利用するケースが増えており、大規模な仮想
ワークステーション環境では、オールフラッシュストレージがその実力を発揮し
ます。
▶ 一方、ハイブリッドストレージは、小規模の仮想デスクトップ環境に適していま
す。ETERNUS TR Series のハイブリッドストレージは、書き込みされるデー
タは全て一旦フラッシュに保存します。そののち、使用頻度が低いデータを「コー
ルドデータ」とみなし、コストパフォーマンスの良い HDD に移動します。その
ため、日常的にアクセスされる I/O のほとんどはフラッシュで処理されます。こ
うした工夫により、コストパフォーマンスの良い、高速なストレージを実現して
います。
▶ 用途に応じてハイブリッドストレージとオールフラッシュストレージを併用
ETERNUS TR5000 series(オールフラッシュモデル)
して運用する際重要なのは、両方のストレージを管理しやすくする環境です。
ETERNUS TR series では、ハイブリッドモデルとオールフラッシュモデルが
共に同じオペレーティングシステムを搭載しています。そのため、これまでハイ
ブリッドストレージを運用していたユーザーがオールフラッシュストレージを追
加した場合でも、容易にオペレーションが可能です。
▶ また、ハイブリッドモデルとオールフラッシュモデルのシリーズ混在や複数台の
環境を一元管理するプラットフォーム「TR Global Center Standard」も標準
装備されています。複数のデータセンターにまたがる最大 32 台の ETERNUS
TR series、VM 数にして 10 万台以上を一元的に管理できます。複数台であっ
ても単一のコンソール画面に表示され、集中管理が可能です。スナップショット
や QoS の設定も保持しているため、仮にハイブリッドとオールフラッシュ間で
仮想マシンを移動しても、再設定の必要がありません。
17
ETERNUS TR800 series(ハイブリッドモデル)
18
1 富士通独自の評価・テストにより高い品質をご提供
メインフレーム品質に関する経験を活かし、富士通顧客の運用を想定した
⃝大規模サーバ仮想化環境および大規模 VDI 環境での評価
⃝ハードウェア異常試験などを実施
……ハード故障を擬似的に発生させる独自ツールを開発使用
2 国内最大規模のサポート体制でお客様システムの安定稼働を実現
⃝サポートセンターと全国のサービス拠点との連携により 2 時間以内オンサイト
修理を実現
⃝サービスエンジニアの対応状況や保守部品の到着時間などを、お客様専用 HP
で確認可能
国内最大規模のサポート体制
パーツセンター
・全国約 850 箇所のサービス拠点
・全国約 300 箇所で常に交換パーツ準備
・約 8,000 名のサービスエンジニア
・最短ルートと手段で交換パーツ配送
3 製品を熟知した富士通の技術者による迅速なトラブル対応
ETERNUS ラインナップ
ETERNUS ラインナップ
富士通がOEM提供することのメリット
富士通が OEM 提供することのメリット
ETERNUS(エターナス)ブランドで統一された、
お客様のビジネスにお応えする豊富な製品群
仮想化環境専用ストレージ ETERNUS TR series
ETERNUS TR5000 series
す べ て SSD で 構 成、高 ス
ペース(2U)
、省電力を実現。
ETERNUS TR800 series の
適用領域に加え、DB のフルス
キャンのような高負荷な処理が
求められる仮想化環境に対応。
ETERNUS TR800 series
SSD、HDD ハイブリット構
成ながらもフラッシュヒット
率 99% を 実 現し、AFA 相
当の性能を提供。自動 QoS
で運用負荷なく安定稼働を
実現。
RAID システム
ディスクストレージシステム - ETERNUS DX series
ネットワークディスクアレイ - ETERNUS NR1000F series
オールフラッシュアレイ - ETERNUS AF series
テープシステム
テープライブラリ - ETERNUS LT series
スイッチ
Brocade series
適切な情報やサービスを提供 バックアップソリューション
デデュープアプライアンス -ETERNUS CS800
バーチャルテープ -ETERNUS CS
⃝ツール類…ユーザーズガイド / サイジングガイド / 構築ガイド / 構成支援ルー
ストレージソリューション
ETERNUS VS850 バーチャライゼーションストレージ
ETERNUS CD1000 ハイパースケールストレージ
ストレージ基盤ソフトウェア
ETERNUS SF
⃝ TCSE(Tintri Certified System Engineer)の認定取得者による対応
⃝ Tintri(US)に富士通アカウントマネージャが在席し迅速なサポートが可能
4 富士通独自の日本語ドキュメント / ツールにより
ル / デモ動画など
⃝サービス…ハンズオントレーニング / リモートバックアップサービス / 専用ラ
ボなど
5 社内実践と他製品との組み合わせ提案、各業種への豊富な導入実績
19
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デモや貸出し機で良さを実感
FUJITSU Digital Transformation Center(浜松町・世界貿易センタービル)、
富士通トラステッド・クラウド・スクエア(大阪市・関西システムラボラトリ)では、
ETERNUS TR series のデモを実施しています。
デモンストレーションの詳細
⃝導入(装置設定)→クローン作成→運用の見える化 の流れでデモを実施
⃝デモはリモートでも実施可能
⃝他の ETERNUS 製品との組み合わせデモも実施可能
貸し出し機
ETERNUS TR series は製品評価、検証に利用出来る貸し出し機を準備してい
ます。また、10G スイッチ(Brocade 他)も同時貸し出しが可能です。
ハンズオントレーニング
TR series の簡単導入・簡単運用をお客様に短時間で体験して頂くために、 半
日程度のハンズオントレーニングの教育メニューを準備しています。(出張対応
もご相談で可能)
ご利用の際は弊社担当営業までご連絡ください
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ETERNUS 関連情報サイト
デモや貸出機で良さを実感
実機体験・専門要員によるデモンストレーション
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