資料3-2

資料3-2
財政制度等審議会 財政投融資分科会
編 成 上 の 論 点
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
平成 28 年 10 月 19 日
財 務 省 理 財 局
(機関名:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC))
[編成上の論点]
[平成 29 年度要求の概要]
(単位:億円)
区 分
事業規模
石油天然ガス等勘定
28 年 度 28 年 度 29 年 度 増減(△)
計画額
改定額
要求額
額
(A)
(B)
(=B-A)
1,188
2,688
1,441
253
4
4
-
△4
1,179
2,679
1,431
252
360
1,860
460
100
石炭業務
20
20
30
10
地熱業務
65
65
70
5
734
734
821
87
-
-
50
50
5
5
10
5
財政投融資①
569
2,069
780
211
財政融資
9
9
10
1
産業投資
560
2,060
770
210
政府保証
-
-
-
-
自己資金等②
619
619
661
42
533
533
533
-
43
43
45
2
△6
△6
△7
△0
49
49
90
41
1,188
2,688
1,441
253
投融資等・金属鉱産物備蓄勘定
天然ガス業務
金属鉱物業務
海外開発債務保証基金
金属鉱業一般勘定
政府保証借入
貸付回収金
借入金等償還
その他
再計(①+②)
論点1
平成 29 年度の事業規模・産業投資に係る要求について、資源価格
の低迷により、世界の資源開発投資は2年連続で縮小しているが、
民業補完の観点から、民間企業の資源への投資状況及び動向を踏ま
えた要求となっているか。
論点2
産業投資の対象業務を拡充した平成 24 年度以降、計画額に対し毎
年多額の運用残が発生しているが、この状況についてどのように分
析し、要求に反映しているか。
論点3
― 1 ―
産業投資に係る収益性の確保について、
① これまで産業投資を原資として出資を行った海外における
既存出資案件の現状如何。
② 資源価格が低迷している状況下で、収益性を確保するための
方策についてどのように考えるか。
③ 臨時国会に提出された JOGMEC 法改正案が成立した場合、我
が国上流開発企業による海外資源会社の買収への支援等が可
能となるが、新規業務に伴うリスクをどのように評価し、収益
性をどのように確保していくのか。
編 成 上 の 論 点
(機関名:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC))
要求の内容
論
<平成 29 年度要求の概要>
点
論点1
1.事業規模
平成 29 年度の事業規模・産業投資に係る要求について、資源価格の
「日本再興戦略 2016」
(平成 28 年 6 月 2 日 閣議決定)等の政
低迷により、世界の資源開発投資は2年連続で縮小しているが、民業
府方針を踏まえ、資源価格低迷下での資源開発投資の促進や資源
補完の観点から、民間企業の資源への投資状況及び動向を踏まえた要
安全保障の強化、持続的な成長のための積極的なリスクマネー供
求となっているか。
給等に取り組む観点から、天然ガス、石炭、地熱及び金属鉱物業
務の探鉱・開発等を支援するため、事業規模 1,441 億円(対前年
度+253 億円)を計上。
【論点に対する考え方】
1.我が国の安定的なエネルギー基盤の確立を目的とする資源の調
査・探鉱・開発・生産について、JOGMEC は、各段階の政策目的やリ
2.財政投融資
○天然ガス業務において、開発段階のガス田の資産買収出資及
び開発・液化出資に必要な財源として、産業投資 460 億円(対
前年度+100 億円)、
○石炭業務において、探鉱事業への出資に必要な財源として、
産業投資 30 億円(対前年度+10 億円)、
○地熱業務において、国内における探査事業への出資及び開発
資金への債務保証に必要な財源として、産業投資 70 億円(対
前年度+5 億円)、
○金属鉱物業務において、開発段階の金属鉱山の資産買収出資に
必要な財源として、産業投資 160 億円(対前年度+45 億円)、
○海外開発債務保証基金において、金属鉱物資源等の開発資金へ
スクの大きさ等を勘案した上で、エネルギー対策特別会計、一般会
計(政府保証借入れ)及び産業投資により財源を調達。
2.平成 29 年度の産業投資に係る要求については、天然ガス、石炭、
地熱及び金属鉱物について、ミドルリスクとされる探鉱・開発段階
における出資・債務保証事業の実施に必要な財源として、産業投資
770 億円(対前年度+210 億円)となっている。
3.近年の資源価格低迷により、世界の資源開発投資は2年連続で縮
― 2 ―
小している状況。このため、日本企業の上流開発企業及び総合商社
等においても同様に資源開発投資が落ち込んでいる。
要求の内容
論
の債務保証に必要な財源として、産業投資 50 億円(対前年度
+50 億円)、
合計 770 億円(対前年度+210 億円)の産業投資を要求。
さらに、鉱害防止融資のため、財政融資資金 10 億円(対前年
度+5 億円)を要求。
点
(参考)
単位:億円
各社の投資額推移
30,000
住友商事
25,000
24,665
丸紅
21,572
19,435
20,000
三井物産
(参考)
「日本再興戦略 2016」
(平成 28 年 6 月 2 日 閣議決定)抜粋
第2 具体的施策
Ⅰ 新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等
10.環境・エネルギー制約の克服と投資の拡大
(2)新たに講ずべき具体的施策
v)資源価格の低迷下での資源安全保障の強化等
① 国内外での資源開発・確保の推進
資源価格の低迷を背景に世界的な資源開発投資が停滞し、世界
経済が減速する中、資源開発投資を行う民間企業に対して独立行
政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)等を通じたリ
スクマネー供給等の支援策を積極的に展開し、萎縮する世界の資
源開発投資のけん引により世界経済の持続的な成長を支えると
ともに、将来我が国が再び資源価格高騰に直面するリスクを緩和
し、安定供給を確保する。
三菱商事
15,000
第1 総論
Ⅳ 日本再興戦略2016の主要施策例
1.600 兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」
1-1:新たな有望成長市場の創出
(3)環境・エネルギー制約の克服と投資拡大
③ 資源安全保障の強化
・独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構等を通じてリス
クマネー供給等の支援策を積極的に展開する。
伊藤忠
出光
コスモ
10,000
JX
5,000
0
JAPEX
INPEX
2013FY
2014FY
2015FY
出所:各社決算情報より資源エネルギー庁作成
4.JOGMEC が資産買収等を支援する場合、民業補完の観点から、本邦
企業(JOGMEC 分含む)からの出資総額の2分の1未満の範囲内で出
資を行うこととなっている。このため、原則として JOGMEC は単独出
資が出来ず、JOGMEC の支援状況は民間企業の投資動向に大きく影響
されることとなる。
5.よって、JOGMEC の要求額については、民間企業の今後の投資動向
― 3 ―
に係る経営方針や年度計画等を把握し、その内容を踏まえることが
重要である。こうした点を踏まえ JOGMEC が支援を行うために真に必
要な額について精査する必要がある。
要求の内容
論
<各年度執行状況等一覧>
区 分
平成24年度
産業投資
天然ガス
石炭
地熱
金属鉱物
平成25年度
産業投資
天然ガス
石炭
地熱
金属鉱物
平成26年度
産業投資
天然ガス
石炭
地熱
金属鉱物
保証基金
平成27年度
産業投資
天然ガス
石炭
地熱
金属鉱物
保証基金
当初計画 改定現額
(A)
実行額
(B)
B/A
(単位:億円)
運用残額
(D)
D/A
繰越額
(C)
C/A
927
400
67
60
400
1,256
620
131
60
445
665
620
45
52.9%
100.0%
10.1%
85
75
10
-
6.8%
57.3%
16.7%
-
506
56
50
400
40.3%
42.7%
83.3%
89.9%
1,125
510
200
80
335
1,210
510
275
90
335
402
392
10
-
33.2%
76.9%
11.1%
-
84
64
20
-
6.9%
23.3%
22.2%
-
724
118
211
60
335
59.8%
23.1%
76.7%
66.7%
100.0%
810
480
35
80
189
26
894
480
99
100
189
26
22
22
-
2.5%
22.0%
-
-
-
872
480
99
78
189
26
97.5%
100.0%
100.0%
78.0%
100.0%
100.0%
720
410
35
80
195
-
720
410
35
80
195
-
41
37
4
-
5.7%
9.1%
4.7%
-
2
2
-
0.3%
2.5%
-
677
373
35
74
195
-
94.0%
90.9%
100.0%
92.8%
100.0%
-
点
論点2
産業投資の対象業務を拡充した平成 24 年度以降、計画額に対し毎年
多額の運用残が発生しているが、この状況についてどのように分析し、
要求に反映しているか。
【論点に対する考え方】
1.平成 24 年の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(以
下、「JOGMEC 法」という。)改正に伴い、天然ガス、石炭、地熱及び
金属鉱物に係る支援が産業投資により可能※となったが、それ以降、
4年連続(平成 24 年度~27 年度)で予算執行が計画と大きく乖離し、
多額の運用残が続いている状況。
※ ただし、金属鉱物の一部業務(探鉱出資及び債務保証)は、24 年度以前から
産業投資を活用。
(参考)左表「<各年度執行状況等一覧>」参照
2.平成 27 年度の各業務において運用残が発生した主な理由は以下の
とおり。
【天然ガス業務】
・環境影響評価など現地政府との調整が継続しているため、プロジ
ェクトを実施することが出来なかった。
【石炭業務及び金属鉱物業務】
― 4 ―
・価格面で折り合いがつかず、権益を保有する外国企業との交渉が
難航した。
要求の内容
論
点
【地熱業務】
・事業者の資金計画の変更に伴い、平成 27 年度中の借入れが想定よ
りも少なくなったことにより、同年度の借入を保証するための債
務保証基金の積み増しが不要となった。
3.運用残の発生要因は例年ほぼ同様であり、限られた産投財源を有
効に活用するためには、運用残が発生した要因について適切な分析
を行うことが必要である。その結果を踏まえた上で、事業の進捗が
見込まれる案件とそうでない案件を精査・峻別し、事業進捗の見込
まれる可能性の高い案件に対し、必要額を措置する必要がある。
― 5 ―
要求の内容
論
点
論点3
産業投資に係る収益性の確保について、
① これまで産業投資を原資として出資を行った海外における既
存出資案件の現状如何。
② 資源価格が低迷している状況下で、収益性を確保するための
方策についてどのように考えるか。
③ 臨時国会に提出された JOGMEC 法改正案が成立した場合、我が
国上流開発企業による海外資源会社の買収への支援等が可能と
なるが、新規業務に伴うリスクをどのように評価し、収益性を
どのように確保していくのか。
【論点に対する考え方】
1. これまで、JOGMEC が海外において産業投資により出資した案件に
ついて、平成 27 年度末時点では天然ガス業務4件、金属鉱物業務3
件の計7件となっている。
2.平成 27 年度決算において、天然ガス業務の既存出資案件4件中2
件において、油価低迷の影響を受け評価損(合計 265 億円)を計上。
また、金属鉱物業務の探鉱出資案件3件については、探鉱中の事業
についてはその成否を判断することは困難であるため、成否の結果
が出るまでの間、JOGMEC の内部通達に基づき、会社ごとに JOGMEC
の出資額の2分の1を時価としているため、25 億円の評価損を計上
している。
― 6 ―
要求の内容
論
点
3.このような状況を踏まえ、資源価格が低迷している中、新規採
択においてはその決定プロセスについて、既存案件においては毀損
しないようどうモニタリングしていくのかといった点を検証し、
改めて収益性をどのように確保するか方策を検討する必要がある。
4.また、JOGMEC 法改正に伴い、我が国上流開発企業による海外資源
会社の買収への支援等が可能となり、この法改正を前提として、今
般成立した平成 28 年度財政投融資計画補正において産業投資を措
置している。当該業務はこれまでの権益取得に係る資産買収出資等
と比べ、出資を行う上でその審査内容等が大きく異なるため、その
リスク及び収益性について、出資前に厳正な審査を行う体制等の整
備が必要である。
― 7 ―