ご案内資料

座長
江藤 隆史 先生
東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長
大槻 マミ太郎 先生
自治医科大学皮膚科 教授
講演1
海老原 全 先生
慶應義塾大学医学部皮膚科 准教授
『アトピー性皮膚炎の外用療法 −病態をふまえて−』
講演2
加藤 則人 先生
京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 教授
『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年度版
−外用療法を中心に−』
日時
会場
2016年11月6日(日)12:40∼13:40
新たな視点で考えよう
!
アトピー性皮膚炎の外用療
法
第46回 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会
ランチョンセミナー6
京王プラザホテル B会場
(本館4階 花A)
〒160-8330 東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL 03-3344-0111
共催:第46回 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会/鳥居薬品株式会社
アトピー性皮膚炎の外用療法
−病態をふまえて−
アトピー性皮膚炎の治療のゴールは、
症状がないか、
あっても軽微で、
日常生活に
支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、
その状態を維持すること
である。
また、
このレベルに到達しない場合でも、
症状が軽微ないし軽度で、
日常生活
に支障をきたすような急な悪化がおこらない状態を維持することを目標とする。
この
治療目標を達成するには、
アトピー性皮膚炎の病態をふまえ、落ち着いた状態を維
持する治療法を選択していかなければならない。
アトピー性皮膚炎の病態は皮膚
バリア機能、
アレルギー性炎症、
かゆみの3つの面から理解されている。皮膚バリア
機能の低下のため、非特異的な刺激に対する皮膚の被刺激性が亢進し、炎症が
おこりやすくなる。
また、
アレルゲンの皮膚への侵入しやすさにつながり、非自己であ
るアレルゲンは、免疫・アレルギー反応により排除される方向へと誘導される。
皮膚に
炎症が生じると、
皮膚バリア機能のさらなる低下や被刺激性の亢進、かゆみから
の掻破の刺激などによって、
湿疹がますます悪化する悪循環が生じうる。
つまり皮膚
バリア機能の維持と炎症の制御が最も重要な治療ポイントとなる。
アトピー性皮膚
炎の炎症を十分に鎮静するための薬剤で、有効性と安全性が科学的に十分に
検討されている薬剤は、
ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏である。
アトピー性皮膚
炎の炎症に対しては速やかに、かつ確実に鎮静させることが重要であり、
そのた
めにステロイド外用薬とタクロリムス軟膏をいかに選択し組み合わせ、
どのように外
用させるかが治療の基本となる。外用療法のうち、
プロアクティブ療法は再燃を
よく繰り返す皮疹に対して、急性期の治療によって寛解導入した後に、
保湿外用薬
によるスキンケアに加え、
ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を定期的に
(週2回な
ど)塗布し、寛解状態を維持する治療法である。
炎症をしっかり制御し、
皮膚バリア
機能の維持という点で理にかなった治療法といえよう。
アトピー性皮膚炎の病態に
ついて皮膚細菌叢の関与が指摘され、皮膚細菌群が治療ターゲットとして注目
されている。
その一つとして海外で行われている次亜塩素酸ナトリウム入浴療法
(Bleach bath 療法)
についても紹介する。
慶應義塾大学
医学部皮膚科 准教授
海老原 全 先生
略歴
1986年 慶應義塾大学医学部 卒業
1986年 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室入室
国立小児病院、
清水市立清水総合病院、
東京電力病院
出向を経て
1991年 慶應義塾大学助手(医学部皮膚科学)
1993年 慶應義塾大学病院診療科医長(皮膚科外来担当)
1996年 東京都済生会中央病院皮膚科医長
慶應義塾大学兼任講師(医学部皮膚科学)
2005年 慶應義塾大学専任講師(医学部皮膚科学)
2010年 慶應義塾大学准教授(医学部皮膚科学)
現在に至る
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年度版
−外用療法を中心に−
診療ガイドラインは、
臨床現場での意思決定を必要とするいくつかの重要なポイン
トについて、報告されている臨床研究論文を吟味し、医療行為による患者アウトカム
が最適化することを目指した推奨を提示した文書であり、
臨床現場における意思決
定の際に判断材料の一つとして利用することができる目安を示す道しるべである。
アトピー性皮膚炎は日常診療で頻繁に遭遇する疾患である。
日本皮膚科学会のア
トピー性皮膚炎診療ガイドラインは、
プライマリーケアの段階から高度の専門性が要
求される段階までの患者を診療する、皮膚科診療を専門とする医師を対象として
作成され、最近では2016年に改訂版が出版された。改訂版では、
アトピー性皮膚
炎の診療におけるクリニカルクエスチョンを22課題設定して、推奨文を作成した。
今回は、
アトピー性皮膚炎の診療において診療ガイドラインをどのように活用でき
るかについて、
アトピー性皮膚炎の薬物療法の中心であるステロイド外用薬やタク
ロリムス軟膏などの抗炎症外用薬による外用療法を軸に、
考えてみたい。
京都府立医科大学大学院
医学研究科皮膚科学 教授
加藤 則人 先生
略歴
平成元年
平成元年
平成3年
平成4年
平成6年
平成9年
3月 京都府立医科大学医学部医学科卒業
5月 京都府立医科大学附属病院皮膚科研修医
4月 京都市立病院皮膚科医員
4月 京都府立医科大学皮膚科学教室助手
4月 福知山市民病院皮膚科医長
4月 ドイツ・
ミュンヘン大学、
ボン大学医学部皮膚科研究員
(Thomas Bieber主任教授)
平成12年 4月 京都府立医科大学皮膚科学教室講師
平成14年 11月 京都府立医科大学皮膚科学教室助教授
平成15年 4月 京都府立医科大学大学院医学研究科
皮膚病態制御学助教授
平成21年 8月 京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学教授
現在に至る