「家庭を築き、子どもを産 み育てるという希望をかな える環境づくり」に

視
点
「家庭を築き、子どもを産
み育てるという希望をかな
える環境づくり」に向けて
茨城県保健福祉部子ども政策局長
寺門 利幸
現在、我が国では本格的な人口減少・超高齢社会を迎え、
「消滅可能性都市」と
いう言葉が大きな話題となる中で、今後の人口減少の進行を可能な限り緩やかな
ものとし、地域社会の活力を維持していくことが、喫緊の課題となっております。
このため、県では、人口減少を克服し、魅力ある地方を創生し活力ある地域社
会を実現するため、茨城県まち・ひと・しごと創生会議を設置し、「人口ビジョン」
及び「総合戦略」を策定いたしました。そして、地方創生の大きな柱である少子
化対策の強化を図るため、今年度から保健福祉部内に「子ども政策局」を設置し、
部局横断的な課題に全庁あげて取り組む体制を整備いたしました。
少子化対策につきましては、2015(平成27)年3月に策定した「大好きいばら
き次世代育成プラン」に基づき、結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を展
開しております。
少子化の要因ともなっている未婚化・晩婚化の流れを変えるためには、様々な
形で男女の出会いを支援していくことが重要です。このため、全国に先駆けて
2006(平成18)年に設立した「いばらき出会いサポートセンター」や、結婚支援
ボランティア「マリッジサポーター」による全県的な結婚支援を展開しているほか、
次代を担う若者に、世代をつなぐことの大切さや結婚や子育てのすばらしさや楽し
さを伝えていくための「結婚・子育てポジティブキャンペーン」を推進しています。
また、不妊に悩む方や子育て等にかかる経済的な負担を軽減するため、医療保
険が適用されない不妊治療費の助成や、小児及び妊産婦の医療費の助成を実施し
ているほか、多子世帯保育料の軽減などにも取り組んでおります。
さらに、核家族化の進行や保護者の就労の多様化により、幼児教育や保育のニー
ズが高まっていることから、認定こども園や幼稚園、保育所及び小規模保育など
の地域型保育事業の整備を進めるととともに、それを支える保育人材等の確保に
努め、待機児童の解消を図っております。
もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものですが、少子化は社会にとっ
ても、地域社会の担い手の減少や現役世代の負担増加、経済の規模減少、経済成
長率の低下など多大な影響を及ぼします。
県としましては、今後とも、市町村や企業、関係団体等との連携により、「家庭
を築き、子どもを産み育てるという希望をかなえる環境づくり」を推進してまい
りますので、皆様方の御理解と御協力をお願いいたします。
16.10
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