修 士 論 文 の 和 文 要 旨 修 士 論 文 の 和 文 要 旨

修 士 論 文 の 和 文 要 旨
大学院 電気通信学研究科
氏
論
名
文
題
博士前期課程
Michael J. Cashen
情報工学専攻
学籍番号
0232017
目 Urban: An Integrated Communication Support System for Small Groups
( 少 人 数 グ ル ー プ の た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 シ ス テ ム Urban)
要
旨
本研究では、少人数グループのための統合されたコミュニケーション支援シス
テムUrbanの設計、実装および評価を行う。Urbanはモジュール式のウェブベース
システムであり、一つのグループの中で中心的な情報源の役割を果たすために開
発されたシステムである。Urbanは使いやすさを重視し、ユーザからのフィードバ
ックを考慮しながら、12ヶ月ほどかけて段階的に開発した。
ユーザを中心にし、ユーザのアイデンティティを強調することと、他のユーザの
動作が分かる「アウェアネス」の要素をもつことを目標として、システムの設計
を行った。ユーザインタフェースに関しては、多くの情報を素早く取得可能にし
ながらユーザが圧倒されないものとし、ユーザが個別にスタイルやレイアウトを
カスタマイズできるものを目指した。
ウェブベースのアプリケーションに特化したスクリプト言語(PHP)でシステム
を記述し、データの保存にはリレーショナル・データベース(MySQL)を用いている。
システム自体はベースシステムおよびその上で実行されるモジュールという二つ
の要素にわけることができる。ベースシステムはユーザ認証やデータベース管理
と言った基本処理を担当し、各モジュールの実行環境を提供する。モジュールは
互いに独立して実行され、一種類の機能のみを担当する。モジュールはベースシ
ステムに変更を加えなくても作成することができ、モジュールの構成はグループ
のニーズに合わせ変更することができる。Urbanはいくつもの基本モジュールを用
意しており、メッセージ交換、時間割決定、ファイル共有、ゼミ管理などの機能
を提供する。
Urbanの開発に当たっての目標はほぼ達成できた。Urbanがモジュール式のシス
テムであり、モジュールが簡単に作られることも考えれば、多くの異なる環境で
使うことができるシステムであると考えられる。試験的運用からの統計データも
Urbanが研究室の中心的な情報源となったことを示しており、また比較実験の結果
もUrbanのユーザインタフェースが従来のシステムより使いやすく、情報への素早
いアクセスを可能にしていることを示している。