給与勧告等の骨子 [PDFファイル/183KB]

平成28年10月14日
宮城県人事委員会
◇ 給 与 勧 告 等 の 骨 子 ◇
《 本年の給与勧告のポイント 》
月例給,期末・勤勉手当(ボーナス)ともに引上げ
① 民間給与との較差698円(0.19%)を解消するため,給料表を平成28年4月に遡及し
て引上げ改定
② 期末・勤勉手当(ボーナス)を引上げ改定(0.1月分)
項
Ⅰ
給
目
内
容
与
1
民間給与との
較差
<民間給与の調査>
企業規模50人以上で,かつ,事業所規模50人以上の県内924事業所のうち,
264事業所を層化無作為抽出法により抽出し,企業規模・事業所規模が調査
の対象外であることが判明した事業所及び調査不能の事業所を除く225事業
所の8,872人の給与等を実地調査した(完了率86.9%)。
<職員給与と民間給与との比較>
〇 調査結果に基づき,職員の給与と調査・比較したところ,次のとおり職
員給与が民間給与を下回っている。
〇 特別給については,職員の期末手当・勤勉手当の年間平均支給月数が民
間の年間平均支給割合(月数)を下回っている。
(月例給)
(1) 月例給(行政職相当)
民間給与(A)
県職員給与(B)
較差(A)-(B)
366,854円
366,156円
698円 (0.19%)
(期末・勤勉手当) (2) 期末手当・勤勉手当(特別給)
民
間(A)
4.29月
2
勧告等の内容
(給料表)
県職員(B)
較差(A)-(B)
4.20月
0.09月
(1) 給料表
イ
行政職給料表
人事院が勧告した俸給表をもとに,本県の公民較差を考慮して,若年
層に重点を置きつつ,全ての号俸について500円から1,700円の引上げ改
定
ロ
その他の給料表
行政職給料表との均衡を考慮して改定
- 1 -
項
目
内
容
(2) 諸手当
(期末・勤勉手当)
イ 期末手当・勤勉手当
民間の支給割合に見合うよう引上げ:4.20月分→4.30月分
(引上げ分を勤勉手当に配分)
(例:一般の職員の場合の支給月数)
年
28年度
度
6月期
期末手当
1.225月(支給済み)
1.375月
勤勉手当
0.8
0.9
計
ロ
月(支給済み)
月(現行0.8月)
2.025月(支給済み)
2.275月(現行2.175月)
29年度
期末手当
1.225月
1.375月
以
勤勉手当
0.85 月
0.85 月
2.075月
2.225月
降
計
(初任給調整手当)
12月期
初任給調整手当
(イ) 人事院勧告に準じて医師の初任給調整手当の最高支給限度額を引上
げ
医療職給料表(一)の適用を受ける医師等:月額413,300円→413,800円
(ロ) 医師の改定状況を考慮して,獣医師の初任給調整手当の最高支給限
度額を引上げ
月額35,000円→35,100円
(3) 改定の実施時期
平成28年4月1日から実施。ただし,(2)のイの平成28年度の勤勉手当
の改定については平成28年12月1日から,平成29年度以降の勤勉手当の改
定については平成29年4月1日から実施
<参
考>
<平均年間給与>
区
分
行政職(平均年齢41.2歳,平均経験年数20.5年)
28.4.1現在
改定額
改
定
後
平 均 給 与 月 額
362,808円
698円
363,506円
期末・勤勉手当
1,587,456円
40,540円
1,627,996円
平 均 年 間 給 与
5,941,000円
49,000円
5,990,000円
※
※
給与月額は,行政職給料表適用職員の平均であり,給料及び諸手当が含まれている。
年間給与は,給与月額をもとに算出した額(千円未満四捨五入)である。
(地域手当)
(4) 給与制度の総合的見直し(地域手当)
国に準じて,平成27年4月から実施している給与制度の総合的見直しに
伴う地域手当の見直しについては,国の制度との均衡,人事管理上の影響
等を総合的に考慮し,現行の支給割合とすることが適当と判断
(扶養手当)
(5) 配偶者に係る扶養手当
民間企業における家族手当の支給状況及び職員の扶養手当の支給実態に
ついて引き続き調査等を行うとともに,国の制度との均衡や他の都道府県
の状況等を考慮しながら,必要な検討を実施
(昇給制度)
(6) 50歳台後半層の昇給制度
原則55歳を超える職員の昇給号俸数の抑制については,公務と民間の給
与差の状況を注視しつつ,国の制度との均衡や他の都道府県の状況等を踏
まえながら,必要な検討を実施
- 2 -
項
Ⅱ
目
容
人事管理
東日本大震災
からの復興及び
将来を見据えた
人事運営
1
「創造的な復興」に向けて,引き続き,復興業務に必要な職員を確保する
とともに,職員の能力・意欲を十分に引き出すことにより,効率的で質の高
い行政を行っていくことが求められている。
あわせて,復興を巡る環境も変化していることを踏まえ,今後の任期付職
員,派遣職員の在り方や職員構成等,将来を見据えた人事運営について,長
期的な視点で検討を重ねていく必要がある。
2
有為な人材の確保のため,職員採用試験等の実施に当たって県外会場の設
置や試験区分の新設等に取り組んでいることとあわせ,任命権者等と綿密に
連携した応募者確保対策の一層の工夫が必要である。
女性職員の登用の拡大については,女性の職業生活における活躍の推進に
関する法律の趣旨を踏まえ,有為な女性職員の個性・能力の発揮とキャリア
形成に対する一層の支援が求められている。
3
地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律の施行を踏ま
えた人事評価制度の導入については,試行における検証結果を十分に踏まえ,
職員の勤務意欲を向上させる制度として運用していくことが求められるとと
もに,人材育成のまたとない機会として,効果的な取組が期待される。
4
雇用と年金の接続については,国において引き続き再任用により対応する
方針が示されたところであるが,今後も年金支給開始年齢の段階的引上げの
時期ごとに行われる国における検討状況等の動向を注視していく必要があ
る。
また,再任用職員の増加に伴う人事管理上の諸課題について,本県の職務
や任用の実態に即した検討を継続的に進めていく必要がある。
有為な人材の
確保と女性職員
の登用の拡大
能力・実績に
基づく人事管理
の推進
雇用と年金の
接続への対応
Ⅲ
内
公務運営の改善
1
仕事と生活の
両立支援の充実
民間労働法制の改正並びに人事院の意見の申出及び勧告の趣旨を踏まえ,
本県職員の育児・介護に係る両立支援制度について適切な措置を講ずる必要
がある。制度の整備とともに,職員が必要な制度を円滑に利用できるよう,
十分な普及啓発や職場全体での環境整備を推進していく必要がある。
2
時間外勤務の縮減に向けて,適切な事務配分や人員配置,勤務時間管理の
徹底を図るとともに,特定の職員に長時間又は長期にわたる過度な業務が集
中することのないよう,各任命権者においてなお一層の取組が必要である。
長期にわたる復興業務の中で職員の心身の健康が損なわれることが懸念さ
れ,任命権者は,心の不調発生の未然防止・早期対応のためにストレスチェ
ック等の取組を組織的に行い,管理監督者は,日頃から職員の心身の健康状
態を把握し,相談対応,職場環境の改善等に率先して取り組む必要がある。
時間外勤務の
縮減と健康管理
対策の推進
3
服務規律の徹
底
不祥事の背景には,危機意識の欠如や公務員としての使命感・倫理観の不
足があると考えられ,任命権者は,改めて服務規律の徹底を図り,不祥事の
発生防止に努め,職員は,公務に携わる者としての使命感と緊張感を保持し,
自らの行動を律する必要がある。
また,職場のハラスメント防止に向け,職員一体となって取り組んでいく
必要がある。
- 3 -