ルーツ貿易株式会社 製菓・製パン用機械と食材の輸入卸売専門商社が 商品マスターの一元化でトレーサビリティを強化 グループウェアも導入し営業力の底上げを図る 導入の狙い 販売する輸入食材のトレーサビリティ と賞味期限管理を強化したい 顧客情報や営業活動情報の共有によっ て、会社全体の営業力を底上げしたい 導入システム 食品卸業向け販売管理システム 『SMILE BS FOODMASTER』 輸入・輸出業務管理システム 『wPORTNeT/IM』 グループウェア 『NIコラボ スマート』 基幹業務システム 『SMILE BS 2nd Edition 会計/人事給与』 統合脅威管理アプライアンス『FortiGate』 セキュリティアプライアンス『SubGate』 導入効果 商品マスターの一元化でロットトレー ス、賞味期限管理を強化できた グループウェアによる情報共有で営 業活動の把握、顧客や案件の引き継 ぎが円滑化した —USER ヨーロッパの製菓・製パン用機械と材料をともに扱っている専門商社。国内だけでなくアジアへの販路も広げている 1978年の創立以来、 「ヨーロッパの豊かな食文化の心を日本に伝える」ことを理 念に掲げ、ヨーロッパの製菓・製パン用機械と製菓用食材の輸入・販売を行うルーツ 貿易株式会社。近年「食の安全」に対する消費者の意識がますます高まるなか、同 社は2013年に大塚商会を通じて輸入業務管理システムと販売管理システムを一 P R O F I L E ——————————————————— ルーツ貿易株式会社 ●業種:輸入卸売業 新。販売する食材のトレーサビリティと賞味期限管理の精度を高めた。また、最新グ ループウェアの導入によって営業担当者、海外事業部門、アシスタントの情報共有 体制を強化し、営業力および顧客満足の向上をもたらしている。 ●事業内容:製菓・製パン用機械ならびに 製菓材料の輸入卸 ●従業員数:18名 (2016年7月現在) 基幹システムや情報共有ツールなどのIT活用で、 生産性向上に取り組むルーツ貿易株式会社 2016年7月取材 ランなどに、ドイツやフランス、イタリ 製菓・製パン用機械と食材を 専門とする輸入卸商社 した製菓・製パン用機械、製菓用食材 千葉県市川市のルーツ貿易株式会 などを提供している。 社(以下、ルーツ貿易)は、洋菓子やパ 「機械と食材の両方をヨーロッパか ンなどヨーロッパの食文化を日本に広 ら輸入・販売している商社は日本でも めるために1978年に設立された輸 当社を含めて3社ほどしかありません。 入卸商社だ。一流パティシエやパン職 ア、スウェーデン、トルコなどから輸入 ただモノを右から左に流すのではなく、 人が腕をふるうホテルやレストラン、 『ヨーロッパの豊かな食文化の心を日 オーナーシェフが経営する人気レスト 本に伝えること』を理念に、ヨーロッパ 1 ルーツ貿易株式会社 でもナンバー1ブランドの機械や食材 激やインスピレーションをもたらした を取り扱っています」 と語るのは、同社 いと考えているようだ。 代表取締役社長の白根 慶治氏。 また、日本における洋菓子やパンの その言葉どおり、製菓・製パン用機 文化は独自の発展を遂げ、そのおい 械はグラム社(スウェーデン)の各種業 しさや楽しさに対する評価はアジアに 務用冷蔵庫やレゴー社(ドイツ)のミキ 広がっている。そのため同社は、国内 サー、フールギュイヨン社(フランス) のみならず台湾や香港にも製菓・製パ のオーブンなど、一流シェフなら誰でも ン用機械、食材などを販売する事業を 一度は使ってみたいと思うような製品 始めている。インバウンド (訪日観光) ばかり。食材もヨーロッパ屈指のブラ ブームをきっかけとする日本の菓子・ ンドによる最高級のチョコレートやマジ パン文化への関心の高まりと共に、同 パン・ローマッセ、ナッツ、ドライフルー 社のビジネスはますますワールドワイ ツなどを提供している。その大部分は、 ドに広がりそうだ。 ヨーロッパの食文化の “伝道師” として 業界から賞賛される同社の創業者や、 2代目である白根氏自ら現地に足繁く 通い、発掘してきたものばかりだ。 代表取締役社長 白根 慶治氏 「 『NIコラボ スマート』 の導入によって、7年越 しの懸案であった営業担当者の情報共有に 向けて一歩前進できました。今後は 『SMILE BS FOODMASTER』 と 『NIコラボ スマート』 との情報連携を実現したいですね」 商品マスターを一元化して トレーサビリティを高める 輸入した食材は全国に約30社ある ルーツ貿易は、業界でもいち早くシ 販売代理店を通じて販売。製菓・製パ ステムを活用して業務の効率化を推し ン用機械については代理店経由のほ 進めてきた歴史を持っている。1980 か、直販も行っている。 年代にはオフコンによる売上帳簿管理 「ヨーロッパの食の最新トレンドだけ などを開始しており、このころから大 でなく、日本ではまだあまり知られてい 塚商会との取引が始まっている。 ない地方の伝統菓子やパンなど、隠れ 1990年代初めには、大塚商会を通 ていた魅力を掘り起こして紹介してい じてクライアント・サーバー方式による くことも、私たちの務めだと思っていま システム運用を開始。以来20年以上 す。その一環として、最近は2016年 にわたり、さまざまな基幹業務システ に日本との国交樹立150周年を迎え ムを導入し運用している。 たイタリアの伝統菓子やパンを紹介す 現 在 、輸 入 業 務 に つ い て は 、 ることに力を入れています」 と白根氏は 『 w P O R T N e T / I M 』で管 理し、販 語る。2016年5月には、在日イタリア 売 管 理 に つ い て は 、食 品 卸 業 向 け 商工会議所が東京・六本木ヒルズで開 販 売 管 理 シ ス テ ム『 S M I L E B S 催したイタリア産品を紹介するイベント FOODMASTER』を活用している。 「イタリア・アモーレ・ミオ!」に出展。南 この二つのシステムを連携させて、輸 部シチリア島の伝統菓子や、イタリア 入(仕入)業務から販売に至るまでの のクリスマスケーキ「パネットーネ」を 情報をシームレスに連携させることは 紹介するなど、新しい試みを行った。 システム上は可能だが、為替の決済方 今後もヨーロッパのさまざまな食文 法など、自社業務の運用ルールではリ 化の情報を積極的に発信し、日本の一 アルタイムの連携が難しく、別々の運 流パティシエやシェフたちに新たな刺 用を選択した。 2 取締役 白根 裕子氏 「『NIコラボ スマート』 で営業担当者の活 動が「見える化」 したおかげで、社員同士の 信頼感が高まり、チームワークもより緊密に なりました」 だが、それぞれのシステムの商品マ ほかの人間がフォローすることもでき スターについては一元化することが ませんし、そもそも顧客情報や営業活 できた。これは、同社が輸入・販売する 動の履歴が社内に蓄積されていかな 食材のトレーサビリティと賞味期限管 いので、社員が入れ替わるときに引き 理の精度向上に役立っているという。 継ぐのも大変です。スムーズな引き継 「食の安全」に対する消費者の意識が スケジュール管理や文書管理、ワークフロー、掲示板な ど、社内コミュニケーションに必要なツールが網羅されたグ ループウェア 『NIコラボ スマート』 を導入 ぎができないと、お客様にご迷惑をか ますます高まるなか、ルーツ貿易も、 けるだけでなく、取引関係そのものを 取り扱う食材に万が一何らかの問題が 失ってしまうリスクもあります。これら 発生した場合、すぐに仕入れ先や販売 の問題を一気に解決するためには、顧 先を特定し、商品を回収できるような 客情報や営業活動情報を社内全体で 仕組みづくりを求めていた。輸入業務 共有できるような仕組みが必要だと痛 システムと販売管理システムの商品マ 感したのです」 (白根氏) スターが一元化したことで、どの会社 ルーツ貿易ではそれまで、創業者や から輸入(仕入) した食材を、どの販売 白根氏など、ひと握りのトップセール 会社に卸したのかがロット単位で管理 スマンだけが商材の発掘から販売ま できるようになり、トレーサビリティの でを一手に手がけてきた。しかし、今 精度が格段に向上したのである。 後、事業の拡大が進むことを考えれ 白根氏は「私たちのニーズをくみ ば、そうしたノウハウを社員間でしっか 取って、商品マスターの一元化を支援 りと受け継いでいかなければならな してくださった大塚商会さんには本当 い。そのためにも、情報共有のための に感謝しています。そして、その解決 ツールは不可欠だと白根氏は判断し 力の高さを見込んで、私が長年どうに たようである。 かしたいと考えていた “もう一つの課 その答えとして大塚商会が提案した 題” についても、対策をお願いすること のが、NIコンサルティングが開発した にしたのです」 と語る。 グループウェア『N Iコラボ スマート』 だった。スケジュー ル管理や文書管 理、ワークフロー、掲示板など、社内コ 営業力を底上げするため グループウェアで情報共有を図る ミュニケーションに必要なツールが網 白根氏が抱えていた “もう一つの課 スマートフォン、タブレット端末など、 題” 。それは、少数精鋭で業務の生産 さまざまな端末から利用可能。全国を 性を上げるために、営業担当者同士の 飛び回る営業担当者でも、いつ、どこ 情報共有をいかに強化するかというも にいても情報をアップしたり、閲覧し のであった。同社では従来、営業担当 たりすることができる。 者は単独で営業活動を行っており、ど また、 「それぞれの営業担当者が、い の担当者が、どの顧客に対して、どん つ、どこで、何をしているのかといった なアプローチを行っているのかといっ こともスケジュール管理機能で把握で たことが、ほかの担当者にはほとんど きるようになり、社員同士のコミュニ 見えなかった。 ケーションが促進されたことでチーム 「これでは担当者が不在のときに、 ワークも向上したようです」と語るの 3 羅されたこのグループウェアは、PCや ルーツ貿易株式会社 は、同社取締役の白根 裕子氏。営業担 格段に向上したが、白根氏は「現在で 当のみならず、社内で営業報告を待つ も重要な営業活動の進捗状況などに 事務スタッフや、海外事業部門担当者 ついては、必ず対面で営業担当者から も情報共有できるので、業務のやり取 確認するようにしています」と語る。ど りが格段にスムーズになったという。 んなに便利なコミュニケーションツー ただし、 「スケジュールが丸見えに ルができても、面と向かって伝え合う なってしまうので、初めは『社員の管理 ことの重要性は変わらない。これも営 を強化するためのツールではないか』 業力を継承していくうえで大切な取り という強い抵抗がありました。本当は 組みだと考えているようだ。 『NIコラボ スマート』 には売上予測や販売管理、予実管 理などのツールも用意されていて、 リアルタイムな実績デー タを見ながらミーティングができる 7年ほど前から導入を検討していたの ですが、そうした社員の反発も考慮し 役の白根氏は苦労を明かす。 不正アクセス対策として セキュリティも万全に しかし、 「少ない社員数で売り上げ このほかルーツ貿易は、2016年の を伸ばすためには、営業担当者1人ひ マイナンバー制度開始に伴い、ネット とりの力を底上げしなければなりませ ワークセキュリティ強化のために、統合 んし、お客様の満足を高めるためにも 脅威管理アプライアンス 『FortiGate』 て見送ってきたのです」と、代表取締 情報共有は欠かせません。時間をかけ と 、セ キ ュリ ティア プ ラ イ ア ン ス てそうした思いを真摯に伝え、どうに 『SubGate』を導入した。以前、外部 か納得してもらいました」 (白根氏)。 からの不正アクセスによるトラブルを 『NIコラボ スマート』の導入後、ま 経験しており、セキュリティ対策の重要 ず取り組んだのは、とにかく営業担当 性をあらためて痛感したという。 者に一つ一つの活動記録を入力して 今 後 の 課 題 とし て は 、 『 N Iコ もらうことだったという。入力そのも ラ ボ ス マ ート 』と『 S M I L E B S のが面倒だという声もあったが、そう FOODMASTER』の売上予測や販売 して積み上げていった情報が、やがて 管理などの情報の連携強化も検討し 全社の営業力を底上げする資産にな ている。 ると白根氏は確信している。 「現状は二つのシステムの顧客コー また同社では、営業記録だけでな ドが共有できていないので実現して く、定例ミーティングの内容や最新の いませんが、ぜひ大塚商会さんに対応 在庫情報なども『NIコラボ スマート』 策を考えていただきたい」 ( 白根氏) と にアップしている。 「『NIコラボ スマー 期待を寄せる。 ト』には売上予測や販売管理、予実管 取締役の白根 裕子氏は「大塚商会 理などのツールも用意されているの さんには、提供した製品やソリューショ で、 『FOODMASTER』の情報を取り ンは最後までしっかりサポートすると 込み、実績データを見ながらミーティ いう責任の強さや、求める情報を的確 ングができるのは非常に便利です」と に伝えてもらえる頼もしさを感じます。 白根氏は評価する。 当社の営業にとっても見習うべきこと ちなみに、 『N Iコラボ スマート』の が非常に多いですね。これからも力強 導入によって同社の情報共有体制は いご支援を期待しています」 と語った。 ルーツ貿易株式会社のホームページ http://www.e-roots.co.jp/ ・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 ・この記事は2016年9月に作成されました。 Copyright©2016 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved. 4
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