マーシャル医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情では

マーシャル医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の服
用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバイスを
受けるようにしてください。
最新更新履歴:2016 年 2 月更新
1.赴任前の準備
(1)予防接種
・
入国に際して法律で義務付けられている予防接種はない。
・
派遣前に推奨されている予防接種は A 型肝炎、B 型肝炎、破傷風、腸チフスである。
・
国内で狂犬病の発生はないが、心配な方は接種しても構わない。
・
狂犬病ワクチン、A 型肝炎ワクチン、腸チフスワクチンは国内では手に入らず海外か
らの取り寄せになるので、これらのワクチン接種を希望される方は、できるだけ赴任
前や一時帰国時を利用して日本で行うようにすること。
(2)その他の準備
歯科は国立病院の他、プライベート歯科クリニックが1軒ある。初期の虫歯治療以
外は、お勧めできないので、日本で治療を済ませてから赴任するようにすること。
2.医療事情
(1)医療機関
・
マーシャルに医療機関は少なく、マジュロとイバイ島にそれぞれ国立病院があり、私
営のクリニックはマジュロに1軒ある。マジュロ病院には CT やレントゲンがあるが、故
障している場合もある。イバイ病院には、CT はない。
・
医療機関では英語が通じる。
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◇国立マジュロ病院( Majuro Hospital )
所在地:Delap Majuro
電話:692-625-3355(代表)/
692-625-4144(救急)
FAX:692-625-4543
診療時間: 月~金(8:00~17:00)
診療科目: 内科・外科・小児科・眼科・産婦人科・
麻酔科・歯科
日本人スタッフ:なし
◇ 国立イバイ病院(Ebeye Hospital)
所在地:イバイ島:クワジェリンからボートで約 20 分。
電話:(692)329-8206/8029(代表)/(692)329-9911(救急)
診療時間: 月~金(8:00-11:30/13:00-16:30)
診療科目: 内科・外科・整形外科・小児科・産科歯科
日本人スタッフ:なし
◇マジュロ・クリニック(Majuro Clinic)
所在地:Delap Majuro
電話:692-625-6455
診療時間:月~土(9:00~12:00/14:00~18:00)
診療科目:内科
日本人スタッフ:なし
備考:可能な検査は、心電図・尿検査・簡易血糖測定・眼底検査になる。
(2)緊急時の対応と措置
・
マジュロでの患者の搬送先は、マジュロ病院である。
・
離島から本島への患者の搬送手段は、ボートかエア・マーシャルになる。エア・マーシ
ャルをチャータ-し、国立病院のあるマジュロかイバイに移送する。エア・マーシャル
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の運航は、緊急時には定期便よりも緊急移送が優先されるが、機体の故障が頻回に
あるので確認が必要である。
・
患者の状態によっては、精密検査や治療のために海外への移送が必要になる。国
内に緊急移送会社はないので、海外への移送手段は、商用便か海外の緊急移送会
社になる。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
・
総合感冒薬や痛み止めなど、日本で飲みなれた薬があれば持参すること。
・
虫よけスプレーは手に入りづらく、アメリカからの輸入品になる。湿布薬は現地で入
手困難なため、携行を勧める。
・
乳幼児用の市販薬はないので、必要と思われる薬は予め日本から携行することを勧
める。
(2)現地で調達できる医薬品
・
日本製にこだわらなければ、解熱鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬等はスーパーなどで入手
できる。医薬品は輸入に頼っているため、手に入らない場合もある。
・
抗生剤の購入には、医師の処方箋が必要である。
(3)現地で調達できる衛生用品
・
避妊具(コンドーム)は、医療機関や保健所で手に入る。保健所では、家族計画のた
めに無料で提供している。
・
絆創膏、生理用品、殺虫剤、蚊取線香はスーパーで手に入る。
・
蚊帳は、一般的に使用されておらず、マジュロでは常時手に入るとは限らない。一般
的な防蚊対策は、網戸の使用と蚊取り線香である。
(4)薬局
病院で処方を受けた薬は、病院内の薬局で購入する。
医師の処方箋が不要な家庭用医薬品は、次のスーパーで購入できる。
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◇Payless Supermarket
所在地:マジュロ
◇K&K Supermarket
所在地:マジュロ
4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
・
正常分娩であっても、不測の事態が生じた場合、迅速で適切な対応ができないことも
考えられるため、日本での出産が望ましい。
・
母子健診は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。
(2)出産後の対応
・
通常は、出産の翌日退院となる。
・
乳幼児健診は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。
・
小児の予防接種は、保健所(PUBLIC HEALTH)で受けることができる。ただし、日本
の接種プログラムとは異なる。赴任後の予防接種に関しては、あらかじめ日本の医
師と相談しておくか、現地の小児科医と相談して行くこと。
・
日本の母子手帳と予防接種カードがあれば、持参すること。
(3)育児
育児用品は、哺乳瓶、紙おむつ、粉ミルク、ベビー石鹸、衣類などは入手できる。ほと
んどが輸入品(アメリカ)だが、粉ミルクなど、一部日本製のものもある。
しかし、衣類や紙おむつは適当なサイズがあるとは限らず、入荷は安定していない。
必ず必要と思われるものは、予め日本から携行されたほうが良いだろう。
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5.手術
(1)現地で可能な手術
・
一般外科、産婦人科、整形外科の手術が行われている。マジュロ病院には、麻酔科
専門医はおらず、トレーニングを受けた看護師が麻酔を実施する。そのため、全身麻
酔ではなく、腰椎麻酔が実施されている。脳外科、心臓血管外科の専門医はいない
ため、これらの病気に対しては、手術が必要な場合でも現地では基本的に内科的な
治療しか行えない。
・
手術中に不測の事態が生じた場合や手術後に重篤な合併症が起きた場合、国内の
医療レベルでは対応できない恐れがあるので、手術は可能な限り日本で行うことを
勧める。
(2)手術設備の状況
マジュロ病院には、手術室が2室ある。
(3)その他の留意点
輸血用血液の保管はなく、輸血は必要時ドナーを集めて行っている。輸血前には感染
症スクリーニング検査が実施されているが、安全性を考慮し慎重に対応する必要があ
る。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
・
小さな島国なので、風邪やインフルエンザ、結膜炎など、流行性の病気は感染が短
期間で島中に広がる傾向にある。
・
高温多湿のため、細菌やカビなどが繁殖しやすい環境である。水虫などの真菌疾患、
細菌による傷の化膿、食中毒などが起こりやすくなっている。
・
寄生虫やアメーバー赤痢なども見られる。
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(2)風土病、感染症
・
腸チフス:発生あり
・
結核:発生あり
・
マラリア:発生なし
・
デング熱/チクングニア熱/ジカ熱:発生あり
(3)有害動物、病害虫
特に危険な害虫はいない。
7.保健衛生
(1)飲料水
・
水道水は、一般に雨水または地下水を利用している。加熱すれば問題ないが、飲料
用には適していない。
・
ボトルに入った水は、スーパーで売られている。飲料用蒸留水を販売している会社も
あり、宅配サービスも行っている。
・
(2)濾過器の入手
入手できない。
(3)その他の留意点
・
ダイビングによる減圧症治療のための再加圧チャンバーは、マジュロ国立病院とクワ
ジェリン環礁のアメリカ軍基地ある。しかし、機器の不具合により稼働していない場合
もあるので、適宜確認が必要である。
・
生活習慣病予防の自己管理が必要である。現地の食生活は欧米化しており、脂っぽ
い食べ物が多く、外食はカロリーや塩分の取りすぎにつながる。また食料のほとんど
を輸入に頼っており、インスタント食品や缶詰が多く、新鮮な野菜は種類や量が少な
いので、自炊であってもバランスの取れた食事をとることは難しくなっている。
・
運動できる場所としては、テニスコートや会員制のジムがある。ジョギングをする場合
は、野犬に注意すること。歩道が整備されていないので、車にも注意が必要である。
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