高分子凝集剤 技術説明資料 高分子凝集剤の特性と効果的活用法 (1)「凝集の概念・高分子凝集剤の特性」 (2)「高分子凝集剤の選定と活用方法」 (3)「エマルション型高分子凝集剤の優位性」 MTアクアポリマー(株) 1 1.凝集の概念・高分子凝集剤の特性 1-1. 廃水処理の流れ 粗大粒子 比重差で、沈降・浮上 懸濁粒子 凝結 固形物 凝集 廃水 無機系・・・化学的処理など 水溶性物質 有機系・・・活性汚泥処理など 高分子凝集剤 汚濁の原因となっている微細な懸濁粒子を、 凝集作用によって集めて固まりにし、 効率よく、水と分離させる薬剤。 MTアクアポリマー(株) 2 1-1 凝集による廃水の減量効果 固形分 0.2% 固形分 原廃水 2% 固形分 汚泥 20% 脱水ケーキ 1000L 体積1/10 固形分 2Kg 100L 凝集沈殿 MTアクアポリマー(株) 体積1/100 脱水 10L 3 1-2 対象となる懸濁粒子径と処理方法 粒子径 10-1(cm) 1mm 粒子の 種類 懸濁粒子 砂 処理法 10-2 100μm 10-3 100μm 10-4 1μm 10-5 100nm 10-6 10nm コロイド粒子 繊維くず デンプン粒 ←自然沈降濾過 ← バクテリア 顔料 凝集、沈殿、濾過 MTアクアポリマー(株) 10-7 1nm 分子 タンパク質 ベントナイト 染料 界面活性剤 → →活性炭吸着、活性汚泥処理 →イオン交換法 4 1-3 フロックの形成過程 凝結 (無機・有機凝結剤) コロイド粒子 微小フロック 凝結+吸着・架橋 (高分子凝集剤) 粗粒、細粒 吸着・架橋 (高分子凝集剤) 粗大フロック 吸着・架橋 (高分子凝集剤) MTアクアポリマー(株) 5 1-4 凝結、凝集の概念図 MTアクアポリマー(株) 6 1-5 凝結剤の種類 無機凝結剤 (例) 有機凝結剤 (例) ・硫酸バンド ・ポリアミン ・塩化アルミ ・DADMAC →上澄SS低減 ・PAC(ポリ塩化アルミ) →清澄性の向上 ・メラミン酸コロイド →COD低減 →上澄SS低減 ・塩化第二鉄 ・ジシアンジアミド →脱色 ・ポリ硫酸第二鉄 →リン低減 →硫化水素低減 ①無機との併用で効果増大 ②スラッジの低減(無機との比較) 添加量:数百ppm 添加量:数十ppm MTアクアポリマー(株) 7 1-6 高分子凝集剤の種類 イオン性 モノマー種 主な適正懸濁液 主な処理効果 アニオン性 カルボン酸系 無機、有機系 コロイド分散液 凝集沈殿、加圧 浮上、脱水 スルホン酸系 〃 〃 pH変動の大きい廃水に有効 〃 〃 酸性廃水に効果大 有機系コロイド 分散液 脱水 〃 〃 遠心脱水機に効果大 〃 〃 無機凝結剤との併用により、 難脱水汚泥に効果大 ノニオン性 カチオン性 メタアクリル 酸エステル系 アクリル酸 エステル系 両 性 MTアクアポリマー(株) 特徴 凝集沈殿処理に幅広く対応 ベルトプレス脱水機に効果大 8 1-7 高分子凝集剤の構造 (−) アニオン 100% 大 (0) ノニオン 0% (モノマー例) アクリル酸(Na塩) H H | | ――C―C―― | | H C=O |− O : + Na アクリルアミド H H | | ――C―C―― | | H C=O | NH2 MTアクアポリマー(株) 大 (+) カチオン 100% ジメチルアミノエチル メタアクリレート(メチクロ塩) H CH3 | | ――C―C―― | | H C=O | O | CH2 | CH2 |+ CH3―N―CH3 | CH3 : − Cl 9 1-8 粉末高分子凝集剤の溶解方法 ○ × 撹拌回転数:200∼400rpm MTアクアポリマー(株) 撹拌時間:約1時間 10 1-9 凝結、凝集の実例 廃水:砂利廃水 凝結作用 凝集作用 凝結 ↓ 凝集 PACのみ 高分子 凝集剤 のみ PAC 高分子凝集剤 併用 無機凝結剤: (PAC) 1000ppm 高分子凝集剤: 強アニオンA130 凝集剤添加量:10ppm 転倒撹拌10回後、 10分間静置 ※PAC:ポリ塩化アルミニウム (無機凝結剤) 無添加 MTアクアポリマー(株) 11 2.高分子凝集剤の選定と活用方法 凝集剤の使用箇所 凝集沈殿 廃水③ 脱 水 (凝結剤・ 高分子凝集剤) 廃水② 廃水① 凝結剤 高分子凝集剤 クラリファイヤー 脱 凝集沈殿 凝結剤 pH調節 無機の種類 脱水機 水 添加量、添加方法 凝集剤銘柄選定 有機凝結剤の併用 2液処理の検討 添加量の検討 凝集剤 銘柄選定 高分子凝集剤 添加量 pHの影響 MTアクアポリマー(株) 各流入汚泥の凝集状態 12 2-1 高分子凝集剤の選定方法 机上試験 凝集沈殿試験 適正銘柄選定 ジャーテスター シリンダーテスター フローテーションテスター 適正処理条件 脱水試験 遠心脱水試験 ベルトプレス脱水試験 スクリュープレス脱水試験 MTアクアポリマー(株) 実機試験 適正銘柄性能確認 最適運転条件の検討 13 2-2 机上試験の例(凝集:ジャーテスター) 凝結剤添加 pH調節 凝集剤添加 MTアクアポリマー(株) 凝集 14 2-3 机上試験の例(凝集:シリンダーテスター) 凝結、pH調節 凝集反応 シリンダーテスター 凝集性の観察 沈降速度(線速度) 沈降速度(m/h)= 一定幅の液量(ml)/ [沈降時間(秒)×0.2671※] ※シリンダー内径35mmφの場合 手撹拌 MTアクアポリマー(株) 15 2-4 机上試験の例(脱水:ベルトプレス) MTアクアポリマー(株) 16 2-5 机上試験の例(脱水:デカンター) MTアクアポリマー(株) 17 3.エマルション型高分子凝集剤の優位性 エマルションポリマーの原液組成 W/O(水/油)型 有効分30∼45% 粒径0.5∼5μm MTアクアポリマー(株) 18 3-1 各種製品形態による特徴 項目 粉末 エマルション ディスパージョン ペースト 1.取り扱い 作業性 ▲ 粉塵の発生 ◎ クリーン ◎ クリーン ○ クリーン 吸湿性 ▲ 湿気で固まる ◎ ◎ ◎ ▲ 分散溶解の必要 ◎ ◎ ○ 粘性が高い △ 約1時間 ◎ 15∼30分 ◎ ▲ 約3時間 ▲ 大型化 ◎ コンパクト ○ △ 溶解槽が大型 △ 可能だが高価 ◎ 省力化 ◎ 省力化 ◎ 省力化 ▲ 極めて困難 ◎ 対応可能 ○ ある程度対応 ▲ 極めて困難 2.溶解 作業性 溶解時間 15∼30分 3.溶解設備 規模 自動化 4.性能 難脱水性汚泥 MTアクアポリマー(株) 19 3-2 エマルションポリマー 溶解性の比較 × ○ ◎ MTアクアポリマー(株) 20 3-3 エマルションポリマーの溶解速度 粉末との比較 溶解方法の比較 溶解方法の比較(連続・バッチ) 100 100 90 90 80 80 70 70 60 60 溶解度(%) 溶解度(%) 溶解時間の比較(エマルション・粉末) 50 40 エマルション(2360) 粉末(A130) 30 連続溶解 バッチ溶解 50 40 30 20 20 常温、400rpmプロペラ撹拌で溶解 10 エマルションポリマー(2360) 10 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 溶解時間(分) 40 45 50 MTアクアポリマー(株) 0 5 10 溶解時間(分) 15 20 21 3-4 エマルションポリマーの粒子径 拡大 MTアクアポリマー(株) 22 3-5 エマルションポリマーの効果 例)難処理汚泥(腐敗進行)と凝集性能変化 フロックサイズ(d) 8 7 粉末ポリマー 6 5 d 4 3 2 1 0 エマルションポリマー C496H 汚泥:下水・混合生 ポリマー 添加率 (%/TS) 3580 脱水:遠心脱水 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0 3 静置日数(日) 7 腐敗の進行→ 0 3 静置日数(日) 粉末:C496H(中カチオン) Em:3560(中カチオン) 7 腐敗の進行→ 重力濾水量(Vol%/10s) 80 ポリマー 添加率 (%/TS) 70 60 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 % 50 40 30 20 0 静置日数(日) 3 7 腐敗の進行→ 0 静置日数(日) 3 ケーキ含水率(%) 86 ポリマー 添加率 (%/TS) 84 82 % 80 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 78 76 74 72 70 7 0 腐敗の進行→ 静置日数(日) MTアクアポリマー(株) 3 7 腐敗の進行→ 0 静置日数(日) 3 7 腐敗の進行→ 23 3-6 エマルションポリマーの溶解装置 MTアクアポリマー(株) 24 3-7 エマルションポリマー 実機装置 自動溶解装置 製品納入 貯留タンク 実機試験 MTアクアポリマー(株) 25 3-8 エマルションポリマー 溶解装置材質 耐油性の素材を使用する ポンプ モノーポンプ 耐油性の素材不要 エマルション貯留タンク ◎ 材質 FRP(耐油性) 溶解槽 ◎ ギアポンプ ○ ステンレスSUS316 ◎ ダイヤフラムポンプ △ ステンレスSUS304 ○ ポリエチレン(高圧・ ラミネート) ○ ポリエチレン(低圧) △ 鉄 × Viton ◎ Tygon △ NBR × パッキン・ステーター Viton パッキン ◎ MTアクアポリマー(株) 粉末ポリマーの設備 と同様でよい 26
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