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分析事例C0441 2016/10/05 2016/10/05
血液成分の洗浄効果評価
TOF-SIMSによる拭き取り残渣の可視化
測定法 :TOF-SIMS
製品分野 :医療機器・医薬品
分析目的 :組成評価・同定・組成分布評価・故障解析・不良解析
概要
医療機器のパンフレット等に洗浄方法を記載する際には、その洗浄方法の妥当性を確認する必要があ
ります。今回は医療機器の拭き取り方法の検証実験として、血液モデル薬物のウシ血清アルブミン
(BSA)をアセチルセルロース(TAC)のシート・SUS製メス・ガラスにそれぞれ塗布し、拭き取り前後の成
分残渣評価をTOF-SIMSで行いました。その結果、BSAの拭き取りには水よりもエタノールの方が適して
いることや、基質によって拭き取り効果が異なることがわかりました。
データ
■実験内容
①TACシート・SUS製メス・ガラスにBSA10μl(1mg/ml)を
それぞれ滴下し、試料を乾燥させ蒸発乾固した。
②BSA乾固物を純水又はエタノールを
含ませた布で拭き取り、TOF-SIMSで測定した。
③ウォーターマーク内のタンパク質の検出量から
溶媒及び基質による拭き取り効果を評価した。
BSA乾固物
測定範囲
5mm×5mm
基板(TACシート)
■拭き取り残渣の可視化
BSA乾固物
図1 BSA乾固物
水拭き後
エタノール拭き後
strong
■溶媒及び基質による
拭き取り効果の比較
アセチル
セルロース
(TAC)
BSA乾固物
水拭き
エタノール拭き
100
1mm
強度**
80
SUS
60
40
20
0
TAC
SUS
ガラス
図3 溶媒及び基質による
拭き取り効果の数値化*
ガラス
weak
Intensity
* ウォーターマーク内の検出量を比較
**BSA乾固物を100として規格化
図2 タンパク質成分のイメージ結果(5mm角)
● 洗浄溶媒及び基質における拭き取り効果を評価可能
● タンパク質成分と基質成分を同時に取得
● 洗浄バリデーション用の基礎データ取得に有用
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