沖縄県八重山地域 雇用開発計画 沖 縄 県 目 次 はじめに Ⅰ 沖縄県八重山地域雇用開発促進地域の区域 ・・・・・・・・・・・ 1 対象区域 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 対象地域の概況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)地域の地形等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)地域の求職者の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)人口の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)事業所、従業者数の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 2 2 2 3 4 Ⅱ 5 5 6 6 7 7 8 8 労働力の需給状況及びその他雇用の動向 ・・・・・・・・・・・・ 1 労働力人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 労働力の需給状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)求人数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)求職者数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)求人倍率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)年齢別紹介状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)離職者の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ 地域雇用開発の目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Ⅳ 地域雇用開発を促進するための方策 ・・・・・・・・・・・・・・ 9 1 地域雇用開発の促進のための措置 ・・・・・・・・・・・・・・ 9 (1)新たな雇用機会の開発の促進 ・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (2)職業能力開発の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (3)労働力需給の円滑な結合の促進 ・・・・・・・・・・・・・・10 (4)各種支援措置の周知徹底 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (5)地域雇用開発の効果的な推進 ・・・・・・・・・・・・・・・10 2 雇用開発に資する県の取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 Ⅴ 地域雇用開発計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 沖縄県八重山地域雇用開発計画 はじめに 全国の雇用情勢は、今般の好景気を背景に、緩やかに改善が続いている。 しかしながら、本県の平成27年度の一般有効求人倍率は0.87倍と全国平均の1.23倍 と比較して低く、一方、本地域は1.18倍と全国に近づいているものの、まだ差がある状況で ある。 このように本地域の雇用情勢は、有効求人倍率からみると改善しているが「雇用開発促進地域」 として地域の産業振興等により雇用機会の創出に取り組むこととし、本計画により地域の雇用情 勢の現状や特性を明らかにするとともに、地域雇用開発の目標やそれを達成するための方策等を 示し、今後、本計画に基づき産業施策や地域振興施策等との連携を図りながら本地域における雇 用対策を推進していくこととする。 Ⅰ 沖縄県八重山雇用開発促進地域の区域 1 対象区域 本地域の区域は、次の1市、2町の3市町とする。 石垣市、竹富町、与那国町 1 2 対象地域の概況 (1) 地域の地形等 本地域は沖縄本島那覇市の南西方向約410kmに位置し、石垣島、西表島、与那国島等の 離島からなり、面積は59.18平方キロメートルで、県土の約26%を占めている。地形的に は本県の最高峰である於茂登岳に代表される山岳地帯と平坦部及び緩傾斜地帯から構成され、大 小32の島々からなる島嶼地域である。土地利用としては農用地と森林原野の自然的土地利用が 約84%を占め、肉用牛、さとうきびを中心とした農業と、豊かな自然を活用した観光・リゾー ト産業が主な産業となっている。 交通については、地域の中心である石垣島の石垣港及び新石垣空港を起点として航路及び空路 により各離島が結ばれている。 (2) 地域の求職者の状況 ①一般有効求職者数 最近3年間における本地域の一般有効求職者数は、月平均で1,053人となっている。平 成27年度は923人で平成26年度と比較すると11.7%減少している。 また、最近1年間でみると、平成27年4月の1,014人から12月に878人まで減少 したが、その後は増加し、平成28年3月には1,009人となっている。 ②労働力人口に対する一般有効求職者数の割合 平成22年国勢調査における本地域の労働力人口に対する最近3年度における本地域の一般 有効求職者数の月平均値の割合は3.8%で、同期間における全国平均値(3.3%)を上回 っており、地域内に居住する求職者の割合が高い状況にある。 ③一般有効求人倍率 最近3年間における本地域の一般有効求人倍率の月平均値は0.99倍で、同期間における 県平均値(0.72倍)を上回っているものの、全国平均(1.10倍)は下回っている。 また、年度ごとで比較すると、平成27年度は1.18倍と平成25年度の0.75倍から 改善しているものの、全国数値1,23倍とは依然として開きがある。 表1 最近3年間の一般有効求職者数の推移(学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 H25 年度 H26 年度 3年間 H27 年度 平均値 年 14,265 12,550 11,076 12,630 月平均値 1,189 1,046 923 1,053 ▲12.0 ▲11.7 - 八重山 前年度比 ▲13.7 資料:沖縄労働局 表2 最近1年間の一般有効求職者数の月平均値(臨時・季節、日雇、学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 八重山 H 27 年 4 月 H 27 年 5 月 H 27 年 6 月 H 27 年 7 月 H 27 年 8 月 H 27 年 9 月 H 27 年 10 月 1,014 974 950 918 855 856 889 H 27 年 11 H 27 年 12 月 921 878 H28 年 1 月 H28 年 2 月 874 2 938 H28 年 3 月 1,009 合 計 11,076 平 均 923 資料:沖縄労働局 表3 労働力人口に対する最近3年度の一般有効求職者数の月平均値の割合 3年間 公共職業安定所名 H25 年度 H26 年度 H27 年度 平均値 一般有効求職者数 14,265 12,550 11,076 12,630 月平均① 1,189 1,046 923 1,053 八重山 労働力人口② 割合(①/②) 27,414 - 4.3% 3.8% 3.4% 3.8% 一般有効求職者数 382,262 352,520 335,701 356,828 月平均① 31,855 29,377 27,975 29,736 県全域 労働力人口② 割合(①/②) 650,307 - 4.9% 4.5% 4.3% 4.6% 一般有効求職者数 26,838,949 24,786,800 23,464,096 25,029,948 月平均① 2,236,579 2,065,567 1,955,341 2,085,829 全国 労働力人口② 割合(①/②) 63,699,101 3.5% - 3.2% 3.1% 3.3% 資料:H22 国勢調査、沖縄労働局 表4 最近3年度の一般有効求人倍率の月平均値(学卒を除き、パートを含む) 3年間 公共職業安定所名 H25 年度 H26 年度 H27 年度 平均値 八重山 有効求職者数① 14,265 12,550 11,076 有効求人数② 10,758 13,702 13,052 0.75 1.09 1.18 0.99 有効求職者数① 382,262 352,520 335,701 356,828 有効求人数② 218,838 258,044 293,112 256,665 0.57 0.73 0.87 0.72 有効求職者数① 26,838,949 24,786,800 23,464,096 25,029,948 有効求人数② 26,143,606 27,576,057 28,974,481 27,564,715 1.23 1.10 有効求人倍率②/① 県全域 有効求人倍率②/① 全国 有効求人倍率②/① 0.97 1.11 12,630 12,504 資料:沖縄労働局 (3) 人口の推移 平成22年の国勢調査では、本地域の人口は52,438人 で、県人口に占める割合は 3.8%となっている。平成17年と比較すると2.5%増加しており、最近の沖縄人気によ る移住者の増加などが要因と見られる。 3 表5 人口の推移(総数) 地 域 H7年 H17年 H22年 47,086 48,705 51,171 52,438 (3.7%) (3.7%) (3.8%) (3.8%) 1,273,440 1,318,220 1,361,594 1,392,818 八重山 県計 H12年 ※( )の数値は県計に占める割合 増 減 率 (H17-22) 2.5 2.3 資料:国勢調査(年齢不詳を含む) (4) 事業所、従業者数の状況 ①事業所、従業者数 本地域には平成24年現在で3,592事業所あり、県全域に占める割合は5.7%とな っている。また、平成21年と比較すると6.1%の減少となっている。 従業者数は平成24年現在で21,663人となっており、県全域に占める割合は4.2% となっている。また、平成21年と比較すると2.3%の減少となっている。 表6 事業所数の推移 地域 H16年 H18年 H21年 H24年 3,053 3,636 3,825 3,592 (4.7%) (5.2%) (5.6%) (5.7%) 65,609 69,997 68,543 63,060 増減率(H21-24) ▲6.1 八重山 県計 ▲8.0 ※( )の数値は県計に占める割合 資料:事業所・企業統計、H21経済センサス-基礎調査、H24経済センサス-活動調査 表7 従業者数の推移 地 域 八重山 県計 H16年 H18年 H21年 H24年 16,463 19,766 22,163 21,663 (3.7%) (4.0%) (4.3%) (4.2%) 447,408 491,290 517,580 517,336 増減率(H21-24) ▲2.3 ▲0.05 ※( )の数値は県計に占める割合 資料:事業所・企業統計、H21経済センサス-基礎調査、H24経済センサス-活動調査 ②産業別事業所、従業者数 産業別の事業所数及び従業者数を平成24年でみると、事業所は、第二次、第三次産業で、 98.5%を占め、そのうち第三次産業84.1%、第二次産業14.4%となっている。 また、従業者数では、第二次、第三次産業で、98.1%を占め、そのうち第三次産業は、 81.2%、第二次産業16.9%となっている。 4 表8 産業別事業所数 地域 全産業 八重山 第一次産業 (①+②) 第二次産業① 第三次産業② 3,592 55 3,537 517 3,020 100.0% 1.5% 98.5% 14.4% 84.1% (5.7%) (16.0%) (5.6%) (7.0%) (5.5%) 県計 63,060 343 62,717 7,371 55,346 構成比 100.0% 0.5% 99.5% 11.7% 87.8% 構成比 資料:H24 経済センサス-活動調査 ※( )の数値は県計に占める割合 表9 産業別従事者数 地域 全産業 八重山 第一次産業 (①+②) 第二次産業① 第三次産業② 21,663 410 21,253 3,667 17,586 100.0% 1.9% 98.1% 16.9% 81.2% (59.8%) (20.1%) (4.3%) (5.0%) (4.2%) 県計 517,336 2,838 514,498 72,820 441,678 構成比 100.0% 0.5% 99.5% 14.1% 85.4% 構成比 資料:H24 経済センサス-活動調査 ※( )の数値は県計に占める割合 Ⅱ 労働力の需給状況及びその他雇用の動向 1 労働力人口 平成22年の国勢調査では、本地域の労働力人口は27,414人で、県全域の労働力人口 に占める割合は4.2%となっている。また、平成17年と比較すると2.5%増加しており、 県平均2.3%の増加を上回っている。 そのうち、就業者数は25,523人で、平成17年から2.0%増加している。また、完 全失業者数は1,891人で、平成17年から10.3%増加しており、県平均4.9%の減 少とは逆に雇用状況は悪化している。そのため、完全失業率は平成17年の6.4%から6. 9%に悪化している。 表 10 労働力人口の推移(全数) 労働力人口 就業者数 地 域 H17 26,745 H22 27,414 八重山 県計 完全失業者数 増減率 増減率 H17 H22 H17 25,030 25,523 2.5% (4.2%) (4.2%) 635,849 650,307 2.3% H22 1,715 1,891 (2.3%) (2.6%) 75,372 71,669 2.0% (4.5%) (4.4%) 560,477 578,638 ※( )の数値は県計に占める割合 3.2% 完全失業率 増減率 H17 H22 10.3% 6.4% 6.9% ▲4.9% 11.9% 11.0% 資料:H22 国勢調査 5 表 11 労働力人口の推移(15~64歳以下) 労働力人口 就業者数 地 域 H17 H22 24,378 25,201 八重山 県計 完全失業者数 増減率 H17 H22 22,716 23,433 (4.1%) 598,000 610,487 2.1% 増減率 H17 3.4% (4.1%) 完全失業率 増減率 H22 H17 1,662 1768 (2.3%) (2.6%) 72,802 68,481 3.2% (4.3%) (4.3%) 525,198 542,006 3.2% ※( )の数値は県計に占める割合 H22 6.4% 6.8% 7.0% ▲5.9% 12.2% 11.2% 資料:H22 国勢調査 表 12 労働力人口の推移(65歳以上) 労働力人口 就業者数 地 域 完全失業者数 増減率 H17 H22 2,367 H17 2,213 八重山 県計 (8.7%) 37,849 39,820 2,314 5.2% 増減率 H22 H17 2,090 ▲6.5% (11.1%) H22 H17 53 123 3.1%) (4.0%) 2,570 3,188 ▲9.7% (11.7%) (9.1%) 35,279 36,632 3.8% ※( )の数値は県計に占める割合 2 完全失業率 増減率 H22 132.1% 2.2% 5.6% 24.0% 6.8% 8.0% 資料:H22 国勢調査 労働力の需給状況 (1) 求人数 最近3年間における本地域の一般有効求人数の月平均値は1,042人である。年度ごとで 比較すると、平成27年度は1,088人で平成25年度897人から191人増加している。 また、最近1年間でみると、平成27年4月の1,140人から平成27年8月には930 人と落ち込んだが、平成28年3月には1,461人と増加傾向となっている。 表13 最近3年間の一般有効求人数の月平均値(学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 H 25 年度 H 26 年度 3年間 H 27 年度 平均値 年 10,758 13,702 13,052 12,504 897 1,142 1,088 1,042 八重山 月平均値 資料:沖縄労働局 表 14 最近1年間の一般有効求人数の月平均値(臨時・季節、日雇、学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 H27 年 4 月 1,140 八重山 H 27 年 11 月 1,096 H27 年 5 月 1,027 H 27 年 12 月 989 H27 年 6 月 1,002 H28 年 1 月 1,137 H27 年 7 月 973 H28 年 2 月 1,230 H27 年 8 月 930 H28 年 3 月 1,461 H27 年 9 月 H27 年 10 月 1,009 1,088 合 計 13,052 資料:沖縄労働局 6 平 均 1,088 (2) 求職者数 最近3年間における本地域の一般有効求職者数は、月平均で1,053人となっている。平 成27年度は923人で平成26年度と比較すると11.7%減少している。 また、最近1年間でみると、平成27年4月の1,014人から8月に855人まで減少し たが、その後は増加し平成28年3月には1,009人となっている。 表1 (再掲) 最近3年間の一般有効求職者数の推移(学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 H25 年度 H26 年度 3年間 H27 年度 平均値 年 14,265 12,550 11,076 12,630 月平均値 1,189 1,046 923 1,053 ▲12.0 ▲11.7 - 八重山 前年度比 ▲13.7 資料:沖縄労働局 表2 (再掲) 最近1年間の一般有効求職者数の月平均値(臨時・季節、日雇、学卒を除き、パートを含む) 公共職業安定所名 八重山 H 27 年 4 月 H 27 年 5 月 H 27 年 6 月 H 27 年 7 月 H 27 年 8 月 H 27 年 9 月 H 27 年 10 月 1,014 974 950 918 855 856 889 H 27 年 11 H 27 年 12 月 921 878 H28 年 1 月 H28 年 2 月 874 938 H28 年 3 月 1,009 合 計 平 均 11,076 923 資料:沖縄労働局 (3) 求人倍率 最近3年間における本地域の一般有効求人倍率の月平均値は0.99倍で、同期間における 県 平均値(0.72倍)よりは上回っているが、全国平均(1.10倍)よりは下回っている。ま た、年度ごとで比較すると、平成27年度は1.18倍と平成25年度の0.75倍から改善し ている。 また、最近10年間の一般有効求人倍率の推移をみると、平成19年度に0.84倍まで上昇 したが、平成23年度には0.29倍と落ち込んだ。その後、平成24年度以降からは上昇傾向 にあり、改善している。 表4 (再掲) 最近3年度の一般有効求人倍率の月平均値(学卒を除き、パートを含む) 3年間 公共職業安定所名 H25 年度 H26 年度 H27 年度 平均値 八重山 有効求職者数① 14,265 12,550 11,076 有効求人数② 10,758 13,702 13,052 0.75 1.09 1.18 0.99 有効求職者数① 382,262 352,520 335,701 356,828 有効求人数② 218,838 258,044 293,112 256,665 0.57 0.73 0.87 0.72 有効求職者数① 26,838,949 24,786,800 23,464,096 25,029,948 有効求人数② 26,143,606 27,576,057 28,974,481 27,564,715 1.23 1.10 有効求人倍率②/① 県全域 有効求人倍率②/① 全国 有効求人倍率②/① 0.97 1.11 12,630 12,504 資料:沖縄労働局 7 表 15 最近10年間の一般有効求人倍率(学卒を除き、パートを含む)の推移 公共職業 H18 年度 H19 年度 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H25 年度 H26 年度 H27 年度 八重山 0.76 0.84 0.61 0.41 0.33 0.29 0.41 0.75 1.09 1.18 県平均 0.45 0.42 0.35 0.28 0.31 0.31 0.42 0.57 0.73 0.87 安定所名 資料:沖縄労働局 (4) 年齢別紹介状況 本地域の平成27年度の年齢別常用紹介状況をみると、最も多い層は「35歳未満」で構成 比は36.3%となっている。次いで「45~65歳未満」で、「35~45歳」、「65歳 以上」の順となっている。 表 16 年齢別常用紹介状況(平成 27 年度) 紹介件数(常用) 八重山 県全域 35歳未満 4,255 36.3% 131,902 39.4% 35~45歳 2,921 24.9% 79,779 23.8% 45~65歳 3,925 33.5% 110,909 33.1% 65歳以上 627 5.3% 12,070 3.6% 計 11,728 334,660 資料:沖縄労働局 (5) 離職者の状況 本地域の平成27年度の雇用保険資格喪失者数は2,795人で、そのうち解雇された者は1 22人であり、県全域に占める本地域の雇用保険資格喪失者数の割合は3.2%となっている。 また、平成25年度と平成27年度を比較すると、雇用保険資格喪失者数が増加しているが事 業主の都合による解雇者は減少している。 表 17 雇用保険資格喪失者数及び事業主の都合による解雇者数 公共職業安定所名 雇用保険資格喪失者 総 H 25 年度 数 H 26 年度 H 27 年度 2,678 2,629 2,795 (3.3%) (3.2%) (3.2%) 184 101 122 (4.0%) (2.2%) (3.0%) 81,103 82,706 86,967 4,658 4,558 4,013 八重山 うち事業主都合による解雇者数 総 数 県計 うち事業主都合による解雇者数 ※( )の数値は県計に占める割合 資料:沖縄労働局 8 Ⅲ 地域雇用開発の目標 本地域は、我が国の最西端に位置する地理的条件と多様性に富んだ自然環境、歴史的・文化 的特性を生かした観光・リゾート産業、農林水産業の振興が図られているところである。 順調な観光・リゾート産業の影響もあり、本地域における事業所数、従業員数は、ともに増 加している。 本地域においては、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づく施策や事業等により、多様 性に富んだ自然環境や地域内の歴史・文化資源など、様々な資源を活用した独自の観光スタイルの 創出を促進するとともに、情報通信関連企業等の立地を促進することにより雇用機会の創出、増 大を促進する。また、平成28年3月に策定された、「沖縄県アジア経済戦略構想推進計画」 に基づき、さらなる産業の振興が図られているところである。 また、これらの産業振興施策とあいまって、各種雇用関連助成金の活用促進や事業主への情 報提供等により雇用機会の創出を促進するとともに、地域の産業を担う人材の育成・確保を進 め、求人情報等を地域の求職者に幅広く提供すること等により就職活動の円滑化を図る。 このような観光関連産業や情報通信関連産業等の産業振興を促進することにより、当地域に おいて新たな雇用を844人創出することを目標とする。 Ⅳ 地域雇用開発を促進するための方策 1 地域雇用開発の促進のための措置 (1) 新たな雇用機会の開発の促進 ①沖縄県産業・雇用拡大県民運動の推進 雇用情勢を全国並みに改善するため、行政による産業・雇用の拡大につながる施策実施と併 せて、県民各層の関心を喚起し、企業、学校・教育機関、家庭・地域社会、マスメディア、行 政機関等各主体がそれぞれの役割のもと具体的な行動を促す県民運動を展開する。 ②市町村等による自発的雇用創出の促進 実践型地域雇用創造事業等を活用して、地域の特性を生かした重点分野における雇用創造に 向けた市町村等の自発的な取組を促進し、雇用機会の創出・増大を図る。 ③助成金等の活用による雇用創出の促進 沖縄若年者雇用促進奨励金を含めた地域雇用開発助成金等各種助成金、中小企業労働力確保 法に基づく助成制度等を活用して、創業資金の助成、設備投資の奨励措置等を行うことで起業・ 創業、事業拡大等に伴う雇用の場の確保を促進する。 また、特定求職者雇用開発助成金等の助成制度の活用を促進し、母子家庭の母等や障害者、 中高年齢者等の就職困難者の雇用の場の確保を促進する。 (2) 職業能力開発の推進 ①民間教育訓練機関等を活用した委託訓練を実施し、産業界のニーズに応える人材の育成・確 保に努める。 ②従業員を対象とした職業訓練を実施する事業主を支援するため、認定職業訓練助成事業費補 9 助金、キャリア形成促進助成金等各種助成金の活用を促進する。 ③実践型地域雇用創造事業等を活用して、地域の特性を生かした重点分野における人材育成・ 能力開発に向けた市町村等の自発的な取組を促進する。 (3) 労働力需給の円滑な結合の促進 ①求職者に対する職業指導・相談等や事業主に対する指導・援助を公共職業安定所と連携して 行う。 ②高校生を対象に、企業でのインターンシップの実施や沖縄本島での合同企業説明会・面接会 への参加を促進し、新規学卒者の職業観の育成や就職を支援する。 ③各高校における専任の就職支援コーディネーターの配置により、若年者に対するキャリアカ ウンセリング(就職相談)や就職活動に関する知識やスキルを提供するセミナー等を実施し、 職業観の育成から就職までを一貫して支援する。 ④地域巡回密着型の合同企業説明会・面接会等を開催し、地域雇用の掘り起こしや、マッチン グを促進し、求人側・求職者双方にきめ細やかな支援を行う。 (4) 各種支援措置の周知徹底 地域雇用開発を促進するために講じられる各種支援措置について、事業主や求職者に対し周 知徹底を図るため、国や関係機関と連携を図り、ホームページでの掲載やパンフレットの配布、 広報誌を活用した広報・啓発活動を行うとともに、国や県等の公的団体が実施している雇用支 援制度の情報を一元化して巡回相談を開催するなど、当該措置の積極的な活用に努めていく。 (5) 地域雇用開発の効果的な推進 地域雇用開発を効果的に推進していくためには、国・市町村・経済団体・労働団体等の関係 者が共通認識を形成することが重要であることから、これら関係者で構成される沖縄県産業・ 雇用拡大県民運動推進本部会議等の活用に努め、意思疎通を図りながら、その意向が反映され るように配慮する。 2 雇用開発に資する県の取組 「沖縄21世紀ビジョン基本計画」や沖縄振興特別措置法に基づき、雇用対策と多様な人 材の確保及び地域産業の振興を図ることによる、雇用機会の創出、拡大を促進する。また、 沖縄労働局と雇用対策協定を締結し、求職者や事業主のニーズに沿った総合的な雇用施策の 展開を図る。 ① 求職者・事業主への支援 若年者や中高年、ひとり親世帯等の求職者の様々なニーズに対し、研修・訓練やマッチン グ促進等のメニューを提供し、効果的な支援を行う。 また、事業主に対しては、地域巡回などを行い、最も適した雇用支援制度を案内すると ともに、地域密着型の企業説明会・合同説明会において、求人手続き支援などを行う。 10 ② 若年者の雇用促進 沖縄県キャリアセンター(ジョブカフェ)において、また各高校・大学における専任の就 職支援コーディネーターの配置により、若年者に対するキャリアカウンセリング(就職相談) や就職活動に関する知識やスキルを提供するセミナー等を実施し、職業観の育成から就職ま でを一貫して支援する。 ③ 職業能力の開発 県立職業能力開発校や民間教育訓練機関において、雇用ニーズの高い職業訓練を実施し、 地元企業の事業展開を担う人材の育成・確保に努める。 ④ 働きやすい環境づくりや人材定着への取組 従業員が働きやすさ・働きがいを感じる職場づくりの構築を促し、早期離職を防ぐため、 企業経営者や人事担当者等を対象とした、意識改革のセミナーや、人材育成の手法等を習 得するための養成講座等を実施する。 ⑤ 沖縄県産業・雇用拡大県民運動の推進 雇用情勢を全国並みに改善するため、行政による産業・雇用の拡大につながる施策実施 と併せて、県民各層の関心を喚起し、企業、学校・教育機関、家庭・地域社会、マスメデ ィア、行政機関等各主体がそれぞれの役割のもと具体的な行動を促す県民運動を展開す る。 ⑥ 沖縄振興特別措置法の特別措置等を活用した地域産業の振興 (ア) 情報通信産業振興地域制度の税制優遇措置や通信コスト低減化支援策等の活用を促進す ることなどにより、情報通信関連産業の集積・高度化を図る。 (イ) 産業高度化・事業革新促進地域制度を活用して製品の開発力や技術の向上及び地域資源 の活用による新事業の創出等を図る企業を支援するとともに、産業高度化または事業革 新に取り組む企業の立地を促進し、地域産業の更なる振興を図る。 (ウ)観光地形成促進地域制度を活用し、観光関連施設等の整備を促進する。 ⑦ 農林水産業の振興と地域を支える担い手の育成・確保 主要品目であるパインアップル、オクラ、熱帯性花き等の拠点産地の育成に重点的に取り 組む。 さとうきびは、農家経済はもとより地域経済を支え、製糖を通して雇用機会を創出する基 幹作物として持続的な振興を図る。 畜産については、肉用牛経営が盛んな地域であり、関連産業の雇用機会を創出するため、更な る振興を図る。 また、リュウキュウマツ等の計画的な生産及び収穫伐採により、生産拡大に努める。 新規就業者や他産業からの離職就業者への就業相談等支援対策の強化や、農林漁業の技 術取得の促進、耕作放棄地の解消などにより新たな雇用の場を創出し、担い手の育成・確保 に努める。さらに、農林漁業経営に積極的に参画する女性農林漁業者及び起業者を育成し、 11 農山漁村の男女共同参画社会づくりを促進する。 観光・リゾート産業等と連携したグリーン・ツーリズム、森林ツーリズム等や地域資源 を活用した6次産業化を推進するなど、日本最南端の優れた自然を生かした農林水産業の振 興を図る。 Ⅴ 地域雇用開発計画期間 本計画の計画期間は、平成28年10月1日から平成31年9月30日までとする。 12
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